4月13日の誕生花「イチゴ」

「イチゴ」

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🍓 イチゴの花:基本情報

開花時期:春〜初夏(3月~6月頃)
学名Fragaria × ananassa(代表的な栽培品種の場合)
分類:バラ科(Rosaceae)・イチゴ属(Fragaria)
原産地:北アメリカや南アメリカ、ヨーロッパの一部地域

イチゴについて

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🌼 特徴

  • 花の色:一般的には白色(品種によっては淡いピンク色もあり)
  • 花の形:5枚の花弁を持ち、バラ科らしいシンプルで可憐な形
  • 花の大きさ:直径1~2cm程度の小さな花
  • 受粉と実:花が咲いた後、受粉すると果実(私たちが食べる部分)が成長する。イチゴの果実は実際には「偽果」と呼ばれ、赤く膨らむ部分は花托(かたく)と呼ばれる部分。

花言葉:「幸福な家庭」

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1. たくさんの実がなる=豊かさと家族の象徴

イチゴは一つの株からたくさんの実をつける植物です。この「実りの多さ」や「小さな実が寄り集まっている様子」は、家族が仲良く集まって暮らしているようなイメージを連想させます。
→ そこから、「豊かな暮らし」や「家庭の温かさ」=「幸福な家庭」と結びつけられました。


2. 甘くやさしい香りや味=家庭的な愛情

イチゴの実は甘くて香りも良く、子どもから大人まで愛される果物です。この「誰からも好かれる、優しい甘さ」は、家族の愛情や思いやりを象徴しています。
→ それが「家庭の幸せ」「思いやりのある暮らし」と結びついたと考えられています。


3. ヨーロッパの文化的背景

ヨーロッパではイチゴは愛と豊穣のシンボルとされることが多く、家庭菜園でもよく育てられる身近な植物です。特に農村部では、「家族で育て、収穫し、食卓を囲む」文化が根付いていて、それが家庭の団らん=幸福のイメージにつながっています。


4. 見た目の可愛らしさ=平和で温かな生活

白くて小さな可憐な花と、真っ赤な実のコントラストが美しいイチゴは、どこか穏やかで安心できる暮らしの象徴とも見なされています。


💬 まとめ

イチゴの花が持つ「幸福な家庭」という花言葉は、

平和で温かなイメージ
など、視覚・嗅覚・文化的背景が重なって生まれた言葉なんですね。

実の豊かさ

甘く優しい香り

家庭での栽培の親しみやすさ


「イチゴ畑の約束」

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春の陽射しがやわらかく地面を照らし始めた頃、遥の祖母が大切に育てていたイチゴ畑は、白い小さな花を咲かせ始めていた。

その畑は、家の裏の小高い丘の上にあった。風が抜けるたびにイチゴの葉がそよぎ、微かな甘い香りが漂ってくる。遥は小さい頃からこの畑で遊び、土を掘り、祖母と一緒に苗を植えた。春になると、花のひとつひとつが、まるで家族のように集まり寄り添っているように見えて、不思議と心が温かくなった。

「イチゴってね、家族と似てるのよ」
祖母はよくそう言っていた。

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「一つの株から、何個も実がなるでしょ。その実が、小さくても赤くて丸くて、みんなでくっついて育っていくの。まるで家族が寄り添って生きているみたいにね。だから、この花の花言葉は“幸福な家庭”なのよ」

幼い遥は、その言葉の意味をよく理解してはいなかった。ただ、祖母の笑顔がいつも温かくて、イチゴの実を摘んで一緒に笑い合った時間が、何よりも幸せだった。

――けれど、祖母は去年の冬に静かに旅立った。

葬儀のあと、しばらくイチゴ畑には誰も足を踏み入れなかった。枯れかけた葉、倒れた支柱、乾いた土。その光景に、遥は胸が詰まり、畑に背を向けていた。

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それでも、春になったある日、ふと畑を見に行ってみると、小さな白い花がいくつも咲いていた。

「……咲いてる」

誰も世話をしていないはずなのに、イチゴたちは冬を越えて花をつけていた。枯れたと思っていた株の根は生きていて、静かに春を待っていたのだ。

遥はしゃがみ込んで、小さな花を一つずつ撫でるように見つめた。

「おばあちゃん……」

その夜、遥は久しぶりに母と食卓を囲んだ。話題は自然と、祖母のこと、イチゴのこと、そして小さかった頃の思い出へと移った。

「おばあちゃん、ずっと言ってたよね。イチゴみたいに、家族で寄り添って生きていくのが幸せなんだって」

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「そうね。あの畑は、おばあちゃんにとって“家庭の象徴”だったのよ」

それを聞いて、遥は次の日から少しずつ畑の手入れを始めた。草を抜き、土を耕し、水をやり、支柱を立て直した。するとイチゴたちは、まるでそれに応えるかのように、次々と花を咲かせ、やがて赤い実をつけ始めた。

初収穫の日、遥は家族みんなを呼んで、畑のそばでささやかな食事をした。手作りのイチゴジャム、サンドイッチ、そして真っ赤に実ったイチゴ。

「やっぱり、おばあちゃんの言葉、ほんとだね」

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笑い合う家族の姿に、遥はようやく気づいた。祖母が遺してくれたのは、イチゴだけじゃなかった。「寄り添う気持ち」「思い出をつなぐ時間」「家族というぬくもり」だったのだ。

その夜、遥は祖母の古い日記を見つけた。ページの端に、こう書かれていた。

「実り多き人生は、そばにいる人たちと育てるもの。イチゴのように、小さくても甘くて、寄り添いながら咲くものです。」

遥は静かに微笑んだ。

イチゴ畑は今日も、白い花を揺らしている。
それはきっと、遠くにいる祖母からの、変わらぬ「約束」だった。

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