7月18日の誕生花「マリーゴールド」

「マリーゴールド」

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基本情報

  • 学名Tagetes
  • 科名:キク科
  • 属名:マンジュギク属(タゲテス属)
  • 原産地:メキシコ・中央アメリカ
  • 開花時期:4月〜12月(長期間咲く)
  • 花色:黄色、橙色、赤褐色、混色など
  • 草丈:20〜100cm(種類による)

マリーゴールドについて

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特徴

  • 一年草で育てやすく、園芸初心者にも人気。
  • 鮮やかな色彩と、丸くふっくらとした花形が印象的。
  • 花壇やプランター、寄せ植えなどで広く利用される。
  • 独特の香りを持つ(特にフレンチ・マリーゴールド)。
  • 虫除け効果があることから「コンパニオンプランツ」としても知られる。
    • 根から分泌される物質が、害虫やセンチュウ(寄生性線虫)を抑制する。

花言葉:「変わらぬ愛」

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マリーゴールドには複数の花言葉がありますが、**「変わらぬ愛」**はその中でも特に心に残るもののひとつです。

この言葉の由来には、以下のような理由が考えられます:

1. 長く咲き続ける性質

  • マリーゴールドは春から秋まで非常に長い期間、絶えず花を咲かせる植物です。
  • その「咲き続ける姿」が、変わらぬ気持ち・愛情を象徴するとされます。

2. 鮮やかな花色が色あせにくい

  • 太陽のように明るい橙色や黄色の花は、時間が経っても色褪せない印象を与えます。
  • これが「色褪せぬ愛」「いつまでも変わらない思い」を象徴するものとされました。

3. 守り続ける強さと愛情

  • 害虫を遠ざける働きを持つことから、「大切な人を守る」というイメージとも結びつきます。
  • こうした守護的な性質が「深く、変わらぬ愛情」と解釈されることもあります。

「マリーゴールドの手紙」

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山のふもとの町で暮らす祖母の庭には、毎年春になるとマリーゴールドが咲く。橙色の光を宿したその花は、夏の暑さにも負けず、秋の風にも揺れながら、いつまでもそこに咲き続けていた。

 その花が好きだったのは、祖父だった。

 私が小学三年の夏、祖父は病で床に伏せていた。もう長くはないと、医師に告げられた日、祖母は何も言わずに庭のマリーゴールドを一輪摘んで、枕元のコップにそっと挿した。

 「変わらないのよ、この子。どんなに暑くても、どんなに風に吹かれても、ちゃんと咲くの」

 祖母はそう言って微笑んだ。祖父は目を閉じたまま、うっすらと頷いた気がした。

 祖父が亡くなった翌日、祖母は私にマリーゴールドの種をくれた。

 「この花にはね、『変わらぬ愛』って花言葉があるのよ。咲き続けること、守り続けること――それが、愛なの」

 その時はよく分からなかった。ただ、祖母の手からこぼれ落ちそうなほど小さな種を、大切にポケットへしまった。

 それから十年以上の月日が経ち、私は都会で一人暮らしを始めた。仕事に追われ、恋人とのすれ違いに疲れ、気づけば笑うことさえ減っていた。そんなある日、祖母が倒れたと連絡が入った。

 急いで駆けつけた病室。祖母は目を閉じて眠っていた。痩せたその顔には、あの日と同じ優しさが残っていて、私は胸の奥がじんと熱くなるのを感じた。

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 ベッドの傍らに、古びた封筒が置かれていた。私の名前が、祖母の筆跡で書かれている。

 「もし私が目を覚まさなかったら、この手紙を読んでください」

 そう書かれていた。手紙の中には、淡い色の便箋と、乾いたマリーゴールドの押し花が挟まれていた。

 あの年、あなたがポケットにしまった種、今でも覚えていますか?
 あれは、私とおじいちゃんからの贈り物です。
 変わらぬ愛とは、派手な言葉じゃなく、ただそこに咲き続けること。
 風に吹かれても、季節が変わっても、誰かのために静かに咲く――それが愛なのです。
 いつかあなたが、迷って、立ち止まりそうになったら、この花を思い出してください。

 私は、涙をこぼしながら微笑んだ。

 祖母は目を覚まさなかった。でも、その言葉と花は、確かに私の中で生きている。

 数ヶ月後、私は都会を離れて、祖母の家に戻った。あの庭に、もう一度マリーゴールドを咲かせたかった。

 種をまき、水をやり、季節が巡る。

 そして今日、庭の真ん中に、橙色の光がふわりと咲いた。

 風に揺れるその姿は、まるで誰かが笑っているようだった。

 私はその花に、そっと語りかける。

 「ただ、ここに咲き続けてくれて、ありがとう」

5月23日の誕生花「ゴデチア」

「ゴデチア」

基本情報

  • 学名Godetia
  • 分類:アカバナ科(Onagraceae)クラーキア属(Clarkia)
  • 原産地:北アメリカ西部(カリフォルニア州など)
  • 草丈:20〜60cm程度
  • 開花時期:5月~6月
  • 花色:ピンク、赤、白、紫など
  • 別名:サテンフラワー、フェアウェル・トゥ・スプリング(春への別れ)

ゴデチアについて

特徴

  • 花の形と質感:サテン(絹)を思わせる光沢のある花びらが特徴的。大輪で紙のように薄く繊細な花を咲かせます。
  • 育てやすさ:日当たりと風通しのよい場所を好み、水はけの良い土壌で育てると元気に育ちます。
  • 用途:花壇、鉢植え、切り花など幅広く活用される。
  • 耐寒性・耐暑性:比較的寒さに強いが、真夏の高温多湿にはやや弱い。

花言葉:「変わらぬ愛」

デチアの花言葉の一つに「変わらぬ愛(Unchanging Love)」があります。この花言葉の由来には以下のような背景があります:

  1. 花の性質に由来:ゴデチアは比較的長い期間にわたって美しい花を咲かせることから、長く続く愛情や一途な想いを象徴するとされます。
  2. 花の見た目からのイメージ:サテンのような光沢と柔らかい質感は、恋人への優しい想い、変わらない愛情を想起させます。
  3. 英語圏での名前の影響:「Farewell to Spring(春への別れ)」という別名も、別れの切なさとともに残る愛情を連想させ、「変わらぬ想い」に通じる解釈がなされることもあります。

他の代表的な花言葉

  • 希望
  • 気まぐれな愛
  • 喜び

※花言葉は地域や文化によって解釈が異なることがあります。


「春の名残に誓う」

陽光が差し込む丘の上、小さなゴデチアの花が風に揺れていた。

花の海に立ち尽くしていた遥は、手の中の手紙をもう一度読み返した。それは五年前、戦地へ向かった恋人・奏(かなで)から届いた最後の手紙だった。日付はちょうど今の季節、春の終わりを告げるころ。手紙の隅に押し花のように添えられていた、あの絹のような花弁――ゴデチア。奏がよく言っていた。

「ゴデチアって、“春への別れ”っていうんだよ。でも、別れは終わりじゃない。僕は君に、また春を届けに戻ってくる」

彼の言葉を、遥はずっと信じていた。たとえそれが世間から「愚か」と言われようとも、彼女の心の中には変わらぬ温もりがあった。何度も手紙を読み返し、季節が巡るたびにこの丘に足を運んだ。

あの日も今日のように風が強くて、空はよく晴れていた。奏が出発する朝、「また会えるよ」と笑っていた顔が焼き付いている。戻らない現実を受け入れたはずなのに、どうしても心のどこかで、あの笑顔がまた見られる気がしてならなかった。

丘の下、舗装された細道に一人の青年が立っていた。スーツのポケットから何かを取り出しながら、彼女を見上げていた。視線が合う。遥は不思議と心が揺れた。どこか面影がある――目元の奥、声の響き、佇まい。

「遥さんですか?」

青年が近づいてきた。彼の手には、一冊の古い日記帳。

「僕は奏の弟です。兄が戦地で最期まで守っていたノートを、ようやくお渡しできる時が来ました」

遥は言葉を失った。ページをめくると、奏の筆跡が躍っていた。

《遥へ――
春がまた来たら、君とこの花を見に行く約束を守るつもりだった。もし僕が戻れなかったとしても、このゴデチアの咲く丘で、僕の心は君のそばにいる》

ページの間から、色あせたゴデチアの押し花がひらりと落ちた。

遥の頬に一筋の涙が流れたが、その目に浮かぶのは悲しみではなかった。手帳を胸に抱き、彼女は丘の花の中に腰を下ろした。

「奏、約束通り、あなたに会いに来たわ」

花は風に揺れながらも、その姿を変えない。どんなに季節が過ぎても、咲き誇る美しさと優しさは、愛の証のようにそこにあった。

春への別れは、終わりではない。ゴデチアの花が教えてくれた。

それは、変わらぬ愛の証。