「カスミソウ」
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カスミソウ(霞草)は、繊細でふんわりとした小さな白やピンクの花を咲かせる植物で、ブーケやフラワーアレンジメントによく使われます。英名では「Baby’s Breath」と呼ばれ、可憐でやさしい雰囲気が特徴です。
カスミソウについて
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科名:ナデシコ科 / カスミソウ属
原産地:ヨーロッパ、アジア、西アフリカなど
見た目の特徴
- 花の大きさ:直径5~10mm程度の小花
- 花の色:白が一般的ですが、ピンクの品種もあり
- 茎と葉:細く枝分かれし、軽やかで繊細な印象
- 草丈:20cm~1m程度(品種による)
生育環境と育て方
- 日当たり:日当たりと風通しの良い場所を好む
- 土壌:水はけの良い土が適している
- 開花時期:5月~7月頃
- 耐寒性・耐暑性:比較的強いが、高温多湿は苦手
カスミソウの魅力
✅ フラワーアレンジメントに欠かせない
カスミソウは、花束やアレンジメントで他の花を引き立てる「名脇役」として使われることが多いですが、最近ではカスミソウだけを束ねた「カスミソウブーケ」も人気です。
✅ ドライフラワーにも適している
乾燥させても美しさを保ちやすいため、スワッグやリース、ハーバリウムなどのドライフラワーとしても活躍します。
✅ 花言葉も素敵
「夢見心地」「幸福」「感謝」などのポジティブな意味を持つため、贈り物にもぴったり。特に結婚式では、新婦の純粋さや幸せを表す花として人気があります。
花言葉:「夢見心地」
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この花言葉は、カスミソウのふんわりとした見た目がまるで夢の中にいるような幻想的な雰囲気を持っていることからつけられたと考えられます。
その他の花言葉には以下のようなものがあります:
- 清らかな心
- 幸福
- 感謝
- 無邪気
特に「幸福」や「感謝」といった意味があるため、結婚式のブーケやプレゼントにもよく使われる花です。優しく包み込むような印象があるため、大切な人への贈り物にもぴったりですね。
「夢見心地のカスミソウ」
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澄み切った青空の下、小さな花屋「フルール・ド・ボヌール」の扉が静かに開いた。
「いらっしゃいませ」
店主の奈央は、ふわりとしたエプロンを整えながら振り向いた。そこには、ひとりの青年が立っていた。背の高い彼は、少しぎこちない様子で店内を見渡している。
「……カスミソウをください」
その一言に、奈央は少し驚いた。カスミソウだけを買いに来る男性は珍しい。
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「どなたかに贈り物ですか?」
青年は少し迷ったような表情を浮かべたが、やがて小さくうなずいた。
「ええ。大切な人に」
奈央は微笑みながら、カスミソウを優しく束ねた。真っ白な小さな花々が、まるで夢の中にいるようにふんわりと揺れている。
「カスミソウの花言葉、ご存じですか?」
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青年は少し考え、「幸福……でしたっけ?」と答えた。
「はい、それと『感謝』もあります。どちらも素敵な意味ですよね」
青年はどこか遠くを見つめるような眼差しになり、静かに言った。
「彼女、カスミソウが好きだったんです」
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奈央の手が一瞬止まった。
「……だった?」
青年はかすかに微笑んだが、その笑顔はどこか切ない。
「去年、事故で……」
言葉の続きを聞く前に、奈央はそっと花束のリボンを結んだ。優しい気持ちが届くようにと願いながら。
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「きっと喜びますよ」
青年は静かに花束を受け取った。
「……ありがとう」
そう言って、彼は店を出て行った。
澄んだ風が店内に吹き込む。カスミソウの白い花がふわりと揺れた。まるで、彼の想いを乗せているかのように──。