12月13日はビタミンの日です
1910年の12月13日、農芸化学者である鈴木梅太郎(1874~1943年)氏が、米糠(こめぬか)から抽出した脚気(かっけ)を予防できる成分「オリザニン」(ビタミンB1)と命名したことを東京化学会で発表しました。そして、制定委員会が2000年の9月に12月13日を「ビタミンの日」として制定しています。
オリザニン(ビタミンB1)
鈴木梅太郎氏は、ドイツのベルリン大学で約2年間、タンパク質やアミノ酸についての研究していました。帰国時に、ベルリン大学の教授から「アジアにしかないものを研究しなさい」とアドバイスを受けたといいます。そのことから梅太郎氏は、日本の特産品であり主食である米の研究をすることに決めたそうです。そして帰国後は、さっそく米の研究を始めた梅太郎氏はオリザニン(ビタミンB1)を発見し、歴史にその名を残すことになりました。
脚気(かっけ)とは?
脚気とは、ビタミンB1の不足により起こる病気であり、その症状は「手足がしびれ」や体がだるくなったりします。この症状が悪化すると死に至ることもあります。脚気の原因は食生活にあるといわれています。江戸時代から人々は、米ぬかを取り除いた白米を食べるようになり、その米ぬかに含まれるビタミンB1が不足してしまったのが、脚気になった原因といわれています。そして、梅太郎氏がビタミン発見したことで、これまで日本人を苦しめてきた脚気から解放されたといいます。
ビタミンは、鈴木梅太郎が先!?
鈴木梅太郎は、米の研究中に米ぬかに含まれる新しい栄養 成分を取りだすことに成功しています。これの成分を「オリザニン」と命名し、未知の栄養素として1910 年に発表しました。ところが翌年、ポーランドの化学者である「フンク」が、同じ栄養成分を発見して「ビタミン」と名づけて発表しました。そして、何故かこちらのネーミングが有名になったのです。今のビタミンという名前を親こそフンクですが、鈴木梅太郎こそ世界初の発見者として、実績を挙げたのも事実ではないでしょうか。
ワクチンや薬の開発者が誰であっても感謝すべきこと
人間は、ずっと昔から、色々な手ごわい感染症と戦ってきました。ざっと挙げるだけでも「天然痘」「ペスト」「新型インフルエンザ」「新興感染症」など様々あります。その中でも「天然痘」は、人類が根絶した唯一の感染症といわれていますが、まだまだ死に至るような危険な感染病は未だに世界でパンデミックを起こし、人々を脅かしています。そしてまさに2020年の現在、新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に蔓延して感染者、さらには死者も増加して、経済を衰退させています。世界各国でワクチンや特効薬が急ピッチで開発向けて頑張っていただいています。その結果その開発者がどんな人でも、どんな副反応があっても、自分にはできないことなので感謝したい。