4月22日の誕生花「カリフォルニアポピー」

「カリフォルニアポピー」

ElstefによるPixabayからの画像

🌼 カリフォルニアポピーの基本情報

  • 和名:花菱草(ハナビシソウ)
  • 学名Eschscholzia californica
  • 科名:ケシ科
  • 属名:ハナビシソウ属
  • 原産地:アメリカ・カリフォルニア州周辺
  • 開花時期:春~初夏(5月~7月頃)
  • 草丈:20~60cm程度
  • 花色:オレンジ、黄色、クリーム色など

カリフォルニアポピーについて

🌿 特徴

  • 耐暑性・耐乾性が高く、育てやすい:乾燥地でもよく育ち、ガーデニング初心者にも人気。
  • 日光が好き:晴れた日には花が開き、曇りや夜には閉じる性質があります。
  • 葉は細かく繊細:羽のような細かい切れ込みのある葉が特徴的。
  • こぼれ種で増える:自然に種を落とし、毎年咲いてくれることもあります。

花言葉:「私を拒絶しないで」

この花言葉は、カリフォルニアポピーの儚く閉じたり開いたりする様子に由来しており、相手に自分の気持ちをそっと伝えるような、控えめな愛の表現です。

その他の花言葉

  • 「希望」
  • 「慰め」
  • 「眠り」

「風に咲く日」

春の終わり、風の強い午後だった。駅前のフラワーショップで、小さな鉢に咲いたオレンジの花を見つけた。

「カリフォルニアポピー……」

花の名を口にしたとき、茜はふいに高校時代のある記憶に引き戻された。

教室の窓際の席で、風に揺れる髪をかき上げながら、彼はいつも外を見ていた。

「なんでそんなに遠くばかり見てるの?」

ある日、思い切ってそう聞いた。彼――柊(しゅう)は、少し驚いたようにこちらを見たあと、笑った。

「遠くを見てるんじゃない。今ここにいるのが怖いだけ。」

その言葉が、ずっと胸に引っかかっていた。

放課後の帰り道。夕暮れの並木道を歩きながら、茜は彼に思いを伝えたことがあった。

「……私、柊のこと、好きだと思う。」

沈黙。春風に髪が揺れ、彼は目を伏せたまま言った。

「ごめん。今、誰かを好きになる資格なんて、俺にはない気がするんだ。」

優しい拒絶。それでも、彼は最後にこう言った。

「でも、ありがとう。茜のこと、忘れない。」

それから十年。大学、就職、転勤――時間はどんどん過ぎていった。恋もいくつかあった。でも、ふとした瞬間に浮かぶのは、あの日の春風と、彼の横顔だった。

花屋の店先で見たカリフォルニアポピー。その花言葉は、「私を拒絶しないで」。

あの日の自分の気持ちと、彼の迷いが、まるでこの花の開いたり閉じたりする姿のように思えた。

「これ、ひとつください。」

茜は小さな鉢を両手で包むように持って、マンションへ戻った。窓辺に置いて、水をあげながらふと思う。

あれから彼は、どうしているだろう。

そして次の週末。ふとした偶然で、高校の同窓会の案内が届いた。

その日、彼はそこにいた。髪は少し短くなっていたけど、風に揺れるような雰囲気は変わっていなかった。

「あのとき、ちゃんと伝えられなかったけど……」

彼は、視線を逸らしながら言った。

「俺も、茜のこと、好きだった。でも、自分のことでいっぱいいっぱいで……」

「うん。わかってたよ。でも、こうしてまた会えた。」

茜は微笑む。彼の瞳に、ほっとしたような光が差す。

帰り道、茜はスマホのメモにこう書き残した。

「風に咲く花のように、誰かの想いは、時を越えてまた開くことがある。」

カリフォルニアポピーの花が、ゆっくりと夕日に照らされながら咲いている――
まるで「私を拒絶しないで」という言葉が、やっと誰かに届いたように。

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