3月2日の誕生花「オキザリス」

「オキザリス」

オキザリス(Oxalis)は、カタバミ科の植物で、可愛らしい花と三つ葉のような葉が特徴です。種類が豊富で、ピンク、黄色、白など色とりどりの花を咲かせます。

オキザリスについて

科名:カタバミ科 / カタバミ属(オキザリス属)
原産地:南アフリカと中・南アメリカ

植物の概要

カタバミ科カタバミ属の植物で、世界中に約800種が存在。

和名では「カタバミ」とも呼ばれる。

葉の特徴

クローバーに似た三つ葉や四つ葉の形が多い。

日光に反応して開閉する性質(就眠運動)がある。

花の特徴

  • 小さく可愛らしい花を咲かせ、ピンク、黄色、白、紫など多彩な色がある。
  • 春や秋に開花する種類が多いが、種類によっては冬咲きのものもある。

生育環境と育て方

  • 日当たりと水はけの良い場所を好む。
  • 球根や種で簡単に増え、繁殖力が強い。
  • 乾燥には比較的強いが、過湿は苦手。

その他の特徴

  • 「幸運のシンボル」として親しまれる。
  • 一部の種は食用や薬用として利用されることもある。
  • 繁殖力が強く、庭に植えると自然に広がることがある。

オキザリスは見た目が可愛らしく、育てやすい植物なので、ガーデニング初心者にもおすすめです。


花言葉:「決してあなたを捨てません」

この花言葉は、オキザリスが繁殖力が強く、環境の変化にも適応しながら長く咲き続けることに由来すると言われています。どんな状況でも寄り添う誠実さや愛情の象徴として、大切な人への贈り物にもぴったりです。


「寄り添う花」

都会の片隅にある小さなアパート。その一室で、ゆりは窓辺に置かれたオキザリスの鉢植えを優しく撫でながら、外の景色を眺めていた。オキザリスの花は、彼女が大切にしているものの一つだった。その花は、どんな環境でも力強く咲き続け、ゆりの心を支えてくれていた。

ゆりは幼い頃から両親を亡くし、孤児院で育った。彼女は常に孤独を感じていたが、ある日、庭でオキザリスの花を見つけた。その花は、他の植物が育たないような場所でも、しっかりと根を張り、小さな花を咲かせていた。ゆりはその姿に心を打たれ、自分もあの花のように強くなりたいと思った。

大人になったゆりは、都会で一人暮らしを始めた。彼女は仕事に追われる日々の中で、時折訪れる孤独感に押し潰されそうになることもあった。しかし、窓辺のオキザリスは、彼女がどんなに疲れていても、変わらずに咲き続けてくれた。その花を見るたびに、ゆりは自分も頑張ろうと思えた。

ある日、ゆりは職場で健太という男性と出会った。健太は明るく、誰にでも優しい人だった。彼はゆりのことを気にかけ、時折ランチに誘ってくれた。ゆりは最初、健太の優しさに戸惑いを感じたが、次第に彼との時間が楽しくなっていった。

しかし、ゆりは自分の過去を話すことができなかった。彼女は自分が孤児院で育ったことを隠し、健太との距離を縮めることができずにいた。そんなある日、健太がゆりのアパートを訪ねてきた。

「ゆりさん、今日はちょっと用事があって近くまで来たから、寄ってみたんだ」

ゆりは驚きながらも、健太を部屋に招き入れた。彼は窓辺のオキザリスに目を留め、微笑んだ。

「きれいな花だね。ゆりさん、この花が好きなの?」

ゆりはうなずき、オキザリスの花言葉を話し始めた。

「この花は、どんな環境でも咲き続けるの。それで、誠実さや愛情の象徴だって言われているんだよ」

健太はゆりの言葉を真剣に聞き、彼女の目を見つめた。

「ゆりさん、君もこの花みたいだね。どんな状況でも、しっかりと自分を保っている。僕はそんな君が好きだ」

ゆりは健太の言葉に胸が熱くなった。彼女は初めて、自分の過去を話す決心をした。

「実は、私は孤児院で育ったの。だから、人に頼ることが苦手で…」

健太はゆりの手を優しく握り、微笑んだ。

「僕は君の過去なんて気にしないよ。大切なのは、今の君だ。これからも、君を支えていきたい」

ゆりは涙をこらえきれず、健太の胸に顔を埋めた。彼女は初めて、誰かに心から寄り添ってもらえる喜びを感じた。

それから、ゆりと健太は一緒に過ごす時間を増やしていった。ゆりは健太との関係の中で、少しずつ自分を開放していくことができた。彼女はオキザリスの花のように、どんな状況でも寄り添い続ける健太の存在に感謝していた。

ある春の日、ゆりは健太にオキザリスの鉢植えをプレゼントした。

「健太さん、これからもずっと一緒にいてね。この花みたいに、どんなことがあっても寄り添い続けてほしい」

健太はゆりの言葉に深くうなずき、彼女を優しく抱きしめた。

「もちろん。僕はこれからも、君を支え続けるよ」

オキザリスの花は、二人の愛情を象徴するように、窓辺で力強く咲き続けていた。ゆりはその花を見ながら、これからも健太と共に歩んでいけることを心から願った。