1月23日の誕生花「セツブンソウ」

「セツブンソウ」

節分草(セツブンソウ)は、キンポウゲ科セツブンソウ属に属する多年草。原産地は日本で本州の関東地方以西に分布し、石灰岩地帯の落葉樹林帯の斜面などに自生しています。名前の由来は、開花時期が節分の頃(2月上旬から中旬)であることからきています。

セツブンソウについて

科名:キンポウゲ科 / セツブンソウ属
原産地:日本、本州の関東地方以西に分布
特徴:
1.花の外見
白い花びらに見える部分は実際には萼片(がくへん)で、中心には黄色の蜜腺と紫色の雄しべが集まり、美しいコントラストを生み出しています。

2.生育地
日当たりが良く、落葉広葉樹林の林床など、比較的湿度の高い場所を好みます。

3.開花時期
冬から春にかけて、雪解け後すぐに花を咲かせます。

花言葉: 光輝

セツブンソウの花言葉は「光輝」。
この花言葉は、寒さ厳しい冬の終わりに凛と咲くその姿が、希望や輝きを象徴しているからとされています。冬の冷たさの中で春の訪れを知らせる花として、多くの人に愛されています。


「光輝」

雪深い山村の小さな集落に住む少年、蓮(れん)は、厳しい冬の寒さに閉ざされた日々を送っていた。白銀の世界が広がる中、村人たちは春の訪れを待ちながら黙々と日々の暮らしを支えていた。

蓮は幼い頃から体が弱く、冬になると外で遊ぶことができなかった。薄暗い囲炉裏のそばで祖母の話を聞くのが彼の楽しみだった。祖母はよく語っていた。

“蓮、この山には春が来ると、セツブンソウが咲くんだよ。それはとても小さな白い花だけど、雪が溶ける前に凛として咲く。その花を見ると、春がもうすぐそこまで来ていると分かるんだ。”

ある日、祖母が静かに息を引き取った。その冬は例年よりも寒さが厳しく、蓮は深い悲しみの中で春を迎える気力を失っていた。だが、祖母の遺した言葉が心に響き、彼はセツブンソウを探しに行くことを決意した。

雪が少しずつ溶け始めたある朝、蓮は厚手の上着を羽織り、小さな村の外れの山道を進んだ。祖母が言っていた場所を頼りに、冷たい風を受けながら歩き続けた。そして、ついに彼の目に飛び込んできたのは、雪の間から顔を覗かせる一輪のセツブンソウだった。

その花は、まるで祖母の微笑みのように輝いていた。蓮はその場に膝をつき、花をじっと見つめた。冷たい空気の中に、不思議と暖かさを感じた。

“ありがとう…” 彼は小さな声でつぶやいた。

セツブンソウは、冬の終わりに咲く希望の象徴だった。祖母が語った通り、その小さな花は厳しい寒さの中で光輝いていた。蓮の心にぽっと灯る何かがあった。それは、祖母が残した愛と、これからの季節を生きる勇気だった。

家に帰ると、蓮はその出来事を家族に話した。村人たちもその話を聞き、冬の間ずっと忘れていた春への期待を思い出した。

翌年の春、蓮は以前よりも元気な姿で外を駆け回っていた。そして彼は毎年、セツブンソウが咲く頃になると、祖母との約束を思い出し、山にその花を見に行くようになった。

セツブンソウの花言葉は「光輝」。
その言葉の通り、花は冬の終わりに蓮と村人たちの心を輝かせ続けた。

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