6月30日はトランジスタの日です
1948年6月30日、アメリカのAT&Tベル研究所「ウィリアム・ショックレー」「ジョン・バーディーン」「ウォルター・ブラッテン」の3人が『トランジスタ』を開発し、エレクトロ時代の幕開けとなるこの日が公開日でした。トランジスタは信号を増幅し、回路をオンとオフといったように電気の流れをコントロールする部品です。半導体の組み合わせにより、あらゆる特性を持つことができ、今や電子回路に欠かせない部品となっています。
トランジスタの内部構造
トランジスタは、電化製品の変革に大きな影響を与えました。そのトランジスタの内部構造は、+の性質を持つP型半導体と、-の性質を持つN型半導体を貼り合わせたものです。その合わせ方は同じトランジスタでもそれぞれ異なり、その順番によってはNPN型やPNP型という呼び名になって特性もそれぞれ異なります。
トランジスタの電極
また、半導体のトランジスタからは電極があり、それぞれの端子は(E)「エミッタ」、(C)「コレクタ」、(B)「ベース」と3種類の端子に分かれます。それぞれの端子の見分け方は、平らな面を手前にすると、左側が(E)のエミッタで、真ん中が(C)コレクタ、そして右側が(B)のベースとなります。それぞれの電極に電流を流したり、止めたりする動作が、電化製品の様々な機能に応用されています。
電気信号の増幅
トランジスタの主な特徴は、弱い電気信号を「増幅作用」で、強い電気信号に変換することです。この働きは製品の構造上、弱い電流をベースに送り込むと、エミッタとコレクタにも電流が合流し、大きな電流になります。その結果、電波が強くなったり音が大きくなったりするということです。
デジタル時計の表示やブザーも鳴らす
また、トランジスタの働きで回路のON/OFF「スイッチング」にも応用できます。この働きは、電気信号の流れを生身の人間では確認できないくらいの速さでON/OFF することも可能です。スイッチONにして、ベースから流れた電流がエミッタに流れ、スイッチOFFにすると、エミッタが遮断されて電流が流れなくなります。これらの工程を制御することで、デジタル時計の表示やブザーを鳴らすといったことも可能となり、高性能な電化製品はもとより、基本的な動作として身近な製品にも応用されています。
トランジスタラジオが基本
若いころ、ものづくりが好きだった父の影響で自宅にあった壊れて使えないカーコンポなどをばらして、トランスやアンプの基盤を組み合わせて、パワーアンプを作ったりしたものです。これも最初は、父が使えなくなった家電機器の基盤からトランジスタやコンデンサを取り出し、はんだで直接つないでイヤホンを付けるとラジオが聞けるということから始まります。
さらにダイオードとトランスを追加すると交流を直流にする「ACDCコンバーター」的なものもできるということなどを教わりました。現在、高性能なPCや家電がたくさんの種類作られていますが、全てはこの万能な部品であるトランジスタが基本のような気がします。