9月15日、10月22日の誕生花「ススキ」

「ススキ」

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基本情報

  • 和名:ススキ(薄・芒)
  • 英名:Japanese silver grass, Pampas grass (広義)
  • 学名Miscanthus sinensis
  • 分類:イネ科ススキ属
  • 分布:中国、朝鮮半島、日本列島、台湾
  • 生育環境:日当たりのよい山野、河川敷、草原など。荒地でも強く育つ。
  • 開花期:9月~10月(斑入り品種の観賞期は5月~11月)
  • 別名:尾花(おばな)—万葉集など古典に登場し、秋の七草のひとつとしても知られる。

ススキについて

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特徴

  • 穂の姿
    秋に出る白銀色の花穂が風に揺れる姿が美しい。特に月夜との相性がよく「お月見」とセットで親しまれている。
  • 繁殖力の強さ
    地下茎を四方に伸ばし、大群落を作る。伐採しても根が残れば再び芽吹く強靭さを持つ。
  • 利用
    古くは屋根材や家畜の飼料、茅葺き、しめ縄や箒などにも使われてきた。
  • 季節感
    秋の代表的な植物であり、和歌や俳句など文学にも多く詠まれる。

花言葉:「活力」

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由来

ススキに「活力」という花言葉が与えられたのは、主にその生命力と群生の力強さに由来します。

古来の人々の生活を支えた草
住居の屋根材や家畜の餌、農耕の道具にも利用され、暮らしの活力を与える存在だったことも背景となっている。

強い繁殖力
地下茎を張り巡らせ、刈られてもすぐに芽を出す姿が「たくましい生命力=活力」を象徴する。

風に揺れても倒れない姿
細い茎でしなやかに風を受け流し、群生しながらも秋の野に堂々と立つ姿が「生き生きとした活力」を感じさせる。


「風に揺れる力」

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晩夏の風が野原を渡り、白銀の穂が一斉に揺れた。少年・湊(みなと)は土手に腰を下ろし、その光景をただ見つめていた。

 家の事情で心が疲れ切っていた。両親の不和、学校での孤立。逃げ出したい思いばかりが胸を占め、足取りはいつも重たかった。そんな彼の目の前で、ススキは風に翻弄されながらも、決して倒れることなく立ち続けていた。

 「……どうして折れないんだろう」

 湊は思わずつぶやいた。細い茎は折れてしまいそうに見えるのに、強風を受けても、しなやかにしなるだけで根はびくともしない。

 そのとき、近くで草刈りをしていた老人が声をかけてきた。
 「ススキはな、刈っても刈ってもまた生えてくるんだ」

 湊が振り返ると、農作業帽をかぶった背の曲がった老人が立っていた。
 「地下に太い根を張ってるから、表を切られてもまた芽を出す。昔は屋根にも敷物にも、家畜の餌にも使った。人の暮らしを支えてきた草なんだよ」

 湊は驚いた。自分にとってススキは、ただ秋の風景にある「雑草」にしか見えなかったからだ。
 「暮らしを支える……」

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 老人は笑った。
 「そう。風に揺れても倒れず、刈られても立ち上がる。あれはまさに“活力”だな」

 その言葉が胸に深く残った。

 翌日も、湊は野原へ足を運んだ。学校で嫌なことがあった日も、家に居場所を感じられない日も、ススキの群生はそこにあった。風に揺れ、陽を浴び、何度でも生き生きと穂を広げていた。

 やがて湊の心の中にも、小さな変化が芽生えていった。
 「倒れても、また立ち上がればいい」

 その思いは、彼の歩みに力を取り戻していった。友人に声をかける勇気、父母に素直な気持ちを伝える勇気。それらは大きな一歩ではなかったが、確かに前へ進むための活力となった。

 秋が深まるころ、野原のススキは黄金色に輝き、風にそよぎながら月明かりを浴びていた。湊はその光景を見上げながら、胸の奥で静かに言葉をつぶやいた。

 「僕も、あのススキみたいに生きたい」

 風に揺れながらも決して折れず、刈られても必ず立ち上がる。
 その姿こそが、彼にとっての「活力」の象徴となった。

オゾン層保護のため国際デー

9月16日はオゾン層保護のための国際デー

9月16日はオゾン層保護のための国際デー

1994年、国連総会にて「9月16日を国際オゾンデーとする」ことが決議されました。これは、国際デーの1つで「国際オゾン層保護デー」。 英語表記は『International Day for the Preservation of the Ozone Layer』。1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択されたこの9月16日です。

オゾン層って何?

オゾン層の図解

オゾンは、酸素原子3個からなる気体で、大気中のオゾンは90%成層圏(約10~50km上空)に含まれ、このオゾンが多い層をオゾン層といいわれています。

オゾン層は人類の要!?

オゾン層は人類の要

成層圏にあるオゾンは、太陽からの有害な紫外線を吸収して地上の生き物をを守っています。さらに、紫外線の吸収によって成層圏の大気を暖める効果があります。そのことにより、地球の気候に大きく関わっているということになります。

薄い層でも有害な紫外線を防ぐ

薄いオゾン層の向こうは宇宙

上空に存在するオゾンを地上に広げて0℃として換算した場合、約3㎜程度の厚さにしかならないそうです。 こんなに薄く、少ない量のオゾンが有害な紫外線を防いでくれているなんて驚きです。

オゾン層を守るためにやれること

フロンガスの使用を抑える

この大切なオゾン層をを守るために、私たち一人一人ができる事は何かを考えてみました。私たちが一般的に使用されているフロンなどの化学物質による、オゾン層の破壊であり、今も続います。そのフロン製品の正しい廃棄、エアコンなどの漏れを防ぐ、またノンフロンの商品を使うなどは私たちでもやれることなので実行していきましょう。


「オゾン層保護のための国際デー」に関するツイート集

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9月14日、30日、10月8日、15日の誕生花「シュウメイギク」

「シュウメイギク」

基本情報

  • 和名:シュウメイギク(秋明菊)
  • 学名Anemone hupehensis ほか(Hybridも含む)
  • 科名:キンポウゲ科
  • 属名:イチリンソウ属(アネモネ属)
  • 原産地:中国、台湾
  • 開花期:8月下旬〜11月頃
  • 花色:白、ピンク、紅紫など
  • 別名:キブネギク(貴船菊)
    • 京都・貴船地方でよく見られることに由来。

シュウメイギクについて

特徴

  1. 秋を彩るアネモネの仲間
    名前に「菊」とありますが、実際はアネモネの仲間。菊との関係はありません。花姿が菊に似ていることからこの名が付きました。
  2. 可憐で気品ある姿
    細長い茎の先に花を咲かせ、風に揺れる姿が優雅。花弁のように見える部分は実は萼片です。
  3. 丈夫で広がりやすい
    地下茎で増える性質が強く、一度根づくと群生しやすい植物。庭では秋の風情を演出する花として親しまれます。
  4. 和の景観に調和
    日本の寺社や庭園でよく見られ、苔むした石や竹林とともに植えられると特に映える。

花言葉:「忍耐」

由来

シュウメイギクに「忍耐」という花言葉が与えられた背景には、次のような点が関係しています。

  1. 秋の終わりまで咲き続ける姿
    夏の暑さが過ぎ、他の花が少なくなる晩秋まで、ひっそりと長く咲き続ける姿は「耐え忍ぶ力」を思わせる。
  2. 細い茎でも風雪に負けない強さ
    繊細に見える茎は意外と強く、風にしなやかに揺れながらも折れずに立つ。その姿が「忍耐心」を象徴。
  3. 厳しい環境でも根づく繁殖力
    半日陰ややせ地でもよく育ち、群生するほどの生命力を持つ。表面の儚さとは裏腹に、根の強さが「耐えて生き抜く」イメージと重なった。

忍耐の花 ―シュウメイギクの庭で―

山あいの小さな寺の庭には、秋になると白や薄紅の花が揺れていた。参道を囲む苔むした石垣の間からすっと茎を伸ばし、風に揺れながらも折れずに立つその花。人々はそれを「秋明菊」と呼んだ。

 寺に仕える若い僧、智真は、毎朝その花に水をやりながら、ふと自分の心を映すように感じていた。

 彼は数年前にこの寺へ入ったが、修行の道は険しかった。座禅では眠気に襲われ、経の朗誦では声が震え、師からは「心が揺れている」と叱責される。自ら選んだ道でありながら、心の奥では何度も「逃げ出したい」と思った。

 ある日の夕暮れ、庭の隅に立ち尽くしていると、師の老僧が近づいてきた。

 「智真、なぜ花を見つめておるのだ」

 彼は正直に打ち明けた。
 「私の心は弱く、修行に耐えられそうにありません。ですが、この花が風に揺れても折れない姿を見ると、なぜか胸が締めつけられるのです」

 老僧は静かに頷き、花を見やった。
 「秋明菊には『忍耐』という花言葉がある。その理由を知っているか」

 智真は首を横に振る。

 「この花は夏が過ぎ、他の花が散ってしまったあとも、晩秋までひっそりと咲き続ける。誰に称えられるでもなく、ただ黙って季節を耐え忍ぶのだ」

 老僧は花の細い茎を指さした。
 「見た目は儚いが、風に吹かれても雪に打たれても折れぬ強さを秘めている。しなやかに揺れるからこそ、倒れずにいられるのだ」

 そして苔の間から顔を出す新芽に目を向けた。
 「さらにこの花は、半日陰でも、やせた土でも根を張り、やがて群れとなる。外からは弱そうに見えても、根は深く強い。それが忍耐の証なのだ」

 智真は目を見開いた。自分が弱いと思っていたこと、迷いを恥じていたこと――それは折れることではなく、まだ揺れながら耐えている証かもしれない。

 その日から彼は、座禅で眠気に襲われても、ただひたすらに呼吸を数え続けた。声が震えても経を唱え続けた。揺れながらも折れない秋明菊のように。

 数年が過ぎ、智真はいつしか人々に頼られる僧となった。秋、庭の花が再び咲き揺れるころ、彼は訪れた旅人にこう語った。

 「この花は、忍耐を教えてくれます。見た目はか弱くとも、根を張り続ければ、必ず生き抜けるのです」

 旅人は深く頷き、しばらく花の群れを眺めていた。

 夕陽が庭を黄金に染める。秋明菊は風に揺れながらも、ひっそりと、けれど確かに咲き続けていた。

ひじきの日

9月15日はひじきの日です

9月15日はひじきの日
ひじきの料理

1984年に三重県ひじき協同組合がこの日に制定しています。昔から「ひじきを食べると長生きをする」と伝えられていて、当時の「敬老の日」9月15日であったことからだそうです。

ひじきの歴史

竪穴式住居跡にひじきが付着していた!?

「ひじき」の歴史は、縄文・弥生時代の遺跡発掘物から「ひじき」らしき海藻が付着していたことで、既にその時代から食されていたと推定されます。日本の河川から得られる水が軟水であるため、カルシウムがあまり含まれおらず、また農作物からカルシウムを摂取するのは困難だったそうです。したがって、日本人は、昔からカルシウムを補うために海藻である「ひじき」を利用していたのだといわれています。

昔から調理法は変わらず

ひじきの煮物

徳川三代将軍家光の時代の料理書「寛永料理物語」では、ひじきを煮たり、和え物に使用されていたようです。そのころから、現代人と同じような調理法で食されていたことがわかります。また、日本での採取方法は一般的に天然のひじきを採りますが、中国や韓国の場合は養殖が主流だそうです。その影響で、輸入品が大半を占めてきて国産のひじきはわずか10%という具合に採取量が年々激減しています。

ひじきを食べると長生きをするのは嘘!?

ひじきの料理2

昔からひじきを食べると長生きをするといわれています。それとは逆に、「ヒジキを食べると早死にする」という噂が流れた事がありました。それは、2004年に英国食品規格庁(FSA)が、ひじきに無機ヒ素含有量が多いということで消費者に注意を喚起しています。この発端となったのは英国の食品基準庁の発表でした。内容が、「ひじきから無機ヒ素が検出されたのでヒジキを食べないように!」とのことでした。

厚生労働省の見解

生ひじき

それに対して日本の厚生労働省食品安全委員会は、「ひじきを大量に食べない限り、健康上のリスクが高まるとはあり得ません」との見解を発表しています。

ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思われます。

厚生労働省ホームページより引用

やっぱりひじきのは最高の健康食材

ひじきと豆腐の料理

結論としては、ひじきの栄養が「カルシウム」「鉄分等のミネラル」「食物繊維」が豊富であり、さらに添加物などを使用していないひじきは、最高の健康食で長寿食だということになります。今後は高齢化社会に向けて、ただ寿命が延ばすだけでなく、健康に長生きしていくためにも必要な食材だといえるでしょう。


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コスモスの日

9月14日はコスモスの日です

ピンク色のコスモスの花
9月14日はコスモスの日

3月14日「ホワイトデー」から半年たった時に、コスモスを添えてプレゼントを交換し、お互いの愛を確認するという日なのだそうです。そして、この時期はコスモスの開花する頃でもあることからでしょう。

コスモス(秋桜)

田んぼに咲き誇るコスモス

この時期には生花店では、コスモスの切り花などが店頭に並びます。まずは、このコスモスという花の花言葉や基本情報が知ることから始めましょう。

学名、科目、原産地

キク科コスモス属

コスモスの学名は、「 Cosmos bipinnatus」。科名は、キク科コスモス属であり、一年草です。そして原産地は、「メキシコ」で17世紀にヨーロッパにもたらされ、日本には明治の初めに渡来しています。ちなみに、。和名では「あきざくら(秋桜)」と呼ばれているようです。

花言葉

コスモスの名前の由来は、ギリシャ語で「秩序」「調和」を意味する「Kosmos」。花言葉は、その由来から「調和」や、そこからイメージされる「平和」「美しさ」などがつけられています。

名前の由来は?

コスモスの名前の由来

先に述べたコスモスの名前の由来ですが、ギリシャ語で 「秩序」「調和」の他に「装り」「美しい」などの意味を持つ「kosmos」からなるといわれています。この花色が綺麗なことにちなみ、名付け親であるのはマドリッド王立植物園長カバニリェス神父だといわれています。

コスモスが開花する季節

コスモスの開花時期

改良によって、春に種をまいて「夏に花を楽しむ早咲きのコスモス」と、従来型の夏に種まきをして秋に花を楽しむ遅咲き(短日性)のコスモスが存在しています。夏のコスモスも、秋のコスモスも、青い空をバックに風で揺らす美しさはどちらも変わりありません。

夏に開花するコスモスもある

夏に開花のコスモス

コスモスが咲く季節は秋であり、この花は「短日性」といわれて夏が終わり日が短くなると開花する草花です。また、品種の改良が進み、短日性の無い早咲き種も作られています。

コスモスの育て方

コスモスの育て方

コスモスを育てるには、日当たりと水はけのよい場所の確保が必要です。コスモスは最終的に草丈1~2mまで大きくなり、根も広範囲で貼るため、家の庭に植える時は前もってしっかりと広さの確保もして置きましょう。

家の庭をコスモス畑に

庭でコスモス

私の田舎にある実家で昔は、小スペースですがコスモス畑になったことがありました。しかも種も風で何処からか運ばれて来たようで、自然に満開になって綺麗でした。育てるというよりタンポポと同じように、自力で育ってくれるので場所さえ確保してあげれば、庭で年に一度の花見イベントも夢ではありません。


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9月12日の誕生花「クズ」

「クズ」

基本情報

  • 和名:クズ(葛)
  • 学名Pueraria montana var. lobata
  • 科属:マメ科クズ属
  • 開花時期:7~9月
  • 分布:日本をはじめ、東アジア一帯に自生。山野、河原、道路脇など身近な場所で見られる。
  • 利用:根から採れる「葛粉(くずこ)」は吉野葛として和菓子や薬用に用いられる。生薬としても古くから親しまれ、解熱や解毒の効果があるとされた。

クズについて

特徴

  • つる性植物
    強靭なつるを伸ばし、木やフェンス、建物などに絡みつきながら繁茂する。1日で1m以上伸びることもあり、その生命力は圧倒的。

  • 3枚の小葉からなる複葉。大きく広がり、夏には緑陰をつくる。

  • 夏の終わりから秋にかけて、濃い紫紅色の蝶形花を房状につける。甘い香りがあり、ミツバチなどを引き寄せる。

  • 大きく肥厚した根にはデンプンが豊富に含まれ、葛粉の原料となる。

花言葉:「芯の強さ」

由来

クズに「芯の強さ」という花言葉が与えられた背景には、以下のような理由があります。

  1. 圧倒的な生命力
    クズは土壌がやせていても育ち、強い繁殖力でつるを四方に伸ばす。どんな環境でもしっかり根を張り、生き抜く姿が「強い芯」を連想させる。
  2. 根の存在感
    地上のつるは刈り取られても、地下の太い根が生きている限り、翌年また芽を出す。その「見えない部分の強さ」が芯の強さを象徴する。
  3. 薬用・食用としての力
    根から得られる葛粉は、古来より滋養や解熱の薬として用いられ、人々の健康を支えてきた。その「内に秘めた力」が強さと重ねられた。

→ これらの特性から、クズは「表面では絡みつく柔らかいつる」でありながら「内に強靭な芯を持つ植物」と見なされ、この花言葉が生まれたと考えられます。


「葛の物語」

祖母の庭の片隅に、葛のつるがからみついていた。
 夏の終わりになると、紫紅色の小さな花が房をなして咲き、甘やかな香りが漂ってくる。その香りは、いつもどこか懐かしい。

 私は幼いころから、その葛を少し厄介者のように思っていた。放っておくと、ものすごい勢いでつるを伸ばし、隣の木々を覆い隠してしまうからだ。祖母もよく「困った子だよ」と笑いながら剪定ばさみで切っていた。だが、切られても切られても、翌年になるとまた青々と芽を出す。まるで「私はまだここにいる」と言わんばかりに。

 高校に進学して間もなく、私は人生で初めて大きな挫折を味わった。ずっと目指してきた部活動の大会で、努力を尽くしたはずなのに、結果はあっけなく敗北。悔しさと虚しさが入り混じり、私はしばらく部室にも顔を出せなかった。
 そんなある日、祖母の庭でぼんやりと葛の花を見ていたとき、祖母が声をかけてきた。

 「負けたからって、全部が終わるわけじゃないんだよ」

 私はうつむいたまま黙っていた。すると祖母は葛の根元を指差して言った。

 「この子を見てごらん。毎年切られても、根っこがしっかりしてるから、また芽を出すんだよ。地面の下には太い芯がある。見えないけれど、それがあるから強いのさ」

 その言葉は、胸の奥にじんわりと染み込んだ。

 後で調べてみると、葛の根からとれる葛粉は、古くから滋養や薬として重宝され、人を癒す力を持っていると知った。外からはただの雑草のように見えるけれど、内には大切な力を秘めている。祖母が言う「芯」とは、きっとそういうことなのだろう。

 私は再び部室へ足を運んだ。すぐに結果が出せるわけではなかったが、それでも練習を続けた。刈られても、また芽を出す葛のように。

 やがて卒業の日、庭の葛は今年も伸びて、花をつけていた。私は祖母に言った。

 「葛って、やっぱりすごいね。あんなに柔らかそうなのに、芯は誰よりも強い」
 「そうだよ。人も同じさ。見た目じゃなくて、内に何を持っているか。それが大事なんだよ」

 祖母の言葉に、私は静かにうなずいた。
 風に揺れる葛の花が、まるで「負けても大丈夫。また立ち上がれる」と語りかけてくるように思えた。

 ――芯の強さ。
 それは倒れても根を張り続ける力であり、目には見えなくても心に宿る灯のようなもの。
 葛はいつも、そのことを私に教えてくれている。

9月13日、10月20日の誕生花「ブッドレア」

「ブッドレア」

基本情報

  • 和名:ブッドレア(フサフジウツギ)
  • 学名Buddleja davidii
  • 科名:ゴマノハグサ科(※APG分類ではフジウツギ科)
  • 原産地:中国~チベット原産
  • 開花期:7月~9月頃
  • 花色:紫・ピンク・白・黄色など
  • 別名:バタフライブッシュ(Butterfly bush)
     → 強い香りと蜜で蝶を多く引き寄せるため。

ブッドレアについて

特徴

  • 花穂:小さな花が円錐状に集まり、20cm前後の房になって咲く。
  • 香り:甘く強い芳香を放ち、蝶や蜂を誘う。特にアゲハチョウなど大きな蝶が好む。
  • 樹形:低木~中木で、剪定に強く、庭木や生け垣にも利用される。
  • 繁殖力:丈夫で育てやすく、世界各地で観賞用に広まった。

花言葉:「恋の予感」

由来

ブッドレアに「恋の予感」という花言葉が与えられた背景には、次のようなイメージが関わっています。

  1. 蝶を呼ぶ花
    • ブッドレアの甘い香りと蜜は、遠くからでも蝶を惹きつける。
    • 「蝶=恋の訪れやロマンの象徴」とされる文化的な連想から、「恋の予感」という花言葉につながった。
  2. 長く伸びる花房
    • 先へ先へと伸びるように咲く花穂は、「これから始まる新しい出来事」や「未来への期待」を思わせる。
    • そこに「まだ始まっていない恋の兆し」のイメージが重なる。
  3. 甘い香りと華やかな姿
    • 見る者を引き寄せるような芳香と色彩が、「心を惹かれる瞬間=恋の予感」を象徴すると考えられた。

「恋の予感、ブッドレアの庭で」

その庭は、夏の午後になると甘い香りで満ちあふれる。濃い紫や淡いピンクの房状の花が風に揺れ、蝶たちが次々と舞い降りてくる。まるで誰かが秘密の手紙を撒いているかのように、ブッドレアは無数の羽音を呼び寄せていた。

 陽菜(ひな)は、その庭の隅に腰を下ろし、ノートを広げていた。大学の卒論の題材に「植物と人の感情の関係」を選んだのは、きっと自分でも気づかない心の欲求だったのだろう。最近、彼女は心の中で小さなざわめきを抱えていた。それはまだ「恋」と呼ぶには幼く、でも確かに胸を騒がせる気配だった。

 ノートには、こんな言葉が走り書きされている。
 「ブッドレア――蝶を呼ぶ花。蝶=恋やロマンの象徴。花言葉は『恋の予感』。」

 ペンを止めたとき、視界の端に蝶がひらりと舞った。淡い黄色のアゲハチョウだ。陽菜は思わず手を伸ばすが、その羽はするりと逃げるように花へ吸い寄せられていく。まるで「追いかけてごらん」と誘っているように見えて、胸がくすぐったくなった。

 そのとき、庭の門が開く音がした。顔を上げると、幼なじみの悠人(ゆうと)が立っていた。背に背負ったカメラが陽を受けてきらりと光る。

「やっぱりここにいたか」
「悠人……どうして?」
「夏の蝶を撮りたくて。ブッドレアが咲いたって聞いたから」

 彼はためらいなく庭に入り、ファインダーを覗き込みながらシャッターを切った。その真剣な横顔を見ていると、胸の奥にさざ波のような熱が広がる。

「ほら、見てみろよ」
 悠人が液晶画面を差し出す。そこには紫のブッドレアに止まる蝶と、その背後でノートを抱えた自分の姿が写っていた。

「……私まで映ってる」
「いいだろ。蝶と花と、君。全部そろって“予感”の絵になる」

 その言葉に、陽菜の心臓が跳ねた。なぜ彼が花言葉のことを知っているのか、考える余裕もなかった。ただ耳に残った「予感」という響きが、胸の奥を甘く震わせた。

 風が吹き、房の花々が揺れる。蝶が群れをなして舞い上がり、空へ溶けていった。陽菜は思った。――このざわめきは、ブッドレアの香りがもたらした一時の幻ではない。きっと新しい物語の始まりなのだ。

 悠人がレンズを下ろし、静かに言った。
「この庭で、来年もまた一緒に写真を撮ろうな」

 その約束は、まだ恋とは呼べない。けれど確かに「予感」として陽菜の胸に刻まれた。紫の花が揺れ、甘い香りが二人を包み込む。まるでブッドレア自身が祝福しているように。

 ――恋の予感は、いつだって蝶の羽音とともにやってくる。

北斗の拳の日

9月13日は北斗の拳の日です

北斗の拳の日

1983年9月13日、大ヒット漫画「北斗の拳」が『週刊少年ジャンプ』の連載を開始しました。 東京都武蔵野市に本社があるコミック事業・映像化事業などを運営する株式会社ノース・スターズ・ピクチャーズがこの日を記念日として制定しています。

北斗の拳

「北斗の拳」のアニメでは、1984年から1987年まで放送されています。この作品は元々「週刊少年ジャンプ」連載の漫画であり、原作である武論尊作の作品です。この物語は、核戦争によって崩壊された世界を舞台で暴力が支配する中、北斗神拳の伝承者となったケンシロウの生きざまを描いています。

この物語の構成!?

北斗の拳あらすじ

この北斗の拳の大まかなストーリーはというと、「サザンクロス編」「風雲龍虎編」「乱世覇道編」「最終章」の4部作に分かれています。登場人物は、「主役のケンシロウ(声:神谷明)」ケンシロウの仲間の「バット(少年期 声:鈴木みえ 青年期 声:難波圭一)」と「リン(少年期 声:鈴木富子 青年期 声:富永みーな)」、ケンシロウの兄の「トキ(声:土師孝也)」、長兄の「ラオウ(声:内海賢二)」が繰り広げる格闘アクションアニメです。

お前は既に死んでいる!?

ケンシロウの名台詞、「お前は既に死んでいる」で極悪人が強がりな言葉を発しながら殺られていくさまのシーンが印象的でした。現在の「半沢直樹」がまさにそれに値する面白さであると思います。ケンシロウもただ強いだけではなく仲間との信頼関係を大切しながら最強になっていくさま必見です。


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9月11日の誕生花「アロエ」

「アロエ」

基本情報

  • 学名:Aloe
  • 分類:ユリ科(またはアロエ科)アロエ属の多肉植物
  • 開花期:12月~2月、不定期 (種類による)
  • 原産地:アフリカ南部、マダガスカル、アラビア半島などの乾燥地帯
  • 形態:葉は多肉質で、鋸歯状のとげを持つ。品種によって葉の模様や大きさが異なる。
  • 利用
    • 葉のゼリー部分はやけどや切り傷の治療、整腸作用、化粧品原料として用いられる。
    • 古くから「医者いらず」と呼ばれ、民間薬として広く栽培されてきた。

アロエについて

特徴

  • 乾燥に強い:水分を葉にため込むため、砂漠のような環境でも生育可能。
  • 薬効成分:アロイン、アロエエモジンなどを含み、胃腸薬や便秘改善に用いられる。
  • :種類によるが、冬から春にかけて赤橙色〜黄色の筒状花を総状につける。観賞価値も高い。
  • 長寿の象徴:丈夫で枯れにくいため、家庭でも長年栽培できる植物として親しまれる。

花言葉:「悲観」

由来

アロエには「健康」「万能」などのポジティブな花言葉のほかに、意外にも「悲観」という言葉が与えられています。これには次のような背景があります。

  1. 葉の姿の印象
    厚くとがった葉が外側へ反り返り、棘を備えた姿は、近づきにくく冷たさを感じさせる。
    その孤独で厳しい姿から「悲観的」「閉ざされた心」というイメージが生まれた。
  2. 薬効との対比
    外見はとげと苦みをもち、触れると痛みや苦しみを連想させる。
    しかし中身には人を癒やす薬効がある。
    → こうした「外側は苦しみ・内側に救い」という二面性が、「悲観」という言葉と結びついた。
  3. 花の咲き方
    アロエは多年草でありながら、花を咲かせるまでに時間がかかる種類もある。
    めったに咲かないことから「希望を持ちにくい」「悲観的」というイメージにつながったとされる。

✅まとめると、アロエは「生命力や薬効の象徴」であると同時に、その鋭い葉姿や苦みの印象から「悲観」という花言葉も与えられた、二面性のある植物です。


「棘の中のやさしさ」

祖母の庭の隅には、大きな鉢に植えられたアロエがあった。子どもの頃、私はその鋭い葉に触れて何度も指を切り、痛い思いをした。だからずっと「怖い植物」だと思っていた。
 けれども、転んで膝をすりむいたとき、祖母はその葉を折り、透明なゼリーを塗ってくれた。ひんやりとした感触に痛みが和らぎ、私は不思議そうにその葉を見つめた。外側は固くて痛いのに、内側は優しいのだ。

 時が経ち、祖母が他界してから数年が過ぎた。私は仕事に追われ、未来を考える余裕もなくなっていた。うまくいかないことばかりで、自分の存在そのものが意味を失っていくように感じる。夜、ベッドに横たわるたびに「この先に希望なんてあるのだろうか」と思い、気づけば悲観的な考えばかりに囚われていた。

 ある休日、実家に戻ると、庭の片隅であのアロエがまだ生きていた。祖母のいない庭で、変わらず棘を広げている姿に思わず足が止まる。近づいてよく見ると、葉の間から一本の花茎が伸びていた。朱色の小さなつぼみが、空へ向かって並んでいる。
 「アロエって、花が咲くんだ……」
 私は初めてその事実を知った。祖母が生きていた頃には一度も咲かなかったのに。

 調べてみると、アロエには「健康」「万能」という花言葉と同時に、「悲観」という言葉も与えられていると知った。理由を読み進めるうちに、胸の奥に祖母の声が響いてきた気がした。

 厚くとがった葉は外側へ反り返り、棘を備えている。その孤独で厳しい姿から「悲観的」と見られる。だがその中には人を癒やす薬効が潜んでいる。めったに咲かない花は、簡単に希望を持てない人生そのもののようだ。
 ――でも、諦めなければ、いつかは花を咲かせる。

 私はしばらくその花を見つめていた。確かに、外から見ればアロエは冷たく、近寄りがたい。だが中には救いがあり、そして長い時を経て花を咲かせる。まるで、悲観に囚われていた自分自身を映しているようだった。

 祖母は生前、よく言っていた。
 「苦いものや痛いものの中に、本当の優しさが隠れてるんだよ」
 その言葉の意味が、今ようやく理解できた気がする。

 私は花をつけたアロエの鉢を玄関先に移し、毎日水をやることにした。世話をするたびに、自分の心にも少しずつ水が注がれていくように感じる。

 悲観は、希望の芽を隠すための殻かもしれない。外側に棘を持ちながらも、内側に癒しを秘めているアロエのように。そう思うと、不思議と心が軽くなった。

 朱色の花が空に向かって開いたとき、私はようやく祖母に「ありがとう」と言えた気がした。

マラソンの日

9月12日はマラソンの日です

9月12日はマラソンの日

紀元前450年、ペルシャの大軍がアテネを襲い、マラトン(”マラトンの戦い”の戦場となった場所)に上陸しました。そこへ、アテネの名将ミルティアデスの奇策により撃退することに成功しました。この時、フェイディピデスという名の兵士が伝令となり、アテネの城門まで走り続けてアテネの勝利を告げた後、そのまま亡くなったと言われるのがこの9月12日だといわれています。

世界初のマラソン競技

世界初のマラソン競技

マラソンの歴史は、まだ120年です。しかし長距離を走ることは、古代エジプト民族の時代から、様々な形態で存在しています。マラソンは、1896年の近代オリンピック誕生と共に生まれ、紀元前776年~紀元261年まで続いていた古代オリンピックに存在した長距離陸上競技とは全く別物だったそう。

近代オリンピックの目玉競技

世界の目玉競技

今や、近代オリンピックプログラムの中心的存在のマラソン競技として採用され、その人気で現在では世界各国たくさんの都市で大きな大会で盛り上がっています。

2020~2021年のマラソン競技は絶望的!?

マラソンは誰でもチャレンジ

2020~2021年にかけて、新型コロナ感染防止による延期や中止が相次いでいましたが、2022年のこれから秋冬は「オミクロン株」の感染者が若干ピークアウトしたように思える状況でもあり、さらには「オミクロン株対応ワクチン」やコロナ治療薬が多く出回るなど、今後のイベント等に関しては期待が持てます。そもそもマラソンは、器具を必要としない誰でも気軽に行えるスポーツです。コロナなど感染症に打ち勝つためにもジョギングでもして、健康体をつくるためにも身体を鍛えておきましょう!


「マラソンの日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年の投稿