6月30日の誕生花「ブーゲンビレア」

「ブーゲンビレア」

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基本情報

  • 学名Bougainvillea
  • 科名/属名:オシロイバナ科/ブーゲンビレア属
  • 原産地:南アメリカ(主にブラジル)
  • 和名:イカダカズラ(筏葛)
  • 開花時期:4月~5月、10月~11月 (育成方法により大きく異なります)
  • 花の色:ピンク、紫、白、赤、オレンジなど
  • 分類:常緑性つる性低木

ブーゲンビレアについて

hartono subagioによるPixabayからの画像

特徴

  • 花のように見えるのは「苞(ほう)」
     実際の花は小さく、中心に目立たず咲いていますが、その周囲を彩る3枚の苞(葉が変化したもの)が華やかで、花のように見えます。
  • つる性で成長が早い
     フェンスや壁に絡ませて育てることが多く、南国のリゾート地などでよく見かけます。日当たりと風通しの良い環境を好み、乾燥にも強いです。
  • 生命力が強く、剪定にも耐える
     こまめに剪定することで、より多くの花(苞)を咲かせることができます。ガーデニングにも人気です。

花言葉:「あなたしか見えない」

Mari LoliによるPixabayからの画像

この花言葉は、ブーゲンビレアの咲き方と姿に由来しています。

  • 一点集中の美しさ
     ブーゲンビレアは、つる全体に広がって咲くのではなく、一部の枝先にまとまって花(苞)を咲かせます。そのため、咲いている部分に視線が集中しやすく、他を見せず“そこだけに目を引く”ような印象を与えます。
  • 苞が花を守るように包み込む姿
     中心の小さな白い花を、色鮮やかな苞が包み込む様子は、まるで「他の誰でもなく、ただひとりを大切に守っている」ような姿にも見えます。
  • 南国の強い日差しの中でも咲き誇る
     情熱的で濃い色合いの苞が、人目を引くことから、“他が目に入らないほどの強い魅力”というイメージに繋がり、「あなたしか見えない」という花言葉が生まれたと考えられています。

「ただ、君だけを」

hartono subagioによるPixabayからの画像

沖縄の離島。空も海も透き通るように青く、季節は夏の真っ盛りだった。
 その島の海辺に、ひっそりと佇む小さなカフェがある。潮風に吹かれて揺れる、濃いマゼンタのブーゲンビレアが、軒先を彩っていた。

 島に来たのは、失恋がきっかけだった。東京の喧騒から逃げるようにして、私はこの地に降り立った。特に目的もなかった。ただ、心の中のざわめきを少しでも鎮めたかった。

 そのカフェで、彼に出会った。
 無口でぶっきらぼう。なのに、目の奥だけは妙に優しい青年だった。

 「この花、ブーゲンビレアって言うんだよ」
 ふとした拍子に、彼がそう言った。

 「花、なの? 葉っぱみたい」
 私がそう言うと、彼は少し笑った。

 「花は中心の白い部分。周りの色が濃いのは“苞”っていって、葉っぱが変化したもの。でも、花を守るために、ずっとこうして寄り添ってる」

 その説明に、私は不意に心を奪われた。
 “守るために寄り添ってる”
 まるで、誰かがそばにいてくれるだけで、人は救われることがあると知っているかのような言い方だった。

 カフェには毎日通った。彼のことをもっと知りたくなっていた。

 ある日、彼はブーゲンビレアの前で立ち止まり、ぽつりと話し出した。

HansによるPixabayからの画像

 「昔、好きだった人がいた。この島に、毎年花が咲く頃だけ帰ってきてた。……でも、最後に来た年、“もう来ない”って言って、東京に戻って行ったよ」
 言葉少なにそう語る彼の横顔は、どこか遠くを見つめていた。

 「それでも、毎年咲くこの花を見ると、彼女を思い出す。だから、カフェを続けてるのかもしれない」
 彼の声は静かだった。でも、胸の奥に強く残った。

 私は何も言えなかった。けれど、わかった気がした。彼の中にまだある“あなたしか見えない”という想いが。

 それから数日が経ち、私は東京へ戻る日を迎えた。
 最後の朝、ブーゲンビレアの下で、彼が待っていた。

 「……また、来てくれる?」
 彼がそう聞いた。

 私は頷いた。
 「来年、またこの花が咲く頃に」

 彼は小さく笑い、指先で一輪の苞をそっと触れた。
 「この花の花言葉、知ってる? “あなたしか見えない”って言うんだ」
 「……うん、今ならその意味が、少しだけわかる気がする」

 そして私は振り返らずに歩き出した。
 ブーゲンビレアの咲くカフェ。その記憶だけを胸に抱いて。

 誰かを想うということは、きっと、視界に無数の人がいたとしても、その中でただ一人だけを見つめ続けるということなのだ。
 花に包まれたその小さな白い蕾のように、変わらずに、そっと。

6月29日の誕生花「アガパンサス」

「アガパンサス」

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基本情報

  • 和名:ムラサキクンシラン(紫君子蘭)
  • 学名:Agapanthus
  • 科名/属名:ヒガンバナ科/アガパンサス属(またはユリ科に分類されることも)
  • 原産地:南アフリカ
  • 開花時期:5月下旬~8月上旬
  • 花色:青紫、薄紫、白など
  • 分類:多年草(常緑または落葉性)

アガパンサスについて

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特徴

  • アガパンサスは、細長い葉が株元から茂り、長い花茎の先に小さなラッパ型の花が球状に集まって咲くのが特徴です。
  • 一株で直径20cm前後の花房をつけることもあり、涼しげで華やかな印象を持ちます。
  • 耐暑性があり、日本の気候にも適応しやすく、放っておいても育つ丈夫な植物として庭植えにも人気です。
  • 特に梅雨明け前後に咲くことから、「梅雨の晴れ間に現れる爽やかな青」が人々に季節の移ろいを感じさせてくれます。

花言葉:「恋の訪れ」

congerdesignによるPixabayからの画像

アガパンサスの花言葉「恋の訪れ」は、以下のようなイメージや性質に基づいています:

  1. 初夏に凛と咲く姿が「新たな出会い」や「始まり」を連想させる
     アガパンサスは初夏の空気がまだ湿り気を帯びた時期に、すっと背を伸ばして開花します。その清らかでまっすぐな花姿が、「淡い恋心」や「まだ始まったばかりの恋のときめき」を象徴するとされています。
  2. つぼみから一斉に花が開く様子が、感情の芽生えを思わせる
     たくさんの小花が徐々に開花していく様子は、一歩ずつ進展していく恋心を重ねて見ることができます。静かに、でも確かに気持ちが動き出す——まさに「恋の始まり」です。
  3. 名前の由来が「愛の花」
     学名の Agapanthus は、ギリシャ語の「agape(愛)」+「anthos(花)」に由来し、直訳で「愛の花」。「恋の訪れ」という花言葉は、この語源とも強く結びついています

「アガパンサスの坂道」

Etienne GONTIERによるPixabayからの画像

梅雨が明けきらない、どこか曇った初夏の朝だった。駅から大学へと向かう坂道、その途中にある古びた庭の角に、今年もアガパンサスが咲いていた。背を伸ばし、青紫の花を球のように咲かせている姿は、どこか涼しげで、凛としていた。

 私はその花が好きだった。高校の頃、近所の神社の裏手に咲いていたアガパンサスを、ずっとひとりで見ていた時期がある。誰かを想っていたのか、誰かを待っていたのか、今ではもうよく思い出せない。

 「それ、アガパンサスって言うんだよね」

 突然、隣から声がした。驚いて振り返ると、大学の同じゼミの吉野さんが、日傘をさして立っていた。

 「……ああ、知ってるんだ」

 「うん。ギリシャ語で“愛の花”っていう意味なんだって。花言葉は『恋の訪れ』」

 彼女はそう言って、笑った。少し汗ばんだ額の向こうに、朝の光が差し込んでいる。何気ない会話だったのに、そのとき、ふと胸の奥が騒いだ。

 その日を境に、吉野さんと私は坂道を一緒に歩くようになった。ゼミの帰りや、試験の前、何でもない日も、少しだけ時間をずらして待ち合わせた。

 「最初に咲くと、夏が来るなって思うんだよね」

 「うん、あの花って、すっと咲くじゃない。まるで、心が追いつく前に何か始まってしまうみたい」

かみかみ するめによるPixabayからの画像

 そう言った吉野さんの声が、妙に切なげに聞こえたことがある。きっと彼女にも、過去に誰かを想った記憶があるのだろう。けれどその過去が、今の彼女を閉じ込めているようには見えなかった。むしろ、ゆっくりと歩き出そうとしている、そんな感じだった。

 ある日、坂の下で彼女が言った。

 「来週、父の転勤で引っ越すことになったの」

 「え?」

 「少し遠くに行くけど……坂の途中で咲くアガパンサスのこと、忘れないと思う。だって、ここで誰かと話すようになったの、今年が初めてだったから」

 私は言葉を失ったまま、その場に立ち尽くしてしまった。何か言わなければ、何か、気持ちを。

 けれどその瞬間、彼女が微笑んだ。

 「だから、ありがとう」

 それだけ言って、彼女はゆっくり坂をのぼっていった。背中越しに、あの青紫の花が揺れていた。

 その年の夏、私は庭にアガパンサスを一株植えた。何度も迷った末に、思いきって連絡先を訊いた。けれど、彼女が答えたのはたったひと言だった。

 「今はまだ、また会うときの理由を作ってる途中」

 きっとそれは、ゆっくりと開いていくつぼみのような言葉だった。

 静かに、でも確かに始まっている――
 そんな恋の訪れが、この初夏に咲いた。

トランジスタの日

6月30日はトランジスタの日です

6月30日はトランジスタの日

1948年6月30日、アメリカのAT&Tベル研究所「ウィリアム・ショックレー」「ジョン・バーディーン」「ウォルター・ブラッテン」の3人が『トランジスタ』を開発し、エレクトロ時代の幕開けとなるこの日が公開日でした。トランジスタは信号を増幅し、回路をオンとオフといったように電気の流れをコントロールする部品です。半導体の組み合わせにより、あらゆる特性を持つことができ、今や電子回路に欠かせない部品となっています。

トランジスタの内部構造

トランジスタの仕組み

トランジスタは、電化製品の変革に大きな影響を与えました。そのトランジスタの内部構造は、+の性質を持つP型半導体と、-の性質を持つN型半導体を貼り合わせたものです。その合わせ方は同じトランジスタでもそれぞれ異なり、その順番によってはNPN型やPNP型という呼び名になって特性もそれぞれ異なります。

トランジスタの電極

トランジスタの種類

また、半導体のトランジスタからは電極があり、それぞれの端子は(E)「エミッタ」、(C)「コレクタ」、(B)「ベース」と3種類の端子に分かれます。それぞれの端子の見分け方は、平らな面を手前にすると、左側が(E)のエミッタで、真ん中が(C)コレクタ、そして右側が(B)のベースとなります。それぞれの電極に電流を流したり、止めたりする動作が、電化製品の様々な機能に応用されています。

電気信号の増幅

基盤に電子パーツを取り付ける

トランジスタの主な特徴は、弱い電気信号を「増幅作用」で、強い電気信号に変換することです。この働きは製品の構造上、弱い電流をベースに送り込むと、エミッタとコレクタにも電流が合流し、大きな電流になります。その結果、電波が強くなったり音が大きくなったりするということです。

デジタル時計の表示やブザーも鳴らす

電子パーツ、トランジスタ、抵抗など

また、トランジスタの働きで回路のON/OFF「スイッチング」にも応用できます。この働きは、電気信号の流れを生身の人間では確認できないくらいの速さでON/OFF することも可能です。スイッチONにして、ベースから流れた電流がエミッタに流れ、スイッチOFFにすると、エミッタが遮断されて電流が流れなくなります。これらの工程を制御することで、デジタル時計の表示やブザーを鳴らすといったことも可能となり、高性能な電化製品はもとより、基本的な動作として身近な製品にも応用されています。

トランジスタラジオが基本

電子パーツ、トランジスタなど

若いころ、ものづくりが好きだった父の影響で自宅にあった壊れて使えないカーコンポなどをばらして、トランスやアンプの基盤を組み合わせて、パワーアンプを作ったりしたものです。これも最初は、父が使えなくなった家電機器の基盤からトランジスタやコンデンサを取り出し、はんだで直接つないでイヤホンを付けるとラジオが聞けるということから始まります。

さらにダイオードとトランスを追加すると交流を直流にする「ACDCコンバーター」的なものもできるということなどを教わりました。現在、高性能なPCや家電がたくさんの種類作られていますが、全てはこの万能な部品であるトランジスタが基本のような気がします。


「トランジスタの日」に関するツイート

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6月28日、7月20日の誕生花「トルコキキョウ」

「トルコキキョウ」

基本情報

  • 和名:トルコキキョウ
  • 別名:リシアンサス(Lisanthus)、ユーストマ(Eustoma)
  • 科名/属名:リンドウ科/ユーストマ属
  • 原産地:北アメリカ南西部から南部、メキシコ、南アメリカ北部
  • 開花時期:3月~6月(自生地では6月~7月)
  • 花の色:白、ピンク、紫、青、黄、グリーン、複色など豊富
  • 草丈:20~80cm(品種により異なる)
  • 多年草(日本では一年草扱いが一般的)

トルコキキョウについて

特徴

  • 花びらは繊細で、バラやシャクヤクに似た優美な形をしている。
  • 花持ちが非常によく、切り花として人気が高い
  • 一重咲き・八重咲き・フリンジ咲きなど咲き方に多様性がある。
  • 名前に「トルコ」とあるが、トルコとは無関係。つぼみがトルコ風のターバンに似ているからとも、エキゾチックな印象から名づけられたとも言われている。

花言葉:「清々しい美しさ」

「清々しい美しさ」という花言葉は、次のような花の特徴と印象から生まれたとされています:

  1. 気品ある見た目と透明感
     トルコキキョウは、薄く透けるような花びらが幾重にも重なり、可憐でありながらも凛とした雰囲気を持ちます。派手さよりも、洗練された美しさがあるため、「清々しい(すがすがしい)」という表現がぴったりです。
  2. 夏に咲く爽やかな花
     蒸し暑い季節に咲きながらも、見る者に涼やかさを与える色合いや姿が特徴です。特に白や淡いブルーの品種は、清涼感を感じさせ、「清々しさ」の象徴となっています。
  3. 花姿の端正さと奥ゆかしさ
     トルコキキョウは上品で派手すぎず、見る人に癒しや安心感を与える存在です。その奥ゆかしさと美しさが調和した姿から、「清々しい美しさ」という花言葉が生まれました。


「清々しい美しさ」

雨上がりの朝。梅雨の合間のわずかな晴れ間に、私はふとあの花屋を思い出した。商店街の一角にひっそり佇む、小さなガラス張りの店。夏が近づくこの季節、きっと彼女は今年もあの花を並べているだろう。

「いらっしゃいませ」

 控えめな声とともに顔を上げたのは、白いエプロンを身につけた女性だった。昔と変わらない。落ち着いた雰囲気、笑うとほんのり頬が紅くなるところも、まるで時間が止まっていたかのようだ。

「トルコキキョウ、今年も出ましたね」

 私が指をさすと、彼女はそっと頷いた。

「ええ、今がちょうど旬なんです。よかったら、一本どうぞ」

 差し出されたのは、淡い青紫のトルコキキョウ。透けるような花びらが幾重にも重なり、まるで朝の空気をそのまま閉じ込めたような涼やかさがあった。凛としていながら、どこか奥ゆかしい。思わず息を呑む美しさだった。

「……やっぱり、あなたに似てますね」

 そう言うと、彼女は少し驚いたように目を見開き、すぐに照れたように微笑んだ。

「そんなこと……でも、この花には“清々しい美しさ”っていう花言葉があるんですよ」

 彼女はそう言って、花をそっと包みながら説明を始めた。

 「トルコキキョウって、もともとは北アメリカの草原で咲いていた花なんです。だから、強さもあるけれど、こうして見た目はすごく繊細でしょ? 暑い夏にもめげずに咲くけど、見ていると涼しい気持ちになれる。不思議な花です」

 花のことを語るときの彼女の表情は、いつも柔らかい。花の姿をそのまま心に映しているようだった。

 「派手じゃないけれど、気品があって、誰かのそばに静かに咲いていられるような……そんなところが好きなんです」

 私は黙って彼女の声に耳を傾けていた。目の前にある花も、彼女自身も、まるで同じ言葉で表現できるように思えた。

 別れ際、包みを受け取った私に彼女がそっと付け加える。

 「昔、あなたが言ってくれた“飾らない美しさがいちばん強い”って言葉、ずっと覚えてます」

 ……あの夏のことだ。大学を卒業する間際、ふと口にした言葉が、こんなにも長く誰かの中に残っていたなんて。そう思うと、胸の奥が少し熱くなった。

 帰り道、トルコキキョウを抱えて歩く。ビニールの包み越しに、ひんやりとした空気が指先に伝わる。まるで、その清々しさが心にまで沁み込んでくるようだった。

 あの人のそばで、静かに咲くことができたら——

 そんな淡い願いを胸に、私はまた来年もこの花を買いに来ようと思った。

ビートルズの日

6月29日はビートルズの日です

6月29日はビートルズの日

1966年6月29日、当時イギリスで人気絶頂だったロックグループ「ザ・ビートルズ」が日本に初めて来日しました。これを記念して、ビートルズの楽曲を手がける株式会社EMIミュージック・ジャパン(現在のユニバーサルミュージック合同会社)がこの日を記念日として制定しています。

ビートルズの来日

ビートルズの来日

ビートルズが本格的に活動を開始した1962年から約4年後に来日するまで、記録に残るコンサート回数とレコーディングが、記録されています。そのコンサートの回数は1000回以上、そしてその合間に2本の映画を撮影、いずれもイギリス国内で6枚のアルバムと12枚のシングル盤を発表を行っています。彼らは大人気だったため、テレビやラジオ出演を巡り、引っ張りだこだったそうです。プロデューサーのジョージ・マーティンが当時、「とにかく彼らは忙しすぎた」と言っていたほどです。

アルバム「Rubber Soul」

アルバム「Rubber Soul」

その状況が変わるのが、1965年に収録したアルバム「Rubber Soul」の時です。ファーストアルバムの収録が約10時間で終わったのに対し、この「Rubber Soul」は約110時間もかかったといわれています。そのアルバム制作までは、ライブやテレビ出演の空き時間に収録していたのを、この「Rubber Soul」以降ではレコーディング期間中、楽曲制作に集中するようになったといいます。

「Revolver」の収録は、約280時間

Revolver

実際、来日直前に取り組んでいた「Revolver」の収録は、約280時間にも及んだそうです。その一年後にようやく日本に来日し、日本公演のあとは、「フィリピン」「アメリカ」を終えてライブ活動は停止します。その後の4年間では、5枚のアルバムをレコーディングして、たった1度のライブ演奏を披露し、ビートルズは解散へと向かいます。

ビートルズのプロフィール

ビートルズのプロフィール

ビートルズの出身地は、イングランド マージーサイド州リヴァプール。活動期間は、1957年~
1970年。メンバーは、「ポール・マッカトニー」「ジョン・レノン」「ジョージ・ハリスン」「リンゴ・スター」。旧メンバーは、「ピート・ベスト(ドラムス)」「スチュアート・サトクリフ(ベース)」。ジャンルは、「ロック」「フォーク」「サイケデリック」「ロカビリー」など。

現在も活躍中の「ポール・マッカトニー」

「ポール・マッカトニー」

「ポール・マッカトニー」は、ビートルズの主にボーカルとベースを担当していましたが、作曲家としても活躍しています。そして、ギネスで「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」に認定されていて、ビートルズで最も稼いだ人ともいわれています。現在イギリスでは、レジェンド的な存在である「ポール・マッカトニー」は半世紀以上もミュージシャンとして活躍し、今もなおライブやイベントなどを積極的に行っているそうです。

「リンゴ・スター」

リンゴ・スター

ちなみに「リンゴ・スター」は、ビートルズの中で初期メンバーではない唯一の人物ですが、ドラムテクニックは高い評価をされていて、「20世紀のベスト・ドラマー100」では2位に選ばれているそうです。そして、「ポール・マッカトニー」と同様、この「リンゴ・スター」も現在でも現役で音楽活動を行うとともに、世界平和を訴えています。

若き日の憧れが自分を変える!

ビートルズを見て、若き日の憧れが自分を変える!

40、50代の年齢になり、失敗や挫折をしても、迷わず人らしくここまで生きてこれたのは、きっとまだ未熟だった若き頃にこういったビートルズのような憧れのスターに出会い、音楽などを通してたくさんファンの人と同じように共感し、感動するということを身をもって感じたからでしょう。人として正しいと思った道を選んだら、自信をもって目に進みましょう!必ず、その行動に共感し、サポートをしてくれる人がたくさん現れると思います。


「ビートルズの日」に関するツイート集

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6月27日の誕生花「ローダンセ」

「ローダンセ」

基本情報

  • 学名Rhodanthe manglesii(主にこの品種が観賞用として流通)
  • 別名:ヒロハノハナカンザシ(広葉の花簪)
  • 科名/属名:キク科/ローダンセ属(あるいはヘリクリサム属とされることも)
  • 原産地:オーストラリア
  • 開花時期:(4月~7月)頃
  • 草丈:20~50cmほどの一年草

ローダンセについて

特徴

  • 紙のような花びら
     花びらはカサカサとした質感で、まるで紙細工のような見た目をしています。この乾いた手触りがドライフラワーにも向いており、長く色や形を保ちます。
  • 明るい色彩
     ピンク、白、黄色など、色鮮やかで光沢感のある花を咲かせます。中心部は黄色でコントラストが美しい。
  • 乾燥に強い性質
     乾いた環境でも育ちやすく、ガーデニング初心者にも人気。日本では切り花や鉢花、ドライフラワー用途が一般的です。
  • 花が閉じない
     ローダンセの花は開いた状態のまま咲き、しぼみにくいため、いつまでも「咲いているように見える」という特性もあります。

花言葉:「変わらぬ思い」

花言葉「変わらぬ思い(unchanging affection)」は、主に以下の特徴に由来しています:

  1. 長く色褪せない美しさ
     ローダンセはドライフラワーにしても色や形がほとんど変わらず、長期間そのままの姿を保ちます。その「変わらない美しさ」から、永続する感情を象徴するとされます。
  2. 可憐なのに強い
     見た目は繊細で可愛らしいのに、実際は乾燥や環境の変化に強いというギャップが、「一途で変わらぬ愛情」や「強い想い」をイメージさせます。
  3. 枯れても咲いているような姿
     生花がしおれても、まるで咲き続けているように見えるその姿は、「時間が経っても薄れない気持ち」や「想いの持続性」を象徴しています。

「変わらぬ花」

小さな雑貨店の片隅に、ずっと売れずに残っている一輪のローダンセのドライフラワーがあった。花瓶に挿されたそれは、まるで時間の外にあるように、色褪せることなく、いつも変わらぬ笑顔で店を見守っていた。

「この花、ずっとあるよね」

 放課後、店に立ち寄った高校生の紗良がそう言うと、レジに座っていた老店主の悠一が笑った。

「ああ、もう十年くらいになるかな。そのローダンセだけは、どんなに日が経っても色が抜けないんだ。不思議だろう?」

「うん。……でも、ちょっと寂しくない? こんなに綺麗なのに、誰にも選ばれないなんて」

 紗良の言葉に、悠一はふと目を細めた。

「それは違うよ。選ばれたんだ、もうずっと前に」

「え?」

 店主はローダンセに目を向けながら語り始めた。

「むかし、この店によく来てた女の子がいてね。病気であまり外に出られなかったんだけど、晴れた日だけ母親と一緒に、決まってここに来てくれてた。小柄で、大きな瞳の子だった」

 その子は、ローダンセが好きだったのだという。

「毎回、同じ花を眺めては『これ、いつまでも咲いてるね』って。買うことはなかったけど、花の前でずっと立ち止まってた。ある日、その子が母親と来て、『もう、ここには来られないの』って言ったんだ」

 そしてその少女は、帰り際、レジに500円玉を置いていった。

「『お小遣いで買えるの、これだけだから、花はそのままでいい。でも、私のものにしていい?』ってね」

 それ以来、そのローダンセは売り物ではなくなった。店主は毎朝埃を払って、陽の当たる場所に置いてやる。それが彼女との「約束」だった。

「変わらず咲き続けているあの子の気持ちが、この花に宿ってるんじゃないかって思ってる。花は枯れても、想いは枯れない……そんな気がするんだよ」

 紗良は、ローダンセに目をやった。カサカサとした花びらは、それでもどこかあたたかさを持って、まるで誰かの心を守っているようだった。

「じゃあ、これは……その子の“変わらぬ思い”なんだね」

「そう。花言葉の通りだよ」

 その日、紗良は手帳にローダンセの名前を書いた。「いつか自分も、誰かの心に残るような想いを持てたら」と、小さく願いながら。

 数年後。大学進学で街を離れる前、紗良はもう一度店を訪れた。ローダンセは、変わらずそこにあった。

「この花、やっぱり変わらないね」

「うん。けど、想いは少しずつ広がってる気がするよ」

 悠一の言葉に、紗良は頷いた。

 そして静かに店を出ると、彼女は振り返って微笑んだ。

「ありがとう、変わらぬ花」

JAZZりんごの日

6月28日はJAZZりんごの日です

6月28日はJAZZりんごの日

2011年6月28日、「JAZZ™りんご」が初めて日本に入荷しました。そのことをきっかけに、ニュージーランドを代表する「JAZZりんご」の美味しさをよりたくさんの人に味わってもらうことが目的で、ニュージーランド産のリンゴなどを取り扱うT&GJapan株式会社がこの日を記念日として制定しました。

JAZZりんご

JAZZりんご

JAZZりんごは、ニュージーランド生まれで「ロイヤルガラ」と「ブレイバーン」を交配させて生み出した品種で、ニュージーランド国内では最も日当たりのよい地域で栽培されています。そして、りんごの木の葉を落とさず栽培しますが、それは真夏の太陽から果実を守るためだそうです。また、サイズは日本のリンゴと比較して小ぶり方で、一般的なリンゴと同じように赤と黄色のツートンカラーの皮というのが特長です。このJAZZりんごは、残留農薬が厳しく管理されている環境で育てられていて、ワックスをかけていないので栄養分豊富な皮ごと食べられます。

JAZZりんごの味は?

JAZZりんごは、食感が「サクッ」としていて、甘みと酸味のバランスが絶妙でジューシーさが一番の特徴です。日本の蒸し暑い夏のおやつに最適で、冷やして食べることをお勧めします。またサイズが小さいので、子供でも無駄なく食べきれる健康的なおやつとして重宝されます。

品種はサイフレッシュ

JAZZりんごの品種は、サイフレッシュ(「ロイヤルガラ」と「ブレイバーン」を交配さた品種)であり、T&Gグループが所有する登録商標のJAZZの名称で販売されています。栽培は、「ニュージーランド」「米国」「チリ」「南アフリカ」「アジア」「英国」「フランス」「オーストラリア」でT&Gのライセンスに基づいて行っています。

JAZZりんごの旬は?

JAZZりんごの旬

ニュージーランドで収穫される時期は、春の3月~4月頃ごろに掛けてですが、このリンゴは貯蔵性も高く、日本に輸入され、実際に店頭に並ぶのは国内産のりんごが少なくなったころの6月頃~8月の夏場になるそうです。

サイズが小さくて時期が夏場が良い

JAZZリンゴは、サイズが小さくて時期が夏場が良い

日本で一般的に食べられるりんごは、秋から冬にかけての季節が旬です。それに対して、JAZZりんごの食べられる時期は春先から夏場にかけてです。したがって、JAZZりんごは冷やして食べることもOKですし、子供でも残さず食べられる小さめサイズなのが魅力でしょう。また、冬場のりんごは比較的の大ぶりなものが多く、半分食べて後は保存するときのリスクの点でも、まさにこの時期お勧めの果物だと思います。


「JAZZりんごの日」に関するツイート集

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6月26日、9月16日、11月5日の誕生花「ペンタス」

「ペンタス」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名:Pentas lanceolata
  • 和名:クササンタンカ(草山丹花)、別名:エジプシャンスター(Egyptian Star Flower/Star Cluster)
  • 科属:アカネ科・ペンタス属
  • 原産地:熱帯東アフリカ〜アラビア半島(イエメンなど)
  • 分布:一年草として一般的だが、霜の降りない温暖地(USDAゾーン10~11)では多年草

ペンタスについて

hartono subagioによるPixabayからの画像

特徴

  • 花の形・色:径1〜2cmの星型咲きの花が散房状(半球形)に密集。赤・ピンク・白・紫・ラベンダーなどバリエーション豊富で、バイカラーや八重咲きもある
  • 草丈・大きさ:草丈30〜80cm(種苗改良品種では矮性で30cmほど)。原種では最大で高さ1.5mになることもある
  • 育ちやすさ:日当たりと水はけの良い場所を好み、夏の暑さや乾燥に強く、病害虫にも比較的強い
  • 花期:5〜10月頃まで長時間咲き続け、連続開花性が高く、切り戻しや花がら摘みをするとさらに長持ち
  • 魅力:蝶やハチ、ハチドリなどの花粉媒介者を引き寄せ、ガーデニングや寄せ植えに人気

花言葉:「希望が叶う」

ペンタスの花姿が「星が集まったよう」に見えることから、願い事を星に託すイメージと重なり、「希望が叶う」「願い事」という花言葉になったとされています

学名の “pentas” はギリシャ語の「5(pente)」に由来し、花びらが5枚であることに由来。星形に見えること、規則正しい花姿から「調和」「願い」「希望」という象徴性も評価されています


「星を集める庭」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

「おばあちゃん、この花の名前、なあに?」

少女が指差したのは、小さな鉢に咲いた星のような赤い花だった。

「それはね、ペンタスって言うの。五枚の花びらが集まって、まるで夜空の星みたいでしょう?」

陽の傾き始めた夕方、小さな花屋の奥で、祖母はいつものように穏やかに笑った。

夏休みの間、花屋に預けられていた美羽は、最初こそ退屈で仕方なかったけれど、次第に店の一角の小さな花壇が気に入りはじめていた。

「この花、願い事が叶うんだって」

「ほんとに?」

「ほんとよ。昔の人は、夜空の星に願いを託してたでしょ? この花はね、まるでその星が地上に降りてきたみたいだから。だから、“希望が叶う”って花言葉がついたの」

美羽は小さく頷いた。家では両親がいつも忙しそうで、まともに話すことも少なかった。自分の気持ちを話しても、いつも「あとでね」で終わってしまう。

でも、ここにいると、誰かが耳を傾けてくれるような気がした。

「願いごと、してもいい?」

「もちろん」

少女は両手をそっとペンタスの鉢に添えた。そして、目を閉じてつぶやいた。

「また、家族みんなで夕ご飯を食べられますように」

静かな風が吹いた。葉が揺れて、ペンタスの花もわずかに震えた。

それから数日、美羽は毎日その鉢を世話し、水をやり、咲いた花を数えては笑った。

夏休みの最後の日、母が迎えに来た。花屋の前で、美羽は一鉢のペンタスを抱えていた。

「おばあちゃん、この花、持って帰ってもいい?」

「いいわよ。あんたの願いが詰まってるんだもの」

家に戻ってすぐ、美羽は食卓の真ん中にその鉢を置いた。夕方、珍しく父も母も時間通りに帰ってきて、揃って食卓に座った。

「……なんか、久しぶりだね、こうやって食べるの」

母が笑って言った。

「うん。なんか、星が降ってきたみたい」

美羽の視線の先には、小さな星たちが咲くペンタスの花があった。

その夜、窓の外を見上げると、本物の星空が広がっていた。けれど、美羽はもう空に願いをかける必要はなかった。

彼女の願いは、もうそこに咲いていた。

零細・中小企業デー

6月27日は零細・中小企業デー

6月27日は零細・中小企業デー

2017年4月、零細・中小企業の重要性を認識、支援するための意識と行動を高めることが目的で、この日を国連総会で記念日として制定しています。また、これは国際デーの一つであり、英語表記では「MSME Day」と呼ばれています。

「中小企業」の明確な定義

「中小企業」の明確な定義

「中小企業」には、中小企業基本法という法律により明確な定義が存在し、この法律の内容から中小企業の規模は業種ごとに次のように定められます。

サービス業

サービス業は、「資本金の額または出資の総額が5千万円以下、あるいは従業員数100人以下」。

小売業

小売業は、「資本金の額または出資の総額が5千万円以下、あるいは従業員数50人以下」。

卸売業

卸売業は、「資本金の額または出資の総額が1億円以下、あるいは従業員数100人以下」。製造業や建設業、運輸業とその他の業種は、「資本金の額または出資の総額が3億円以下、あるいは従業員数300人以下」という定義が存在します。

零細企業

零細企業

零細企業は、法律で定義された言葉はありませんが、その零細企業という言葉には「会社の規模が小さい、従業員数が少ない企業」という意味合いがあります。そして、これを法的に該当する区分はというと、「小規模企業」にあたります。

小規模企業については、中小企業基本法で次のような判断基準が定められます。卸売業・小売業などの商業及びサービス業では、「従業員5人以下」とされ、「製造業・建設業・運輸業・その他の業種」は「従業員20人以下」と定義されます。また、2013年9月に施行された「小規模企業活性化法」では、政府が政令によって小規模企業の範囲の変更を行うことが可能となったそうです。

大企業に定義はない!?

大企業に定義はない!?

「大企業」には法律上の定義はありません。しかし、資本金や従業員数が先ほどの「中小企業」や「零細企業」のラインを超えている企業は、大企業と判別されます。また資本金や従業員数が基準以下でも、他の大企業と密接な関係を持つ企業は「みなし大企業」と判断され、中小企業向けの補助金や助成金、軽減税率適用などの対象から外されることがあります。

さらに、一部を除くゴム製品製造業は「資本金3億円以下または従業員900人以下」、旅館業は「資本金5千万円以下または従業員200人以下」、ソフトウエア業や情報処理サービス業は「資本金3億円以下または従業員300人以下」の企業が、政令により中小企業に区分されるケースがあるそうです。

コロナ禍でしっかり見直してほしい

コロナ禍をきっかけにしっかり見直してほしい

去年の2月ごろから、世界的に広がった新型コロナ感染を抑制するために、各国政府のロックダウンや緊急事態宣言、渡航制限などを幾度か掛けた影響で経済が衰退し、株価が大暴落しました。そして、2年目に入った現在ではようやくワクチンが世界各国に出回り始め、変異ウイルスを警戒しながらも少しずつではありますが落ち着きつつあります。そうなってくると、この「零細・中小企業デー」を通して、世界全体の企業から見た零細・中小企業の影響力を改めて見直し、一刻も早い経済回復を望んでいます。


「零細・中小企業デー」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

6月25日の誕生花「ヒルガオ」

「ヒルガオ」

Steve BidmeadによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名Calystegia japonica
  • 英名:Japanese bindweed / False bindweed
  • 科名:ヒルガオ科(Convolvulaceae)
  • 属名:ヒルガオ属(Calystegia)
  • 原産地:日本、中国など東アジア
  • 開花時期:6月~8月
  • 花色:淡いピンク、薄紫、白など
  • 草丈:つる性で、地面を這ったり周囲に巻きつく
  • 生育地:道端、空き地、野原などの日当たりの良い場所

ヒルガオについて

beauty_of_natureによるPixabayからの画像

特徴

  1. 日中に咲く一日花
     朝に花を開き、夕方にはしぼむ一日花で、早朝から昼ごろが見ごろ。アサガオ(朝顔)とよく似ていますが、ヒルガオの方がやや小さく、野生化しているものが多いです。
  2. つるを伸ばして繁殖
     他の植物やフェンスなどに巻きついて成長する、強い繁殖力を持つ植物です。地下茎でも増えるため、一度根づくと駆除が難しいほど丈夫です。
  3. 柔らかな色合いと質感
     花びらはラッパ状で、淡いピンクが多く、どこか儚げな雰囲気を持っています。その素朴な姿が、野に咲く風情を漂わせています。

花言葉:「絆」

Jacques GAIMARDによるPixabayからの画像

ヒルガオの代表的な花言葉のひとつが「絆(きずな)」です。
この意味には、以下のような植物としての性質や姿が関係していると考えられています。

◎ つるが絡み合う様子から

ヒルガオはつるを巻きつけるように成長するため、他の植物や構造物に寄り添って咲きます。この「巻きつく」「離れない」姿が、人と人とのつながりや心の結びつきを連想させ、「絆」という花言葉につながりました。

◎ 見えないところで支え合う地下茎の存在

ヒルガオは地上のつるだけでなく、地下茎でも仲間を増やしていきます。地中でつながり合いながら、目に見えない場所でも関係を保つその生態は、まるで長い友情や家族のような深いつながりを思わせます。

◎ 控えめでも確かな存在感

派手さはありませんが、夏の野に自然に咲いている姿は、そっと寄り添い、支えるような愛情を感じさせます。これは、絆の本質──無言の支えや共感──と通じる部分があります。


「昼の絆(ひるのきずな)」

ThomasによるPixabayからの画像

夏の日差しがまぶしい昼下がり、古びた線路沿いに、淡いピンクの花が静かに揺れていた。
 ヒルガオ。誰に手入れされるわけでもなく、ただ自然に、誇らしげに咲いている。

 その線路沿いを、ひとりの女性が歩いていた。
 名前は澪(みお)。十年ぶりに、故郷の町へ帰ってきた。

 「変わらないなぁ……」

 口にした声は、どこか苦笑混じりだった。
 高校卒業と同時に飛び出した町。東京での生活に必死で、戻る理由もなかった。
 けれどこの春、父が亡くなり、遺品整理のために帰ってきたのだった。

 町は少し寂れていた。子どもの頃に通った文房具屋も、友達と通った駄菓子屋ももうない。
 だけど――このヒルガオだけは、ずっと変わらず咲いていた。
 昔と同じ場所に、同じように、線路の柵に絡みついて。

 「……さやか」

 澪は小さく名前を呼んだ。
 小学校からの親友、さやか。澪にとって、最も大切な存在だった。

 二人はよく、この線路沿いを歩いた。学校の帰り道、夢の話をしたり、恋の相談をしたり。
 心細かった思春期のすべてを、さやかと分かち合った。
 けれど、高校三年の冬、たったひとつの誤解がきっかけで、関係はあっけなく壊れた。

 「先に裏切ったのは、どっちだったんだろうね」

 声に出すことはなかったが、何度も心の中で自問した。連絡する勇気もなかった。
 時間だけが過ぎ、いつしか「もう遅い」と思い込むようになっていた。

 線路を越えた先に、小さな花壇があった。ふと見ると、ヒルガオが、誰かに添えられたように石のそばに咲いていた。
 そして、そこには小さな木製の名札――

 「佐原さやか ここに眠る」

 風が止まり、澪の足が固まった。胸の奥がぎゅっと締めつけられる。

 ――会いに来るの、遅かったね。

 そんな声が聞こえた気がした。

 けれど、澪は泣かなかった。ただ、石の前に静かに腰を下ろし、ヒルガオの花に指をそっと触れた。

 「さやか、あのとき、ちゃんと話せてたら……」

 風がまた吹いた。つるが揺れ、花が澪の膝に触れた。

 絆は、目に見えないところで繋がり続ける。たとえ言葉を交わせなくても、姿を見られなくなっても。
 まるでヒルガオが、土の下で根を広げ、季節が巡っても咲き続けるように。

 澪は立ち上がり、線路沿いの道を歩き出した。
 この花が咲いている限り、きっと、さやかとの絆もほどけはしない。そう信じられる気がした。