漫画週刊誌の日

3月17日は漫画週刊誌の日です

3月17日は漫画週刊誌の日

1959年の3月17日は、日本初の少年向け週刊誌「週刊少年マガジンサンデー」が同日に発刊された日です。この漫画雑誌は、現在では毎週水曜日に発売となっています。しかし創刊当初は木曜日発売であり、マガジンが定価40円で販売し、サンデーは付録で充実していたマガジンに対抗すべく、ギリギリになって30円で販売したそうです。

週刊マガジン

週刊少年マガジン」は、「スポーツ」「ファンタジー」「ラブ コメディ」などのあらゆるジャンルの話題作を世に送り出しています。さらに現在でも、常に読者に興奮と感動を届け続けているメジャ ー少年漫画雑誌です。

週刊マガジンとサンデー

戦後の1959年以降、平和なサラリーマン社会と共に週刊誌ブームが起こります。小中学生の学年別学習雑誌を出版していた小学館は、「漫画が中心の少年向けの週刊誌」をベースにした「少年サンデー」が企画されています。一方で、戦前の大正時代から存在する月刊少年誌「少年倶楽部」を、戦後にすぐさま月刊誌「ぼくら」を発刊しました。

さらには、伝統話芸の講談社も、長編ストーリーを中心にとした少年週刊誌を企画して対抗しています。そして、これらのライバル社が一騎打ちするかたちで、「サンデー」と「マガジン」が同日発売されています。その後、互いにしのぎ合うことで、表現と支持の幅を広げています。

キングやジャンプ、チャンピオンが登場

その後続々と、少年画報社の「少年キング」、秋田書店の「少年チャンピオン」、集英社の「少年ジャンプ」が参入してきます。そして、少年誌は巨大業界に成長し、戦後に発展した貸本漫画に作品を描いていた多くの漫画家が少年漫画作品を出しました。そして、次世代を多くの才能が引き継ぐと青年誌や少女誌も盛んとなり、現在でもサブカルチャーの中心的な地位を維持しています。

世界に広がる「MANGA」

実はこの3月17日、どんな協会や組織が制定したのかハッキリしていないそうです。しかし、講談社のマガジンや小学舘のサンデーなどが競争で素晴らしいサブカルチャーへと確立したことは事実ですし、世界に日本の「MANGA」文化が花開くはじまりの日であったことはまぎれもない事実でもあります。


漫画週刊誌の日」に関するツイート集

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3月16日の誕生花「ハナズオウ」

「ハナズオウ」

基本情報

  • 学名:Cercis chinensis
  • 科名:マメ科
  • 属名:ハナズオウ属
  • 原産地:中国
  • 分類:落葉低木〜小高木
  • 開花時期:3〜4月
  • 樹高:2〜5mほど
  • 別名:スオウバナ(蘇芳花)

ハナズオウについて

特徴

  • 春になると、葉が出る前に鮮やかな紅紫色の花を咲かせる
  • 花が**枝だけでなく幹から直接咲く(幹生花)**のが特徴
  • 小さな蝶形の花が密集して咲き、華やかな印象を与える
  • 花のあとには**平たい豆のようなさや(果実)**ができる
  • 庭木や公園樹として親しまれる春の花木
  • 花の色は、蘇芳(すおう)という染料の赤紫色に似ていることから名付けられた


花言葉:「裏切り」

由来

  • ハナズオウは、裏切り者の象徴とされる木として語られることがある
  • 由来は、キリスト教の伝承に登場する ユダ・イスカリオテ に関係している
  • イエスを裏切ったユダが、その後後悔して首を吊った木がハナズオウだったという伝説がある
  • この物語から、ハナズオウは裏切りや後悔の象徴として語られるようになった
  • そのため「裏切り」という花言葉が生まれたと伝えられている

※この伝承は主にヨーロッパで語られるもので、文化や地域によって解釈は異なります。


「紫の花が咲くころに」

 春の終わりに近い午後だった。

教会の裏庭には、一本のハナズオウの木が立っている。
枝にも、幹にも、小さな紅紫色の花がびっしりと咲いていた。

まるで木の内側から、静かに色がにじみ出ているようだった。

私はその木の前に立ち、しばらく花を見上げていた。

「その木、珍しいでしょう」

背後から声がした。

振り向くと、白髪の神父がゆっくりと歩いてきていた。

「ハナズオウという木ですよ」

神父は木を見上げながら言った。

「春になると、葉が出る前に花だけが咲くんです」

私は頷いた。

確かに、枝には葉がほとんどなく、花だけが浮かぶように咲いている。

不思議な木だった。

「この木には、少し悲しい伝承があるんですよ」

神父は穏やかな声で続けた。

「花言葉は“裏切り”。聞いたことはありますか?」

私は首を横に振った。

神父はゆっくりと語り始めた。

「昔、イエス・キリストを裏切った弟子がいました」

その名前は
ユダ・イスカリオテ。

三十枚の銀貨と引き換えに、彼はイエスを敵に引き渡した。

「けれど、彼はそのあと深く後悔したと言われています」

神父は静かに言った。

「そして、耐えきれなくなった彼は――」

そこで言葉を止め、ハナズオウの幹を見た。

「この木に首を吊ったという伝説があるんです」

私は思わず木を見上げた。

紅紫色の花が、風に揺れている。

それは決して暗い色ではないのに、どこか胸に残る色だった。

「もちろん、これは伝説です」

神父は穏やかに微笑んだ。

「でもこの話から、この木は裏切りや後悔の象徴として語られるようになりました」

私はしばらく何も言えなかった。

その理由は、きっと神父にはわからなかっただろう。

私はこの教会に、偶然来たわけではなかった。

三日前、親友と喧嘩をした。

小さなことだった。

本当に、小さなことだった。

けれど私は、彼の秘密を別の友人に話してしまった。

悪気はなかった。

ただ、軽い気持ちだった。

でも、その言葉はすぐに彼の耳に届いた。

「どうして言ったんだよ」

そう言われたとき、私は何も答えられなかった。

裏切るつもりなんてなかった。

けれど結果は同じだった。

それ以来、彼から連絡はない。

スマートフォンを見ても、メッセージは届かない。

私はポケットからスマートフォンを取り出した。

画面は、相変わらず静かなままだった。

「人は、ときどき間違えます」

神父がぽつりと言った。

私は顔を上げた。

「大きな裏切りも、小さな裏切りも」

神父はハナズオウを見上げていた。

「でも、大事なのはそのあとなんです」

「……あと?」

「後悔すること」

風が吹いた。

紅紫色の花が静かに揺れた。

「後悔できる人は、まだ大丈夫です」

神父は優しく言った。

「本当に怖いのは、自分が間違えたことに気づかないことですから」

私はもう一度、木を見上げた。

幹から直接咲く花。

まるで木の心が外に現れているみたいだった。

ユダも、きっと後悔していた。

それでも彼は、その重さに耐えられなかった。

私はスマートフォンを強く握った。

そして、ゆっくりとメッセージを開いた。

何度も打って、何度も消した。

短い言葉しか思いつかなかった。

「ごめん」

送信ボタンの前で、指が止まった。

風がまた吹いた。

ハナズオウの花が揺れる。

紅紫色の花は、まるで沈む夕日のようだった。

私は目を閉じた。

そして、送信を押した。

画面が静かに光る。

それだけだった。

返事が来るかどうかは、わからない。

それでも、少しだけ胸が軽くなった気がした。

教会の裏庭には、静かな午後の光が差している。

ハナズオウの花は、変わらず咲いていた。

裏切りの象徴と言われる木。

けれど、その花はどこか優しく見えた。

まるで、
後悔する心を、静かに受け止めているかのように。

国立公園指定記念日

3月16日は国立公園指定記念日です

3月16日は国立公園指定記念日
国立公園指定記念日

1934年の3月16日、内務省が「瀬戸内海」「雲仙」「霧島」の3ヵ所を国立公園に指定しました。それが日本初で「国立公園」の誕生となります。国立公園は、日本の風景を代表する自然の景勝地であり、自然公園法に基づいた保護と利用促進を図る目的で、環境大臣指定の自然公園です。

国立公園

平成新山

国立公園は、日本を代表するより優れた自然の風景地を保護するために、開発などを制限して、美しい景色の観賞など、自然に親しむことができるように必要な情報の提供、また利用施設を整備しているところであることを定義とされています。

瀬戸内海国立公園

瀬戸内海

瀬戸内海国立公園は、陸域海域を含めると日本一広大な国立公園です。瀬戸内海一番の特色は、大小1000ほどに及ぶ島々で形成された内海多島海景観だといわれています。そして、瀬戸内海一帯は昔から人と自然が共存してきた地域で、段々畑や古い港町の家並など、人が作り出した景色が特徴となります。

雲仙天草国立公園

雲仙普賢岳平成新山

海に囲まれている雲仙岳は、海岸やフェリー航路から見える海に浮かぶ優美なシルエットが魅力的です。このシルエットは、見る角度によっては別の姿が見ることができます。雲仙岳北面の「奥雲仙」や「田代原」、「牧場の里あづま」は雲仙岳一帯に広がり、かつてから面影で「牛馬の放牧草原」が現在でも見れます。

霧島錦江国立公園

「栗野八幡地獄」は、霧島火山の中でも最も古い火山の一つにあります。そして、その中の栗野岳の麓で激しく噴気をあげる地獄があります。

韓国岳

韓国岳

「韓国岳」は、標高1,700mある本公園最高峰で直径が900m、そして深さは300mの火口を持っています。山頂周辺から見る眺望は絶景で、天気が良い日は錦江湾や桜島、さらには遠く開聞岳も見えることがあります。

開聞岳

開聞岳

その「開聞岳」は、薩摩半島の南部にそびえ立ち、秀麗な山体を持っていて、「薩摩富士」と呼ばれる地域のシンボルになっている火山です。標高922mの山頂は360度の景色が見れて、桜島や霧島、大隅半島、屋久島まで見渡すことが可能です。

国定公園との違いは?

国定公園

国立公園は、国が管理と保護していますが、「国定公園」は「国立公園の景観に準ずる傑出した自然の大風景であること」が要件となっています。国定公園の管理や保護は、都道府県が行っているそうです。いずれにせよ、美しいものは心を癒してくれたり、リフレッシュしてくれたりします。したがって我々国民も、「ひとりひとりが保護する」こと意識しなくては守りきれないでしょう。


「国立公園指定記念日」に関するツイート集

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3月15日、10月4日の誕生花「ホワイトレースフラワー」

「ホワイトレースフラワー」

基本情報

  • 学名Ammi majus
  • 科名:セリ科
  • 原産地:地中海沿岸地方~西アジア
  • 和名:ドクゼリモドキ(毒性のあるセリに似ていることから)
  • 開花期:5月~6月(切り花はほぼ周年)
  • 花色:白
  • 草丈:60~100cm程度

花束やアレンジメントに添えられることが多く、「レースフラワー」の名で親しまれています。

ホワイトレースフラワーについて

特徴

  • 小花が傘のように広がる
    無数の小さな白花が集まって、まるでレース編みのような繊細な姿を作ります。
  • 可憐で軽やかな雰囲気
    主役の花を引き立てる「名脇役」として使われ、花束に清楚さや優雅さを添える存在です。
  • ハーブとしての一面
    原産地では古くから観賞用だけでなく、薬草的にも扱われてきました。
  • 似ている花との違い
    ニンジンの花やレース状に咲く「オルラヤ(オルレア)」とよく似ていますが、ホワイトレースフラワーはより繊細で花の数が多い傾向があります。

花言葉:「可憐な花」

由来

「可憐な心」という花言葉は、花の姿そのものに由来しています。

  • 繊細な小花の集まり
    ひとつひとつの花はごく小さく、主張せずに寄り添って咲きます。
    → その奥ゆかしく控えめな姿が、「可憐で純粋な心」を思わせる。
  • レースのような美しさ
    華美ではなく、柔らかで上品な美しさがあり、「可憐」という言葉が自然に重ねられた。
  • 調和と支え合い
    中心の花を引き立てるように周囲を囲む姿は、自己主張よりも「思いやりある心」を表現していると考えられた。

「可憐な心」

放課後の教室には、もうほとんど人が残っていなかった。窓から差し込む夕陽が、机の上に置かれた小さな花瓶を淡く照らしている。そこには、真っ白なホワイトレースフラワーが一輪だけ挿されていた。

 「これ……誰が置いていったんだろう」

 涼子は首をかしげた。花瓶は図工室から持ち出したものだろうか。差してある花は、校庭に咲いているものではない。花屋で買ったのか、あるいは家の庭から摘んできたのか。

 彼女はそっと花に顔を近づけた。小さな花が無数に集まって、ひとつの大きな傘のような形を作っている。主役になろうとする花ではなく、控えめに、けれど確かな存在感でそこにある。

 「……なんだか、綺麗」

 思わずそう口にすると、背後から声がした。

 「気づいた?」

 振り返ると、同じクラスの健太が立っていた。いつもは冗談ばかり言う彼が、珍しく真剣な顔をしている。

 「これ、君にあげたんだ」
 「えっ、わたしに?」

 涼子は驚いた。自分が花をもらうなんて、想像したこともなかった。

 「花言葉、知ってる?」健太は少し照れたように笑った。「ホワイトレースフラワーには、『可憐な心』っていう意味があるんだ」

 涼子は花を見つめ直した。確かに、一つ一つはとても小さくて、主張しすぎない。けれど集まることで、レースのように柔らかで美しい模様を描いている。

 「……どうして、それを私に?」

 健太は一瞬、言葉を探すように視線を泳がせた。やがて、小さな声で続けた。

 「君ってさ、いつもみんなのこと気にしてるだろ。授業中でも、誰かが困ってたらすぐに助けてるし。大きな声で自分をアピールしたりはしないけど、ちゃんと周りを支えてる。そういうところ、花言葉みたいだなって思ったんだ」

 涼子の胸が熱くなった。自分のことをそんなふうに見ていてくれる人がいるなんて、考えもしなかった。

 窓の外では、夕焼けが少しずつ群青色に変わっていく。沈黙が落ちる中、涼子はそっとホワイトレースフラワーに触れた。

 「ありがとう。……すごく、嬉しい」

 彼女の言葉に、健太は安心したように笑った。その笑顔はどこかぎこちなかったけれど、誠実さがにじんでいた。

 その瞬間、涼子の心に芽生えた感情は、まだ名前をつけられない。けれど、確かに暖かい光のように胸を満たしていた。

 花瓶の中の白い小花たちは、夕暮れの光を受けてかすかに揺れた。まるで二人の心を見守るように、可憐で純粋な姿を輝かせながら。

3月5日、12日、15日の誕生花「クンシラン」

「クンシラン」

zrenateによるPixabayからの画像

クンシランは、光沢のある濃緑色の葉と、鮮やかなオレンジや赤色の花が特徴の多年草です。冬から春にかけて花を咲かせ、室内観葉植物としても人気があります。

クンシランについて

sandidによるPixabayからの画像

🌿 基本情報

  • 学名Clivia miniata
  • 科名:ヒガンバナ科
  • 属名:クンシラン属 (Clivia)
  • 原産地:南アフリカ

🌱 育て方

  • 日当たり:明るい日陰がベスト(直射日光は避ける)
  • 水やり:春~秋は土が乾いたら水やりし、冬は控えめに
  • 温度:5℃以上を保つと冬越ししやすい
  • 肥料:春と秋に緩効性肥料を施す

クンシランは丈夫で育てやすい植物なので、初心者にもおすすめですよ! 😊

🌿 豆知識

  • クンシランは「根が鉢いっぱいになると花がよく咲く」と言われています。
  • 寒さにはやや弱いため、冬は室内で管理すると安心です。
  • 葉の形が美しいため、花が咲いていない時期でも観葉植物として楽しめます。

クンシランは比較的育てやすく、長寿の植物としても知られています。大切に育てることで、毎年美しい花を咲かせてくれるでしょう✨


花言葉:「高貴」

Etienne GONTIERによるPixabayからの画像

💬 花言葉:「高貴」「誠実」「情け深い」
「君子蘭」という名前の通り、気品と威厳を感じさせる姿から「高貴」という花言葉がつけられています。また、ゆっくりと時間をかけて成長し、美しく咲くことから、「誠実」「情け深い」といった意味も持ちます。


「君子の花」

Peter HolmesによるPixabayからの画像

祖母の庭には、毎年春になると美しいオレンジ色のクンシランが咲いた。

 幼い頃から、それを見るのが好きだった。広く青い空の下、深い緑の葉に囲まれた花々は、まるで庭の王様のように堂々と咲き誇っていた。祖母はいつも、それを慈しむように水をやり、葉を優しく撫でながら語りかけていた。

sandidによるPixabayからの画像

 「この花はね、ゆっくりと時間をかけて育つの。すぐには咲かないけれど、ちゃんと根を張り、力を蓄えてから美しい花を咲かせるのよ。まるで君子のように、誠実で、情け深い花なの」

 私は祖母の言葉を聞き流していた。ただ、その優しい声と温もりが心地よかった。

 
 時は流れ、私は都会の大学に進学し、一人暮らしを始めた。忙しさに追われ、祖母の庭のクンシランのことなど、すっかり忘れてしまっていた。

 そんなある日、母から電話がかかってきた。「おばあちゃんが入院したの」

 私は急いで実家に帰った。祖母は高齢のため、体調を崩しやすくなっていたが、病室のベッドで微笑んで私を迎えてくれた。

 「久しぶりね、元気だった?」

 私は何かを言おうとしたが、言葉が詰まった。そんな私を見て、祖母は優しく笑った。

 「庭のクンシラン、もうすぐ咲く頃ね」

 私は黙って頷いた。祖母の言葉を聞いて、久しぶりに庭に足を運んだ。

Alun DaviesによるPixabayからの画像

 そこには、相変わらず堂々としたクンシランが咲き始めていた。鮮やかなオレンジ色の花が、静かに春の訪れを告げているようだった。

 私はそっと花に触れた。その感触は、どこか祖母の手の温もりを思わせた。

 祖母が亡くなったのは、それから数週間後だった。

 葬儀が終わり、私は祖母の部屋を片付けていた。そのとき、小さなノートが目に入った。開くと、そこには祖母の綴った庭の記録が残されていた。

ajabsによるPixabayからの画像

 「クンシランが咲いた。孫が帰ってくる頃には、もっときれいになっているだろう」

 涙がこぼれた。

 それから私は毎年、祖母の庭のクンシランを見に帰るようになった。時間をかけて、ゆっくりと花を咲かせるその姿は、まるで祖母の生き方そのもののようだった。

 そして私は、あの言葉を噛みしめる。

 「誠実で、情け深く、時間をかけて美しく咲く――まるで君子のように」

オリーブの日

3月15日はオリーブの日です

3月15日はオリーブの日

1950年3月15日、昭和天皇小豆島を巡幸の時に、オリーブの種を蒔かれました。そしてその種は発芽し、今では立派に成長しています。そのことから1972年、香川県小豆島の「オリーブを守る会」がこの日を記念日として制定しています。そして、毎年「オリーブの日」に合わせて様々なイベントが開催されているようです。

オリーブ

オリーブの樹

オリーブは、銀葉が美しく芝生が広がる洋風の庭にマッチします。オリーブの果実は苦く、食用とするには厳しいですが、塩漬けやオイルを楽しむことは可能です。また、一般的に大きめの果実は含油率が低いため塩蔵用に向き、小さめの果実は含油率が高いのでオイル用に向くといわれています。

オリーブ発祥の石碑を建立

小豆島のオリーブ

1908年の明治時代にアメリカから輸入され、その苗木から小豆島のオリーブ栽培がスタートしました。 1987年の昭和に入ってオリーブ植栽80周年を記念し、香川県が建立しました。そしてその「オリーブ発祥の地碑」が、現在も日本のオリーブ発祥の地を讃えるように存在しています。

オリーブの栄養価

オリーブの栄養価

オリーブには、「ビタミンE」や「オレイン酸」、「βカロテン」や「カルシウム」などの栄養素が豊富に含まれているそうです。なのでオリーブオイルを使ったレシピ(サバ缶パスタ本格ピザ)などありますが、普段の料理もサラダ油を使うところをオリーブオイルに変えたりして、ジャンジャン活用していこうと思います。


「オリーブの日」に関するツイート集

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3月14日の誕生花「ブルーデイジー」

「ブルーデイジー」

基本情報

  • 学名:Felicia
  • 科名:キク科
  • 属名:フェリシア属
  • 原産地:南アフリカ
  • 分類:多年草(日本では一年草扱いされることも多い)
  • 開花時期:3〜6月、9〜11月
  • 草丈:30〜60cmほど
  • 別名:フェリシア、ルリヒナギク(瑠璃雛菊)

ブルーデイジーについて

特徴

  • 鮮やかな青色の花びらと黄色い中心が特徴の可憐な花
  • デイジーに似た花形で、爽やかな印象を与える
  • 日光を好み、晴れた日に花を大きく開く性質がある
  • 春から初夏にかけて長く花を楽しめる
  • 花壇や鉢植え、寄せ植えなどに人気がある園芸植物
  • 涼しげな青色の花は庭やベランダのアクセントになる


花言葉:「純粋」

由来

  • 混じりけのない澄んだ青色の花びらが、清らかな心や無垢さを連想させたため
  • 素朴で飾らない花姿が、まっすぐで純真な印象を与えることから
  • 太陽の光を受けて明るく咲く様子が、曇りのない心や誠実さを象徴すると考えられた
  • 青い花が持つ清潔感や透明感のある美しさが、「純粋」という花言葉につながった


「青い花の約束」

 春の風がやわらかく吹く午後だった。

駅前から少し離れた小さな公園の花壇に、ブルーデイジーが咲いていた。
澄んだ青色の花びらと、真ん中の小さな黄色い円。太陽の光を受けて、まるで空のかけらのように輝いている。

私は足を止め、しばらくその花を見つめた。

「きれいでしょう?」

後ろから声がした。

振り向くと、小さな園芸店の店主らしい年配の女性が、ジョウロを手に花壇に水をやっていた。

「ブルーデイジーですよ」

そう言って、彼女は優しく花に目を向けた。

「花言葉、知っていますか?」

私は首を横に振った。

「純粋、なんです」

その言葉を聞いたとき、不思議と胸の奥が少しだけ痛んだ。

――純粋。

その言葉を聞くと、いつも思い出す人がいる。

大学一年の春。
私はまだ新しい街にも慣れていなくて、講義が終わるとまっすぐ帰るような毎日だった。

ある日、キャンパスの裏庭で彼女に出会った。

「この花、好きなんです」

そう言って彼女が指差したのが、ブルーデイジーだった。

花壇の端に、ひっそりと咲いていた。

「青い花って、少ないでしょう?」

彼女はしゃがみこんで花を見ながら言った。

「でもこの青って、すごくきれいなんです。混じりけがない感じで」

私はその花を初めてちゃんと見た。

確かに、その青は不思議だった。
濁りがなくて、どこまでも澄んでいる。

まるで春の空をそのまま花びらにしたみたいだった。

「この花、純粋っていう花言葉なんですよ」

彼女は少し照れたように笑った。

「青がきれいだから。清らかな心を連想させるんだって」

そのときの私は、ただ「そうなんだ」と頷いただけだった。

花言葉なんて、どこか遠いもののように思えたからだ。

それから私たちは、よく話すようになった。

講義のあと、図書館へ行く途中。
学食の帰り道。
キャンパスのベンチ。

彼女はいつも、花の話をした。

「ブルーデイジーって、太陽が好きなんです」

ある日、彼女は言った。

「晴れた日に、いちばんきれいに咲くんですよ」

その言葉どおり、春の光の下でブルーデイジーはいつも明るく咲いていた。

「曇りのない心って、こういう感じかもしれませんね」

彼女は花を見ながら、そうつぶやいた。

私はその横顔を見ていた。

飾らない言葉。
素直な笑顔。

ブルーデイジーの花言葉が「純粋」だという理由が、少しわかった気がした。

彼女自身が、どこかその花に似ていたからだ。

けれど、時間は思ったより早く流れた。

夏の終わり、彼女は突然言った。

「引っ越すことになったんです」

家族の事情で、遠い街へ行くことになったという。

私は何も言えなかった。

ただ、あの花壇の前に一緒に立った。

ブルーデイジーはまだ咲いていた。

「またどこかで会えたらいいですね」

彼女はそう言って笑った。

その笑顔は、あの日と同じだった。

澄んだ青い花のような、まっすぐな笑顔だった。

私は結局、何も伝えられなかった。

好きだとも言えず、
引き止めることもできず、
ただ見送っただけだった。

それから何年も経った。

街も、仕事も、生活も変わった。

けれど、ブルーデイジーを見ると、必ず思い出す。

混じりけのない青い花びら。
素朴で飾らない花の姿。
太陽の光の中で、まっすぐに咲く花。

清潔で透明なその美しさが、「純粋」という花言葉になった理由を、今なら少しわかる気がする。

あの頃の気持ちは、きっと不器用だった。
言葉にもならないほど、まっすぐだった。

でも、それでよかったのかもしれない。

ブルーデイジーの青は、今も変わらない。

澄んだ空のように、静かに咲き続けている。

私は公園の花壇をもう一度見た。

太陽の光の中で、ブルーデイジーが揺れている。

その青は、あの日と同じだった。

胸の奥に残っている、
まだ少しだけ、純粋な気持ちのように。

2月14日、3月14日、11月3日の誕生花「カモミール」

「カモミール」

基本情報

和名:カモミール(カミツレ)
学名Matricaria chamomilla(ジャーマンカモミール)/Chamaemelum nobile(ローマンカモミール)
英名:Chamomile
科名:キク科(Asteraceae)
属名:マトリカリア属、カマエメルム属
原産地:ヨーロッパ、西アジア
開花期:5月〜7月
花色:白(中心は黄色)
草丈:20〜60cm程度

カモミールについて

特徴

  • 見た目
    小さな白い花びらと黄色い花芯が特徴。デイジー(ヒナギク)に似た可憐な姿をしています。
    優しい見た目に反して、風や踏まれても負けないたくましい生命力を持っています。
  • 香りと効能
    リンゴのような甘い香りが特徴で、「カモミール」という名前もギリシャ語の
    “chamaimēlon(大地のリンゴ)”に由来します。
    ハーブティーやアロマとして親しまれ、リラックス効果・安眠・炎症鎮静などの効能があります。
  • 種類
    主に「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類。
    ジャーマンは一年草でお茶向き、ローマンは多年草でアロマオイル向きです。
  • 性質
    日当たりと水はけのよい場所を好み、やせた土地でもよく育ちます。
    ほかの植物が弱るような場所でも花を咲かせる、強い適応力が魅力です。

花言葉:「逆境に耐える」

由来

花言葉のひとつである「逆境に耐える(Patience in adversity)」は、
カモミールの生命力と再生力に深く関係しています。


① 踏まれても、さらに強く育つ花

カモミールは、踏まれるとその刺激でより丈夫になり、
かえって花が増えるという性質を持っています。

そのためヨーロッパでは古くから、

「踏まれるほどに強くなる花」
“The more it is trodden on, the more it spreads.”
という言葉で知られてきました。

この性質が、「どんな苦境にも屈せず、むしろそれを力に変えて咲く花」
という象徴となり、**「逆境に耐える」**という花言葉が生まれました。


② 優しさと強さの共存

柔らかく香る姿からは想像できないほど、カモミールは環境の変化に強く、
冷涼な気候でも乾いた土地でも育ちます。
その姿が「穏やかさの中にある芯の強さ」を思わせることから、
「優しい人ほど、困難に負けない」という意味も込められています。


③ 古代からの癒やしの象徴

古代エジプトでは、太陽神ラーに捧げる花とされ、
病気や不安を癒す“光の薬草”と呼ばれました。
困難の中にあっても人々を癒やし、希望を与える花――
この役割もまた、「逆境を照らす強さ」の象徴です。


🌷 その他の花言葉

  • 「あなたを癒す」
  • 「清楚」
  • 「友情」
  • 「平和」

「踏まれても咲く花」

放課後の校庭には、夕陽がゆっくりと沈みかけていた。
足もとに広がる草の間に、小さな白い花が揺れている。
香織(かおり)はしゃがみこんで、その花をじっと見つめた。

――カモミール。
理科の授業で見た写真と同じだ。
けれど、ここに咲く花はどこか違って見えた。
校庭の隅、何度もボールに踏まれ、雨に打たれ、それでもなお、まっすぐ立っていた。

「……強いな」
つぶやいた声は、誰に向けたものでもなかった。

その日、香織は部活の練習を途中で抜け出していた。
チームの中心にいたはずの彼女は、最近どうにも調子が出ない。
少しのミスで冷たい言葉を浴びせられ、笑われ、責められる。
本当はやめてしまいたい――そんな思いを抱えたまま、ここに来たのだ。

風が吹き、カモミールの花が小さく震える。
けれど、倒れない。
その姿が、なぜか自分を見ているようで、胸の奥が熱くなった。

「どうして……そんなに平気そうなの」

答えがあるはずもない。
けれど、どこかで聞いた言葉が脳裏をよぎった。

“The more it is trodden on, the more it spreads.”
踏まれるほどに、よく育つ花。

そうだ。
先生が言っていた。カモミールは、踏まれても倒れない。
むしろ、それを栄養にして、さらに強く根を張るのだと。

そのとき、後ろから声がした。

「こんなとこにいたんだ」

振り返ると、同じ部の友人・遥(はるか)が立っていた。
「……部活、サボってるって思われるよ」
「もう、思われてるよ」
苦笑いがこぼれた。

遥は香織の隣に腰を下ろし、カモミールを見つめる。
「それ、かわいいね」
「うん。……でも、踏まれても咲くんだって」
「へえ、強いね」

「ね。私も、そうなれたらいいのに」

小さく呟くと、遥は少し考えてから、優しく言った。
「香織はもう、そうだよ。だって、今日も来てるじゃん」

その言葉に、香織ははっとした。
たしかに――泣いても、悔しくても、それでも自分はここに立っている。
もしかしたら、それだけで十分なのかもしれない。

沈みかけた夕陽が、カモミールを黄金色に照らす。
香織はポケットからスマホを取り出し、そっと花を撮った。

「ねえ、これ、明日みんなにも見せようかな」
「いいじゃん。……“強さのお守り”みたい」

二人は笑い合った。
風の中で小さな花が揺れる。
踏まれても、折れずに、香りを放ちながら。

その姿が、心の奥で静かに光を灯していた。

――優しさと強さは、きっと同じ場所にある。
――倒れても、また立ち上がれる。

香織は立ち上がり、部室の方へと歩き出した。
背中には、夕陽とカモミールの香りがやわらかく寄り添っていた。

数学の日

3月14日は「数学の日」、「円周率の日」です

数学の日

1997年、日本数学検定協会(公益財団法人)がこの日を記念日として制定しています。この日付は、円周率の日でもあり、(π)の近似値3.14から3月14日に決められました。目的は、数学を生涯の学習とし、全世代楽しめるように発展させるための日としているそうです。

数学について

数学

数学は、量・構造・空間、そして変化の研究であり、数学者はパターンを探し、新しい予想を定式化しています。そして、適切に選んだ公理や定義から厳格な推論によって真理を確立しています。 抽象概念や論理的推論から計算して測定する。そして、物体の形と動作の組織的研究して数学は次々と進化しました。数学は、「基礎と哲学」「純粋数学」「応用数学」の大きく三つに分類されてます。

円周率の日

円周率の日

円周率の小数表記、「3.141592653589793238462643383…」の上3桁に一致します。通常では、3月14日の1時59分か15時9分にこの記念日を祝うそうですが、この2つの時刻は数字で表記すれば、「1:59」と「15:9」であり、日付の「314」から円周率3.14の次にあたる6桁を表しています。

円周率

円周率とは

円周率とは、円の直径に対する円周の長さの比のことです。学生の時に数学でちょくちょく問題で出されていたと思います。例えば、円周の長さを求める公式では、『2×半径×円周率』です。その中の円周率は、直径を何倍したら円周になるかを表す数字ということになります。

円周率は数字が無限に続く

無限に続く円周率

円周率を単に3.14と習いましたが、これは計算しやすいように簡略化されたものであることも一緒に習ったと思います。円周率を正確な数字で出すと、3.141592…となり小数点以下の数字が無限に続いていく特殊な数が出てきます。  

測量と数学

数学で習った計算式

遠くにある山や建物の高さや距離を、数学で習った計算式で導き出すことができます。昔、工業高校で習った測量の際に使用した三角関数です。ちなみに、古くから「影の長さから太陽の角度を測る」ことも三角関数が利用されていたのだそうです。普段は、「足し算」や「引き算」、「かけ算」や「割り算」以外は直接生活に関わらないことが多いです。しかし、数学者が導き出した法則で、より早くそして正確な構造の建造物や機械などができていると思うと、ホントに奥深いものを感じます。


「数学の日」、「円周率の日」に関するツイート集

2026年の投稿

2025年の投稿

2024年の投稿

3月13日の誕生花「イカリソウ」

「イカリソウ」

基本情報

  • 学名:Epimedium grandiflorum var. thunbergianum
  • 科名:メギ科
  • 属名:イカリソウ属
  • 分類:多年草(山野草)
  • 原産地:日本(主に中部地方以北の本州)
  • 開花時期:4〜5月
  • 草丈:20〜40cmほど
  • 別名:サンシクヨウソウ(三枝九葉草)、ヨウラクソウ(瓔珞草)

イカリソウについて

特徴

  • 花の形が**船の錨(いかり)**に似ていることから「イカリソウ」と呼ばれる
  • 細い花弁が四方に伸びる、独特で繊細な花姿をもつ
  • 花色は白・ピンク・紫などがある
  • 山地や林の中など半日陰の環境に自生する山野草
  • 春になるとハート形に近い葉とともに可憐な花を咲かせる
  • 日本では古くから薬草としても利用されてきた


花言葉:「君を離さない」

由来

  • 錨(いかり)は船を海底に固定する道具であり、船をその場につなぎ止める象徴とされている
  • 花の形がその錨に似ていることから、大切な人を離したくないという想いが重ねられた
  • 錨が船を守るように、相手をしっかりとつなぎ留めたい気持ちを表す意味が込められた
  • そのイメージから「君を離さない」というロマンチックな花言葉が生まれた


「錨の花が咲く丘」

 春の終わりが近づくころ、山の道には小さな花が咲きはじめる。
白や淡い紫の、風に揺れる繊細な花。

その花の名を、イカリソウという。

花びらが四方へ細く伸び、その形が船の錨(いかり)に似ていることからそう呼ばれるようになった。
錨は船を海底に固定する道具だ。
波に流されないように、船をその場所につなぎ止める。

だからだろうか。
この花には、こんな花言葉がある。

――君を離さない。

それを最初に教えてくれたのは、直哉だった。

大学の裏山には、細い山道が一本だけ伸びていた。
舗装もされていない、ほとんど誰も通らない道だ。

私はその道を歩くのが好きだった。
講義が終わったあと、誰にも会いたくない日に、よくそこへ行った。

ある春の日、その道で直哉に出会った。

彼はしゃがみ込み、地面をじっと見ていた。

「何してるの?」

声をかけると、直哉は少し驚いた顔をして振り返った。

「ああ、花を見てた」

彼が指さした先に、小さな花が咲いていた。

白くて、細くて、まるで風にほどけそうな花だった。

「これ、イカリソウっていうんだ」

私は初めてその名前を聞いた。

「イカリ?」

「うん。錨の形に似てるでしょ」

言われてよく見ると、確かに花びらが四方へ伸びていて、どこか船の錨の形に似ていた。

「へえ……」

私はしゃがみ込み、その花を見つめた。

「この花、花言葉も面白いんだよ」

直哉はそう言って、少しだけ笑った。

「何?」

「君を離さない」

思わず顔を上げると、彼は照れたように肩をすくめた。

「錨って、船を海底に固定する道具だろ。流されないように」

「うん」

「だから、この花も“大切なものを離さない”って意味があるらしい」

私はもう一度、花を見た。

小さくて、頼りなさそうなのに。
どこかしっかりと地面に立っている。

「なんか、かわいいね」

そう言うと、直哉は静かにうなずいた。

「そうだな」

それから私たちは、時々その山道で会うようになった。

約束したわけじゃない。
ただ、気がつくと同じ時間に、同じ場所にいた。

春はイカリソウ。
初夏はヤマアジサイ。
秋には小さなリンドウ。

直哉は花の名前をよく知っていた。

「どうしてそんなに詳しいの?」

ある日聞くと、彼は少し遠くを見るような目をした。

「祖父が山の人だったんだ」

「山の人?」

「植物を調べる仕事してた。小さい頃、よく一緒に山に入ってたんだ」

そう言って、彼は足元の草を指さした。

「花ってさ、ちゃんと意味があるんだよ」

でも、その時間は長く続かなかった。

三年生の冬、直哉が突然言った。

「俺、来月から北海道に行くことになった」

「え?」

「研究室の関係でさ。向こうの大学に移るんだ」

私は何も言えなかった。

山道には、まだ冬の空気が残っていた。
草も、花も、まだ眠っている季節だった。

「急だね」

やっとそれだけ言うと、直哉は苦笑した。

「うん。俺も驚いた」

しばらく沈黙が続いた。

風が吹き、枯れ葉が転がった。

「向こう、寒そうだね」

「めちゃくちゃ寒いらしい」

私たちは、まるで他人事みたいに笑った。

直哉がいなくなった春。

私は一人で山道を歩いた。

雪はすっかり溶け、地面には柔らかな光が落ちている。

そして、あの場所に――

イカリソウが咲いていた。

去年と同じ、小さな花。

しゃがみ込み、そっと見つめる。

花びらは風に揺れていた。

錨の形をした、小さな花。

錨は船を守る。
波に流されないように、しっかりとつなぎ止める。

「君を離さない」

あの日、直哉が言った言葉がよみがえる。

でも、それはきっと、
離れないという意味じゃない。

距離ができても、
時間が流れても、
それでも心のどこかに留まり続けるもの。

錨は船を閉じ込めるためのものじゃない。

帰る場所を忘れないためのものだ。

風が吹き、花が揺れた。

私は少しだけ笑った。

「ねえ、直哉」

小さくつぶやく。

「今年も咲いてるよ」

イカリソウは、今年も静かに揺れていた。

まるでどこか遠くの海へ向かう船を、
そっと見送る錨のように。