理学療法の日

7月17日は理学療法の日です

7月17日は理学療法の日

1965年、理学療法士について定めた法律の「理学療法士及び作業療法士法」が公布されています。そして翌年、第1回理学療法士国家試験が実施。この試験に合格した理学療法士、7月17日に結成されたのが、「日本理学療法士協会」です。ということで今回は、理学療法士とは何する人かを調べてみました。

理学療法とは何?

理学療法とは

脳出血や脳梗塞等の後遺症、交通事故等の怪我、高齢による体力の衰えなどによって運動機能が低下した状態の人に対し、運動機能の維持や改善を目的に運動、温熱、光線などの物理的な方法で行われる治療法です。

理学療法士はどんな仕事をするの?

理学療法士はどんな仕事

理学療法士は、理学療法士・作業療法士法に基づく国家資格であり、リハビリテーションチームを構成する医療従事者の一員です。

身体動作のエキスパート

身体動作のエキスパート

理学療法士は人の身体の動作についてのエキスパートであり、理学療法を用いて再び社会復帰出来るように、サポートするのが仕事です。他にも自立支援、生活支援、健康増進、介護予防など様々な場面でも活躍しています。

私自身もお世話になりました!

装具

自分は、数年前に脳出血の後遺症によって、左半身麻痺の障害者になりました。その時にお世話になったのが、この理学療法士さんです。元もとに戻らないと宣告されながらも、「動ける部分をうまく使ってトレーニングすれば、また地に足を付けて歩くことができますよ。」と励まされ、時には危険な動作をすると叱られたりしながら無事に社会復帰。大変お世話になりました。


「理学療法の日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

7月15日、8月17日の誕生花「ネムノキ」

「ネムノキ」

RalphによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名Albizia julibrissin
  • 科名/属名:マメ科/ネムノキ属
  • 原産地:日本(東北以南)、朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ、インド
  • 開花時期:6月〜7月(初夏)
  • 別名:ネム、ネムノキソウ、シルクツリー

ネムノキについて

ftanukiによるPixabayからの画像

特徴

  • 花の特徴
     細い糸状の花がふわふわと放射状に広がり、淡いピンク色の雲のような見た目が特徴的です。夜になるとふわっと閉じる姿が優雅で幻想的。
  • 葉の特徴
     昼間は開いていますが、夜になると葉が閉じる「就眠運動(しゅうみんうんどう)」をすることでも知られています。この性質から「眠る木=ネムノキ」という名がついたと言われています。
  • 樹形
     成木は枝を大きく横に広げ、傘のような形になります。公園や庭木としても人気があります。

花言葉:「胸のときめき」

RalphによるPixabayからの画像

ネムノキの花言葉の一つに「胸のときめき」があります。その由来には以下のような理由が考えられます。

◎ 花の姿が、やさしく触れるような甘やかさ

ネムノキの花は、糸のように細くて柔らかく、ふわりと空気をまとうように咲きます。遠くから見ると、まるで恋心がふんわりと花開いたような、繊細でやわらかな印象を与えます。

◎ 夜に眠る葉と、静かな情感

夕方になると葉が閉じて眠るようすは、誰かを想ってそっと胸を押さえるような、静かなときめきや感情の動きを連想させます。

◎ 見た人の心に残る、幻想的な美しさ

咲くのは夏の夕暮れ。淡紅色の花と涼しげな緑の葉が夕風に揺れるさまは、どこか儚く、見た人の胸に「なぜか心がざわめくような」気持ちを呼び起こします。


「夕暮れの合歓木(ねむのき)」

nicholas_coderによるPixabayからの画像

坂の途中、古い図書館の裏手に、大きなネムノキがある。誰が植えたのかは知らない。けれど、夏になると決まって淡いピンクの花を咲かせて、まるで空気に溶け込むように、ふわふわと枝を揺らす。

 その木の下で、私はいつも彼を待っていた。

 彼の名前は直(なお)。
 大学のサークルで出会って、なぜか自然と話すようになって、でもいつの間にか、私の方ばかりが彼を目で追うようになった。講義のあとも、飲み会のあとも、二人でこの木の下を歩いた。恋人未満の曖昧な距離。でも、その時間が好きだった。

 「この木、知ってる? ネムノキって言うんだよ」
 ある日、直がそう言った。
 「“合歓”って書くんだ。葉っぱが夜に眠るから、“眠る木”って意味らしい」
 「眠る木……」
 「なんか、優しいよな。疲れたとき、そっと目を閉じるみたいでさ」
 そう言って、彼は葉の影を見上げた。夕方の光が彼の頬に当たって、細いまつげの影が頬に落ちていた。私はその横顔を、胸の奥がきゅっとなる思いで見ていた。

 それが、私の「ときめき」の始まりだったのかもしれない。

 季節が進んでも、私たちの距離は変わらなかった。近くて、遠い。心は触れそうなのに、指先はまだ届かない。

WikimediaImagesによるPixabayからの画像

 夏の終わり、私は勇気を出して聞いた。
 「直、誰か好きな人、いるの?」
 しばらく沈黙があって、彼は静かに笑った。
 「いるよ。でもたぶん、気づいてもらえてない」

 その言葉の意味が、自分を指しているのか、それとも違う誰かなのか、私は聞き返すことができなかった。

 そして秋が来て、彼は海外の大学院に進むことになった。お別れはあっけなくて、私たちは最後も、ネムノキの下で会った。

 「この木のこと、たぶんずっと忘れない」
 そう言った彼の声が、ひどく遠くに感じた。
 「……うん。わたしも」
 と答えるのが精一杯だった。

 その夜、ネムノキの葉は、いつもと同じように眠るように閉じていた。まるで私の胸の奥で、小さくたたまれる想いを真似るように。

 それから数年が経ち、私はこの町に戻ってきた。図書館の裏手、ネムノキは変わらずそこに立っていた。枝は少しだけ大きくなっていて、花はやっぱりふわりとしたまま、夏の夕暮れに揺れていた。

 そっと手を伸ばして、花に触れる。
 やさしく、甘やかで、そして少しだけ切ない。
 胸の奥に、あのときと同じ感情が浮かぶ。

 ――ときめき。
 触れられそうで、触れられなかった想い。

 「……久しぶり」
 後ろから、聞き覚えのある声がした。

 振り返ると、直がいた。あの頃と変わらない笑顔で、私を見ていた。

 「この木、まだ咲いてるんだな」
 「うん。……あのときと同じ」
 「いや、ちょっとだけ、違う」
 そう言って、彼は私の隣に立った。

 ネムノキの花が、私たちの頭上で揺れていた。
 夕風が吹き、胸の奥で、小さなときめきが再び目を覚ます。
 今度こそ――触れられるような気がした。

虹の日

7月16日は虹の日です

7月16日は虹の日
PexelsによるPixabayからの画像

7「なな」と1「いち」と6「ろく」、七色として虹の日。梅雨明け間近で、特にこの時期の空に虹が出ることが多いことから「人、自然、世代が七色の虹のように結びつく日」として、デザイナーの山内康弘が制定。

「先輩が後輩をサポートする日」

「先輩が後輩をサポートする日」

「先輩が後輩をサポートする日」との意味合いで、音楽を中心としたイベントなども展開しています。という事で、虹について調べてみました。

虹が出る時

虹が出る時

 虹は、空気中の雨粒が太陽光を反射して見える現象です。光が空気中に漂う水滴に屈折して入り、水滴の中で反射、さらに屈折をした時、再び水滴から出て光ります。

虹のメカニズム

虹のメカニズム

この時、光は波長により、屈折率が違うため、外側から「赤→橙→黄→緑→青→藍→紫」の7色に分かれるそうです。よく晴れた日に、ホースで花に水をやる時、霧吹き状にの中で虹のようなものが出ますよね。きっとその原理でしょうね。

半円ではなく真んまるの虹も見れる

半円ではなく真んまるの虹も見れる

NASAは、「地上からだと、虹の上半分しか見えませんが、上空からは360度丸い虹を見ることが可能です」これは、通常の虹とは原理が異なる、「ブロッケン現象」によるものだそう。

虹が見れる方角

虹が見れる方角

虹は太陽を背にして見えるため、朝は西、夕方は東の空に出ます。ですが、ある日突然出現して直ぐに消えます。嫌な雨の後、カラット晴れた際に心も晴々となり、その貴重な虹が見れた時は、自然の贈り物だと思って美しさを堪能しましょう。

「虹の日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

7月14日の誕生花「ノウゼンカズラ」

「ノウゼンカズラ」

基本情報

  • 学名Campsis grandiflora
  • 英名:Chinese trumpet vine
  • 科名/属名:ノウゼンカズラ科/ノウゼンカズラ属
  • 原産地:中国
  • 開花期:7月~8月(初夏〜盛夏)
  • 花色:橙色、赤橙色、まれに黄色
  • つる性植物:壁やフェンスなどに絡みつきながら成長する

ノウゼンカズラについて

特徴

  • 鮮やかなトランペット型の花
     花径5〜7cmほどのラッパ型の花を房状に咲かせ、非常に目立ちます。橙色の花は夏の青空に映え、南国的な雰囲気を持ちます。
  • つるで高く伸びる性質
     気根を出して壁や木に絡みつき、数メートルにもなる高さまで伸びます。放っておくと家の屋根にまで届くほど旺盛に育ちます。
  • 落葉性の木本つる植物
     冬になると葉を落としますが、春になると再び芽吹き、毎年元気に花を咲かせます。
  • 日当たりと排水の良い場所を好む
     日照が十分ある場所でこそ、その鮮やかな花色がより映え、花付きもよくなります。

花言葉:「夢ある人生」

ノウゼンカズラの花言葉にはいくつかありますが、その中でも「夢ある人生(a life full of dreams)」という言葉は、以下のような植物の性質と姿に由来していると考えられます。

◎ 高く空へと向かう成長姿勢

ノウゼンカズラは壁や支柱に絡みながら、まるで空に向かって夢を追うようにどこまでも伸びていきます。その姿が「未来への希望」「高みを目指す意志」を象徴しているのです。

◎ 鮮やかに咲き誇るラッパ型の花

ラッパは「喜び」や「希望の到来」を知らせる象徴でもあります。夏空の下で明るく咲くその姿は、「人生を前向きに楽しもう」というメッセージを感じさせます。

◎ つる性植物としてのしなやかさ

夢や目標に向かう中での柔軟さや粘り強さ、時には支えを得ながらも自分のペースで伸びていく様子が、「人生の旅路」に重ねられます。


「夢の途中で咲く花」

古い町並みに溶け込むように佇む一軒のカフェ。軒先のレンガ塀には、夏の陽を浴びながらノウゼンカズラが咲き誇っていた。ラッパのような橙の花々は、まるで空に向かって夢を告げるファンファーレのように見える。

 そのカフェで、静かにコーヒーを淹れている女性がいた。名前は澪(みお)、三十二歳。グラフィックデザイナーとして東京で働いていたが、数ヶ月前にすべてを手放し、この小さな町へと戻ってきた。

 「夢って、何だったんだろうね」

 そうつぶやいたのは、古い友人の一樹(いつき)だった。高校時代からの付き合いで、今は町の工務店で働いている。久しぶりの再会に、ふたりはカフェのテラスに並んで座っていた。

 「東京での生活、そんなに悪くなかったんだけどね。ただ、ある日ふと立ち止まっちゃって。『このままでいいの?』って。で、気づいたら、夢の続きじゃなくて、夢の形そのものを見失ってた」

 風がそっとノウゼンカズラを揺らす。澪の視線が花に吸い寄せられるように向かう。

 「この花、昔おばあちゃんが好きだったの。『夢が咲く花よ』って言ってた。意味なんて知らなかったけど、なんだか今なら少しわかる気がする」

 「夢が咲く花か。いい言葉だな」

 「うん。何かを目指して一生懸命伸びるのって、すごく眩しい。でも、途中で立ち止まることもあるじゃない? そんな時に、自分を責めるんじゃなくて、“いまはここで咲こう”って思えたらいいのかも」

 一樹は少しだけ目を細めて言った。

 「夢って、ゴールじゃなくて旅なんだろうな。ノウゼンカズラみたいに、支えを見つけながら、しなやかに伸びていく。高く、高く、でも風に揺れながら、自分のペースで」

 テーブルの上に影が伸びる。午後の光が、カフェの壁を橙色に染めていた。

 「ここで、また始めてみようかなと思ってるの。東京とは違うかもしれないけど、今の私にはこの場所がちょうどいい気がする」

 「新しい夢、見つかるといいな」

 「うん、夢ある人生――ってやつをね」

 ふたりは微笑み合った。風がもう一度、ノウゼンカズラを揺らす。花々は空に向かって、今この瞬間の希望をそっと告げていた。

ファミコンの日

7月15日はファミコンの日です

7月15日はファミコンの日

1983年、任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピューター」を販売しした日が7月15日。当時は、アナログテレビにアンテナ信号で接続されてました。懐かしいですね!

アーケードゲームから始まる歴史

アーケードゲームから始まる歴史

昔、ゲームセンターや喫茶店に行くとピンボールなど数々のゲームがありました。この中でもテーブルゲームは特になじみがあるのではないでしょうか?

テーブルゲームに嵌る人たち

テーブルゲームに嵌る人たち

喫茶店に行くと、こういったテーブルゲームが置かれ、コーヒーを飲みながら「ブロック崩し」「スペースインベーダー」「ギャラガ」など。きっと、多くの誰もが経験されているように、もちろん私自身も、子供の頃はかなりお金を使い込みました😁💧

ファミリーコンピューターが誕生!

ファミリーコンピューターが誕生!

「ファミリーコンピューター」、略してファミコンが登場してから自宅でゲームセンターの興奮が味わえるとあって、友達が購入したとなるとその家に通う毎日。当時の嵌まったのは、ドンキーコングやスーパーマリオブラザーズでしたね。

スーパーファミコンからプレステ

スーパーファミコンからプレステへ

それから次々とソフトが増えたと思いきや、スーパーファミコンが登場。テレビ画質や性能もアップし、「セガのセガサターン」、「SONYのプレステ~4」、任天堂wiiなど、どんどん進化しています。

ゲームは、eスポーツの時代に!

ゲームは、eスポーツの時代に!

eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」。電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技。近年、eスポーツは急速に成長し、世界中で注目を集めています。ここでは、eスポーツの発展、影響、そして未来について説明します。

eスポーツの発展

eスポーツの発展

eスポーツは1990年代から徐々に注目され始めましたが、インターネットの普及とともに2000年代以降に大きく発展しました。特に、以下の要因がeスポーツの成長を促進しました。

  1. オンラインゲームの普及:インターネットの高速化と家庭用ゲーム機の進化により、オンラインでの対戦が容易になりました。
  2. ゲームの多様化:さまざまなジャンルのゲームがeスポーツ競技として採用され、幅広いプレイヤー層が参加できるようになりました。
  3. プロフェッショナルリーグと大会の開催:大規模なeスポーツ大会やリーグが次々と開催され、プロゲーマーが誕生しました。

eスポーツの影響

eスポーツの影響

eスポーツの成長は、さまざまな分野に影響を与えています。

  1. エンターテインメント産業:eスポーツ大会は観客動員数や視聴者数が増え、テレビやストリーミングサービスでの放送が一般的になりました。
  2. 教育:eスポーツは学校教育の一部として取り入れられることが増え、チームワークや戦略的思考を育む手段として評価されています。
  3. 経済:スポンサーシップ、広告収入、グッズ販売など、eスポーツ関連の市場は急成長しています。

eスポーツの未来

eスポーツの未来

eスポーツの未来には以下のような展望が期待されています。

  1. オリンピック競技としての採用:eスポーツがオリンピックの正式種目として採用される可能性が議論されています。
  2. 技術の進化:VR(バーチャルリアリティ)やAR(拡張現実)などの新技術がeスポーツに取り入れられ、より没入感のある体験が可能になると考えられています。
  3. 社会的認知度の向上:eスポーツがスポーツとして広く認知されることにより、さらに多くの人々がeスポーツを楽しむようになるでしょう。

eスポーツは今後も多くの人々に影響を与え続け、その可能性は無限大です。

世界が認めたスポーツ競技

世界が認めたスポーツ競技

アメリカでは、国が「スポーツ」として認めています。また、プロのゲーマーを「スポーツ選手」であることを認めています。更に、韓国や中国でも「eスポーツ」が発展し、市場規模も日本とは桁違いです。


「ファミコンの日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

7月13日の誕生花「ホテイアオイ」

「ホテイアオイ」

基本情報

  • 学名Eichhornia crassipes
  • 分類:ミズアオイ科ホテイアオイ属
  • 原産地:南アメリカ(ブラジル・アマゾン流域)
  • 開花期:夏(6月〜11月頃)
  • 生育環境:池、沼、水田、ビオトープなどの淡水中
  • 別名:ウォーターヒヤシンス、ウォーターポピー
  • 草丈:10〜30cm程度(浮遊性の多年草)

ホテイアオイについて

特徴

  1. ぷっくりとした浮き袋状の葉柄
     葉の根元がふくらんでいて、まるで「布袋様(ほていさま)」のお腹のように見えることが和名の由来。水に浮かぶことができる秘密はここにあります。
  2. 淡紫色の美しい花
     ヒヤシンスに似た6弁の花を咲かせます。中心部の花弁には黄色の斑点があり、観賞価値が高いです。
  3. 急速な繁殖力
     株分けによって爆発的に増える性質があり、条件が整うと水面を覆いつくすほど繁茂します。一方で、生態系への影響が懸念され、侵略的外来種として問題になることも。
  4. ビオトープやメダカ飼育に人気
     水質浄化能力があり、水中の窒素やリンを吸収することから、観賞だけでなく環境整備にも使われます。

花言葉:「揺れる心」

「揺れる心」という花言葉は、ホテイアオイの浮遊する姿や、水面でふわふわと揺れ動く様子に由来します。

  • ホテイアオイは土に根を張らず、水面に漂うように浮かんでいます。
     風や水流に身を任せてゆらゆらと揺れるその様子が、気持ちの揺れや、決めかねている心情を象徴しているとされます。
  • また、淡く幻想的な花の色合いも、はかなく移ろいやすい感情や、一時の恋心などを連想させることから、恋愛における「迷い」や「不安定さ」を表す言葉としても使われます。

※他の花言葉としては「恋の悲しみ」「移ろいやすい恋」など、儚さや不安定な感情をイメージさせるものが多く見られます。


「水面に咲く花」

風のない朝だった。川辺の水面は鏡のように静まり返り、その上にホテイアオイの群れが漂っていた。淡い紫の花が、まるで水面に咲いた幻のように揺れている。

 「揺れてるなあ……」

 そうつぶやいたのは、美琴。駅から少し離れたこの川沿いの小道を、彼女は毎朝のように歩いている。隣には、同じ大学に通う拓海の姿があった。彼は決まって、前を歩きながら時折振り返り、美琴に話しかける。

 「ホテイアオイって、浮かんでるんだよね。根っこ、どこにもついてないのに」

 「……うん、知ってる。風に流されるままなんだって」

 二人の会話は、とりとめもなく続く。でも、美琴の胸の奥には、いつも言えない言葉が沈んでいた。春に知り合って、夏になり、こうして川沿いの道を並んで歩くようになった。でも――。

 彼には、好きな人がいる。それも、美琴ではない誰かが。

 だから、彼の言葉に頷きながらも、美琴の心はいつも揺れていた。言いたいことも、笑顔の裏に隠して。彼が優しくするたび、それが「友達として」だと分かっているのに、どうしても期待してしまう自分がいる。

 「ホテイアオイって、見た目はきれいだけど、増えすぎると困るんだよね。流れを止めちゃうから」

 拓海が言ったその言葉に、美琴は少しだけ心がざわめいた。

 「……うん、わたしも同じ。気持ちが増えすぎると、止まっちゃうの」

 彼が振り向いた。

 「え?」

 「ううん、なんでもない」

 言葉を呑み込んだ。何度目だろう、この感じ。言いたいことを水面の下に沈めるたび、ホテイアオイみたいに、心がふわふわと揺れてしまう。

 夕暮れの光が水面に差し込んだとき、美琴はふと立ち止まり、川のほうを見つめた。

 「花言葉、知ってる? ホテイアオイの」

 「え? 知らない。なに?」

 「“揺れる心”だって」

 「……へえ。なんか、今の俺たちにぴったりかもな」

 その言葉に、美琴は一瞬心が跳ねた。けれど、拓海はきっと深い意味など込めていない。それが分かっていても、やっぱり心は揺れてしまう。

 ――好きだって、言えたらいいのに。

 でも言えば、この距離が壊れてしまうかもしれない。そんな怖さが、美琴の言葉をまた水面の下に沈めていく。

 「そろそろ行こっか。授業、遅れちゃうよ」

 拓海が歩き出す。美琴もまた、それに続いた。ホテイアオイの群れは、朝の光の中でゆっくりと、流れに身を任せている。まるで、自分の心そのもののように。

 風が吹いた。水面がわずかに揺れ、花々がそっと揺らいだ。まるで、誰にも言えない恋のように――。

ペリー上陸記念日

7月14日はペリー上陸記念日です

ペリー上陸記念日

1853年7月14日(旧暦6年6月9日)、アメリカの黒船艦隊4隻が江戸湾の浦賀沖に現れ、ペリー提督が久里浜に上陸し、将軍への親書を渡しました。その時の江戸は鎖国、当然異国からの黒い船に街は大混乱です。その時の様子が、蒸気船をお茶の銘柄・上喜撰にかけて、「太平のねむりをさます上喜撰たった四はいで夜もねられず」と狂歌に詠まれるほどだったといわれています。

2度のペリー来航で鎖国が終わった!

狙われた幕府、黒船の襲来!

ペリー(マシュー・ペリー提督)は、1年後に新書の返事を聞くために再び来航すると告げて帰国します。そこで幕府は、翌年のペリー再来に備えて品川沖に6基の砲台(台場)を完成させましたが、翌年の1854年に来航したペリーとの間で「日米和親条約」を結び、200年続いた鎖国がこの時、ついに終わりを告げました。

この「日米和親条約」を結んだことをきっかけとし、下田と箱館を開港、8月にはイギリスと日英和親条約、12月にはロシア帝国と日露和親条約がそれぞれ締結され、鎖国状態は完全に崩壊することとなります。また、このペリーによる「日米和親条約」が結ばれるまでに「ロシア帝国」「イギリス」「フランス」「アメリカ合衆国」などの艦船が日本に来航し、開国を求める交渉を行っていますが、その多くは拒否したそうです。

マシュー・ペリー提督

ペリー来航と日米和親条約

ペリー提督は、1794年4月10日にロードアイランド州のニューポートにてアメリカ海軍私掠船長の「クリストファー・レイモンド・ペリー」と、妻セーラの3男として生まれました。その後に彼は、アメリカ海軍の軍人となり、鎖国状態の日本に来航して開国を要求したことで知られていますが、日本の文書には「ペルリ」と記載されていたそうです。ちなみに彼の正式名は、「マシュー・カルブレイス・ペリー」であり、兄の「オリバー・ハザード・ペリー」は英雄として知られています。

日本の開国までの経緯

日本の開国は、19世紀中頃の国際情勢の変化とアメリカの外交政策によって大きく影響を受けました。以下にその経緯を詳しく解説します。

ペリーの計画と準備

  • ペリーの提案: 1851年1月、アメリカ海軍のマシュー・ペリーは、海軍長官ウィリアム・アレクサンダー・グラハムに日本を遠征する基本計画を提出しました。
  • 日本に関する研究: ペリーは、シーボルトの著書『日本』など約40冊の日本に関する書籍を読み、日本の開国を実現するための方法を模索していました。

アメリカの外交政策

  • フィルモア大統領の指示: 当時のアメリカ大統領、フィルモアは、東インド艦隊司令官の代将ジョン・オーリックに日本の開国と通商関係を結ぶ任務を託していました。
  • サスケハナの出発: 1851年6月8日、蒸気フリゲート「サスケハナ」が東インド艦隊の旗艦としてアジアに向けて出発しました。この艦名は、アメリカ原住民の言葉で「広く深い川」を意味します。

トラブルとペリーの任命

  • オーリックの解任: サスケハナの艦長であるインマン海軍大佐とのトラブルにより、ジョン・オーリックは広東に到着後、病気を理由に解任されました。
  • ペリーの就任: 1852年2月、マシュー・ペリーが東インド艦隊の代将に任命され、日本への遠征が具体化していきました。

「ジョン・オーリック」の代わりにペリーが出航

そして「ペリー」は、ミラード・フィルモア大統領の親書を持ち、日本に開国を要求するためにバージニア州ハンプトン・ローズから蒸気フリゲート艦ミシシッピ号に乗船して、1852年11月24日に出航します。その後、大西洋を渡り、マデイラ諸島⇒ケープタウン⇒モーリシャス⇒セイロン⇒シンガポール⇒マカオから香港へと航海します。そして、1853年5月4日には上海に到着し、「サスケハナ」などの艦隊と合流します。

サスケハナの琉球訪問

琉球王国、首里城

1852年5月17日、アメリカの蒸気フリゲート「サスケハナ」を旗艦として、ペリーは沖縄の琉球に向かいました。琉球には5月26日に到着し、那覇沖に停泊しました。

首里城への訪問打診

  • 訪問の打診: ペリーは首里城への訪問を打診しましたが、琉球王国はこれを拒否しました。
  • 武装した海兵隊の派遣: 琉球王国の拒否に対して、ペリーは武装した海兵隊を率いて首里城へ向かうことを決定しました。

琉球王国との交渉

  • 会見の実現: 琉球王国は「兵と武器の持ち込みは拒否するが、会見には応じる」との姿勢を示しました。これにより、武装解除されたペリーと彼の士官たちが首里城に入城することができました。
  • 大統領親書の手渡し: 琉球王国側は、アメリカ大統領からの親書をペリーに手渡しました。また、酒と料理でもてなされ、ペリーは感謝の意を表しました。

高官の招待

ペリーは琉球の高官を旗艦「サスケハナ」に招待し、料理を振る舞われたと伝えられています。この交流は、アメリカと琉球王国の関係を深める重要な一歩となりました。

黒船来航はここから始まる

ペリーはその後、艦隊の一部を那覇に残し、4隻の軍艦を引き連れ小笠原諸島を探検します。そして、6月23日に一度琉球へ戻りますが、やはり一部の艦隊を残したまま、7月2日に日本の浦賀へ向けて出航しました。そして4隻のペリー艦隊は1853年6月3日に浦賀に入港します。

ここから、あの日本史で必ず学ぶほど、誰もが知っている黒船来航が始まります。この事件があったからこそ、世界中の素晴らしい品々が次々と持ち込まれ、それを日本独自の改良を重ね、より良いものを作ろうという努力が始まったのでしょう。こうした経緯が、我々にとって誇らしい国へと変えてくれた原点なのだと思っています。

「ペリー上陸記念日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

7月12日の誕生花「アキレア」

「アキレア」

基本情報

  • 和名:ノコギリソウ(鋸草)
  • 学名Achillea millefolium
  • 英名:Yarrow(ヤロー)
  • 科名/属名:キク科/ノコギリソウ属
  • 原産地:ヨーロッパ〜アジアの温帯地域
  • 開花時期:5月〜8月(種類により異なる)
  • 草丈:30〜100cm程度
  • 多年草

アキレアについて

特徴

  • 葉が鋸のような形をしていることから、和名では「ノコギリソウ」と呼ばれます。
  • 葉は細かく切れ込みが入り、柔らかく羽のような形状。古くは薬草やハーブとしても利用されていました。
  • 花は小花が密集した平らな散形花序を作り、白・ピンク・赤・黄色など多彩な色合いがあります。
  • 強健で乾燥に強く、野草的なたくましさがあり、ガーデニングでも人気。
  • 花持ちがよく、切り花やドライフラワーにも適する

花言葉:「まごころ」

アキレアの花言葉の一つ「まごころ(真心)」は、以下のような特徴や伝承に由来すると考えられています:

ギリシャ神話の逸話

  • 名前の由来となっているのは、ギリシャ神話の英雄アキレウス(Achilles)。
  • 彼はこの植物を戦場で兵士の傷の治療に使ったとされ、その治癒力と献身的な行動から「真心を尽くす象徴」とされたと言われています。

花の咲き方と印象

  • 無数の小さな花が集まって、一つの花のように見える姿。
  • ひとつひとつの小さな存在が力を合わせて、調和の美しさを生むことから、控えめながらも誠実な心の象徴とされました。

薬草としての歴史

  • 古くから人々の健康を守る植物として親しまれ、心を込めた手当や癒しの象徴とも。
  • 「人の痛みに寄り添う植物」として、「まごころ」や「癒し」の意味が込められました。

「アキレアの咲く丘で」

風が吹くたびに、小さな白い花々がさらさらと揺れた。丘の上に咲くアキレア――ノコギリソウ。誰もいないこの場所に、ひとりの女性が静かに立っていた。

名前は灯(あかり)。看護師として働く日々の中で、今日は久しぶりの休日だった。祖母の遺した手帳を手にして、この丘にやって来たのだ。

「傷を癒すには、この草がいいのよ」

まだ幼かった灯に、祖母はよくそう言って庭の片隅に生えていたアキレアを見せてくれた。乾燥させてお茶にし、香りを嗅がせ、時には小さな擦り傷に湿布を作ってくれた。

──でも、これはただの草じゃないのよ。

祖母はある日、そんなふうに言った。

「ギリシャ神話に出てくるアキレウスって英雄がね、戦で負った仲間の傷をこの草で癒したっていうの。だからこの花には“まごころ”っていう花言葉があるのよ」

灯はその話を、子どものころの空想のように受け取っていた。けれど、大人になった今、その言葉が心に深く刺さる。

病院での仕事は、日々が闘いだった。止まらないナースコール、患者の怒りや不安、仲間との連携ミス。優しくしたくても、疲れ果てて笑えない日もあった。

「人に真心を尽くすって、どういうことなんだろうね、おばあちゃん……」

小さく呟いた灯の足元で、アキレアの群れが風に揺れる。無数の小さな花が集まって、一つの調和を作り出す姿。それはどこか、看護の現場にも似ていた。一人ひとりは小さな力でも、集まれば大きな支えになる。そう信じて、祖母は看護の道を志し、そして灯もまたそれを受け継いできたのだ。

ふと、ポケットの中で手帳が揺れた。開いてみると、あるページに書かれた言葉が目に留まった。

「真心とは、痛みに寄り添うこと。
言葉がなくても、傍にいること。
それだけで、人は少しだけ強くなれる。」

涙がひと粒、頬を伝った。灯はその場に膝をつき、アキレアの花にそっと手を伸ばした。柔らかく、繊細な感触。だけど、どこか芯のある生命力。

祖母が遺した花。アキレウスが使ったという伝説の草。古代からずっと、人の痛みに寄り添い続けたこの植物に、彼女は今、確かな何かを感じていた。

「もう一度、ちゃんと向き合ってみる。患者さんと、自分自身と……」

立ち上がると、風が背を押してくれたような気がした。

灯は静かに丘を後にした。その胸には、ひとひらの“まごころ”が、確かに芽吹いていた。

イーサン・ハントの日!?

7月13日はイーサン・ハントの日

イーサン・ハントの日は、世界的に人気のスパイアクション映画シリーズ『ミッション:インポッシブル』の主人公、イーサン・ハントを祝うために制定された特別な日です。この記念日は、以下のような背景があります。

記念日の由来

  • 制定日: 1996年7月13日
    • 『ミッション:インポッシブル』第1作目が日本で公開された日です。
  • 語呂合わせ: 13日は、主人公イーサン・ハントの名前の読み方「イー(1)サン(3)」にちなんでいます。

映画シリーズの背景

  • 第5作目の公開: 2015年8月7日に公開された『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のPR活動の一環として制定されました。
  • 日本記念日協会の認定: この記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されましたが、その後、同協会の記念日登録は終了しています。

『ミッション:インポッシブル』シリーズの歴史

  1. 第1作目: 1996年公開
  2. 第2作目: 2000年7月8日公開の『ミッション:インポッシブル2』(M:I-2)
  3. 第3作目: 2006年7月8日公開の『ミッション:インポッシブル3』(M:i:III)
  4. 第4作目: 2011年12月16日公開の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』

映画の基盤

『ミッション:インポッシブル』は、アメリカのテレビドラマ『スパイ大作戦』を基にした映画です。興行的成功を収めたこのシリーズでは、主演のトム・クルーズが映画プロデューサーとしても活躍しており、監督選びにも関与しています。

ミッション:インポッシブル最新作

ミッションインポッシブル7(仮題)」は2021年11月19日、「ミッションインポッシブル8(仮題)」は2022年に全米公開される予定なのだそう。

英俳優ニコラス・ホルト

ニコラス・ホルト

トム・クルーズ主演のシリーズ最新作「ミッション:インポッシブル7」に、英俳優ニコラス・ホルトの出演がわかりました。この事は、クリストファー・マッカリー監督がSNSで公開しています。

2作連続の監督、マッカリー

「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」と「ミッション:インポッシブル フォールアウト」の2作連続で監督を務めたマッカリーが、次の第8作も含め監督と脚本を務めるとの事。ニコラス・ホルトは悪役を演じるようですが詳細は不明です。

まとめ

Muhamad Suhkry AbbasによるPixabayからの画像

イーサン・ハントの日は、スパイアクション映画『ミッション:インポッシブル』の魅力を再認識し、主人公イーサン・ハントの冒険を祝う特別な日です。この記念日を通じて、映画ファンは彼の活躍を振り返り、シリーズの新作を楽しむきっかけとなるでしょう。

最新作が楽しみ

毎回素晴らしい内容と、迫力のアクションが面白く1作目から何度も繰り返し観ました。今度の新作もひじょ~に楽しみにしています。


「イーサン・ハントの日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

7月11日、8月10日の誕生花「ハイビスカス」

「ハイビスカス」

hartono subagioによるPixabayからの画像

基本情報

  • 科名/属名:アオイ科/フヨウ属(Hibiscus)
  • 学名Hibiscus (Hibiscus rosa-sinensis)
  • 原産地:ハワイ諸島、モーリシャス島
  • 分類:常緑低木(一部は多年草)
  • 開花時期:5月〜10月(暖地では通年)
  • 花色:赤、ピンク、黄色、オレンジ、白、紫など多彩
  • 別名:ブッソウゲ(仏桑花)

ハイビスカスについて

Danny SchreinerによるPixabayからの画像

特徴

  • 南国の花の代表格
     大きく鮮やかな花を咲かせることから、トロピカルなイメージを持つ花として有名です。
  • 一日花
     多くの品種は「一日花」で、朝咲いて夕方にはしぼむという儚い性質を持っています。ただし次々に新しい花を咲かせ、長期間楽しめるのが魅力です。
  • 開花力が高い
     温暖な気候を好み、日光を浴びるほどよく花をつけます。庭植え・鉢植えどちらでも育てやすく、ガーデニングにも人気。
  • 花の構造
     5枚の大きな花びらと、中央に長く突き出た「雄しべ・雌しべ」が特徴的。花の形がダイナミックで、遠目からでも目立ちます。

花言葉:「繊細な美」

hartono subagioによるPixabayからの画像

ハイビスカスにはさまざまな花言葉がありますが、「繊細な美(delicate beauty)」は特に以下の点に由来すると考えられています。

◎ 一日でしぼむ花の儚さ

 見事に咲いたその美しさは、わずか一日で終わってしまう――
 この「儚さ」と「美しさ」の対比は、まるで一瞬の中に宿る美のようであり、まさに「繊細な美」を象徴しています。

◎ 花びらの質感と色合い

 ハイビスカスの花びらは薄くて柔らかく、光を通すほど繊細。
 さらに赤やピンク、黄色などの鮮やかな色彩が、やさしくも華やかな印象を与えます。

◎ 美しくも傷つきやすい存在

 南国の強い日差しの中で輝く姿は生命力にあふれていますが、ちょっとした環境の変化で傷んでしまうほどデリケート。
 そんな特性も「繊細な美」という言葉にぴったりです。


「一日だけの約束」

Dinesh kagによるPixabayからの画像

海風が静かに吹く、南の島の小さな入り江。
 今日も、崖のふちに咲いた真紅のハイビスカスが、朝の光を受けてそっと開いた。

 「やっぱり、今日も咲いてるんだね」

 椰子の木の下に立つ青年・奏太は、しゃがみ込んでその花に視線を落とした。
 隣には、旅先で出会った少女――真白(ましろ)が立っている。真っ白な帽子と、淡いピンクのワンピースが風に揺れていた。

 「この花、一日でしぼんじゃうんだって。夕方にはもう閉じちゃう。だから……朝のこの時間が、一番きれい」

 真白はそう言って、少し寂しそうに微笑んだ。
 奏太は彼女とこの島で出会って、もう三日目だった。宿も偶然同じで、朝になると不思議と決まってこの崖に向かって歩く。話すことは多くないけれど、なぜか言葉がなくても居心地がよかった。

 「なんか、お前みたいだな」
 「……え?」
 「朝の光の中でだけ咲いてて、ふっといなくなっちゃいそうな感じ」

 真白は驚いたように目を見開き、やがて困ったように笑った。

 「……あたしね、病気なの」
 「え……」

hartono subagioによるPixabayからの画像

 その声はあまりにあっけなく、波の音に溶けるようだった。
 「すぐにどうこうってわけじゃないけど、体の中に、ずっと“夕方”が迫ってるの。あたしの“今”って、朝のうちだけなのかもしれない。だから……朝の花が好き」

 赤いハイビスカスが、風に揺れていた。
 触れたら壊れてしまいそうなほど柔らかい花びら。だけど、その色はまっすぐで、あざやかで、命を抱いていた。

 「わたし、自分のことをこの花みたいだなって思ってる」
 「……繊細な美、ってやつか」
 「うん。強く咲いてるのに、ふとしたことで傷ついちゃう。でも、それでも咲きたかったんだって、思えるようになった」

 奏太は返す言葉が見つからなかった。ただ、少しだけ手を伸ばして、真白の帽子のつばを押さえた。風が吹いていた。小さな花も、彼女の髪も、時間もすべて、ほんの一瞬のまぶしさの中にあった。

 やがて、彼女が小さく言った。

 「明日、東京に戻るんだ」
 「……そっか」

 「でも、この島の朝のこと、ずっと忘れない。ねえ、またいつか咲けると思う? わたしの中の花」

 奏太は少し笑って、そっと答えた。

 「咲くよ。今みたいに、光をちゃんと見てれば。朝は、何度でも来る」

 真白は目を伏せ、もう一度ハイビスカスを見た。
 まるで、自分の心を映すような、真っ赤な一輪の花。

 それはたった一日でしぼむ花だった。けれど、誰よりも鮮やかに、自分の時間を咲かせていた。