3月7日、4月23日、5月12日、15日、7月8日の誕生花「カンパニュラ」

「カンパニュラ」

Yvonne HuijbensによるPixabayからの画像

基本情報

  • 和名:ツリガネソウ(釣鐘草)
  • 学名:Campanula medium
  • 科名:キキョウ科(Campanulaceae)
  • 属名:カンパニュラ属
  • 原産地:南ヨーロッパ(フランス南東部からイタリア半島)
  • 開花時期:5月〜7月(種類によって異なる)
  • 草丈:約20cm〜1m前後(品種による)
  • 多年草または一年草:主に多年草(ただし一年草扱いされるものもあり)

カンパニュラについて

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特徴

  • 花の形が鐘(ベル)に似ていることから、ラテン語で「小さな鐘」を意味する「Campanula」が名前の由来。
  • 花色は紫・青・白・ピンクなどがあり、涼しげで上品な印象を与える。
  • 種類が豊富で、立ち性・ほふく性・つる性など様々な草姿がある。
  • 寒さに強く、耐寒性が高いため、寒冷地でも栽培しやすい。
  • 鉢植えや花壇、切り花としても人気が高い。
  • 中世ヨーロッパでは修道院の庭などで薬草や観賞用として栽培されていた歴史がある。

花言葉:「感謝」

Jan HaererによるPixabayからの画像

カンパニュラの花が風にゆれる様子や、控えめで可憐な姿が、人に何かを伝えたくてそっと話しかけているように見えることから、「感謝」「ありがとう」という気持ちを象徴するようになった。

釣鐘型の花が**「ありがとう」とお礼の言葉を告げるベルのよう**に見える、というイメージが背景にある。

花が下向きに咲く品種が多く、控えめで謙虚な印象が、感謝の気持ちを静かに表す姿と重なる。

誰かにそっと贈りたくなる、静かな思いやりの象徴として「感謝」の花言葉が定着したとされる。


「風のベルが鳴るとき」

Annette MeyerによるPixabayからの画像

駅から少し離れた場所に、小さな花屋がある。
 古い木の扉、白いペンキが少しはがれかけた看板、そして店先に並ぶ鉢植えたち。その一角に、紫と白の可憐な花が静かに揺れていた。

「……これ、カンパニュラっていうんだ」
 そう言ったのは、あのときの君だった。

 高校を卒業してから、もう十年以上が経つ。別々の道を選び、それぞれの場所で大人になった。だけど今でも、あの花を見れば君の声がよみがえる。風にそっと揺れるあの釣鐘型の花が、まるで「ありがとう」と小さくささやいているように思えてしまうのだ。

 あの日も風が吹いていた。卒業式のあと、私は花束を持って君のもとへ向かった。けれど、何も言えなかった。ただ花を差し出して、ぎこちなく笑っただけだった。
 君は、ふっと目を細めて、
「これ、僕の好きな花だ」
 そう言ってカンパニュラの花に指を伸ばした。

 君がこの花を好きだなんて知らなかった。偶然だった。だけどそれが、私たちの最後の会話になった。

 あれからずっと、「ありがとう」の言葉が言えずにいた。励まされていたこと、救われていたこと、君がさりげなく私にくれていた優しさのすべてに、何一つ返せないまま、私は大人になってしまった。

Foto-RaBeによるPixabayからの画像

 ——でも、もし、あの頃の自分に何かできるとしたら。
 花を通して、伝えることができるのなら。

 私は今、花屋で働いている。
 君のことがきっかけだった。カンパニュラに惹かれて、花の仕事を選んだ。言葉では伝えられなかった気持ちを、そっと花に託すようになった。

 今日も、あの花が風に揺れている。

 釣鐘型の小さな花が、まるで風とともにメッセージを奏でるように――。

「ありがとう」
 誰かに、そう伝えたくてここに来る人たちの気持ちを、私はそっと受け取る。

 控えめで可憐な花、カンパニュラ。
 下向きに咲くその姿は、まるで遠慮がちに頭を下げているよう。だけど、だからこそ美しい。静かで謙虚なその花姿は、言葉よりも深く感謝の心を映している。

 私は今日も一輪のカンパニュラをラッピングする。
 いつかの自分のように、言葉にならない「ありがとう」を胸に抱えて、この店の扉をくぐる誰かのために。

 風がまた、店先の花を揺らす。
 カンパニュラが、小さくベルを鳴らすように、優しく――静かに。

七転八起の日

7月8日は七転八起の日

七転八起の日

7月8日は、「七→⑦ 転八→⑧ 起」という事で「七転八起の日」。熊本地震からの復興への気持ちで、何度でも起き上がる心意気を込め、「くまモンの起き上がりこぼし」を発売。「阿蘇壱番屋」がこれを制定しています。

七転八起の日

くまモン起き上がりこぼし

七転八起の日は、七転び八起き(何度失敗しても、諦めずに奮闘すること )としての意味で有名な言葉です。

七転八起の意味

  1. 読み方: しちてんはっき
  2. 意味: 何度失敗してもそのたびに立ち上がり、めげずに努力を続けること。人生には浮き沈みがあることを表す言葉でもあります。

七転八起の由来

  • 仏教の影響: 倒れてもすぐに起き上がるだるま像に由来していると言われています。
  • 数字の意味: 「七」と「八」は多くの回数を示すために使われており、正確には「七回転んで八回起き上がる」という意味ではありません。
  • 生まれてすぐ: 生まれたばかりのときは誰かの助けが必要で、その1回を含めて「八起」とされています。
  • 聖書の影響: 一部の説では、聖書に由来しているとも言われています。

七転八起と七転び八起きの違い

  • 七転び八起き: 読み方は「ななころびやおき」で、意味は「七転八起」と同じです。何度失敗しても立ち上がり続けるという意味を持ちます。
  • 使用頻度: 一般的には「七転び八起き」がよく使われますが、どちらの表現も正しいです。

七転八起と七転八倒の違い

  • 七転八倒: 読み方は「しちてんばっとう」。意味は、何度も転げ回り、起き上がらずに苦しむ様子を表します。
  • 対照的な意味: 「七転八起」が立ち上がることを強調するのに対し、「七転八倒」は苦しみや悲しみを強調した表現です。一般的に「七転八倒の苦しみ」として使われます。

まとめ

「七転八起」は、失敗してもあきらめずに挑戦し続ける姿勢を表す言葉です。人生の浮き沈みを乗り越える力強さを象徴しており、ポジティブなメッセージを持っています。関連する表現として「七転び八起き」や「七転八倒」があり、それぞれ異なるニュアンスを持っています。

くまモンの起き上がりこぼし

熊本地震の後、復興の気持ちを込め「七転八起」の精神の心意気を表す「くまモンの起き上がりこぼし」を商品化しています。しかし再び、2018年7月に西日本豪雨で、河川の氾濫や洪水、土砂災害などの被害が発生しています。

それでも、七転び八起き

2020年7月の今年、停滞する梅雨前線の影響で九州地方は4日、熊本県南部を中心に猛烈な雨に襲われています。7日も九州全域で被害がたくさん出ています。それに加え、新型コロナの感染リスクでの自粛ムード。それでも前に進まなければ…。

「七転八起の日」に関するツイート集

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チキン南蛮の日

7月8日はチキン南蛮の日です

7月8日はチキン南蛮の日
チキン南蛮の日

2011年7月8日は、宮崎のご当地グルメとして「チキン南蛮」をPRする同党が発足しました。そして、それをきっかけに宮崎県延岡市の市民グループ「延岡発祥チキン南蛮党」がこの日を記念日として制定しています。

また、この日の目的はマップの作成や給食のメニューにするなど、地域の食文化としての「チキン南蛮」の知名度を上げるためです。ちなみに、日付は「チキン南⇒7 蛮⇒8」という語呂合わせからもきていて、この日を中心にしてチキン南蛮料理教室などのイベントが実施されているようです。

チキン南蛮の発祥は?

チキン南蛮の発祥は?

宮崎県延岡市の発祥で知られている「チキン南蛮」は、昭和30年代に延岡市内の洋食店で、「まかない料理」として作られたのがルーツだとされています。当時は「鶏唐揚げの甘酢漬け」とも呼ばれる料理でしたが、その後はタルタルソースをかけ、その横にサラダなどを添えるスタイルになりました。

そして昭和40年代には、家族で出かける外食のご馳走メニューとして浸透していきます。それがいつの間にか、学校給食や家庭料理、県内全域で飲食店の定番メニューとして普通に食べられるようになったということです。

「南蛮」は来日ポルトガル人とその文化を表す言葉!?

「南蛮」は来日ポルトガル人とその文化を表す言葉!?

チキン南蛮の「南蛮」は、もともと戦国時代に来日してきたポルトガル人や、その文化を表す言葉です。彼らの食文化の中に「南蛮漬け」が存在していて、唐辛子入りの甘酢に食材を漬けてつくられるものでした。そして、この「南蛮漬け」に鶏肉を漬けたりして料理されていたため、「チキン南蛮」と呼ぶようになったといいます。

タルタルのない「チキン南蛮」

タルタルのないチキン南蛮の「直ちゃん」

1964年頃に提供された最初のチキン南蛮は、現在のチキン南蛮に必ず掛けられている「タルタルソース」はなく、揚げた鶏肉を甘酢に漬けただけのものだったようです。そしてその後の1970年頃に初めて現在のようなタルタルソースが掛かった定番のチキン南蛮が人気になったといわれているそうです。(今でも、元祖「直ちゃん」のチキン南蛮は揚げた鶏肉を甘酢に通すだけで、タルタルソースを掛けません)

延岡だけのソウルフードから全国へ

チキン南蛮、延岡だけのソウルフードから全国へ

初めは延岡市と周辺の人々だけしか知られていなかったこのチキン南蛮が、提供店の店舗数や地域の拡大、新規出店する店の増加によって知名度は増え、今やその人気は全国区になっています。宮崎に来てみると、チキン南蛮発祥の地である延岡はもちろん、県内全域にチキン南蛮の専門店が所々あります。

そして、地域の人々はもちろん、県外から訪れた人が「さすが本場の味」として舌を唸らせているそうです。皆さんも、まず宮崎県の延岡市に訪れた際は、一番最初にチキン南蛮の元祖の味を知るために「直ちゃん」に足を運んでみては如何でしょうか!

チキン南蛮レシピ動画集

元祖、直ちゃん直伝のチキン南蛮レシピ

ムネ肉を揚げるときのテクニックを実演にて説明しています。

元祖、直ちゃん直伝のチキン南蛮レシピ

宮崎発のチキン南蛮レシピ

宮崎発のチキン南蛮レシピ

至高のチキン南蛮レシピ

至高のチキン南蛮レシピ

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3月16日、4月29日、5月6日、6月7日、30日、7月7日の誕生花「クチナシ」

「クチナシ」

Mary BrothertonによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名:Gardenia jasminoides
  • 分類:アカネ科クチナシ属
  • 原産地:本州(東海地方以西)、四国、九州、沖縄
  • 開花時期:初夏(6~7月頃)
  • 花の色:白(咲き始めは純白で、やがてクリーム色に変化)
  • 香り:甘く強い芳香が特徴的

クチナシについて

Ben SoedjonoによるPixabayからの画像

花の特徴

  • 色:純白(咲き始めは白く、徐々にクリーム色へ変化)
  • 形:バラのような重なりのある花びら(八重咲きもある)
  • 香り:甘く濃厚で、ジャスミンに似た芳香がある
  • 咲き方:静かに咲き、花は長く保たないが香りは強く印象的

花言葉:「幸せでとてもうれしい」

Jenny jennysphotos7によるPixabayからの画像

クチナシの花は、甘く優雅な香りと純白の美しい姿で、見る人や香る人に幸福感を与えることから、「幸せでとてもうれしい」という花言葉がつけられました。また、初夏に咲き、静かに咲き誇る様子が、控えめながらも心を満たす喜びを象徴しているとも言われます。


「クチナシの庭で」

Duy Le DucによるPixabayからの画像

六月の午後、陽射しはやわらかく、風はどこか甘い匂いを運んできた。祖母の家の庭に咲くクチナシの花が、今年も静かに咲き始めたことに、私はようやく気づいた。

「今年も咲いたのね」と祖母は言った。細くなった指先で、そっと一輪に触れる。その指先には、長年土を触れてきた人だけが持つやさしさが宿っている。

hartono subagioによるPixabayからの画像

私は、大学に入学してからというもの、しばらく祖母の家に顔を出していなかった。ふとした休日に思い立ち、久しぶりに訪れたこの家は、あの頃とほとんど変わらない。それでも、私の目に映るものすべてが、少しずつ色褪せて見えるのはなぜだろう。時が過ぎて、私だけが変わってしまったような気がした。

クチナシの花は、いつもこの季節に咲いた。白く、凛として、どこか寂しげで、それでいて香りはとても甘く、記憶の奥深くにまで沁みこむような匂いだった。

「クチナシにはね、言葉があるのよ」と、かつて祖母は教えてくれた。「“幸せでとてもうれしい”。静かに咲くけれど、その存在だけで人を幸せにするのよ」

あの頃は、花に言葉があるなんて信じていなかった。ただの作り話か、きれいごとのように思えていた。でも、今は違う。クチナシの香りを胸いっぱいに吸い込みながら、私は少し目を細めた。

「どうしたの?」と祖母が訊いた。

「ううん、ただ懐かしくて。小さいころ、ここで寝転んでクチナシの匂いを嗅いでたの、覚えてる」

祖母は微笑んで、縁側に腰を下ろした。「あの頃、あなたはよく言ってたわ。“このにおい、幸せのにおいがする”って」

私は思わず笑った。「そんなこと言ってたんだ?」

「言ってたのよ。だから、この庭はずっとあなたの“幸せの庭”だと思ってる」

クチナシの香りが、まるで返事のように風にのってふわりと漂ってきた。目の前の白い花が、何かを語りかけているように見えた。祖母が静かに手を添えたその花は、声を持たずとも、確かにそこにいて、私の心を満たしてくれた。

日が傾き始め、庭に長い影が落ちた。私はゆっくりと立ち上がり、祖母の隣に座った。手を伸ばし、ひとつのクチナシにそっと触れた。

「ねえ、おばあちゃん」

「なあに?」

「私、この庭を守っていこうかな。これからも、この香りに会えるように」

祖母は少し驚いた顔をして、それからゆっくりとうなずいた。「それは、とてもうれしいわ」

まるでその言葉が、花言葉そのもののように、私の胸に深く染みこんだ。

「幸せで、とてもうれしい」

クチナシの庭には、言葉では言い表せないほどの温もりがあった。それは誰かの愛や記憶に静かに寄り添いながら、まっすぐに咲いていた。

7月7日の誕生花「アベリア」

「アベリア」

基本情報(概要)

  • 学名:Abelia × grandiflora
  • 和名:ハナツクバネウツギ(花衝羽根空木)
  • 分類:スイカズラ科 ツクバネウツギ属
  • 原産地:野生種は、日本、中国、ヒマラヤ、メキシコに15種が分布
  • 形態:落葉または半常緑低木(地域により変化)
  • 樹高:およそ1~1.5メートル(品種により〜2m程度まで)
  • 開花時期:5月〜10月(長期間咲く)

アベリアについて

特徴

◎ 長く咲き続ける丈夫な花木

  • 花期は非常に長く、初夏から晩秋まで咲き続けるのが最大の特徴。
  • 花が小さいため派手ではありませんが、枝先にまとまって咲く姿は上品で可憐です。

◎ 萼(がく)も美しい

  • 花が散ったあとに残る萼が紅色に色づき、美観が続くため、長く楽しめる植物です。
  • 見た目は小花が咲いているように見えるほど美しいです。

◎ 丈夫で育てやすい

  • 耐暑性・耐寒性ともに高く、剪定にも強いため、初心者にもおすすめの庭木です。
  • 病害虫にも強く、放任でもある程度育つほどタフな植物です。

◎ 樹形がまとまりやすい

  • 半球状に自然に整う樹形なので、生垣や低めの植え込みにもぴったり。
  • 強剪定にも耐え、管理がしやすいです。

◎ 観葉としての魅力も

  • 品種によっては斑入りの葉や、紅葉する葉などもあり、花のない季節にも楽しめます。

花言葉:「強運」

🌸 由来1:花が終わっても美しさが続く「萼(がく)」の存在

アベリアの花は咲いた後、すぐに散ってしまいますが、花の土台となる萼がそのまま枝に長く残り、紅色に色づいて美しく変化していきます。
まるで、運が尽きたように見えても、その後も“魅力”が続いていく姿が、「強運」「運を手放さない」ことの象徴と捉えられました。


🌿 由来2:驚くほどの強さと生命力

アベリアは以下のような性質を持っています:

  • 長期間の開花(5月〜10月):半年近く咲き続ける花は珍しい
  • 病害虫に強く、手間がかからない
  • 強い剪定にも耐える
  • 乾燥や暑さ・寒さにも強い

このように、どんな環境にも適応し、丈夫で枯れにくい性質から、「どんな運命にも負けない強さ」「困難をはね返す強運さ」といった花言葉が生まれたとされています。


🌱 総合的に見ると…

アベリアの「強運」は、
ただ幸運が舞い込むという意味ではなく、

『試練に耐え、静かに、しかし確かに美しさを保ち続ける力』

に由来しています。

だからこそ、アベリアは「強さを信じて進みたい人」や、「困難を乗り越えた人」への贈り物にもぴったりな花です。


「強運の庭」

風がやわらかく吹いた。玄関先の鉢植えがわずかに揺れ、白い小花がそっと頬を撫でるように揺れた。

 アベリア。
 小さくて、誰の目にも留まりにくいその花は、あまり手入れの行き届いていないこの庭の中でも、変わらず毎年咲いてくれた。祖母が大切にしていた木のひとつだ。

 「この花ね、強運って花言葉があるのよ。あんたにも、少しわけてあげたいくらいだわ」

 子どもの頃、病弱だった私の手を握りながら、祖母はそう言って笑った。強運なんて、ずいぶん都合のいい言葉だと思った。けれど、あのころの私は、何かにすがりたかったのだろう。素直に「うん」とうなずいたのを覚えている。

 十年ぶりに戻ってきた実家の庭は、ところどころ雑草に覆われていた。けれど、アベリアだけは変わらず枝を伸ばし、小さな白い花を咲かせていた。萼(がく)もまだしっかり枝に残っていて、先のほうがほのかに紅色を帯びている。まるでまだ咲いているかのように、楚々とした美しさがあった。

 ――地味なのに、しぶとい。

 誰にも気づかれないように咲き、花が終わっても、その存在を静かに残す。
 そういえば祖母もそうだった。

 派手に誰かを引っ張ったり、人前で大声を出すような人ではなかったけれど、何か大事なときにはいつも後ろに立って、そっと背中を押してくれた。母が病気で倒れたときも、父が転職で悩んでいたときも、そして私が高校進学をあきらめようとしたときも。

 「強いって、こういうことなんだよ」

 祖母が亡くなったのは五年前。知らせを聞いたとき、私は海外にいた。夢だった建築の勉強のため、やっと奨学金をもらって留学していた最中だった。

 電話の向こうで、父がぽつりとつぶやいた。

 「おばあちゃん、最後まで庭のアベリア見てたよ。……今年は、花が長く咲いてたな」

 運がいい、って言葉は、どこか軽くて、努力も痛みも省略してしまうようで苦手だった。けれど、あの花を見ていると、少しだけその意味がわかる気がする。

 日当たりがいいわけでも、肥料をこまめに与えられていたわけでもない。それでも、気づけば毎年、風にそよいでいる。
 強い運というより、「運に負けない強さ」とでも言えばいいのかもしれない。

 私はスコップを持って、鉢の周囲の土を掘り返し始めた。草を抜き、枯葉を取り除く。大きな庭はとても手がかかる。けれど、祖母が遺してくれたこの小さな生命の庭を、もう一度きれいに整えてみたくなった。

 強運は、与えられるものではない。
 それはきっと、誰にも気づかれなくても、自分の居場所でひっそりと咲き続ける力なのだ。

 夕方、玄関の灯りに照らされたアベリアが、そっと風に揺れた。
 小さなベルのような花が、まるで微笑むように、こちらを見ていた。

七夕

7月7日は七夕です

7月7日は七夕

7月7日の「七夕」は、織姫と彦星が天の川を渡り、年に一度だけ会うことができるという中国の伝説に由来する日です。そして、この伝説が奈良時代の日本に伝わって、元々日本にあった七夕信仰と結びつけた行事としての「七夕」へと発展していったといわれます。

また、夏の夜空を見上げると、織姫星(織女星⇒しょくじょせい)はこと座の1等星「ベガ」、彦星(牽牛星⇒けんぎゅうせい)はわし座の1等星「アルタイル」があります。ちなみに、この二つの星とはくちょう座の1等星「デネブ」を加えた三つの星を結ぶと大きな三角形となって「夏の大三角」と呼ばれています。

七夕のルーツ

七夕のルーツ

七夕は、昔から伝わる日本のお祭り行事で、1年の重要な節句をあらわす五節句の一つです。毎年「七夕」7月7日の夜に、短冊に願いごとを書き、飾りなどと一緒に笹の葉に吊るして、星にお祈りをします。ほとんどの人たちが、幼稚園や保育園などで、たくさんの短冊をつるして織姫と彦星にお願いごとをして経験があるのではないでしょうか?
その七夕の始まった起源を調べると、「棚機(たなばた)」「七夕伝説」「乞巧奠(きこうでん)」というキーワード出てきます。

棚機(たなばた)

棚機神社(奈良県葛城市)

「棚機」とは、古い日本の禊ぎ(けがれのある人などや神事に従事しようとする人が、川や海の水でからだを洗い清めること)行事で、女性が着物を織って棚にそなえて神さまを迎え、秋の豊作を祈り人々のけがれをはらうというものだったそうです。また、その行事で 選ばれた女性は「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれるそうです。

そして、川などの清い水辺にある機屋(はたや)に籠ると、神さまに心をこめて着物を織り始めます。そのときに使用された織り機が、その「棚機」(たなばた)」というものです。 その後に仏教が伝わってくると、行事はお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるよります。現在では、七夕という二文字で「たなばた」と当て字で読んでいるのは、これが由来となっているとか。

七夕伝説

七夕伝説

この伝説というのは、織姫と彦星の天の川に関係する物語のことであり、実際に夏の空に琴座の「ベガ」と呼ばれている織女星は裁縫の仕事、鷲座の「アルタイル」と呼ばれている彦星(牽牛星)は農業の仕事をつかさどる星から、この物語のきっかけになったようです。

そして、二つの星は旧暦7月7日に天の川をはさんで最も光り輝いているように見えることから、中国でこの日を一年に一度に会えるの日と考え、そこから有名な七夕の物語が生まれたとされています。

乞巧奠(きこうでん)

乞巧奠(きこうでん)

「乞巧奠(きこうでん)」は、中国の行事7月7日に織女星にあやかり、機織や裁縫が上達するよう祈るという風習から始まったそうです。その風習は、庭先にある祭壇に針などをそなえ、星に祈りを捧げるもので、やがてそれが機織のみならず、芸事や書道などの上達も願うように祈るようになったいわれています。

みんなでコロナが終息するように願いましょう!

七夕の願い事

七夕は願い事をする日であり、そして叶えてくれる日だと、子供のころから信じ続けられるロマンチックな行事でもあります。さあ、今日は「七夕」であり、そして、「ドリカムの日」でもあります。ご存じ「ドリームズカムトゥルー」を辞書で調べると、念願の夢・長年の夢・究極の夢・夢のような話。など、夢かなう時の表現は様々です。

子供のころからの夢をかなえる、苦労に苦労を重ねてようやく夢をかなえる、これ以上ない最高の夢をかなえる等など、夢の実現への思いが詰まっている言葉です。まさに今こそ、みんなでコロナ終息へ向けて願い事を叶えて、元の楽しかった日々に戻していきましょう!


「七夕」に関するツイート集

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七夕はドリカムの日!?

7月7日はドリカムの日

七夕はドリカムの日

2015年7月7日、ベストアルバム「私のドリカム」を発売。今年は、スーパー裏ベストアルバム「私だけのドリカム」発売。この日は、ドリカムとファンにとっても「夢がかなう日」、まさに「七夕」ピッタリですね。

本当に認定されてるの?

七夕とドリカム

実際、一般社団法人日本記念日協会より、ドリカムの日として認定されて来年のカレンダーに掲載される事になったそうです。

とんねるずのコンサートでサポート・メンバーの中村

ドリカムのコンサートツアー

ドリカムことDREAMS COME TRUEというメンバーは、1988年(昭和63年)1月に結成しています。実は、元々は1985年から1988年にとんねるずのコンサートツアーでサポート・メンバーをしていた中村が、1988年のコンサートツアー前に吉田をバック・コーラスにしたことがきっかけだそうです。

DREAMS COME TRUE

当初は「チャチャ・アンド・オードリーズ・プロジェクト」というグループ名で、その後「夢はかなう」(DREAMS COME TRUE)に改名。エピック・ソニー・レコードから1989年3月21日、シングル「あなたに会いたくて」とアルバム「DREAMS COME TRUE」の同時リリースでCDデビュー。

1990年代には、圧倒的な人気で1990年発売の「笑顔の行方」で初のオリコンTOP10入り。その後、「決戦は金曜日」などの5作品がミリオンセラーとなります。中でも「LOVE LOVE LOVE」は240万枚以上の売上げです。

ドリカムの人気が上がれば株価も上昇!?

ドリカムの人気が上がれば株価も上昇!?

2006年、大和総研が「ドリカム人気が上がれば、株価も上昇」とする調査結果を発表。ドリカム人気と株価指数が同時に上昇する確率が85%、更に下落時で66%というぐらい高い相関関係を示したことを発見しています。

庶民が共感が持てるドリカムの歌詞が、景気上昇時に前向きな気持ちなり、歌が景気の追い風になったという意見があります。

「コロナ禍」、「ロシアのウクライナ侵攻」、「急激な物価高」という大変なこのご時世ですが、こういう最悪な時期に負けずに、こういった良い曲を聞いて元気をもらいながら、この難局を乗り切りましょう!

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ワクチンの日

7月6日はワクチンの日です

7月6日はワクチンの日

1885年7月6日、近代ワクチンの父、フランス人科学者ルイ・パスツール博士が開発し、狂犬病ワクチンが、9歳の少年ジョセフ・マイスター君に接種された記念すべき日なのだそうです。そして今、「新型コロナ」ワクチンの進捗状況を簡単に紹介します。

新型コロナワクチンが一番早く完成した国

新型コロナワクチンが一番早く完成した国

2020年、臨床試験に入った新型コロナ(COVID-19)ワクチンは18種類です。他にも29種類が前臨床の段階にあるそうです。しかし、2022年半ばになると世界中にすでに承認された新型コロナワクチンが配られ、4度目の接種を打つ国があるほどになっています。

英アストラゼネカと米モデルナ

2020年前後では、当時先行していたのは英オックスフォード大と英アストラゼネカの「アデノウイルスベクターワクチン」と、米モデルナの「mRNAワクチン」。「アデノウイルスベクターワクチン」はP3試験に入っていて、「mRNAワクチン」も7月中にP3試験に入る予定でした。

新型コロナ(COVID-19)ワクチン

ファイザー社のワクチン

そして、米ファイザーは米モデルナ、独ビオンテックと共同開発の4種類の「mRNAワクチン」のうちの1つ「BNT162b1」のP1/2試験で良い結果が得られ、それを発表して7月中にも大規模なP2b/3試験を始めるそうです。さらに、その後2020年12月2日にはイギリスが、世界初のファイザーの新型コロナワクチン承認をしています。 

日本国内の進捗状況!?

アジュバント(ワクチンの免疫原性を高めるために使用される物質のこと)

日本国内は2020年、大阪大とアンジェスが共同開発の「DNAワクチン」が、6月30日にP1/2試験を開始しています。このワクチンの対象は、20~65歳の健康成人です。アジュバント(ワクチンの免疫原性を高めるために使用される物質のこと)を含む同ワクチンを2週間間隔で2回、筋肉内注射をして、安全性と免疫原性を評価されるとの事。

共同開発の「DNAワクチン」

新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(7月3日UPDATE)

AnswersNews

安心安全なワクチンの提供をお願い

安心安全なワクチンの提供

正直な気持ちは、早くワクチンを完成して欲しいと思っています。しかし、世界中の人命が懸かっています。急ぎ過ぎて、失敗は絶対に許されません。実験検査での問題を解決してしっかり検証し、実際に使用された時に安心安全に投与できるものを作って欲しいです。とりあえずは、それまでの間はマスクやソーシャルディスタンスで感染予防策で凌ぎたいと思います。


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5月8日、7月1日、3日、11月5日の誕生花「マツバギク」

「マツバギク」

manseok KimによるPixabayからの画像

■ 基本情報

  • 和名:マツバギク(松葉菊)
  • 学名:Lampranthus、Delospermaなど(複数の種が「マツバギク」と呼ばれます)
  • 科名:ハマミズナ科(ツルナ科とも)
  • 原産地:南アフリカ
  • 形態:多年草(常緑の多肉植物)
  • 花期:4月~5月(ランプランサス属)、6月~10月(デロスペルマ属)

マツバギクについて

manseok KimによるPixabayからの画像

■ 特徴

  • 葉:名前のとおり、松葉のように細長く、肉厚な多肉質の葉が特徴です。
  • 花:デイジーに似た形の鮮やかな花を咲かせます。ピンク、紫、オレンジ、白などカラーバリエーションが豊富です。
  • 性質:非常に乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。砂利地やロックガーデン、斜面の地被植物として使われることも多いです。
  • 育てやすさ:耐寒性・耐暑性ともに強く、放っておいても育つほど丈夫です。

花言葉:「心広い愛情」

manseok KimによるPixabayからの画像

マツバギクの花言葉「心広い愛情」は、以下のような特徴に由来していると考えられます。

  • 咲き誇る花の姿:マツバギクは小さな株でもたくさんの花を一斉に咲かせ、周囲を明るく彩ります。その様子が、見返りを求めず広く愛を与える姿に例えられています。
  • 丈夫で世話いらずな性格:乾燥や過酷な環境でもよく育ち、周囲の環境に順応する懐の深さが「心の広さ」に通じます。
  • 長い開花期間:春から秋にかけて長く花を咲かせ続ける姿は、尽きることのない愛情の象徴とされています。

「ひとひらの広がり」

manseok KimによるPixabayからの画像

真夏の陽射しがじりじりとアスファルトを焼いていた。古びた団地の一角、小さな庭に咲く鮮やかな紫の花が、ひときわ目を引いた。雑草の間から溢れるように顔をのぞかせているその花は、マツバギク。誰が世話をしているのかも分からないまま、毎年この季節になると律儀に咲き、住民たちの目を楽しませていた。

七十を越えた昌子さんは、その花に誰よりも親しみを感じていた。

「今年もよう咲いたねえ」

と、水をやるふりをしながらマツバギクに語りかけるのが日課だ。かつては手入れをする人もいたが、今はもう姿を見せない。だけど不思議なことに、誰にも手をかけられなくなってからの方が、この花は元気に咲くようになった気がする。

昌子さんには息子が一人いた。若い頃に家を出てから音沙汰もなく、最後に会ったのはもう二十年以上前だ。電話も手紙も来ない。はじめの数年は泣いたが、今はもう泣くこともない。ただ、彼が子どもの頃に「お母さんの花だね」と言ったこのマツバギクだけが、記憶のなかで彼とつながる唯一のものだった。

「花はいいね。誰かに見てほしいって思ってるわけじゃないのに、こんなに咲いて」

ある日、団地の隣に引っ越してきた若い母親が、小さな女の子の手を引いて花の前で足を止めた。

「きれいねえ、この花。ママ、これなんて名前?」

「ええっとね、たしか……マツバギク、って言うのよ」

その声に驚いて振り返ると、母親は少し照れながら会釈をした。

「すみません、勝手に見させてもらって……うちの子、この花が気に入ったみたいで」

「いいのよ。この花はね、見る人の心を明るくするの」

「本当に、そうですね。なんだか元気が出ます」

その日から、親子は毎日のように花の前に来て、にこにこと話すようになった。ある日、女の子が昌子さんに小さな絵を渡してくれた。そこにはマツバギクと、「おばあちゃん、ありがとう」の文字。

「ありがとうって、何が?」

「いつも、花、きれいにしてくれてるから」

昌子さんは笑った。

「この子ね、自分で育ってるのよ。誰にも文句言わず、文句言われず、ただ、咲くの。……あなたも、そうやって咲けばいいよ」

日が傾くなかで、マツバギクの花びらが夕陽に透けて光っていた。

そしてその夜、玄関先に一通の手紙が届いた。差出人は、あの息子からだった。

「母さん、元気ですか。ずっと連絡できなくてごめんなさい。最近、娘ができました。マツバギクを見るたび、あなたを思い出します——」

昌子さんは、そっと手紙を胸に当てた。涙は出なかった。ただ、胸の奥が、じんわりとあたたかかった。

花は、見返りを求めず咲き続ける。誰かがそれに気づき、受け取ったとき、広い愛情は静かに、しかし確かに伝わるのだ。

まるで——マツバギクのように。

7月1日、3日の誕生花「ヒメユリ」

「ヒメユリ」

ヒメユリは上品な白や淡いピンクの花を咲かせるユリの仲間。清楚で可憐な姿が魅力で、夏に咲くことが多いよ。控えめな美しさが心を落ち着かせてくれます。

基本情報

  • 学名:Liliumconcolor
  • 科名 / 属名:ユリ科 / ユリ属
  • 原産地:県外:本州、四国、九州(熊本、大分)。朝鮮半島、中国、アムール県内:県北
  • 開花時期:6〜8月
  • 花色:朱赤〜オレンジがかった赤
  • 草丈:30〜60cmほどの小型種

ヒメユリについて

特徴

  • 名前の由来:
    「姫百合」は、一般的なユリよりも背丈が低く、花も小さく可憐なことから「姫」と名づけられました。
  • 姿と生育環境:
    1本の茎に1〜3輪ほど、上向きに花を咲かせます。花弁には黒紫色の斑点が入り、華やかで野性味のある印象。
    日当たりのよい山地の草原などに自生しており、乾いた場所を好みます。
  • 野生種としての希少性:
    近年は自生地の減少により、野生のヒメユリは希少になっています。一部では準絶滅危惧種として保護対象にされています。

花言葉:「誇り」

ヒメユリの花言葉にはいくつかありますが、中でも代表的なのが「誇り」。

● 由来の考察

  1. 凛とした立ち姿
     小さな体ながらも堂々と直立し、上向きに花を咲かせる姿は、控えめでありながら芯の強さを感じさせます。まるで「小さくても誇り高く咲く」生き様のようです。
  2. 野に咲く強さと独立性
     過酷な環境下でも、他に頼らずしっかりと根を張り、美しく咲く姿が「自立した誇りある生き方」を象徴していると捉えられています。
  3. 他のユリとの対比
     豪華なオリエンタルリリーやカサブランカとは異なり、野生種らしい素朴さと慎ましさを持ち、それでいて決して埋もれず、独自の存在感を放っている――その姿が「誇り」という言葉にふさわしいとされています。

「野に咲くもの」

あの山の中腹に、ひと夏だけ咲く花がある――朱の星のような、名も知られぬ小さな花。

 そう語ったのは、祖父だった。

 私は十年ぶりに故郷に帰ってきた。都会で仕事に追われる生活に疲れ、何もかもを一度手放したくなっていた。電車を降りると、駅前の風景は思っていた以上に変わっていたが、山の稜線だけは昔と変わらず、静かに空へと延びていた。

 「……ヒメユリ、だっけ」

 幼い頃、祖父に連れられて何度か登った山道。中腹の草原にだけ、ぽつりぽつりと咲いていたあの朱い花。ユリのようでいて小ぶりで、けれど堂々と天を仰いで咲いていたその姿が、なぜか記憶の底に残っていた。

 祖父はもういない。けれど、あの花がまだ咲いているか確かめたくなって、私は翌朝、登山靴を履いた。

 道中、すれ違う人は誰もいなかった。舗装のない獣道を黙々と進む。額から汗が流れ、足元の小石につまずきながらも、私は昔の記憶を頼りに登り続けた。

 そして、ようやく草原にたどり着いたとき――

 そこに、ヒメユリは咲いていた。

 以前より数は少ない。それでも、岩陰に、小さな群れを成して咲くその姿は、凛としていた。茎は細く、風に揺れながらも折れず、真っ直ぐ空に向かって立っていた。

 「……変わらないんだな、おまえは」

 思わず、しゃがみ込んで花に話しかけた。答えが返ってくるわけもないのに。

 都会での生活は、数字と結果の世界だった。他人の評価に一喜一憂し、自分の価値がわからなくなる日も多かった。何を目指していたのか、なぜそこまでして登ろうとしていたのか。知らないうちに、私は自分を見失っていた。

 けれど、この花は違う。

 誰に見られなくても、賞賛されなくても、ただ「咲く」ことに意味があると知っている。
 誰にも頼らず、自らの力で根を張り、この過酷な自然の中に、自分の場所を見出している。

 「そうか、だから誇りなんだな」

 祖父が昔、教えてくれた。
 「ヒメユリの花言葉は『誇り』だ。小さな花だけど、胸を張って生きてる。おまえも、そんなふうに生きなさい」

 そのときは、意味がよくわからなかった。

 でも今なら、少しだけわかる気がした。

 私は花の隣に小さな石を積んだ。祖父への目印だ。風が吹き、ヒメユリがやさしく揺れた。

 ――ありがとう。
 聞こえた気がして、私は少しだけ笑った。

 小さくても、誇り高く咲いている。
 その姿が、もう一度立ち上がる力をくれた。