5月17日の誕生花「ボタン」

「ボタン」牡丹

基本情報

  • 学名Paeonia suffruticosaosa
  • 英名:Tree Peony
  • 科名:ボタン科(Paeoniaceae)
  • 原産地:中国(特に中国中部)
  • 開花時期:4月下旬~5月中旬
  • 花の色:赤、ピンク、白、黄色、紫など
  • 草丈:約1~1.5m(低木)

ボタンについて

特徴

  • 豪華で大輪の花:直径20cm以上にもなる花を咲かせ、「花の王」とも呼ばれる。
  • 落葉低木:多年生の低木で、冬には葉を落とし、春に新芽と共に花を咲かせる。
  • 品種が豊富:改良が進み、数百以上の品種が存在する。
  • 観賞用として人気:庭園、寺院、公園などでよく見られる。

花言葉:「富貴」

● 意味:「富貴(ふうき)」=「豊かで高貴なこと」「富みと名誉」

● 由来の背景:

  1. 見た目の豪華さ
     牡丹の花は非常に大きく華やかで、まるで絹のような花びらを幾重にも重ねる姿は、富や栄華を象徴します。その姿がまさに「富」と「貴」を体現しているとされました。
  2. 古代中国での評価
     中国では唐の時代から牡丹は「花王(かおう)」と呼ばれ、皇族や貴族の庭に植えられていました。「富貴花」とも呼ばれ、繁栄や吉兆の象徴とされました。
  3. 文芸や絵画での扱い
     詩や屏風絵、浮世絵などにも牡丹は高貴な花としてしばしば登場します。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人の例えにも登場するように、気品ある美の象徴でもありました。

◆ 関連する花言葉

  • 王者の風格
  • 高貴
  • 壮麗
  • 風格

「富貴の庭」

春の終わり、風がやわらかく花を揺らす季節。古都・洛陽の外れに、小さな屋敷があった。そこには、かつて宮廷の女官だった一人の老女、姚(よう)が静かに暮らしていた。

姚の庭には、毎年見事な牡丹が咲く。それはかつて、唐の皇帝から賜ったという由緒ある牡丹の子孫だった。今やその品種は絶え、姚の庭にしか咲かぬ幻の花と噂されていた。

町の者は「富貴の庭」と呼び、遠くから花を見に来る者もいたが、姚は決して庭の門を開かない。ただ一人、隣家の少女・霜蘭(そうらん)だけが、毎年その花を間近で見ることを許されていた。

姚と霜蘭は、血のつながりはないが、まるで祖母と孫のような関係だった。霜蘭がまだ幼い頃、両親を疫病で亡くし、泣きながら門の前で座っていたのを、姚が拾い上げたのが縁だった。

ある年の春、霜蘭は姚に尋ねた。

「どうして牡丹は“富貴の花”って呼ばれるの?」

姚は微笑んで、語りはじめた。

「昔、唐の都でね、牡丹は“花王”と呼ばれていたのよ。その姿は、まるで天の絵筆が描いたように美しくて。皇后さまや妃たちは競ってこの花を咲かせたの。花が咲けば、富と栄華が訪れると信じていたのね」

「でも、それってほんとうの“富貴”なの?」

霜蘭の問いに、姚は少し驚いたような顔をしてから、ゆっくりと首を横に振った。

「いいえ。あれは表の富貴。目に見えるもの。でもね、霜蘭、牡丹はそれだけの花じゃないの」

そう言って、姚は花びらにそっと触れた。

「牡丹はね、厳しい冬を越えて、じっと耐えたあとに咲くの。その忍耐と、咲いたときの誇り高さ――それが本当の“富”であり、“貴”なの。だから、花は語るのよ。“咲く時を知れ。己を知れ”とね」

霜蘭はその言葉を胸に刻んだ。

月日が流れ、姚は老い、ある春の朝に静かに息を引き取った。その日、牡丹はこれまでにないほど大きく、美しく咲いた。花は風に揺れ、まるで姚の最後の言葉を伝えるかのようだった。

姚の遺志により、「富貴の庭」は霜蘭に託された。少女はやがて成長し、その庭を守り続けることを誓った。やがて霜蘭の手で、牡丹は再び都の庭園や寺に広まり、多くの人々の目と心を潤すことになる。

そして春が巡るたび、「富貴」の意味を問う者が現れる。霜蘭はいつも笑ってこう答える。

「富とは、与えられたものでなく、育んだもの。貴とは、見せびらかすものでなく、心に宿すもの。そう、あの人が教えてくれたのです」

牡丹は今日も咲く。まるでその言葉を、静かに証明するかのように。

ファイバーの日

5月18日はファイバーの日です

5月18日はファイバーの日

5月18日のこの日は、ファイバー(食物繊維)に関する情報提供を行っている学術団体「ファイバーアカデミア」が2005年に記念日として制定しました。また、この日付は(5⇒ファイブ 1⇒い 8⇒ば)で「ファイバー」という語呂合わせから決定されたそうです。そしてその目的は、食物繊維を摂取することの大切さを再認識してもらうためです。

食物繊維

食物繊維の豊富な食べ物

食物繊維とは、食べ物に含まれている人間の体内で消化酵素力によって分解ができない成分です。また、ほとんどの食物繊維は、単糖が数多く結合した多糖類に分類されますが、消化されなくてエネルギー源にはなりません。そして、この食物繊維は大きく分けて、水に溶ける「水溶性食物繊維」と溶けない「不溶性食物繊維」が存在します。以前は、便秘を解消する成分くらいにしか知られていませんでしたが、長年の研究により、食物繊維の健康への有効性が次々と証明されはじめて、現代では他にも様々な病気の予防に役立つ重要な栄養素として認められているそうです。

水溶性と不溶性食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は体内で吸収されませんが、健康維持に重要な役割を果たしていて、第六の栄養素といわれ現在では注目されています。また、いずれも大腸内の細菌により発酵・分解され、善玉腸内細菌であるビフィズス菌などの餌になるため、これらの善玉菌が増殖し、腸内環境が改善されるそうです。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維が多い食材

水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になる性質により、便を柔らかくして排泄を促し、糖質などの栄養素の吸収を抑えてくれます。また、腸内に存在する「善玉菌」のエサになり、善玉菌を増やす役割も果たします。腸内には、「善玉菌」や「悪玉菌」以外にも、「日和見菌」も存在しています。この日和見菌は善玉菌にも悪玉菌にも変化するので、できるだけ善玉菌を増やす方向へとバランスを保つことが大切です。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維の多い食材

不溶性食物繊維は、水に溶けないために水分を吸収して膨張させることで腸を刺激し、大腸の蠕動運動(腸管の口側が収縮し、肛門側が弛緩して内容物を先へ押し出していく運動のこと)を促して排便を助けます。また、便の量を増やして排泄しやすくしてくれる効果も期待できるそうです。

サプリメントの効果

食物繊維とサプリメント

私たちは最近、ビタミンやカルシウムなどの栄養や食物繊維まで気軽に摂取するためにサプリメントで済ませようという傾向にあります。しかし、食物繊維のサプリメントは食品と違い、過剰摂取してしまう可能性があり、下痢をしたり、血糖値のコントロールが上手にできずに低血糖となってしまうことがあるそうです。なのでその際には、まずは昆布レンコンなど食物繊維が豊富な食材を食べ、それに補う形でサプリメントを適正量を守り、身体との相性も理解した上の摂取をお勧めします。


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5月16日の誕生花「モッコウバラ」

「モッコウバラ」

基本情報

和名 :モッコウバラ(木香薔薇)
学名 :Rosa banksiae
英名 :Lady Banks’ rose
原産地 :中国西南部
分類 :バラ科 バラ属(つる性低木)
開花時期 :4月〜5月(春)
花の色: 黄色、白(白花の方が香りが強い)
香り:白花は強い芳香(スパイシーな香り)、黄花はやや弱め
耐寒性・耐暑性 強い(育てやすい)

モッコウバラについて

特徴

  • 棘(とげ)がない:多くのバラとは異なり、モッコウバラにはほとんど棘がありません。扱いやすく、庭やフェンスに向いています。
  • つる性で成長が早い:壁面やアーチ、フェンスなどに誘引することで、美しい緑と花で覆うことができます。
  • 病害虫に強い:比較的手がかからず、初心者にも育てやすいバラです。
  • 一季咲き:春に一度だけ咲くタイプで、開花期間は短いですが非常に華やかです。

花言葉:「初恋」

モッコウバラの花言葉の一つに「初恋」があります。その由来には以下のような背景が考えられています:

  • 可憐で控えめな美しさ:モッコウバラの花は、他のバラと比べて小さくて控えめ。それでも群れ咲く姿は非常に美しく、どこか淡く、はかない印象を与えます。これはまさに「初恋」のような、淡くてピュアな感情を連想させるものです。
  • 春に咲く一季咲きのはかなさ:一度だけ咲いて、短い期間で散ってしまうモッコウバラの花は、時に終わりを迎える「初恋」の儚さとも重なります。
  • 淡い色合い:淡い黄色や白い花は、柔らかく優しい印象を与え、純粋な感情を象徴します。

「モッコウバラのころ」

春の風が吹いた午後、古びた校舎の裏手に咲くモッコウバラを、静かに見つめている少女がいた。

高校三年生になったばかりの佐和は、この場所が好きだった。壁一面を覆うように咲く小さな黄色い花たちは、毎年、春が来たことを教えてくれる。淡くて、控えめで、けれど群れ咲く姿はどこか胸を打った。

モッコウバラを初めて知ったのは、二年前。雨上がりの放課後、傘を忘れて困っていた佐和に、一本の傘を差し出してくれたのが、同じ学年の男の子、湊(みなと)だった。

「このへん、滑りやすいから気をつけて」

優しい声と、少しだけ照れたような笑顔。

それがふたりの、静かな始まりだった。

会話は多くなかった。話したとしても、天気や授業のことくらい。でも、佐和にとってその何気ないやり取りが、特別だった。湊とすれ違うだけで、胸がふわりと浮くような感覚になった。

それが「好き」だと気づいたのは、春休みが終わるころ。モッコウバラがつぼみを膨らませはじめた季節だった。

けれど、佐和は気持ちを伝えられないまま一年が過ぎた。

そして今春、ふたりは別々のクラスになった。

廊下ですれ違っても、もう目が合うことはない。あの春のやさしい時間は、夢だったのかもしれないと、佐和は時折思う。

今日も、昼休みの隙間に、ひとりモッコウバラの前に立つ。そっと目を閉じて香りを吸い込むと、あのとき湊が言った言葉が、ふと蘇った。

「この花、いい匂いするんだよ。知ってた? 木香薔薇っていうんだって。花言葉はね、『初恋』なんだって」

あのときは、なんでもないように聞いていた。でも、もしかして――そう思っても、答えはもう過去に置いてきた。

ふいに風が吹いた。黄色い花びらが、一枚、二枚と舞う。

ふと、背後から足音が聞こえた。

「やっぱり、ここにいたんだね」

声の主は、湊だった。

佐和の胸が跳ねる。

「この花、今年も綺麗に咲いたね」

湊の声は、変わっていなかった。優しくて、少し照れている。

「うん…綺麗。…また、春が来たんだね」

「……俺、覚えてるよ。ここで初めて話した日」

佐和は息を呑んだ。

「俺、ずっと…言いたかったんだ」

モッコウバラの香りが、やさしく二人を包み込む。

その瞬間、黄色い花びらが舞い上がった。

まるで、それが二人の新しい春を祝福するように――

世界高血圧デー

5月17日は世界高血圧デーです

5月17日は世界高血圧デー

「世界高血圧デー」は、世界高血圧連盟が2005年に制定しました。また、日本でもこの日に習い、「日本高血圧学会」(特定非営利活動法人)と「日本高血圧協会」が、2007年に「高血圧の日」として制定しています。

高血圧

高血圧

ある統計では、血圧が高いほど脳卒中のリスクが高くなるのは明らかになっています。また、高血圧が影響する病気は脳卒中だけではなく、脳以外にも多くの臓器などに様々な形で合併症などの悪影響を及ぼすそうです。

高血圧の定義

血圧値

血圧は、ちょっとした動作や体感の変化でもで上昇します。このような一時的な血圧の上昇は、高血圧とは呼びません。高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態(血圧値の上が140mmHg以上の時や下が90mmHg以上の時、またはその両方を満たす場合) をいいます。

高血圧の治療法

高血圧の治療法

生活習慣などが要因とされる本態性高血圧症は、血圧上昇につながる生活習慣の改善、薬物療法の組み合わせで行います。例えば、食生活で塩分摂取量を1日6g以下に抑え、動物性脂肪を控えるなどの食事療法を行います。日常的な軽い運動や禁煙、体重管理などの指導も行います。

降圧薬

降圧薬などの薬剤

軽い高血圧症と判断されたケースは、生活習慣の改善で血圧が正常になることもありますが、そこで改善されないケースは、「降圧薬」を服用します。この「降圧薬」には、血管を広げる働きのあるカルシウム拮抗薬、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑制する「ACE阻害薬」や「ARB」、循環する血液量を減らす「利尿薬」、交感神経が過剰に働くことを抑える「β遮断薬」などが存在し、各々症状に応じて複数の薬を組み合わせて服用していきます。

人は老いと同時に病気のリスクとも闘う

継続的な健康管理

私の年齢は現在50代前半ですが、医者に食事療法や生活習慣の見直し、そして2種類の降圧薬を組み合わせた治療を継続しています。このことで効率良く血圧を下げる効果が期待しています。この高血圧、30代半ばあたりから指摘されていました。その結果、47歳で脳出血を引き起こし、その後遺症で左半身麻痺の障害が残ってしまいました。だからこそ、今日のこの日は自分にとって高血圧や血栓予防などを意識しなければならない重要な日でもあるのです。


「世界高血圧デー」に関するツイート集

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5月15日の誕生花「カルミア」

「カルミア」

基本情報

  • 学名Kalmia latifolia
  • 和名:アメリカシャクナゲ
  • 英名:Mountain Laurel(マウンテン・ローレル)
  • 科名/属名:ツツジ科 カルミア属
  • 原産地:北アメリカ東部
  • 開花時期:5月上旬~6月中旬
  • 花の色:ピンク、白、赤など
  • 樹高:2~3m程度(園芸品種では低めも多い)

カルミアについて

特徴

  • 花の形:星形または皿状の花が多数集まって咲きます。紙細工のように整った形状が特徴的で、「お菓子のよう」と表現されることも。
  • 蕾(つぼみ):五角形のような形で、まるでキャンディや折り紙のようなかわいらしさがあります。
  • :細長く光沢があり、シャクナゲに似ています。
  • 性質:日当たりを好みますが、強すぎる直射日光は苦手。耐寒性は比較的高いです。
  • 毒性:すべての部位にグラヤノトキシンという毒が含まれており、摂取すると中毒の恐れがあります。

花言葉:「大きな希望」

カルミアの花言葉の一つに「大きな希望」があります。その由来は主に以下のように説明されています。

  • 花の成長と開花の様子が希望を感じさせるから
     カルミアの蕾は固く閉じた五角形から、ぱっと開いた星形に変化します。その姿が、閉ざされた状況から明るく開ける未来への「希望」を連想させるためといわれます。
  • 山地に咲く姿が力強く、美しく印象的
     原産地のアメリカ東部では、険しい山岳地帯でもしっかりと根を張り、美しい花を咲かせます。そのたくましさと美しさが「逆境にも希望を持って咲く」イメージにつながっています。
  • アメリカの州花でもある(コネチカット州、ペンシルベニア州)
     国家的な誇りや希望の象徴として扱われていることも、花言葉に影響を与えている可能性があります。

「カルミアの丘で」

五月の風が山を渡り、若草をなでるように吹き抜けていく。山の中腹、雑木林の切れ間にひっそりと広がる一角に、カルミアの群生地があった。

その丘を、少女・結花(ゆいか)は祖父とともに毎年訪れていた。カルミアが満開になる頃、まるで星が地上に降り立ったように、無数の花が咲き誇る。その景色は、彼女が幼い頃から何度も見てきた、心のアルバムの中の一頁だった。

しかし今年は、少し違った。

祖父は、もうこの丘に来ることができなかった。冬の終わり、長く患っていた病が彼を連れていったのだ。結花は、祖父の遺品の中にあったノートを持って丘へ来た。中には丁寧な字で綴られた日記が残されていた。

――「カルミアの蕾を見るたびに、わしは希望を感じる。固く閉ざされたあの形が、やがてぱっと開いて、星になる。人の心もきっと同じだ。悲しみも、不安も、やがて花開く日がくる。」

ページをめくるたび、祖父の思い出が胸にあふれてきた。

彼はかつてこの丘の保護活動に携わっていた。開発計画が持ち上がった時も、地域の人たちと声を上げて守ってきた。結花がこの丘を「希望の丘」と呼ぶようになったのも、祖父がそう話していたからだ。

丘に着くと、カルミアたちはまさに満開を迎えていた。風に揺れる無数の花。あの不思議な形の蕾も、もうすぐ開くだろう。紙細工のような形、折りたたまれた夢のような形。

結花は腰を下ろし、ノートを膝に広げた。最後のページに、祖父の筆跡が少し揺れて残っていた。

――「いつか、おまえがこの丘を見上げる日が来たら思い出してほしい。人生に暗い時があっても、カルミアはまた咲く。大きな希望は、そこにある。」

目頭が熱くなった。けれど、不思議と涙はこぼれなかった。

代わりに、風が吹きぬけた。丘に咲くカルミアたちが一斉にそよぎ、まるで花々が笑っているように見えた。

「ありがとう、おじいちゃん。」

そうつぶやくと、結花はノートをそっと閉じた。

彼女の中で何かがはっきりと芽生えたのを感じた。この丘を、花を、そして祖父の想いを、ずっと守っていこうと。

空を見上げると、白い雲がゆっくりと流れていた。その下で、カルミアの星たちが、まるで夜空を映すように輝いていた。

それは、確かに――
「大きな希望」の風景だった。

旅の日

5月16日は旅の日です

5月16日は旅の日

1689年5月16日、俳人である松尾芭蕉が江戸を出発し、あの有名な「奥の細道」の旅へと旅立ちました。そしてこの日は、旅を愛する作家や芸術家などにより、結成された「日本旅のペンクラブ」が1988年に「旅の日」として制定しました。

奥の細道

奥の細道

「奥の細道」は、江戸中期の俳諧紀行であり、1689年に松尾芭蕉が門人の曽良と江戸深川(現在の東京都江東区)を出発し、「奥州」から「北陸の名所」、「旧跡」を巡って、8月の大垣までの紀行を、俳諧を交えて書き記したしたものです。その年の旧暦3月27日(5月16日)に芭蕉は、門人曽良を伴って江戸の深川を出発、東北・北陸地方を巡ると、8月21日に大垣に到着しています。その期間はおよそ5か月間にわたる旅の道のりは、2,400㎞にも及んで、1日に換算すると、30~40㎞ぐらい歩く日もあったとか。

旅の目的とは

瀬田の唐橋

「奥の細道」の旅は、松尾芭蕉にとって歌枕(平安時代や鎌倉時代に和歌で記された名所)を巡りながら昔の人の心境を感じ、自分の心を重ね合わせて俳諧を和歌や連歌と同等の文芸に位置づけたいとの意識を強く持った旅だったそうです。また、東北や北陸地方の人々や未知の俳人たちとの出会いも同じように大きな期待を寄せた旅でもあって、実際でも各地の人々と交流の中から数多くの名句が生まれてきたとのことです。ちなみに、奥の細道の旅程と各地で詠まれた俳句は、「日光路の句」「奥州路の句」「出羽路の句」「北陸路の句」でした。

松尾芭蕉

松尾芭蕉,、銅像

松尾芭蕉は、「俳諧」を芸術として完成させた江戸時代前期の人物です。名前の「芭蕉」は、彼が1680年頃に名乗っていた俳句を作る人が名乗る「俳号」(俳句を作る人が名乗るペンネーム的なもの)であり、本名は松尾宗房でした。芭蕉は、伊賀国(現在の三重県)の農民として生まれて10代後半の頃より、当時有名だった俳の北村季吟の下で俳諧の勉強を始めまていました。その後は、江戸で武士や商人に俳句を教えながら自身も様々な作品を発表しています。その中でも「古池や蛙(かわず)飛びこむ水の音」という蛙の俳句は、芭蕉の俳句の中で最も有名な作品でもあります。

俳句の魅力

最上川

我々素人からみた俳句の魅力とは、短い十七語から生み出されるリズム感のよい短い文章の中から、いかに作った当人の心境より浮かびだされる景色を、読む人もその風景と心境を共有できるかというものではないでしょうか!そして、その想像力を膨らませ、きっと自分なりのドラマを作り出す楽しみに面白さがあるような気がします。



≫ その他の記念日

過去6日までの記念日です。


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5月14日の誕生花「アイリス」

「アイリス」

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基本情報

  • 学名Iris sanguinea
  • 和名:セイヨウショウブ(西洋菖蒲)
  • 原産地:東アジア、ヨーロッパ
  • 開花時期:4月~7月、11月~2月(品種により異なる)
  • 花色:紫、青、白、黄色、ピンクなど多彩
  • 花の構造:上向きの「立て弁」と外側に広がる「伏せ弁」が特徴的

アイリスは、品種によって草丈や花の大きさが異なり、ジャーマンアイリスは約1m、ダッチアイリスは40〜60cm、ミニアイリスは10〜20cmとさまざまです。花色も豊富で、青や紫のアイリスは特に人気があり、高貴で神秘的な雰囲気をもたらします。

アイリスについて

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特徴

1. 花の形

  • 花びらは6枚のように見えますが、実際には3枚の外花被片(垂れた花びら)と3枚の内花被片(立ち上がる花びら)で構成されています。
  • 外花被片には筋模様があり、虫を誘うガイドの役割を果たします。
  • 花の中央には雄しべと雌しべが複雑に入り組んだ独特の構造があります。

2. 花色が豊富

  • 紫、青、白、黄、ピンク、オレンジ、複色など、非常に多彩な色彩を持ちます。
  • 特に青紫系の色が有名で、高貴で神秘的な印象を与えます。

3. 開花時期

  • 開花時期は4月〜6月頃(品種によって異なる)。
  • ジャーマンアイリス、ダッチアイリス、シベリアンアイリスなどでそれぞれ開花期や形状に違いがあります。

4. 草丈と姿

  • 草丈は10cmほどのミニアイリスから、1m以上のジャーマンアイリスまでさまざま。
  • 葉は細長く、剣状で直立し、群生するように生えます。

5. 生育環境

  • 日当たりと風通しの良い場所を好みます。
  • 湿地を好む種類(例:ジャポニカアイリス=ハナショウブ)と乾燥に強い種類(例:ジャーマンアイリス)があります。

6. 繁殖方法

  • 主に株分けで繁殖します(球根や根茎を使う)。
  • 手入れが比較的簡単で、毎年花を咲かせやすい植物です。

7. 用途

  • 庭植え、鉢植え、切り花、フラワーアレンジメントに活用されます。
  • 一部の品種は香水の原料にもなります(特に「オリス」と呼ばれるアイリスの根茎)。

アイリスは、見た目の美しさだけでなく、強さと優雅さを併せ持つ花で、古代から詩や絵画のモチーフとしても重宝されてきました。ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリス」にちなんだ名前を持つこの花は、まさに「希望」や「よい便り」の象徴と言えるでしょう。


花言葉:「よい便り」

Gerhard LitzによるPixabayからの画像

アイリスの花言葉には、「よい便り」「希望」「信じる心」「恋のメッセージ」など、前向きで心温まる意味が込められています。これらの花言葉は、ギリシャ神話に登場する虹の女神イリス(Iris)に由来しています。

アイリスは、神々と人間の間を虹の橋で行き来し、メッセージを伝える役割を担っていました。この神話にちなんで、アイリスの花言葉には「よい便り」や「恋のメッセージ」といった意味が付けられました。また、虹を通じて天と地をつなぐ存在であったことから「希望」、彼女の役割から人々に安心感や信頼を与える存在であったことから「信じる心」という花言葉が生まれました。


🎨 色別の花言葉

アイリスは花の色によっても異なる花言葉を持っています。贈る相手やシーンに合わせて選ぶと、より一層気持ちが伝わります。

  • 青いアイリス:「信念」「強い希望」
  • 白いアイリス:「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」
  • 紫のアイリス:「雄弁」「知恵」
  • 黄色のアイリス:「復讐」(注意が必要な花言葉)

特に黄色のアイリスには「復讐」という花言葉があり、贈り物としては避けた方が無難です。


アイリスは、その美しさと深い意味から、結婚祝いや出産祝い、入学祝いなどの慶事や、病気の快復祝いなど、さまざまなシーンで贈るのに適した花です。「よい便り」や「希望」といった花言葉を添えて、大切な人への想いを伝えてみてはいかがでしょうか。


「」

Gini GeorgeによるPixabayからの画像

春の終わり、山間の小さな村に一人の少女が住んでいた。名は澪(みお)。彼女は手紙を書くのが好きで、まだスマートフォンもない時代、遠くの町に住む祖母や友人に、便箋に丁寧な文字を綴っては手紙を送っていた。

ある日、澪の母が病に倒れた。診断はあまり良くない。澪はどうしても何かできないかと悩み、神社の奥にある古い祠へ足を運んだ。幼いころ祖母から聞いた「願いを届ける女神、アイリス」の話を思い出していたからだ。

「アイリス様……お母さんが元気になりますように」と、祠の前でそっと手を合わせた。

その帰り道、山裾の斜面に咲く、紫の花が目に止まった。それは今まで気づかなかった花、凛とした姿で静かに風に揺れていた。「きれい……」澪は吸い寄せられるように近づき、一輪だけ摘んで家に持ち帰った。

花を花瓶に挿し、母の枕元に置いた。すると不思議なことに、母の眠りが深くなり、翌日から少しずつ顔色が戻ってきたのだ。澪は驚き、同時にあの花のことを調べ始めた。

Annette MeyerによるPixabayからの画像

それが「アイリス」という名の花だと知ったのは、村の図書館でだった。アイリスの花言葉は「よい便り」「希望」「信じる心」「恋のメッセージ」――そしてその語源は、ギリシャ神話に登場する虹の女神、アイリス。

「本当にアイリス様が願いを届けてくれたのかもしれない……」

澪は、再び祠へ足を運んだ。今度は感謝の気持ちを込めた手紙を持って。

「アイリス様、ありがとう。お母さんが少しずつ元気になってきました。私、もっと頑張って勉強して、お医者さんになります。そして、たくさんの人に“よい便り”を届けられるようになります」

Teodor BuhlによるPixabayからの画像

手紙を祠の前にそっと置いたその瞬間、薄曇りだった空が急に晴れ、山の向こうに七色の虹がかかった。

風が優しく吹き、澪の髪を揺らす。

まるで誰かが「届いたよ」とささやいているようだった。

それから数年後、澪は医大に進学し、母もすっかり健康を取り戻した。村を離れる前の日、澪はあの祠を訪れた。今度は、紫のアイリスの花束を手にして。

「アイリス様、ありがとう。あの日、あなたがくれた“よい便り”を、私もこれから誰かに届けていきます」

山の上に、また一筋の虹がかかった。

アイリスの花が、風に揺れていた。

ヨーグルトの日

5月15日はヨーグルトの日です

5月15日はヨーグルトの日

5月15日は、菓子や健康食品、乳製品などを販売している株式会社明治がこの日を「ヨーグルトの日」として制定しています。この日付は、ロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ博士(1845~1916年)が、1908年に食菌の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞し、その記念に博士の誕生日5月15日であることから決められました。

イリア・メチニコフ博士は、ヨーグルトに含まれる「ブルガリア菌」が不老防止に役立つということを研究してそれを世界に発表します。そして、この研究からブルガリア菌を使用したヨーグルトが、健康に良いと世界に広まったそうです。

イリヤ・メチニコフ博士

腸内環境を整える

現在では、乳酸菌やビフィズス菌が腸内環境に良いというのは常識ですが、この説の起源は100年以上も前のことなるそうです。ロシアのノーベル賞受賞者である微生物学者イリヤ・メチニコフ博士が『ロシア南西部のコーカサス地方に長寿の人が多いのは、毎日ヨーグルトを食べているからである。したがって、ヨーグルトは長寿に有効だといえる』と、いち早く提唱していたといいます。

悪玉菌が自家中毒や動脈硬化を!?

腸内フローラとビフィズス菌

彼は、腸内に悪玉菌が存在することで、自家中毒(2歳から10歳頃の子供にみられる嘔吐(おうと)を繰り返す病気の一つ)や動脈硬化などの老化現象を引き起こしていることを動物による実験で確認しています。また、悪玉菌はアルカリ性の環境を好んで、逆に弱酸性の環境では生息が不可能であることも突き止めました。そのことを1907年に著書で「乳酸菌は、腸内を弱酸性に保てば、悪玉菌の増殖を防ぎ、老化を抑制する」と発表していますが、当時は「乳酸菌は、人の腸内での生息はできない」と一般的に考えられていたため、否定的な意見が多かったそうです。

大隈重信が『不老長寿論』を翻訳し、再び研究が盛んに

シロタ株とは

1912年、大隈重信がメチニコフ博士の著書を「不老長寿論」と翻訳出版すると日本ではたちまちこの持論が広く知られます。また日本は、昔から日本酒や味噌、醤油や漬け物などの発酵食品が作られて、発酵技術が高度に発達していたために、メチニコフ博士の発表をもとに身体によい細菌を探し出し、健康に役立てることが盛んになったといわれています。そしてその結果、後から「乳酸菌整腸薬ビオフェルミン」や「世界初の乳酸菌飲料カルピス」などが開発されます。さらに最近では、代田稔博士が乳酸菌の一種である「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(ヤクルト菌)」を発見し、シロタ株を使用した乳酸菌飲料ヤクルトが誕生しました。

ヨーグルト

ヨーグルト

「生きて腸まで届き、腸内環境を整え、身体に良い働きをする微生物」をプロバイオティクスと呼びます。その代表格はヨーグルトであり、歴史は紀元前数千年前から中近東やヨーロッパで主に食べられていたという説があります。また、日本でも飛鳥時代にヨーグルトの原型といわれる乳製品があったといわれますが、実際に多くの人々に食べられるようになったのは、昭和の中期だとされています。1970年に開催された大阪万博内のブルガリア館で本場のプレーンヨーグルトを紹介され、それがきっかけに翌年初めてプレーンヨーグルトが商品化されます。そして1978年には、ビフィズス菌入りのヨーグルトも発売されています。

ヨーグルトは健康生活の要!?

整腸効果の他に「美肌」「生活習慣病」「免疫調整」などの効果がある

今やヨーグルトというと、カスピ海ヨーグルトなど整腸効果の他に「美肌」「生活習慣病」「免疫調整」などの効果があるとされ、毎日継続的に食べる習慣をつけていれば、このヨーグルトは美容と健康生活に欠かせない食品であることが科学的に証明されています。したがって、この日をきっかけに毎朝ヨーグルト生活にチャレンジをしてみてはいかがでしょうか!



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5月13日の誕生花「ボロニア」

「ボロニア」

基本情報

学名 :Boronia
科名 :ミカン科(Rutaceae)
属名 :ボロニア属(Boronia)
原産地 :オーストラリア
花期 春:2月下旬(流通開始)~5月
草丈 :20~200cmほど(種類による)
花色 :ピンク、赤、紫、黄色、茶色など

ボロニアについて

特徴

  • 芳香性:ボロニアはとても良い香りがする花として知られ、特に Boronia megastigma は香水の原料にも使われます。
  • 花の美しさ:小さな鐘形の花を多数咲かせ、葉や茎も香りを放ちます。
  • 育て方:湿度と水はけのバランスが大事。高温多湿に弱く、日本では鉢植え管理が推奨されます。

花言葉:「心が和む」

ボロニアの花言葉「心が和む(=relaxing, soothing)」は、その香りと姿の優美さに由来しています。

  • 香りの癒し効果:甘くやさしい芳香は、ストレスを和らげ、心を落ち着ける効果があるとされます。
  • 見た目の可憐さ:可憐で控えめな花姿は見る人の心をなごませます。
  • 自然との調和:オーストラリアの大自然に咲く花として、自然と人との調和を象徴する存在とも言われます。

このように、香りとビジュアルの癒し効果が相まって、「心が和む」という花言葉がつけられました。


「ボロニアの午後」

雨上がりの午後、優子は祖母の庭で、ひときわ甘く漂う香りに足を止めた。
湿った土の匂いと混じって、かすかに柑橘のような、やさしい香りが鼻をくすぐる。

「あれ、これ……ボロニアだわ」

祖母の庭に咲くその小さな花を、優子は小学生のころにも一度見たことがあった。
茶色と黄色のコントラストが印象的で、目立たないのに、なぜか記憶に残る香り。

「そう、それよ。あなた、小さいころこの花が好きだったわね」

縁側から声をかけてきた祖母は、ゆっくりと立ち上がって、花のそばに来た。
その手には、古びた剪定ばさみ。

「この花、”心が和む”っていう花言葉があるのよ。知ってた?」

「うん……なんとなく、わかる気がする。なんか、落ち着く匂い」

祖母はにっこりと笑って、ひと枝のボロニアを切り取った。
「じゃあ、お部屋に飾りましょう。今日みたいな日は、気持ちが少し軽くなるわ」

優子はこの春、仕事を辞めて東京から戻ってきた。
職場では毎日何かしら怒鳴られ、意味のない会議に振り回され、残業が当然の空気。
誰かの期待に応えようとするほど、自分の輪郭がぼやけていく気がしていた。

「もう疲れた。もう、何もしたくない」

そう思って実家に戻ったものの、心の重さは簡単には消えなかった。

でも、祖母の庭には時間の流れが違っていた。
ボロニアも、沈丁花も、ローズマリーも、誰に頼まれるでもなく、ただそこに咲いている。

「昔ね、おじいちゃんがこの花を持ってきたの。オーストラリアのお土産でね」
祖母は花瓶にボロニアを挿しながら言った。

「土に合うか心配だったけど、不思議と根付いたのよ。香りが好きで、毎年増やしてるの」

ボロニアの小さな花弁に目を落とすと、たしかに、何かがほぐれるような気がした。
東京のアスファルトの上では、こんな風に呼吸をしていなかった。

その夜、優子はふとノートを取り出した。
書きかけだった小説の続きを、久しぶりに書きたくなったのだ。

「誰のために書くでもなく、自分のためにだけ書いてもいいんだ」
そんな気持ちが、ボロニアの香りと一緒に、静かに胸にしみこんでいった。

ページに走るペンの音だけが、部屋に響く。
雨のにおいはすっかり消え、窓の外には、星が一つだけ瞬いていた。

心が和む——たしかに、この花にはそんな力がある。

そして、その香りは、彼女に“戻ってくる場所”を思い出させてくれたのだった。

種痘記念日

5月14日は種痘記念日です

5月14日は種痘記念日

1796年5月14日、イギリスの医師エドワード・ジェンナーが、天然痘の予防接種「種痘」を始めました。そして、そのことを記念し、この日を「種痘記念日」として制定されています。またこの時、8歳の男児に種痘を試みて、その効果を確認したといわれています。

エドワード・ジェンナー

エドワード・ジェンナー

ジェンナーは、少年時代に弟子入りした診療所で「痘(牛痘ウイルスを原因とする感染症)に1度かかると天然痘にかからない」という話を患者から聞いてその後、開業医になると改めて「乳搾りの女性は牛痘にはかかるが、天然痘にはかからない」ということに気づき、この事実をもとに天然痘の研究を始めています。しかし彼の主張は、当初激しい反対にあいましたが、数年後に広く実施されるようになりました。そして1980年、WHOはワクチニアウイルスを用いた種痘を実施し、天然痘根絶宣言が出されています。この事は、人類が感染症撲滅に成功した初めての事例です。

天然痘

天然痘

今から200年以上前、天然痘は別名「疱瘡(ほうそう)」と呼ばれ、種痘が実施されるまでは、必ず誰かが発病し、致死率が高い病気として世界中で流行したそうです。また、運良く治ったとしても顔など、体に酷い痘痕(あばた)を残るいうことでとても恐れられていた伝染病でした。この伝染病は、古い昔から人々を苦しめてきたものだそうです。その証拠にエジプトのミイラにもこの天然痘に感染した痘跡がみられたところから証明できます。

伝染病予防の仕組み

伝染病予防の仕組み

伝染病は、まずウィルスや細菌が体に侵入して体の不調を引き起こし、そのウイルスや細菌が接触や呼吸などから出される飛沫で大勢の人に感染していくことをいいます。そしてそれを予防するには、最初にウィルスや細菌が体に侵入した時に、外来のウィルスなどに対して特殊な抗体が作られます。この人間が本来持っている免疫と呼ばれるもが予防に繋がるということです。そこで、ジェンナーが始めた「種痘」が、発病に至らないウィルスや細菌を予め人体に入れる役割となり、そこで抗体を作らせておくというのが、この予防方法です。

人類で初の伝染病根絶宣言

人類で初の伝染病根絶宣言

ジェンナーが始めた種痘は、その後改良を重ねながら全世界に普及し、天然痘はついに1980年5月、WHOにより根絶宣言が出されます。そして現在では、アメリカやロシアの一部の研究機関のみで、サンプルとして保存されているだけとなっています。しかし、テロ事件などをきっかけに天然痘サンプルがテロリストたちへ流出されることが懸念されているようです。

未だに無くならない感染病の恐怖

感染症の脅威

人類の歴史は、一番古い天然痘は根絶に成功しましたが、ヨーロッパの中心都市ビザンチウム(コンスタンチノーブル)に広がったペスト、特に新型インフルエンザなどは、未だに毎年大流行しています。しかも、2020年から2021年の今年は新型コロナウイルスが世界的に大流行しており、人々の恐怖と経済の減退を引き起こしています。古代エジプトの時代からの天然痘、スペイン風邪などパンデミックを乗り越えてもなお、このように最新医療を持ってしても感染病の恐怖におびえているのが現状です。

2021年は新型コロナワクチン

新型コロナワクチン

2021年は、新型コロナウイルス(COVID-19)に対抗すべく世界中でワクチンが次々と開発され、ようやく日本でも本格的に摂取が始まり、集団免疫を獲得することに全力を挙げているようです。さらには、2022年もオミクロン株によって、再び第6波に悩まされて行動の制限が4月ごろまで続きました。

2022年、まだ早いか!規制緩和

2022年5月ごろになると、新型コロナの感染が収束していない中でも、世界各国で経済減退の恐れあるということもあり、規制が徐々に緩和されているようです。アメリカやヨーロッパでは、外出している方がマスクを着用している人も少なく、経済活動が徐々に元に戻っているように思えます。しかし、それでもまだ中国の上海などでは、再拡大してロックダウンが続き、アメリカなどがまた再拡大するなど、まだまだ気を緩めるわけにはいかないのが現状です。



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