3月10日の誕生花「ブルーレースフラワー」

「ブルーレースフラワー」

ブルーレースフラワー(Blue Lace Flower)は、繊細な青紫色の花を咲かせる植物で、その名の通りレースのような優雅な見た目が特徴です。

ブルーレースフラワーについて

基本情報

学名:Trachymene coerulea
科名:セリ科(Apiaceae)
原産地:オーストラリア

特徴

  • 小さな花が集まって半球状の花序を形成し、淡いブルーや紫色の花を咲かせます。
  • 切り花やドライフラワーとしても人気があり、上品な雰囲気を演出します。
  • 比較的育てやすく、日当たりと水はけの良い環境を好みます。

こんなシーンで贈るのがおすすめ

  • 控えめだけれど芯の強い人への贈り物に
  • 上品で落ち着いた雰囲気の方へのプレゼント
  • 感謝の気持ちを伝える花束に

ブルーレースフラワーは、見た目の美しさだけでなく、その花言葉も素敵な意味を持つ花ですね。💙


花言葉:「慎み深い人」

ブルーレースフラワーの花言葉は「慎み深い人」。これは、淡く控えめな青色の花が密やかに咲く様子に由来すると言われています。派手さはないものの、優雅で繊細な魅力を持つこの花は、謙虚で奥ゆかしい人をイメージさせます。

また、上品な美しさを持つことから「優雅なふるまい」や「清らかな心」などの意味も込められることがあります。


「慎み深い花の贈り物」

春の訪れとともに、小さな村の教会に新しい司祭がやってきた。その司祭の名はヨハネ。彼は都会の喧騒を離れ、この静かな村で人々の心の支えとなることを願っていた。村人たちは彼を温かく迎え入れたが、ヨハネは自分がまだこの村に馴染めていないことを感じていた。

ある日、ヨハネは教会の庭を散策していた。そこにはさまざまな花が咲き乱れ、春の訪れを告げていた。その中で、一際目を引いたのは淡い青色の花だった。それはブルーレースフラワーで、その控えめながらも優雅な姿にヨハネは心を奪われた。

「この花は何という名前ですか?」
ヨハネが近くで庭仕事をしていた老婆に尋ねると、老婆は優しく微笑んだ。

「それはブルーレースフラワーと言います。『慎み深い人』という花言葉があるんですよ」
「慎み深い人…」


ヨハネはその言葉を繰り返し、自分自身を省みた。彼は都会での生活で、つい自分を大きく見せようとしていたことに気づいた。しかし、この村ではそんなことは必要ない。むしろ、慎み深く、謙虚に人々と接することが大切だと感じた。

その日から、ヨハネは村人たちとの交流を深めることにした。彼は教会の門を常に開け、誰でも気軽に訪れることができるようにした。村人たちは彼の変化に驚きながらも、次第に心を開いていった。

ある日、一人の少女が教会を訪れた。彼女の名はエミリー。彼女は村の外れに住む孤児で、いつも一人でいることが多かった。エミリーは教会の庭でブルーレースフラワーを見つけ、その美しさに魅了された。

「この花、とてもきれいですね」
エミリーがつぶやくと、ヨハネは彼女に微笑みかけた。

「エミリー、この花には『慎み深い人』という花言葉があるんだよ。君のように、謙虚で優しい心を持った人を表しているんだ」
エミリーはその言葉に照れながらも、嬉しそうに頷いた。

「私もそんな人になりたいです」
「君はもう既にそうだよ。君の心は清らかで、誰に対しても優しく接することができる。それが君の素晴らしいところだ」

エミリーはヨハネの言葉に勇気づけられ、それからは教会に通うようになった。彼女はヨハネと共に庭の手入れをし、村人たちとも交流を深めていった。彼女の慎み深さと優しさは、村人たちの心を温かく包み込んだ。

月日が経ち、村は以前よりも活気を取り戻していた。ヨハネは村人たちとの絆を深め、エミリーは村の子供たちのリーダーとして成長していた。教会の庭にはブルーレースフラワーが咲き誇り、その淡い青色が村全体に優雅な雰囲気を与えていた。

ある春の日、ヨハネは教会の祭壇にブルーレースフラワーを飾った。彼は村人たちに向けて語りかけた。

「この花は、私たちに慎み深さと謙虚さを教えてくれます。派手さはないけれど、その優雅な美しさは私たちの心を清らかにしてくれます。これからも、この花のように慎み深く、優しい心を持って生きていきましょう」

村人たちはヨハネの言葉に深く頷き、心に刻み込んだ。エミリーは祭壇の前で静かに祈り、自分の未来に希望を抱いた。

春の風が教会の中を優しく吹き抜け、ブルーレースフラワーが揺れる。その花言葉のように、村人たちの心は慎み深く、清らかなままだった。ヨハネとエミリーの絆は深まり、村はこれからも平和で優雅な日々を続けていくのだろう。