5月30日の誕生花「ライラック」

「ライラック」

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基本情報

  • 和名:ライラック(またはリラ)
  • 学名Syringa vulgaris
  • 英名:Lilac
  • 科名/属名:モクセイ科/ハシドイ属(Syringa)
  • 原産地:ヨーロッパ南東部
  • 開花時期:4月~6月(地域により異なる)
  • 花の色:紫、白、ピンク、青など
  • 香り:甘く爽やかな香り(香水にも使用される)

ライラックについて

ThomasによるPixabayからの画像

特徴

  • 落葉性の低木または小高木で、庭木や街路樹として人気があります。
  • 穂状の房状に小花が密集して咲く姿が特徴で、遠くからでも存在感があります。
  • 耐寒性が強く、寒冷地でもよく育ちます。
  • 花だけでなく、芳香のある花の香りも大きな魅力。
  • 園芸品種が非常に多く、世界中で観賞用に栽培されています。

花言葉:「友情」

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イラックにはいくつかの花言葉がありますが、「友情」という花言葉は主に紫のライラックに結びついています。

● 由来の背景

  • ライラックは、春の訪れと共に咲くため、新しい出会いや人間関係の始まりを象徴します。
  • 一つひとつの花は小さいですが、集まって咲くことで強い絆やつながりを感じさせるため、友情や親しみの象徴とされています。
  • ヨーロッパでは、古くから友人との再会や別れの際の贈り物としてライラックが使われてきました。

● 他の花言葉と関係

  • 紫のライラック:「友情」「思い出」「初恋」
  • 白いライラック:「無邪気」「青春の喜び」

「春、紫にほどける」

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駅前のロータリーにある古い公園には、一本のライラックの木がある。
私と千紘が初めて出会ったのも、その木の下だった。

四月の始まり、大学の入学式の帰り道。人混みに疲れて、私はベンチに腰を下ろした。花の香りに気づいて見上げると、小さな紫の花がこぼれるように咲いていて、その隣に同じように座っていたのが千紘だった。

「ライラック、好きなんだよね。紫は友情の色なんだって」

初対面なのに、そんなことを自然に言える人だった。
それがきっかけで、私たちはすぐに仲良くなった。

一緒に授業を受け、レポートを書き、カフェで何時間も話した。笑ったり泣いたり、特別なことがあったわけじゃない。でも、いつも一緒にいた。

春になるたび、あのライラックの木の下で待ち合わせていた。咲き始めた紫の花を見上げながら、変わっていく自分たちを少しだけ誇らしく思った。

だけど、大学四年の春。
就職を機に、千紘は遠くの街へ行くことになった。

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「最後に、ライラック見て帰ろっか」
彼女はそう言って、いつものように駅前の公園に誘ってくれた。

ライラックは、ちょうど満開だった。風が吹くたびに、花の香りがふわっと鼻先をかすめた。

「これ、あげる」
千紘が差し出したのは、小さな紫のライラックの花束だった。

「花言葉、覚えてる? 友情。ずっと、ありがとう」
「……うん。私こそ」

別れ際、千紘は笑って言った。
「友達ってさ、離れても続くんだよ。花が咲く季節になったら、思い出すでしょう?」

それから数年。
毎年春が来るたびに、私はあの公園へ足を運ぶ。
今ではスマホ越しに「咲いたよ」と送り合うだけだけれど、それでも十分だ。

今年もライラックは変わらず、優しい紫にほどけていた。
それを見上げながら、私はそっと微笑んだ。

「また、会おうね。あの頃みたいに」

そして、香りとともに、春が胸に満ちていった。

2月17日の誕生花「ミモザアカシア」

「ミモザアカシア」

ミモザアカシア(Acacia dealbata)**は、マメ科アカシア属の常緑高木で、鮮やかな黄色い花が特徴的な植物です。ミモザと呼ばれることが多いですが、正式には「ミモザアカシア」や「銀葉アカシア」とも呼ばれます。

ミモザアカシアについて

科名:マメ科アカシア属
原産地:オーストラリア

🌼特徴

  • 花期:2月~4月ごろ
  • 花色:鮮やかな黄色
  • :銀灰色がかった細かい葉が特徴的
  • 樹高:5~10mほど成長する

💛 ミモザの日(国際女性デー)

3月8日は「国際女性デー」とされ、イタリアでは「ミモザの日」として女性にミモザの花を贈る習慣があります。感謝や敬意を込めて贈られることが多いです。

🌱 育て方

  • 日当たり:日当たりの良い場所が◎
  • :水はけのよい土を好む
  • 耐寒性:比較的強いが、寒冷地では冬の防寒対策が必要
  • 剪定:花後に剪定すると樹形を整えやすい

春の訪れを告げるミモザは、庭木やドライフラワーとしても人気があります!


花言葉:「友情」

ミモザアカシアの花言葉は「友情」 です。
この花言葉には、「大切な友人への思いやり」や「絆を大切にする心」が込められています。

特に 3月8日の「ミモザの日」(国際女性デー) には、イタリアをはじめとする国々で、感謝や友情の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があります。

やさしく明るい黄色い花が、友情の象徴としてふさわしいですね!


「ミモザの約束」

春の訪れを告げるように、ミモザの花が風に揺れていた。鮮やかな黄色い小さな花が、太陽の光を浴びて輝いている。

「今年も咲いたね。」

優奈は、幼なじみの莉子と並んでミモザの木を見上げた。

「うん。ミモザの花言葉って知ってる?」

莉子が問いかける。優奈は微笑んで、そっと呟いた。

「友情、でしょ?」

「そう。だから、毎年この花が咲くたびに、私たちがずっと友達でいられるようにって思うんだ。」

莉子の言葉に、優奈の胸がじんわりと温かくなった。

二人が初めて出会ったのは、小学校の春だった。転校してきた優奈に、最初に話しかけてくれたのが莉子だった。おそるおそる差し出した手を、莉子は何のためらいもなく握り返してくれた。あの日から、二人はずっと一緒だった。

しかし、高校卒業が近づくにつれ、進路の違いから少しずつすれ違いが増えた。お互い忙しくなり、以前のように頻繁に会うこともなくなった。それでも、3月8日だけは特別な日だった。

「ねえ、来年もまたここでミモザを見ようね。」

莉子がそう言うと、優奈は力強く頷いた。

「もちろん。約束だよ。」

手を重ねた瞬間、ミモザの花がはらはらと舞い落ちた。それはまるで、二人の友情をそっと祝福してくれているようだった。