11月6日は、戦争と武力紛争による環境搾取防止のための国際デーです
11月6日は、戦争や紛争による環境破壊、そして終戦後も続く環境搾取の実態を知らない人を教え導き、その防止につとめることを目的としている国際デーの一つです。
戦争や紛争
第二次世界大戦後も現在まで、世界で様々な戦争や紛争が起こっています。そしてその大半は、開発途上国で起こっているのが現状です。また、紛争後の地雷(=戦時中に敵の侵入を防ぐためなどに爆発物が地面に埋められていて、近づいたり触ったりすると爆発する仕組みになっている武器)も深刻な問題の一つとされています。戦争中に埋められた多くのその地雷が、戦争が終わってもそのままになっているため、その土地で生活する人びとが被害を受けています。
環境破壊
戦争や紛争によって、犠牲になるのは人だけでは無く、環境も戦争の犠牲となっているのが現状です。軍事的に優位に持ち込むために、井戸水を汚染させ、畑は焼かれ、森林は伐採されて土地には、有害物質をまき散らし、それによって動物が殺されていきます。
平和と安全にかかわる国連の活動
平和と安全に関わる国連の活動においても、環境に負荷をかけてしまうことがあるようです。国連環境計画(UNEP)の報告では、2017年に「国連平和維持活動」や「政治的ミッション政治活動」等、それらの支援活動によっても100万トン以上の二酸化炭素が排出されていて、そのうちの半分以上が施設から排出されていたようです。
国連の現場における環境マネジメント
そこで、こうした負荷を軽減するために国連は、環境に配慮しつつ、紛争防止や平和維持、そして平和構築に取り組んでいるようです。
太陽光発電の導入
国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は、本部内で太陽光発電を動力源とする電気自動車を使用。また、基地では太陽光発電を導入、特に情報通信技術サービスの施設では、エネルギーの70%を太陽光発電で補うことによって、3か月で4,806キログラムの二酸化炭素の排出量を減らすことに成功し、更には水の消費量を削減する試みも積極的に行われているようです。
トークン式シャワーの導入
国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)では、水不足に悩まされている南スーダンでの活動で、水を効率的に使用し、水の使用量を減らすための取り組みを行っています。それは、低水量のシャワーヘッド付きトークン式シャワーの導入で、シャワーに使われていた水量を50%の減少が見込めるようになったそうです。さらに、太陽光発電での稼働や、起動時間を制限などの工夫がなされている水処理施設、そこでは1万リットルの雨水が貯められるタンクを導入しているそうです。
平和活動による天然資源利用効率を最大限に
国連オペレーション支援局の前身の国連フィールド支援局は2017年に、平和活動による天然資源利用効率を最大限に高めて人間や社会、生態系に対するリスクを最低限に抑えるための新たな戦略を発表。SDGs(持続可能な開発目標 )に沿った6カ年の戦略では、「エネルギー」「水と廃水」「固形廃棄物」よる幅広い影響、環境マネジメントシステムという5本柱に基づきこの課題と目標を定めています。
戦争や紛争を如何に防ぐか!
国連がこれらの活動を実施することは重要ですが、それより先に、如何にその悲惨な戦争や紛争を防ぐことができるかが最大の課題となります。戦争や紛争の当事者がそれぞれ持っている恐怖心や復讐心から起こる歴史的にこれまで残されている思考を第三国の力で払拭しなければ、戦争や紛争は今後の永久に繰り返し、地球規模で環境破壊が増大することで、我々人類が住める星ではなくなるのでは、心配してしまいます。