7月1日の誕生花「ヒメユリ」

「ヒメユリ」

基本情報

  • 学名Liliumconcolor
  • 科名 / 属名:ユリ科 / ユリ属
  • 原産地:県外:本州、四国、九州(熊本、大分)。朝鮮半島、中国、アムール県内:県北
  • 開花時期:6〜8月
  • 花色:朱赤〜オレンジがかった赤
  • 草丈:30〜60cmほどの小型種

ヒメユリについて

特徴

  • 名前の由来
    「姫百合」は、一般的なユリよりも背丈が低く、花も小さく可憐なことから「姫」と名づけられました。
  • 姿と生育環境
    1本の茎に1〜3輪ほど、上向きに花を咲かせます。花弁には黒紫色の斑点が入り、華やかで野性味のある印象。
    日当たりのよい山地の草原などに自生しており、乾いた場所を好みます。
  • 野生種としての希少性
    近年は自生地の減少により、野生のヒメユリは希少になっています。一部では準絶滅危惧種として保護対象にされています。

花言葉:「誇り」

ヒメユリの花言葉にはいくつかありますが、中でも代表的なのが「誇り」。

● 由来の考察

  1. 凛とした立ち姿
     小さな体ながらも堂々と直立し、上向きに花を咲かせる姿は、控えめでありながら芯の強さを感じさせます。まるで「小さくても誇り高く咲く」生き様のようです。
  2. 野に咲く強さと独立性
     過酷な環境下でも、他に頼らずしっかりと根を張り、美しく咲く姿が「自立した誇りある生き方」を象徴していると捉えられています。
  3. 他のユリとの対比
     豪華なオリエンタルリリーやカサブランカとは異なり、野生種らしい素朴さと慎ましさを持ち、それでいて決して埋もれず、独自の存在感を放っている――その姿が「誇り」という言葉にふさわしいとされています。

「野に咲くもの」

あの山の中腹に、ひと夏だけ咲く花がある――朱の星のような、名も知られぬ小さな花。

 そう語ったのは、祖父だった。

 私は十年ぶりに故郷に帰ってきた。都会で仕事に追われる生活に疲れ、何もかもを一度手放したくなっていた。電車を降りると、駅前の風景は思っていた以上に変わっていたが、山の稜線だけは昔と変わらず、静かに空へと延びていた。

 「……ヒメユリ、だっけ」

 幼い頃、祖父に連れられて何度か登った山道。中腹の草原にだけ、ぽつりぽつりと咲いていたあの朱い花。ユリのようでいて小ぶりで、けれど堂々と天を仰いで咲いていたその姿が、なぜか記憶の底に残っていた。

 祖父はもういない。けれど、あの花がまだ咲いているか確かめたくなって、私は翌朝、登山靴を履いた。

 道中、すれ違う人は誰もいなかった。舗装のない獣道を黙々と進む。額から汗が流れ、足元の小石につまずきながらも、私は昔の記憶を頼りに登り続けた。

 そして、ようやく草原にたどり着いたとき――

 そこに、ヒメユリは咲いていた。

 以前より数は少ない。それでも、岩陰に、小さな群れを成して咲くその姿は、凛としていた。茎は細く、風に揺れながらも折れず、真っ直ぐ空に向かって立っていた。

 「……変わらないんだな、おまえは」

 思わず、しゃがみ込んで花に話しかけた。答えが返ってくるわけもないのに。

 都会での生活は、数字と結果の世界だった。他人の評価に一喜一憂し、自分の価値がわからなくなる日も多かった。何を目指していたのか、なぜそこまでして登ろうとしていたのか。知らないうちに、私は自分を見失っていた。

 けれど、この花は違う。

 誰に見られなくても、賞賛されなくても、ただ「咲く」ことに意味があると知っている。
 誰にも頼らず、自らの力で根を張り、この過酷な自然の中に、自分の場所を見出している。

 「そうか、だから誇りなんだな」

 祖父が昔、教えてくれた。
 「ヒメユリの花言葉は『誇り』だ。小さな花だけど、胸を張って生きてる。おまえも、そんなふうに生きなさい」

 そのときは、意味がよくわからなかった。

 でも今なら、少しだけわかる気がした。

 私は花の隣に小さな石を積んだ。祖父への目印だ。風が吹き、ヒメユリがやさしく揺れた。

 ――ありがとう。
 聞こえた気がして、私は少しだけ笑った。

 小さくても、誇り高く咲いている。
 その姿が、もう一度立ち上がる力をくれた。

国民安全の日

7月1日は国民安全の日です

7月1日は国民安全の日

1960年5月、労働災害や職業病が社会問題化したことから、産業災害や交通事故、火災などの災害防止をはかることが目的とした「国民安全の日」を、総理府(現在の内閣府)の閣議により制定されました。当時、労働省(現在の厚生労働省)の主唱により、1928年7月1日~7日を「全国安全週間」として職場の安全を訴えていたことから、その初日の7月1日を記念日としました。

日常生活での安全対策

日常生活での安全対策

我々は、普段の生活からどうしても必要とされる行動の中で、危険な事故や災害を未然に防ぐために「ルール」や「法律」、対策を重んじて行動をしています。その中でも、「自転車と歩行者」「工事現場の安全管理」「災害時の防災対策」についてに絞って安全を考えてみたいと思います。

自転車は道路交通法では軽車両

自転車は道路交通法では軽車両

自転車は、道路交通法上では軽車両と位置付けられています。したがって、一般的に車道と歩道の区別がある場所は、自動車やオートバイと同じ車道を左側通行が原則となっています。※違反した場合、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金といった罰則があります。しかし、例外として次のような場合のみ、自転車が歩道を通行できます。

1.普通自転車歩道通行可など、道路標識や道路標示で指定されている場合

まず一つ目は、「普通自転車歩道通行可など、道路標識や道路標示で指定されている場合」。

2.運転者が13歳未満の子供、そして70歳以上の高齢者、身体の不自由な方の場合

もう一つは、「運転者が13歳未満の子供、そして70歳以上の高齢者、身体の不自由な方の場合」。

3.工事などによって、通行困難である場合

三つ目は、「工事などによって、通行困難である場合」は歩道を通行できます。そして、自転車専用レーンがあればそこを通行しましょう。

工事現場の労災を防ぐ、安全対策

工事現場の労災を防ぐ、安全対策
土木現場

工事現場では、労災を未然に防ぐために安全管理が徹底が求められ、そのために重要とされる三つの要素があります。

1.安全設備面の対策

一つ目は「安全設備面の対策」であり、現場作業では不注意や錯覚などが原因で事故が起こると想定し、安全確保について考える必要があります。したがって、人の注意力だけを頼らず、法定事項の遵守を徹底して適切な安全設備を整えることが重要。

2.安全管理に関する教育・訓練

二つ目は「安全管理に関する教育・訓練」で、人的ミスを防ぐために作業員一人ひとりの安全意識を高める教育や訓練を実施し、事故を無くすために安全管理活動を充実させる必要があります。

3.作業員のストレスマネジメント

最後に「作業員のストレスマネジメント」で、現場では長時間労働や休日日数の少なさが問題視されていて、危険が及ぶ作業への精神的負担も考え、作業員一人ひとりのストレスマネジメントも安全管理のうえで重要とされています。

命を守るため、個人の防災対策

命を守るため、個人の防災対策
自然災害

地震や津波などの自然災害は、予想ができない上、時には想像をはるかに超える破壊力を発揮します。しかし、前もって避難場所の確保や防災グッズなどの防災対策をしておくことで、少なくても自分の命は守ることはできます。ここでいう防災対策は、自身の安全を守るために一人一人が取り組む「自助」ということです。

安全に毎日を過ごすために

安全に毎日を過ごすために

私たちが、安全な日常生活を過ごすためには、全ての人たちがルールや法律を守り、常に危険を予測しながら行動することが必要です。しかし、ルールや法律を守れない人の出現や自然災害は、予測ができません。

そこでこういう時の頼みの綱は、「警察」「救急隊」「自衛隊」「自治体」、そして政府の働きです。現在でも、彼らは「全国安全週間」や「防災訓練やマップの作成」を行っていますが、我々市民も自発的に意見を発信し、より安全な日常を作り上げていきましょう。

2021年7月、熱海・土砂災害発生!

2021年7月3日午前10時半頃に、熱海市伊豆山伊豆山神社南西にて、大規模な土石流が発生しました。そして、その時に逢初(アイゾメ)川沿いを土砂が流出しています。県または市の情報では、多数の民家が巻き込まれ、2人の死亡が確認されたようです。さらには、その後に約20人の安否が分かっていないといわれています。当時の記録的な大雨が影響とみられていて、沼津市でも民家1軒が流されるなど静岡県内でこのような被害を受けたとされました。


「国民安全の日」に関するツイート集

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6月29日の誕生花「アガパンサス」

「アガパンサス」

Etienne GONTIERによるPixabayからの画像

基本情報

  • 和名:ムラサキクンシラン(紫君子蘭)
  • 学名:Agapanthus
  • 科名/属名:ヒガンバナ科/アガパンサス属(またはユリ科に分類されることも)
  • 原産地:南アフリカ
  • 開花時期:5月下旬~8月上旬
  • 花色:青紫、薄紫、白など
  • 分類:多年草(常緑または落葉性)

アガパンサスについて

Matthias BöckelによるPixabayからの画像

特徴

  • アガパンサスは、細長い葉が株元から茂り、長い花茎の先に小さなラッパ型の花が球状に集まって咲くのが特徴です。
  • 一株で直径20cm前後の花房をつけることもあり、涼しげで華やかな印象を持ちます。
  • 耐暑性があり、日本の気候にも適応しやすく、放っておいても育つ丈夫な植物として庭植えにも人気です。
  • 特に梅雨明け前後に咲くことから、「梅雨の晴れ間に現れる爽やかな青」が人々に季節の移ろいを感じさせてくれます。

花言葉:「恋の訪れ」

congerdesignによるPixabayからの画像

アガパンサスの花言葉「恋の訪れ」は、以下のようなイメージや性質に基づいています:

  1. 初夏に凛と咲く姿が「新たな出会い」や「始まり」を連想させる
     アガパンサスは初夏の空気がまだ湿り気を帯びた時期に、すっと背を伸ばして開花します。その清らかでまっすぐな花姿が、「淡い恋心」や「まだ始まったばかりの恋のときめき」を象徴するとされています。
  2. つぼみから一斉に花が開く様子が、感情の芽生えを思わせる
     たくさんの小花が徐々に開花していく様子は、一歩ずつ進展していく恋心を重ねて見ることができます。静かに、でも確かに気持ちが動き出す——まさに「恋の始まり」です。
  3. 名前の由来が「愛の花」
     学名の Agapanthus は、ギリシャ語の「agape(愛)」+「anthos(花)」に由来し、直訳で「愛の花」。「恋の訪れ」という花言葉は、この語源とも強く結びついています

「アガパンサスの坂道」

Etienne GONTIERによるPixabayからの画像

梅雨が明けきらない、どこか曇った初夏の朝だった。駅から大学へと向かう坂道、その途中にある古びた庭の角に、今年もアガパンサスが咲いていた。背を伸ばし、青紫の花を球のように咲かせている姿は、どこか涼しげで、凛としていた。

 私はその花が好きだった。高校の頃、近所の神社の裏手に咲いていたアガパンサスを、ずっとひとりで見ていた時期がある。誰かを想っていたのか、誰かを待っていたのか、今ではもうよく思い出せない。

 「それ、アガパンサスって言うんだよね」

 突然、隣から声がした。驚いて振り返ると、大学の同じゼミの吉野さんが、日傘をさして立っていた。

 「……ああ、知ってるんだ」

 「うん。ギリシャ語で“愛の花”っていう意味なんだって。花言葉は『恋の訪れ』」

 彼女はそう言って、笑った。少し汗ばんだ額の向こうに、朝の光が差し込んでいる。何気ない会話だったのに、そのとき、ふと胸の奥が騒いだ。

 その日を境に、吉野さんと私は坂道を一緒に歩くようになった。ゼミの帰りや、試験の前、何でもない日も、少しだけ時間をずらして待ち合わせた。

 「最初に咲くと、夏が来るなって思うんだよね」

 「うん、あの花って、すっと咲くじゃない。まるで、心が追いつく前に何か始まってしまうみたい」

かみかみ するめによるPixabayからの画像

 そう言った吉野さんの声が、妙に切なげに聞こえたことがある。きっと彼女にも、過去に誰かを想った記憶があるのだろう。けれどその過去が、今の彼女を閉じ込めているようには見えなかった。むしろ、ゆっくりと歩き出そうとしている、そんな感じだった。

 ある日、坂の下で彼女が言った。

 「来週、父の転勤で引っ越すことになったの」

 「え?」

 「少し遠くに行くけど……坂の途中で咲くアガパンサスのこと、忘れないと思う。だって、ここで誰かと話すようになったの、今年が初めてだったから」

 私は言葉を失ったまま、その場に立ち尽くしてしまった。何か言わなければ、何か、気持ちを。

 けれどその瞬間、彼女が微笑んだ。

 「だから、ありがとう」

 それだけ言って、彼女はゆっくり坂をのぼっていった。背中越しに、あの青紫の花が揺れていた。

 その年の夏、私は庭にアガパンサスを一株植えた。何度も迷った末に、思いきって連絡先を訊いた。けれど、彼女が答えたのはたったひと言だった。

 「今はまだ、また会うときの理由を作ってる途中」

 きっとそれは、ゆっくりと開いていくつぼみのような言葉だった。

 静かに、でも確かに始まっている――
 そんな恋の訪れが、この初夏に咲いた。

トランジスタの日

6月30日はトランジスタの日です

6月30日はトランジスタの日

1948年6月30日、アメリカのAT&Tベル研究所「ウィリアム・ショックレー」「ジョン・バーディーン」「ウォルター・ブラッテン」の3人が『トランジスタ』を開発し、エレクトロ時代の幕開けとなるこの日が公開日でした。トランジスタは信号を増幅し、回路をオンとオフといったように電気の流れをコントロールする部品です。半導体の組み合わせにより、あらゆる特性を持つことができ、今や電子回路に欠かせない部品となっています。

トランジスタの内部構造

トランジスタの仕組み

トランジスタは、電化製品の変革に大きな影響を与えました。そのトランジスタの内部構造は、+の性質を持つP型半導体と、-の性質を持つN型半導体を貼り合わせたものです。その合わせ方は同じトランジスタでもそれぞれ異なり、その順番によってはNPN型やPNP型という呼び名になって特性もそれぞれ異なります。

トランジスタの電極

トランジスタの種類

また、半導体のトランジスタからは電極があり、それぞれの端子は(E)「エミッタ」、(C)「コレクタ」、(B)「ベース」と3種類の端子に分かれます。それぞれの端子の見分け方は、平らな面を手前にすると、左側が(E)のエミッタで、真ん中が(C)コレクタ、そして右側が(B)のベースとなります。それぞれの電極に電流を流したり、止めたりする動作が、電化製品の様々な機能に応用されています。

電気信号の増幅

基盤に電子パーツを取り付ける

トランジスタの主な特徴は、弱い電気信号を「増幅作用」で、強い電気信号に変換することです。この働きは製品の構造上、弱い電流をベースに送り込むと、エミッタとコレクタにも電流が合流し、大きな電流になります。その結果、電波が強くなったり音が大きくなったりするということです。

デジタル時計の表示やブザーも鳴らす

電子パーツ、トランジスタ、抵抗など

また、トランジスタの働きで回路のON/OFF「スイッチング」にも応用できます。この働きは、電気信号の流れを生身の人間では確認できないくらいの速さでON/OFF することも可能です。スイッチONにして、ベースから流れた電流がエミッタに流れ、スイッチOFFにすると、エミッタが遮断されて電流が流れなくなります。これらの工程を制御することで、デジタル時計の表示やブザーを鳴らすといったことも可能となり、高性能な電化製品はもとより、基本的な動作として身近な製品にも応用されています。

トランジスタラジオが基本

電子パーツ、トランジスタなど

若いころ、ものづくりが好きだった父の影響で自宅にあった壊れて使えないカーコンポなどをばらして、トランスやアンプの基盤を組み合わせて、パワーアンプを作ったりしたものです。これも最初は、父が使えなくなった家電機器の基盤からトランジスタやコンデンサを取り出し、はんだで直接つないでイヤホンを付けるとラジオが聞けるということから始まります。

さらにダイオードとトランスを追加すると交流を直流にする「ACDCコンバーター」的なものもできるということなどを教わりました。現在、高性能なPCや家電がたくさんの種類作られていますが、全てはこの万能な部品であるトランジスタが基本のような気がします。


「トランジスタの日」に関するツイート

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6月28日の誕生花「トルコキキョウ」

「トルコキキョウ」

基本情報

  • 和名:トルコキキョウ
  • 別名:リシアンサス(Lisanthus)、ユーストマ(Eustoma)
  • 科名/属名:リンドウ科/ユーストマ属
  • 原産地:北アメリカ南西部から南部、メキシコ、南アメリカ北部
  • 開花時期:3月~6月(自生地では6月~7月)
  • 花の色:白、ピンク、紫、青、黄、グリーン、複色など豊富
  • 草丈:20~80cm(品種により異なる)
  • 多年草(日本では一年草扱いが一般的)

トルコキキョウについて

特徴

  • 花びらは繊細で、バラやシャクヤクに似た優美な形をしている。
  • 花持ちが非常によく、切り花として人気が高い
  • 一重咲き・八重咲き・フリンジ咲きなど咲き方に多様性がある。
  • 名前に「トルコ」とあるが、トルコとは無関係。つぼみがトルコ風のターバンに似ているからとも、エキゾチックな印象から名づけられたとも言われている。

花言葉:「清々しい美しさ」

「清々しい美しさ」という花言葉は、次のような花の特徴と印象から生まれたとされています:

  1. 気品ある見た目と透明感
     トルコキキョウは、薄く透けるような花びらが幾重にも重なり、可憐でありながらも凛とした雰囲気を持ちます。派手さよりも、洗練された美しさがあるため、「清々しい(すがすがしい)」という表現がぴったりです。
  2. 夏に咲く爽やかな花
     蒸し暑い季節に咲きながらも、見る者に涼やかさを与える色合いや姿が特徴です。特に白や淡いブルーの品種は、清涼感を感じさせ、「清々しさ」の象徴となっています。
  3. 花姿の端正さと奥ゆかしさ
     トルコキキョウは上品で派手すぎず、見る人に癒しや安心感を与える存在です。その奥ゆかしさと美しさが調和した姿から、「清々しい美しさ」という花言葉が生まれました。


「清々しい美しさ」

雨上がりの朝。梅雨の合間のわずかな晴れ間に、私はふとあの花屋を思い出した。商店街の一角にひっそり佇む、小さなガラス張りの店。夏が近づくこの季節、きっと彼女は今年もあの花を並べているだろう。

「いらっしゃいませ」

 控えめな声とともに顔を上げたのは、白いエプロンを身につけた女性だった。昔と変わらない。落ち着いた雰囲気、笑うとほんのり頬が紅くなるところも、まるで時間が止まっていたかのようだ。

「トルコキキョウ、今年も出ましたね」

 私が指をさすと、彼女はそっと頷いた。

「ええ、今がちょうど旬なんです。よかったら、一本どうぞ」

 差し出されたのは、淡い青紫のトルコキキョウ。透けるような花びらが幾重にも重なり、まるで朝の空気をそのまま閉じ込めたような涼やかさがあった。凛としていながら、どこか奥ゆかしい。思わず息を呑む美しさだった。

「……やっぱり、あなたに似てますね」

 そう言うと、彼女は少し驚いたように目を見開き、すぐに照れたように微笑んだ。

「そんなこと……でも、この花には“清々しい美しさ”っていう花言葉があるんですよ」

 彼女はそう言って、花をそっと包みながら説明を始めた。

 「トルコキキョウって、もともとは北アメリカの草原で咲いていた花なんです。だから、強さもあるけれど、こうして見た目はすごく繊細でしょ? 暑い夏にもめげずに咲くけど、見ていると涼しい気持ちになれる。不思議な花です」

 花のことを語るときの彼女の表情は、いつも柔らかい。花の姿をそのまま心に映しているようだった。

 「派手じゃないけれど、気品があって、誰かのそばに静かに咲いていられるような……そんなところが好きなんです」

 私は黙って彼女の声に耳を傾けていた。目の前にある花も、彼女自身も、まるで同じ言葉で表現できるように思えた。

 別れ際、包みを受け取った私に彼女がそっと付け加える。

 「昔、あなたが言ってくれた“飾らない美しさがいちばん強い”って言葉、ずっと覚えてます」

 ……あの夏のことだ。大学を卒業する間際、ふと口にした言葉が、こんなにも長く誰かの中に残っていたなんて。そう思うと、胸の奥が少し熱くなった。

 帰り道、トルコキキョウを抱えて歩く。ビニールの包み越しに、ひんやりとした空気が指先に伝わる。まるで、その清々しさが心にまで沁み込んでくるようだった。

 あの人のそばで、静かに咲くことができたら——

 そんな淡い願いを胸に、私はまた来年もこの花を買いに来ようと思った。

ビートルズの日

6月29日はビートルズの日です

6月29日はビートルズの日

1966年6月29日、当時イギリスで人気絶頂だったロックグループ「ザ・ビートルズ」が日本に初めて来日しました。これを記念して、ビートルズの楽曲を手がける株式会社EMIミュージック・ジャパン(現在のユニバーサルミュージック合同会社)がこの日を記念日として制定しています。

ビートルズの来日

ビートルズの来日

ビートルズが本格的に活動を開始した1962年から約4年後に来日するまで、記録に残るコンサート回数とレコーディングが、記録されています。そのコンサートの回数は1000回以上、そしてその合間に2本の映画を撮影、いずれもイギリス国内で6枚のアルバムと12枚のシングル盤を発表を行っています。彼らは大人気だったため、テレビやラジオ出演を巡り、引っ張りだこだったそうです。プロデューサーのジョージ・マーティンが当時、「とにかく彼らは忙しすぎた」と言っていたほどです。

アルバム「Rubber Soul」

アルバム「Rubber Soul」

その状況が変わるのが、1965年に収録したアルバム「Rubber Soul」の時です。ファーストアルバムの収録が約10時間で終わったのに対し、この「Rubber Soul」は約110時間もかかったといわれています。そのアルバム制作までは、ライブやテレビ出演の空き時間に収録していたのを、この「Rubber Soul」以降ではレコーディング期間中、楽曲制作に集中するようになったといいます。

「Revolver」の収録は、約280時間

Revolver

実際、来日直前に取り組んでいた「Revolver」の収録は、約280時間にも及んだそうです。その一年後にようやく日本に来日し、日本公演のあとは、「フィリピン」「アメリカ」を終えてライブ活動は停止します。その後の4年間では、5枚のアルバムをレコーディングして、たった1度のライブ演奏を披露し、ビートルズは解散へと向かいます。

ビートルズのプロフィール

ビートルズのプロフィール

ビートルズの出身地は、イングランド マージーサイド州リヴァプール。活動期間は、1957年~
1970年。メンバーは、「ポール・マッカトニー」「ジョン・レノン」「ジョージ・ハリスン」「リンゴ・スター」。旧メンバーは、「ピート・ベスト(ドラムス)」「スチュアート・サトクリフ(ベース)」。ジャンルは、「ロック」「フォーク」「サイケデリック」「ロカビリー」など。

現在も活躍中の「ポール・マッカトニー」

「ポール・マッカトニー」

「ポール・マッカトニー」は、ビートルズの主にボーカルとベースを担当していましたが、作曲家としても活躍しています。そして、ギネスで「ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家」に認定されていて、ビートルズで最も稼いだ人ともいわれています。現在イギリスでは、レジェンド的な存在である「ポール・マッカトニー」は半世紀以上もミュージシャンとして活躍し、今もなおライブやイベントなどを積極的に行っているそうです。

「リンゴ・スター」

リンゴ・スター

ちなみに「リンゴ・スター」は、ビートルズの中で初期メンバーではない唯一の人物ですが、ドラムテクニックは高い評価をされていて、「20世紀のベスト・ドラマー100」では2位に選ばれているそうです。そして、「ポール・マッカトニー」と同様、この「リンゴ・スター」も現在でも現役で音楽活動を行うとともに、世界平和を訴えています。

若き日の憧れが自分を変える!

ビートルズを見て、若き日の憧れが自分を変える!

40、50代の年齢になり、失敗や挫折をしても、迷わず人らしくここまで生きてこれたのは、きっとまだ未熟だった若き頃にこういったビートルズのような憧れのスターに出会い、音楽などを通してたくさんファンの人と同じように共感し、感動するということを身をもって感じたからでしょう。人として正しいと思った道を選んだら、自信をもって目に進みましょう!必ず、その行動に共感し、サポートをしてくれる人がたくさん現れると思います。


「ビートルズの日」に関するツイート集

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6月27日の誕生花「ローダンセ」

「ローダンセ」

基本情報

  • 学名Rhodanthe manglesii(主にこの品種が観賞用として流通)
  • 別名:ヒロハノハナカンザシ(広葉の花簪)
  • 科名/属名:キク科/ローダンセ属(あるいはヘリクリサム属とされることも)
  • 原産地:オーストラリア
  • 開花時期:(4月~7月)頃
  • 草丈:20~50cmほどの一年草

ローダンセについて

特徴

  • 紙のような花びら
     花びらはカサカサとした質感で、まるで紙細工のような見た目をしています。この乾いた手触りがドライフラワーにも向いており、長く色や形を保ちます。
  • 明るい色彩
     ピンク、白、黄色など、色鮮やかで光沢感のある花を咲かせます。中心部は黄色でコントラストが美しい。
  • 乾燥に強い性質
     乾いた環境でも育ちやすく、ガーデニング初心者にも人気。日本では切り花や鉢花、ドライフラワー用途が一般的です。
  • 花が閉じない
     ローダンセの花は開いた状態のまま咲き、しぼみにくいため、いつまでも「咲いているように見える」という特性もあります。

花言葉:「変わらぬ思い」

花言葉「変わらぬ思い(unchanging affection)」は、主に以下の特徴に由来しています:

  1. 長く色褪せない美しさ
     ローダンセはドライフラワーにしても色や形がほとんど変わらず、長期間そのままの姿を保ちます。その「変わらない美しさ」から、永続する感情を象徴するとされます。
  2. 可憐なのに強い
     見た目は繊細で可愛らしいのに、実際は乾燥や環境の変化に強いというギャップが、「一途で変わらぬ愛情」や「強い想い」をイメージさせます。
  3. 枯れても咲いているような姿
     生花がしおれても、まるで咲き続けているように見えるその姿は、「時間が経っても薄れない気持ち」や「想いの持続性」を象徴しています。

「変わらぬ花」

小さな雑貨店の片隅に、ずっと売れずに残っている一輪のローダンセのドライフラワーがあった。花瓶に挿されたそれは、まるで時間の外にあるように、色褪せることなく、いつも変わらぬ笑顔で店を見守っていた。

「この花、ずっとあるよね」

 放課後、店に立ち寄った高校生の紗良がそう言うと、レジに座っていた老店主の悠一が笑った。

「ああ、もう十年くらいになるかな。そのローダンセだけは、どんなに日が経っても色が抜けないんだ。不思議だろう?」

「うん。……でも、ちょっと寂しくない? こんなに綺麗なのに、誰にも選ばれないなんて」

 紗良の言葉に、悠一はふと目を細めた。

「それは違うよ。選ばれたんだ、もうずっと前に」

「え?」

 店主はローダンセに目を向けながら語り始めた。

「むかし、この店によく来てた女の子がいてね。病気であまり外に出られなかったんだけど、晴れた日だけ母親と一緒に、決まってここに来てくれてた。小柄で、大きな瞳の子だった」

 その子は、ローダンセが好きだったのだという。

「毎回、同じ花を眺めては『これ、いつまでも咲いてるね』って。買うことはなかったけど、花の前でずっと立ち止まってた。ある日、その子が母親と来て、『もう、ここには来られないの』って言ったんだ」

 そしてその少女は、帰り際、レジに500円玉を置いていった。

「『お小遣いで買えるの、これだけだから、花はそのままでいい。でも、私のものにしていい?』ってね」

 それ以来、そのローダンセは売り物ではなくなった。店主は毎朝埃を払って、陽の当たる場所に置いてやる。それが彼女との「約束」だった。

「変わらず咲き続けているあの子の気持ちが、この花に宿ってるんじゃないかって思ってる。花は枯れても、想いは枯れない……そんな気がするんだよ」

 紗良は、ローダンセに目をやった。カサカサとした花びらは、それでもどこかあたたかさを持って、まるで誰かの心を守っているようだった。

「じゃあ、これは……その子の“変わらぬ思い”なんだね」

「そう。花言葉の通りだよ」

 その日、紗良は手帳にローダンセの名前を書いた。「いつか自分も、誰かの心に残るような想いを持てたら」と、小さく願いながら。

 数年後。大学進学で街を離れる前、紗良はもう一度店を訪れた。ローダンセは、変わらずそこにあった。

「この花、やっぱり変わらないね」

「うん。けど、想いは少しずつ広がってる気がするよ」

 悠一の言葉に、紗良は頷いた。

 そして静かに店を出ると、彼女は振り返って微笑んだ。

「ありがとう、変わらぬ花」

JAZZりんごの日

6月28日はJAZZりんごの日です

6月28日はJAZZりんごの日

2011年6月28日、「JAZZ™りんご」が初めて日本に入荷しました。そのことをきっかけに、ニュージーランドを代表する「JAZZりんご」の美味しさをよりたくさんの人に味わってもらうことが目的で、ニュージーランド産のリンゴなどを取り扱うT&GJapan株式会社がこの日を記念日として制定しました。

JAZZりんご

JAZZりんご

JAZZりんごは、ニュージーランド生まれで「ロイヤルガラ」と「ブレイバーン」を交配させて生み出した品種で、ニュージーランド国内では最も日当たりのよい地域で栽培されています。そして、りんごの木の葉を落とさず栽培しますが、それは真夏の太陽から果実を守るためだそうです。また、サイズは日本のリンゴと比較して小ぶり方で、一般的なリンゴと同じように赤と黄色のツートンカラーの皮というのが特長です。このJAZZりんごは、残留農薬が厳しく管理されている環境で育てられていて、ワックスをかけていないので栄養分豊富な皮ごと食べられます。

JAZZりんごの味は?

JAZZりんごは、食感が「サクッ」としていて、甘みと酸味のバランスが絶妙でジューシーさが一番の特徴です。日本の蒸し暑い夏のおやつに最適で、冷やして食べることをお勧めします。またサイズが小さいので、子供でも無駄なく食べきれる健康的なおやつとして重宝されます。

品種はサイフレッシュ

JAZZりんごの品種は、サイフレッシュ(「ロイヤルガラ」と「ブレイバーン」を交配さた品種)であり、T&Gグループが所有する登録商標のJAZZの名称で販売されています。栽培は、「ニュージーランド」「米国」「チリ」「南アフリカ」「アジア」「英国」「フランス」「オーストラリア」でT&Gのライセンスに基づいて行っています。

JAZZりんごの旬は?

JAZZりんごの旬

ニュージーランドで収穫される時期は、春の3月~4月頃ごろに掛けてですが、このリンゴは貯蔵性も高く、日本に輸入され、実際に店頭に並ぶのは国内産のりんごが少なくなったころの6月頃~8月の夏場になるそうです。

サイズが小さくて時期が夏場が良い

JAZZリンゴは、サイズが小さくて時期が夏場が良い

日本で一般的に食べられるりんごは、秋から冬にかけての季節が旬です。それに対して、JAZZりんごの食べられる時期は春先から夏場にかけてです。したがって、JAZZりんごは冷やして食べることもOKですし、子供でも残さず食べられる小さめサイズなのが魅力でしょう。また、冬場のりんごは比較的の大ぶりなものが多く、半分食べて後は保存するときのリスクの点でも、まさにこの時期お勧めの果物だと思います。


「JAZZりんごの日」に関するツイート集

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6月26日の誕生花「ペンタス」

「ペンタス」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名:Pentas lanceolata
  • 和名:クササンタンカ(草山丹花)、別名:エジプシャンスター(Egyptian Star Flower/Star Cluster)
  • 科属:アカネ科・ペンタス属
  • 原産地:熱帯東アフリカ〜アラビア半島(イエメンなど)
  • 分布:一年草として一般的だが、霜の降りない温暖地(USDAゾーン10~11)では多年草

ペンタスについて

hartono subagioによるPixabayからの画像

特徴

  • 花の形・色:径1〜2cmの星型咲きの花が散房状(半球形)に密集。赤・ピンク・白・紫・ラベンダーなどバリエーション豊富で、バイカラーや八重咲きもある
  • 草丈・大きさ:草丈30〜80cm(種苗改良品種では矮性で30cmほど)。原種では最大で高さ1.5mになることもある
  • 育ちやすさ:日当たりと水はけの良い場所を好み、夏の暑さや乾燥に強く、病害虫にも比較的強い
  • 花期:5〜10月頃まで長時間咲き続け、連続開花性が高く、切り戻しや花がら摘みをするとさらに長持ち
  • 魅力:蝶やハチ、ハチドリなどの花粉媒介者を引き寄せ、ガーデニングや寄せ植えに人気

花言葉:「希望が叶う」

ペンタスの花姿が「星が集まったよう」に見えることから、願い事を星に託すイメージと重なり、「希望が叶う」「願い事」という花言葉になったとされています

学名の “pentas” はギリシャ語の「5(pente)」に由来し、花びらが5枚であることに由来。星形に見えること、規則正しい花姿から「調和」「願い」「希望」という象徴性も評価されています


「星を集める庭」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

「おばあちゃん、この花の名前、なあに?」

少女が指差したのは、小さな鉢に咲いた星のような赤い花だった。

「それはね、ペンタスって言うの。五枚の花びらが集まって、まるで夜空の星みたいでしょう?」

陽の傾き始めた夕方、小さな花屋の奥で、祖母はいつものように穏やかに笑った。

夏休みの間、花屋に預けられていた美羽は、最初こそ退屈で仕方なかったけれど、次第に店の一角の小さな花壇が気に入りはじめていた。

「この花、願い事が叶うんだって」

「ほんとに?」

「ほんとよ。昔の人は、夜空の星に願いを託してたでしょ? この花はね、まるでその星が地上に降りてきたみたいだから。だから、“希望が叶う”って花言葉がついたの」

美羽は小さく頷いた。家では両親がいつも忙しそうで、まともに話すことも少なかった。自分の気持ちを話しても、いつも「あとでね」で終わってしまう。

でも、ここにいると、誰かが耳を傾けてくれるような気がした。

「願いごと、してもいい?」

「もちろん」

少女は両手をそっとペンタスの鉢に添えた。そして、目を閉じてつぶやいた。

「また、家族みんなで夕ご飯を食べられますように」

静かな風が吹いた。葉が揺れて、ペンタスの花もわずかに震えた。

それから数日、美羽は毎日その鉢を世話し、水をやり、咲いた花を数えては笑った。

夏休みの最後の日、母が迎えに来た。花屋の前で、美羽は一鉢のペンタスを抱えていた。

「おばあちゃん、この花、持って帰ってもいい?」

「いいわよ。あんたの願いが詰まってるんだもの」

家に戻ってすぐ、美羽は食卓の真ん中にその鉢を置いた。夕方、珍しく父も母も時間通りに帰ってきて、揃って食卓に座った。

「……なんか、久しぶりだね、こうやって食べるの」

母が笑って言った。

「うん。なんか、星が降ってきたみたい」

美羽の視線の先には、小さな星たちが咲くペンタスの花があった。

その夜、窓の外を見上げると、本物の星空が広がっていた。けれど、美羽はもう空に願いをかける必要はなかった。

彼女の願いは、もうそこに咲いていた。

零細・中小企業デー

6月27日は零細・中小企業デー

6月27日は零細・中小企業デー

2017年4月、零細・中小企業の重要性を認識、支援するための意識と行動を高めることが目的で、この日を国連総会で記念日として制定しています。また、これは国際デーの一つであり、英語表記では「MSME Day」と呼ばれています。

「中小企業」の明確な定義

「中小企業」の明確な定義

「中小企業」には、中小企業基本法という法律により明確な定義が存在し、この法律の内容から中小企業の規模は業種ごとに次のように定められます。

サービス業

サービス業は、「資本金の額または出資の総額が5千万円以下、あるいは従業員数100人以下」。

小売業

小売業は、「資本金の額または出資の総額が5千万円以下、あるいは従業員数50人以下」。

卸売業

卸売業は、「資本金の額または出資の総額が1億円以下、あるいは従業員数100人以下」。製造業や建設業、運輸業とその他の業種は、「資本金の額または出資の総額が3億円以下、あるいは従業員数300人以下」という定義が存在します。

零細企業

零細企業

零細企業は、法律で定義された言葉はありませんが、その零細企業という言葉には「会社の規模が小さい、従業員数が少ない企業」という意味合いがあります。そして、これを法的に該当する区分はというと、「小規模企業」にあたります。

小規模企業については、中小企業基本法で次のような判断基準が定められます。卸売業・小売業などの商業及びサービス業では、「従業員5人以下」とされ、「製造業・建設業・運輸業・その他の業種」は「従業員20人以下」と定義されます。また、2013年9月に施行された「小規模企業活性化法」では、政府が政令によって小規模企業の範囲の変更を行うことが可能となったそうです。

大企業に定義はない!?

大企業に定義はない!?

「大企業」には法律上の定義はありません。しかし、資本金や従業員数が先ほどの「中小企業」や「零細企業」のラインを超えている企業は、大企業と判別されます。また資本金や従業員数が基準以下でも、他の大企業と密接な関係を持つ企業は「みなし大企業」と判断され、中小企業向けの補助金や助成金、軽減税率適用などの対象から外されることがあります。

さらに、一部を除くゴム製品製造業は「資本金3億円以下または従業員900人以下」、旅館業は「資本金5千万円以下または従業員200人以下」、ソフトウエア業や情報処理サービス業は「資本金3億円以下または従業員300人以下」の企業が、政令により中小企業に区分されるケースがあるそうです。

コロナ禍でしっかり見直してほしい

コロナ禍をきっかけにしっかり見直してほしい

去年の2月ごろから、世界的に広がった新型コロナ感染を抑制するために、各国政府のロックダウンや緊急事態宣言、渡航制限などを幾度か掛けた影響で経済が衰退し、株価が大暴落しました。そして、2年目に入った現在ではようやくワクチンが世界各国に出回り始め、変異ウイルスを警戒しながらも少しずつではありますが落ち着きつつあります。そうなってくると、この「零細・中小企業デー」を通して、世界全体の企業から見た零細・中小企業の影響力を改めて見直し、一刻も早い経済回復を望んでいます。


「零細・中小企業デー」に関するツイート集

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