2月15日の誕生花「デイジー」

「デイジー」

基本情報

  • 和名:ヒナギク(雛菊)
  • 学名:Bellis perennis
  • 科名/属名:キク科/ヒナギク属
  • 原産地:ヨーロッパ
  • 開花時期:3月〜5月(品種によっては秋〜春)
  • 花色:白、ピンク、赤、黄色、複色
  • 草丈:10〜30cmほど
  • 分類:多年草(日本では一年草扱いされることも多い)

デイジーについて

特徴

  • 中央の黄色い花芯と、放射状に広がる花びらが印象的
  • 小ぶりで親しみやすく、素朴な可愛らしさがある
  • 日中に花を開き、夜や曇天では閉じる性質をもつ
  • 丈夫で育てやすく、花壇や鉢植え、寄せ植えに多用される
  • 群生すると、地面に星を散らしたような景色になる
  • 子どもや春の野原を連想させる、明るくやさしい存在感


花言葉:「希望」

由来

  • 冬の終わりから春にかけて咲き、季節の移ろいと再生を象徴する花であることから
  • 小さな花でも寒さに耐えて咲く姿が、未来への前向きな気持ちと重ねられたため
  • 朝になると再び花を開く性質が、「新しい一日」「再び始まること」を連想させたことから
  • 野原や庭先に自然に広がり、明るい景色を作ることが、人の心を前向きにする存在として受け取られたため
  • 控えめながらも確かに咲く姿が、「大きくなくても失われない希望」を象徴すると考えられたため


「ひなぎくの朝」

 三月の終わり、まだ朝の空気に冬の名残がある時間帯だった。
 窓を開けると、冷えた風がカーテンを揺らし、土の匂いを運んでくる。私は少しだけ身をすくめ、それから庭に目を向けた。

 そこに、小さな白い花が咲いていた。

 デイジー――和名ではヒナギク。
 数日前までは、まだ地面に伏せるように葉を広げていただけだったはずなのに、今朝は確かに花を開いている。黄色い中心を囲む白い花びらは、驚くほど整っていて、まるで朝を迎える準備をずっと前から整えていたかのようだった。

 こんなに寒いのに、と思う。
 昨夜も遅くまで冷え込んでいた。吐く息は白く、霜が降りてもおかしくない気温だったはずだ。それでも、この小さな花は、何事もなかったかのように顔を上げている。

 私はコートを羽織り、庭に出た。
 近づくと、デイジーは一輪だけではなかった。気づかないうちに、あちこちに白い点が増えている。控えめで、主張は強くないのに、確実にそこにある。

 ——いつからだろう。
 こんなふうに、花をゆっくり眺めるようになったのは。

 思い返せば、忙しさを理由に、心の余白を削り続けていた気がする。未来のことを考える余裕もなく、過去を振り返る勇気もなく、ただ今日をやり過ごすことで精一杯だった。

 希望、という言葉が、どこか遠いものになっていた。

 デイジーは、朝の光を受けて、少しずつ花を開いていく。
 夜の間は閉じていた花弁が、まるで「また始まるよ」とでも言うように、静かに広がっていく。その動きはゆっくりで、急かすところがない。

 新しい一日。
 再び始まること。

 それは、何か劇的な変化を伴うものではない。昨日と同じ景色、同じ道、同じ空気。それでも、確かに「今日」は昨日とは違う。

 野原や庭先に、誰に頼まれるでもなく広がっていくこの花は、きっとそういう存在なのだろう。誰かを奮い立たせるために咲くわけでも、賞賛を求めるわけでもない。ただ、そこにあることで、景色を少しだけ明るくする。

 小さくても、消えない。

 私はしゃがみ込み、そっと土に触れた。冷たい感触が指先に伝わる。その中で、デイジーは根を張り、冬を越え、春を迎えたのだ。

 大きな希望はいらない。
 すべてがうまくいく未来を思い描けなくてもいい。

 それでも、朝が来て、花が開く。
 その繰り返しの中に、確かに前へ進む力がある。

 立ち上がると、日差しが少し強くなっていた。
 デイジーの白が、朝の光を受けて、柔らかく輝く。

 私は深く息を吸い、今日の予定を思い出す。やるべきことは多いし、不安が消えたわけでもない。それでも、心のどこかに、静かな灯りがともっているのを感じた。

 控えめながらも、確かにそこにあるもの。
 大きくなくても、失われないもの。

 それが、希望なのだろう。

 庭を後にして、私は家に戻る。
 振り返ると、デイジーは変わらず、朝の中で花を開いていた。

 明日もまた、きっと同じように。
 そう思えることが、少しだけ、嬉しかった。

2月15日の誕生花「ミツマタ」

「ミツマタ」

ミツマタ(三叉、学名:Edgeworthia chrysantha)は、ジンチョウゲ科の落葉低木で、春に黄色や赤みがかった花を咲かせる植物です。枝が必ず三つに分かれることが名前の由来で、和紙の原料としても有名です。

ミツマタについて

科名:ジンチョウゲ科ミツマタ属
原産地:中国中南部・ヒマラヤ地方

ミツマタの特徴

  • :小さな筒状の花が集まって丸い形を作り、甘い香りを放ちます。
  • :夏に細長い葉を茂らせ、秋には落葉します。
  • 樹皮:強靭で、和紙や紙幣の原料として使用されます。特に「越前和紙」や「土佐和紙」に利用されることで知られています。
  • 生育環境:日陰や湿った土壌を好み、日本の山間部にも自生しています。

花言葉:「肉親の絆」

ミツマタの花言葉「肉親の絆」は、その枝が必ず三つに分かれる特徴に由来すると考えられています。この枝分かれが「親・子・孫」など家族のつながりを象徴しているとも言われます。

また、ミツマタの繊維が強く、和紙を作る際にしっかりと絡み合うことも「人と人の絆」を連想させるため、この花言葉がつけられたとも考えられます。

春の訪れを告げるミツマタの花は、家族のつながりや温かさを思い出させてくれる存在ですね。


「ミツマタの絆」

春の山奥、雪解けの水が静かに流れる谷のほとりに、ミツマタの木が一本立っていた。その枝は三つに分かれ、小さな黄金色の花を咲かせている。

この山のふもとに住む少女、美咲は幼いころからこのミツマタの木を「家族の木」と呼んでいた。母が言っていたのだ。

「この枝のようにね、人はつながっているのよ。おじいちゃん、お母さん、そして美咲。三つの枝みたいにね」

美咲の母は和紙職人だった。毎年春になると、母と一緒にミツマタの皮を剥ぎ、手作業で丁寧に紙を漉いた。その紙には、どこか母の温もりが宿っているように思えた。

だが、去年の冬、母は病に倒れた。そしてもう帰らぬ人となった。

春が来ても、美咲は山へ行く気になれなかった。家の中には母の作った和紙が残っている。それに触れるたび、母の声が聞こえてくるような気がしていた。

「今年は一人で行かなきゃ……」

美咲はそう決意し、山へ向かった。母と訪れたあの場所に行くと、ミツマタは変わらず花を咲かせていた。黄金色の花が陽の光に揺れている。

美咲はそっと枝に触れた。すると、そよ風が吹き、花が優しく揺れた。その瞬間、母の声が聞こえたような気がした。

「大丈夫。ちゃんとつながっているわ」

涙がこぼれた。だけど、それは悲しみだけではなかった。美咲はミツマタの枝を見上げ、小さく微笑んだ。

「そうだね。私たちはずっと、つながっているんだね」

その春、美咲は母と同じように和紙を漉いた。そして、最初にできた一枚を、大切にそっと胸に抱いた。

涅槃会

2月15日は涅槃会

2月15日は涅槃会

2月15日は、仏教の祖・釈迦が亡くなったとされている釈迦入滅の日です。この日は、各寺院で釈迦の遺徳を偲ぶ法会が行われます。そして、この法会を「涅槃会(ねはんえ)」といいます。本来は陰暦2月15日でした。現在では、3月15日に行う寺院もあるのだそう。

涅槃会とは

涅槃会

涅槃会というのは、お釈迦様の命日とされる日に行われる法要のことだそうです。涅槃会は、仏教の解釈で、涅槃(肉体をなくして悟りの境地)に入ったお釈迦様をしのび、亡くなられた時の様子を描いた涅槃図を掲げながら行う仏教の三大年中行事。そして涅槃会では、普段公開されない涅槃図も公開され、貴重な仏教美術に親しめる機会でもあるそうです。

お釈迦様

仏教の開祖、お釈迦様の誕生

仏教の開祖、お釈迦様が誕生したのは、正しい年代は分かっていません。今から約2,500年前の4月8日と伝えられているそうです。シャーキヤ(釈迦)族の国王である父「シュッドーダナ」と母「マーヤー」の間に生まれたとされてています。生まれた場所は、現在のネパール南部の「ルンビニ」だと伝えられています。その頃のインドとその周辺国は、国全体を統一する王朝がなく、多くの部族国家が存在していたそうです。

お釈迦様の名前

蓮の花

お釈迦様が生まれたときは、サンスクリット語の「ゴータマ・シッダールタ」という名前を付けられています。また別の発音で「ガウタマ・シッダールタ」とされることもいわれています。お釈迦様は、「ゴータマ・シッダールタ」という本名があるのに、何故「お釈迦様」と呼ばれるようになったかは、有力説として釈迦族の王子だからということがあるそうです。

仏教を知らずにお葬式

修行僧

私は、生まれてからほとんど身内や知人の葬式や法要以外は仏教に深く関わる事がありません。なので、仏教のことをなにも知らずに今日まで生きてきました。知っていることといえば、御新香をあげて手を合わせるぐらい。そして、法要などでお坊さんが、仏の教えを聞くことぐらいです。大切なのは、「仏教とは、何か?」という事よりも、悟りを開いた人から人生の生き方を学びとることだと思います。


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2月14日、12月2日の誕生花「シネラリア」

「シネラリア」

基本情報

  • 別名:サイネリア、フキザクラ(富貴桜)
  • 科名:キク科
  • 属名:ペリカリス属(旧セネシオ属)
  • 学名Pericallis × hybrida
  • 分類:多年草(園芸では一年草扱いが多い)
  • 原産地:カナリア諸島
  • 開花時期:11月〜5月(冬〜早春)
  • 花色:青・紫・ピンク・赤・白・複色など非常に多彩
  • 名前の由来:旧属名「Senecio(セネシオ)」がもとで「シネラリア」と呼ばれるようになった

シネラリアについて

特徴

  • 花びらの色がとても鮮やかで、中心の“目”のような部分がくっきりしている。
  • 冬から春にかけて咲くため、寒い季節の室内を明るく彩る花として人気が高い。
  • 一株にたくさんの花をつけ、満開時は花のクッションのように見える。
  • 冷涼な気候を好み、暑さには弱い。
  • カラーバリエーションが豊富で、花壇・鉢植え・贈り物など幅広く使われる。
  • 日光が好きだが、直射日光にはやや弱いため半日陰が適している。

花言葉:「いつも快活」

由来

  • シネラリアは冬から早春の寒い時期に、鮮烈な色で明るく咲く花
    → 冬の室内や庭を明るく照らす姿が、「元気」「快活さ」を連想させた。
  • 一株いっぱいに咲き広がる華やかな花姿が、
    “いつも明るい笑顔を絶やさない人”
    を思わせるため。
  • 色彩豊かでポジティブな印象が強いことから、
    **「いつも快活」「元気を出して」「喜び」**などの花言葉がつけられた。

「冬の色、君の声」

冬の朝は、窓ガラスの向こう側が少しだけ遠く感じられる。
 外気の冷たさが、まるで世界そのものを薄い氷の膜で覆ってしまったようで、触れれば壊れてしまうような静けさが漂っていた。

 そんな朝でも、凪沙(なぎさ)の部屋にはひとつだけ、季節に逆らう色がある。
 机の隅に置かれた鉢植えのシネラリア。紫や青、ピンクが重なり合い、まるで春が少しだけ迷い込んだかのように鮮やかだった。

 「……ほんと、強いなぁ。君は」

 凪沙はカーテンを開けながら、小さく呟いた。
 最近、彼女は笑うことが減っていた。理由は単純だ。
 大切な友人・瑛斗(えいと)が遠い町へ引っ越したからだ。

 瑛斗はいつも明るい人だった。
 どんなに落ち込んでいても、彼の前ではなぜか笑ってしまった。
 からかうように覗き込んでくる顔も、ふざけて肩を突いてくる仕草も、冬の朝を照らすような温度を持っていた。

 ――あんた、笑ったほうが似合うって。

 最後の日に瑛斗が言ったその言葉が、凪沙の胸の奥でまだ消えずにいる。

 その朝、凪沙はふと気づいた。
 シネラリアの花が、一段と鮮やかになっている。

 「……水、あげたっけ?」

 昨日の夜、帰宅してすぐ寝てしまった気がする。
 でも花は元気に咲き誇っている。
 凪沙は少し不思議な気持ちで葉を撫でた。

 その瞬間、ポケットの中でスマホが震えた。
 画面に表示された名前を見て、凪沙は息をのみ、小さく笑った。

 瑛斗からだった。

 ――『そっち雪降ってる? こっちはめっちゃ晴れてる。なんか悔しい』

 くだらない一文。
 でも、それだけで胸が少し軽くなる。

 ――『シネラリア、まだ咲いてる? あれ、絶対凪沙に似合うと思ったんだよな。冬でも元気で、なんか可愛いし』

 思わず頬が熱くなった。

 あの日、瑛斗が凪沙の誕生日にくれたのが、このシネラリアだ。
 「いつも快活」
 それが花言葉だと教えてくれた。

 「お前さ、落ち込んだら顔に出るタイプだろ。でもさ」
 「冬みたいな日でも、絶対また笑うと思うんだよ」

 その言葉を聞いたとき、凪沙は一度だけ泣きそうになった。
 でも瑛斗は見て見ぬふりをして、ただいつもの調子で花を渡してきた。

 凪沙はスマホを握りしめ、シネラリアに目を向けた。
 先ほどよりも、さらに鮮やかに見える。
 まるで「ほら、元気出せよ」と背中を押してくれているようだった。

 ――『今日、学校の帰りに少し話さない? 電話でもいいけど』

 瑛斗のメッセージが続けて届く。

 凪沙は笑ってしまった。
 彼は相変わらずだ。
 遠くにいても、冬でも、姿が見えなくても。

 その存在は、いつだって凪沙の心を温めてくれる。

 「……うん。話したいよ」

 そう打ち込み、送信ボタンを押した。

 窓の外では雪が静かに降り始めていた。
 白い世界の中で、シネラリアだけが春を先取りするように明るい。
 その色に照らされるように、凪沙の表情も少しだけほころんだ。

 瑛斗がいなくても、冬は寂しいだけの季節じゃない。
 鮮やかな色は思いがけず心を照らし、
 その色は、あの日もらった言葉と同じ温度で胸に触れる。

 ――冬に咲く花は、強いんだよ。

 瑛斗が言ったその言葉を思い出しながら、凪沙はそっとシネラリアの花に触れた。

 そして、静かに微笑んだ。

 「私も、もう少し頑張ってみるね」

2月14日、17日の誕生花「ミモザアカシア」

「ミモザアカシア」

ミモザアカシア(Acacia dealbata)**は、マメ科アカシア属の常緑高木で、鮮やかな黄色い花が特徴的な植物です。ミモザと呼ばれることが多いですが、正式には「ミモザアカシア」や「銀葉アカシア」とも呼ばれます。

ミモザアカシアについて

科名:マメ科アカシア属
原産地:オーストラリア

🌼特徴

  • 花期:2月~4月ごろ
  • 花色:鮮やかな黄色
  • :銀灰色がかった細かい葉が特徴的
  • 樹高:5~10mほど成長する

💛 ミモザの日(国際女性デー)

3月8日は「国際女性デー」とされ、イタリアでは「ミモザの日」として女性にミモザの花を贈る習慣があります。感謝や敬意を込めて贈られることが多いです。

🌱 育て方

  • 日当たり:日当たりの良い場所が◎
  • :水はけのよい土を好む
  • 耐寒性:比較的強いが、寒冷地では冬の防寒対策が必要
  • 剪定:花後に剪定すると樹形を整えやすい

春の訪れを告げるミモザは、庭木やドライフラワーとしても人気があります!


花言葉:「友情」

ミモザアカシアの花言葉は「友情」 です。
この花言葉には、「大切な友人への思いやり」や「絆を大切にする心」が込められています。

特に 3月8日の「ミモザの日」(国際女性デー) には、イタリアをはじめとする国々で、感謝や友情の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があります。

やさしく明るい黄色い花が、友情の象徴としてふさわしいですね!


「ミモザの約束」

春の訪れを告げるように、ミモザの花が風に揺れていた。鮮やかな黄色い小さな花が、太陽の光を浴びて輝いている。

「今年も咲いたね。」

優奈は、幼なじみの莉子と並んでミモザの木を見上げた。

「うん。ミモザの花言葉って知ってる?」

莉子が問いかける。優奈は微笑んで、そっと呟いた。

「友情、でしょ?」

「そう。だから、毎年この花が咲くたびに、私たちがずっと友達でいられるようにって思うんだ。」

莉子の言葉に、優奈の胸がじんわりと温かくなった。

二人が初めて出会ったのは、小学校の春だった。転校してきた優奈に、最初に話しかけてくれたのが莉子だった。おそるおそる差し出した手を、莉子は何のためらいもなく握り返してくれた。あの日から、二人はずっと一緒だった。

しかし、高校卒業が近づくにつれ、進路の違いから少しずつすれ違いが増えた。お互い忙しくなり、以前のように頻繁に会うこともなくなった。それでも、3月8日だけは特別な日だった。

「ねえ、来年もまたここでミモザを見ようね。」

莉子がそう言うと、優奈は力強く頷いた。

「もちろん。約束だよ。」

手を重ねた瞬間、ミモザの花がはらはらと舞い落ちた。それはまるで、二人の友情をそっと祝福してくれているようだった。

2月14日、11月3日の誕生花「カモミール」

「カモミール」

基本情報

和名:カモミール(カミツレ)
学名Matricaria chamomilla(ジャーマンカモミール)/Chamaemelum nobile(ローマンカモミール)
英名:Chamomile
科名:キク科(Asteraceae)
属名:マトリカリア属、カマエメルム属
原産地:ヨーロッパ、西アジア
開花期:5月〜7月
花色:白(中心は黄色)
草丈:20〜60cm程度

カモミールについて

特徴

  • 見た目
    小さな白い花びらと黄色い花芯が特徴。デイジー(ヒナギク)に似た可憐な姿をしています。
    優しい見た目に反して、風や踏まれても負けないたくましい生命力を持っています。
  • 香りと効能
    リンゴのような甘い香りが特徴で、「カモミール」という名前もギリシャ語の
    “chamaimēlon(大地のリンゴ)”に由来します。
    ハーブティーやアロマとして親しまれ、リラックス効果・安眠・炎症鎮静などの効能があります。
  • 種類
    主に「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の2種類。
    ジャーマンは一年草でお茶向き、ローマンは多年草でアロマオイル向きです。
  • 性質
    日当たりと水はけのよい場所を好み、やせた土地でもよく育ちます。
    ほかの植物が弱るような場所でも花を咲かせる、強い適応力が魅力です。

花言葉:「逆境に耐える」

由来

花言葉のひとつである「逆境に耐える(Patience in adversity)」は、
カモミールの生命力と再生力に深く関係しています。


① 踏まれても、さらに強く育つ花

カモミールは、踏まれるとその刺激でより丈夫になり、
かえって花が増えるという性質を持っています。

そのためヨーロッパでは古くから、

「踏まれるほどに強くなる花」
“The more it is trodden on, the more it spreads.”
という言葉で知られてきました。

この性質が、「どんな苦境にも屈せず、むしろそれを力に変えて咲く花」
という象徴となり、**「逆境に耐える」**という花言葉が生まれました。


② 優しさと強さの共存

柔らかく香る姿からは想像できないほど、カモミールは環境の変化に強く、
冷涼な気候でも乾いた土地でも育ちます。
その姿が「穏やかさの中にある芯の強さ」を思わせることから、
「優しい人ほど、困難に負けない」という意味も込められています。


③ 古代からの癒やしの象徴

古代エジプトでは、太陽神ラーに捧げる花とされ、
病気や不安を癒す“光の薬草”と呼ばれました。
困難の中にあっても人々を癒やし、希望を与える花――
この役割もまた、「逆境を照らす強さ」の象徴です。


🌷 その他の花言葉

  • 「あなたを癒す」
  • 「清楚」
  • 「友情」
  • 「平和」

「踏まれても咲く花」

放課後の校庭には、夕陽がゆっくりと沈みかけていた。
足もとに広がる草の間に、小さな白い花が揺れている。
香織(かおり)はしゃがみこんで、その花をじっと見つめた。

――カモミール。
理科の授業で見た写真と同じだ。
けれど、ここに咲く花はどこか違って見えた。
校庭の隅、何度もボールに踏まれ、雨に打たれ、それでもなお、まっすぐ立っていた。

「……強いな」
つぶやいた声は、誰に向けたものでもなかった。

その日、香織は部活の練習を途中で抜け出していた。
チームの中心にいたはずの彼女は、最近どうにも調子が出ない。
少しのミスで冷たい言葉を浴びせられ、笑われ、責められる。
本当はやめてしまいたい――そんな思いを抱えたまま、ここに来たのだ。

風が吹き、カモミールの花が小さく震える。
けれど、倒れない。
その姿が、なぜか自分を見ているようで、胸の奥が熱くなった。

「どうして……そんなに平気そうなの」

答えがあるはずもない。
けれど、どこかで聞いた言葉が脳裏をよぎった。

“The more it is trodden on, the more it spreads.”
踏まれるほどに、よく育つ花。

そうだ。
先生が言っていた。カモミールは、踏まれても倒れない。
むしろ、それを栄養にして、さらに強く根を張るのだと。

そのとき、後ろから声がした。

「こんなとこにいたんだ」

振り返ると、同じ部の友人・遥(はるか)が立っていた。
「……部活、サボってるって思われるよ」
「もう、思われてるよ」
苦笑いがこぼれた。

遥は香織の隣に腰を下ろし、カモミールを見つめる。
「それ、かわいいね」
「うん。……でも、踏まれても咲くんだって」
「へえ、強いね」

「ね。私も、そうなれたらいいのに」

小さく呟くと、遥は少し考えてから、優しく言った。
「香織はもう、そうだよ。だって、今日も来てるじゃん」

その言葉に、香織ははっとした。
たしかに――泣いても、悔しくても、それでも自分はここに立っている。
もしかしたら、それだけで十分なのかもしれない。

沈みかけた夕陽が、カモミールを黄金色に照らす。
香織はポケットからスマホを取り出し、そっと花を撮った。

「ねえ、これ、明日みんなにも見せようかな」
「いいじゃん。……“強さのお守り”みたい」

二人は笑い合った。
風の中で小さな花が揺れる。
踏まれても、折れずに、香りを放ちながら。

その姿が、心の奥で静かに光を灯していた。

――優しさと強さは、きっと同じ場所にある。
――倒れても、また立ち上がれる。

香織は立ち上がり、部室の方へと歩き出した。
背中には、夕陽とカモミールの香りがやわらかく寄り添っていた。

バレンタインデー&チョコレートの日

2月14日はバレンタインデーであり、チョコレートの日でもある

2月14日はバレンタインデーであり、チョコレートの日でもある

2月14日のバレンタインデーは、チョコレート・ココアの普及や消費促進のための広報活動などを行う日本チョコレート・ココア協会が制定しています。この日付は、日本が最初に愛の表現として女性から男性にチョコレートを贈る日となっている「バレンタインデー」と同じ日であり、それにちなんだ記念日となります。目的は文字通り、バレンタインデーの安定的なアイテムとして欠かせないチョコレートをPRすることです。

バレンタインデーのルーツ

バレンタインデーのルーツ

日本では、バレンタインデーは女性から男性へ愛の贈り物として、チョコレートを贈る習慣があります。バレンタインデーの始まりは、1950年代に入ってからだそうです。

バレンタインデーは神戸が発祥!?

ハート型チョコ作り

最初1958年2月は、メリーチョコレート会社が新宿・伊勢丹の売り場に「バレンタインセール」と手書きの看板を出し、3日間で実際に売れたのは30円の板チョコ5枚、4円のカード5枚だけでした。その翌年もハート型チョコを作り、「女性から男性へ」というキャッチフレーズを作ったそうです。その後、1992年に聖バレンタイン殉教の地イタリアのテルニ市から神戸市に愛の像が送られます。詳細を調べてみると神戸が日本のバレンタインデー発祥の地なのだということです。元々は神戸のチョコレート会社「モロゾフ」が1936年2月12日に、神戸で発行されていた外国人向けの英字新聞にバレンタインデー向けチョコレートの広告を出してたそうです。

チョコレート健康効果

チョコの健康効果

チョコレートに含まれているカカオポリフェノールは、小腸で吸収されて血管の内部に入ります。人体の血管内部が炎症が生じている場合、その炎症によって血管が狭くなり、赤血球が通りが悪くなります。そこに、血管内部に入ったカカオが作用して、炎症が軽減され血管が広くなる効果が期待され、赤血球が通りやすくなると考えるそうです。

苦くない高カカオチョコレート

カカオ

食べた方は分かると思いますが、90%くらいの高カカオは苦く、チョコがトラウマになりそうなぐらい薬のように感じます。しかし、最近は苦くない高カカオチョコレートよく見かけるようになりました。例えば、「高カカオチョコレート カカオ70%以上 明治 森永 ロッテ ブルボン」などがそれにあたります。それがなぜ、甘い高カカオができるのか気になります。

砂糖のみを加えている

最高品質のカカオチョコレート

その秘密は、あるメーカーによると、最高品質のカカオを扱い、産地での「発酵」作業に気を配り、フルーツとしての持ち味と捉えて、焙煎の段階でカカオごとに素材の風味を活かし、焼き加減を微調整して、「クリーム」を加えずに砂糖だけを使っているからだといいます。いずれにせよ、健康に良いといって食べ過ぎは注意しましょう!もっとも私は、女性にもてないので食べ過ぎることはないですが(^^;


「バレンタインデー」に関するツイート集

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2月13日の誕生花「紫色のフリージア」

「紫色のフリージア」

基本情報

  • 学名:Freesia refracta など(フリージア属)
  • 科名:アヤメ科
  • 原産地:南アフリカ(主にケープ地方)
  • 開花時期:3月~5月(早春~春)
  • 草丈:20~40cmほど
  • 花の色:紫、白、黄色、赤、ピンクなど(紫は上品で落ち着いた印象)
  • 香り:甘く爽やかな芳香が強い(香水の原料にも使われる)

紫色のフリージアについて

特徴

  • 細くしなやかな花茎の片側に、穂状に花を連ねて咲く
  • 花弁は漏斗状で、中心に向かって色が濃くなることが多い
  • 切り花として人気が高く、花持ちも比較的良い
  • 春の光に映える透明感のある花色
  • 紫色は特に落ち着きと気品を感じさせる色合い


花言葉:「憧れ」

由来

  • すっと伸びた花姿が、遠くを見つめるように見えることから
  • 甘く上品な香りが、手の届かない理想や夢を連想させたため
  • 紫という色が、古来より高貴さや理想、気高さの象徴とされてきたため
  • 片側に整然と並んで咲く姿が、目標へ向かうまなざしを思わせたことから
  • 春の始まりに咲き、まだ見ぬ未来への期待や願いと結びついたため


「紫の先にあるもの」

 三月の終わり、駅前の花屋の前で、私は足を止めた。

 まだ空気は冷たいのに、店先には春の色があふれている。チューリップ、スイートピー、ラナンキュラス。その中で、ひときわ静かに目を引いたのが、紫色のフリージアだった。

 すっと伸びた細い花茎。その先に、片側へ整然と並ぶ花。まるで遠くを見つめているかのように、同じ方向へ顔を向けている。

 ——憧れ。

 小さな札にそう書かれていた。

 私は思わず苦笑する。憧れ、という言葉は、もう自分には似合わない気がしていた。新しい夢を語るには歳を重ねすぎ、かといって何かを成し遂げたわけでもない。ただ日々をやり過ごしているだけの自分に、その言葉はどこか眩しかった。

 それでも、紫の花から目を離せなかった。

 紫は、特別な色だ。幼いころ、祖母がそう言っていた。昔は身分の高い人しか身につけられなかった色なのだと。気高さと、理想と、少しの寂しさを含んだ色。

 花に顔を近づけると、甘く上品な香りがふわりと広がった。重くない。けれど確かにそこにある。鼻先をかすめ、胸の奥へ静かに届く。

 その香りは、不思議と記憶ではなく、未来を思わせた。

 まだ触れたことのない場所。まだ会ったことのない自分。手を伸ばせば届きそうで、けれど確信は持てない何か。

 学生のころ、私は建築家になりたいと思っていた。街の景色を変えるような建物をつくりたいと、本気で信じていた。夜遅くまで図面を引き、模型を作り、眠い目をこすりながら朝を迎えた。

 けれど現実は、思ったよりも複雑で、遠かった。

 卒業後、設計事務所に入ったものの、任されるのは修正と雑務ばかり。理想は、締め切りと予算に削られ、形を失っていった。やがて私は転職し、今は不動産会社で図面の確認をする仕事をしている。

 悪くはない。安定しているし、評価もそれなりだ。

 ただ、憧れと呼べるものは、いつの間にか棚の奥にしまい込まれていた。

 フリージアの花は、そんな私を知っているかのように、同じ方向を見つめ続けている。片側に整然と並ぶ花々は、まるで一つの目標へ向かうまなざしのようだった。

 揃っているのに、押しつけがましくない。競うでもなく、ただ静かに、光のほうへ向いている。

 春の始まりに咲く花。

 まだ風は冷たい。けれど、確かに季節は動いている。その途中に、そっと咲く。

 ——まだ見ぬ未来への期待。

 そんな言葉が、胸の奥に浮かんだ。

 私は店に入り、紫のフリージアを一本だけ買った。花束にする勇気はなかった。ただ一本。細く、頼りなく、それでいて凛とした一本。

 部屋の窓辺に飾ると、夕方の光が花弁を透かした。紫は、光を受けるとやわらかく、どこか透明になる。濃いはずの色が、淡くほどけていく。

 香りが、静かに部屋に広がる。

 私は机の引き出しを開けた。奥にしまってあった古いスケッチブックを取り出す。最後のページは、五年前で止まっていた。未完成の立面図。途中で投げ出した線。

 ページをめくる指が、少し震えた。

 今さら、何になるのだろう。そう思う気持ちもある。けれど、それ以上に、何もしないまま時間が過ぎていくことのほうが怖かった。

 憧れは、必ずしも叶えるためだけのものではないのかもしれない。

 遠くを見つめるためのもの。理想がある方向を、忘れないための灯り。

 フリージアは、すっと伸びた姿で、ただ前を向いている。届くかどうかは語らない。ただ、向くことをやめない。

 私は鉛筆を手に取った。

 真っ白なページに、一本の線を引く。思ったよりも、手は覚えていた。線は、少し歪みながらも、確かに前へ伸びていく。

 甘い香りが、背中を押す。

 手の届かない理想や夢は、触れられないからこそ、美しいのかもしれない。けれど、触れようとすることまで諦める必要はない。

 窓の外では、夕暮れが街を紫に染めている。空と花の色が、どこかで重なって見えた。

 憧れは、遠くにあるものではなく、向き続ける姿勢の中にあるのだろう。

 紫のフリージアは、今日も静かに咲いている。

 その先に何があるのか、まだ分からない。けれど、私はもう一度、遠くを見つめてみようと思う。

 すっと伸びた花のように。

 光のほうへ。

2月13日、6月27日の誕生花「ローダンセ」

「ローダンセ」

基本情報

  • 学名Rhodanthe manglesii(主にこの品種が観賞用として流通)
  • 別名:ヒロハノハナカンザシ(広葉の花簪)
  • 科名/属名:キク科/ローダンセ属(あるいはヘリクリサム属とされることも)
  • 原産地:オーストラリア
  • 開花時期:(4月~7月)頃
  • 草丈:20~50cmほどの一年草

ローダンセについて

特徴

  • 紙のような花びら
     花びらはカサカサとした質感で、まるで紙細工のような見た目をしています。この乾いた手触りがドライフラワーにも向いており、長く色や形を保ちます。
  • 明るい色彩
     ピンク、白、黄色など、色鮮やかで光沢感のある花を咲かせます。中心部は黄色でコントラストが美しい。
  • 乾燥に強い性質
     乾いた環境でも育ちやすく、ガーデニング初心者にも人気。日本では切り花や鉢花、ドライフラワー用途が一般的です。
  • 花が閉じない
     ローダンセの花は開いた状態のまま咲き、しぼみにくいため、いつまでも「咲いているように見える」という特性もあります。

花言葉:「変わらぬ思い」

花言葉「変わらぬ思い(unchanging affection)」は、主に以下の特徴に由来しています:

  1. 長く色褪せない美しさ
     ローダンセはドライフラワーにしても色や形がほとんど変わらず、長期間そのままの姿を保ちます。その「変わらない美しさ」から、永続する感情を象徴するとされます。
  2. 可憐なのに強い
     見た目は繊細で可愛らしいのに、実際は乾燥や環境の変化に強いというギャップが、「一途で変わらぬ愛情」や「強い想い」をイメージさせます。
  3. 枯れても咲いているような姿
     生花がしおれても、まるで咲き続けているように見えるその姿は、「時間が経っても薄れない気持ち」や「想いの持続性」を象徴しています。

「変わらぬ花」

小さな雑貨店の片隅に、ずっと売れずに残っている一輪のローダンセのドライフラワーがあった。花瓶に挿されたそれは、まるで時間の外にあるように、色褪せることなく、いつも変わらぬ笑顔で店を見守っていた。

「この花、ずっとあるよね」

 放課後、店に立ち寄った高校生の紗良がそう言うと、レジに座っていた老店主の悠一が笑った。

「ああ、もう十年くらいになるかな。そのローダンセだけは、どんなに日が経っても色が抜けないんだ。不思議だろう?」

「うん。……でも、ちょっと寂しくない? こんなに綺麗なのに、誰にも選ばれないなんて」

 紗良の言葉に、悠一はふと目を細めた。

「それは違うよ。選ばれたんだ、もうずっと前に」

「え?」

 店主はローダンセに目を向けながら語り始めた。

「むかし、この店によく来てた女の子がいてね。病気であまり外に出られなかったんだけど、晴れた日だけ母親と一緒に、決まってここに来てくれてた。小柄で、大きな瞳の子だった」

 その子は、ローダンセが好きだったのだという。

「毎回、同じ花を眺めては『これ、いつまでも咲いてるね』って。買うことはなかったけど、花の前でずっと立ち止まってた。ある日、その子が母親と来て、『もう、ここには来られないの』って言ったんだ」

 そしてその少女は、帰り際、レジに500円玉を置いていった。

「『お小遣いで買えるの、これだけだから、花はそのままでいい。でも、私のものにしていい?』ってね」

 それ以来、そのローダンセは売り物ではなくなった。店主は毎朝埃を払って、陽の当たる場所に置いてやる。それが彼女との「約束」だった。

「変わらず咲き続けているあの子の気持ちが、この花に宿ってるんじゃないかって思ってる。花は枯れても、想いは枯れない……そんな気がするんだよ」

 紗良は、ローダンセに目をやった。カサカサとした花びらは、それでもどこかあたたかさを持って、まるで誰かの心を守っているようだった。

「じゃあ、これは……その子の“変わらぬ思い”なんだね」

「そう。花言葉の通りだよ」

 その日、紗良は手帳にローダンセの名前を書いた。「いつか自分も、誰かの心に残るような想いを持てたら」と、小さく願いながら。

 数年後。大学進学で街を離れる前、紗良はもう一度店を訪れた。ローダンセは、変わらずそこにあった。

「この花、やっぱり変わらないね」

「うん。けど、想いは少しずつ広がってる気がするよ」

 悠一の言葉に、紗良は頷いた。

 そして静かに店を出ると、彼女は振り返って微笑んだ。

「ありがとう、変わらぬ花」

2月13日、8月18日の誕生花「エーデルワイス」

「エーデルワイス」

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基本情報

  • 和名:ウスユキソウ(薄雪草)
  • 学名Leontopodium alpinum
  • 分類:キク科ウスユキソウ属
  • 原産地:ヨーロッパ
  • 花期:4月~6月頃
  • 分布:標高1,800~3,000mほどの岩場や高山草原に自生

エーデルワイスについて

NoName_13によるPixabayからの画像

特徴

  • 花のように見える白い部分は「苞葉(ほうよう)」で、星型をしており、全体に白い綿毛をまとっています。これが雪をかぶったように見えることから「薄雪草」という和名がつきました。
  • 本来の花は中心部にある小さな黄色い花で、苞葉がそれを囲むように咲きます。
  • 強い紫外線や寒さ、乾燥から身を守るために毛に覆われた独特の姿を持ちます。
  • 高山植物らしく、過酷な環境に耐えるたくましさを持ちながら、外見はとても可憐で清らかな印象を与えます。

花言葉:「大切な思い出」

Antonia Lötscher-JuanによるPixabayからの画像

エーデルワイスの花言葉には「大切な思い出」「勇気」「純潔」などがあります。その中でも「大切な思い出」という言葉は以下のような背景と結びついています。

  1. アルプスを象徴する花
    エーデルワイスはヨーロッパ、とくにアルプス地方の人々にとって特別な存在です。高山に登らなければ出会えない花であり、登山や旅の記憶と強く結びついてきました。
  2. 愛の証として贈られた歴史
    昔のヨーロッパでは、若者が危険を冒して山へ登り、恋人のためにエーデルワイスを摘んで贈る風習がありました。花を手に入れること自体が「一生忘れられない思い出」となったのです。
  3. 可憐で儚い姿
    高山の厳しい環境にしか咲かず、しかも長く咲き続けないため、「一瞬の輝き」「心に残る出会い」を象徴する花と考えられました。


「雪の花を探して」

Nutze die Bilder respektvoll! Use my pictures respectfully!によるPixabayからの画像

 その夏、僕はアルプスの小さな村に滞在していた。標高二千メートルの空気は澄み、夜には天の川が落ちてくるように輝いていた。

 村の宿を営む老婦人が、ある夜、暖炉の前で僕に語ってくれた。
「昔はね、若い男の子たちが恋人にエーデルワイスを贈ったの。命がけで山に登って摘んでくるのよ。それほど、この花は特別だったの」

Dani EgliによるPixabayからの画像

 僕は微笑みながら耳を傾けたが、その話はやがて胸の奥に火を灯した。三年前に亡くなった祖母のことを思い出したのだ。

 祖母は若い頃、スイスで過ごしたことがあったらしい。アルバムの片隅に、雪のように白い花を手にした写真が残されていた。それがエーデルワイスだと知ったのは、祖母が亡くなってからだった。
「この花を見るとね、不思議と心が軽くなるのよ」
かつて祖母が言った言葉を、今でも覚えている。

 翌朝、僕はガイドを雇って山に登った。岩肌に囲まれた険しい道を、汗を拭いながら一歩ずつ踏みしめる。雲が流れ、遠くには氷河が輝いていた。

PetraによるPixabayからの画像

 そして――ようやく目にした。
 灰色の岩場の間に、小さな星型の白い花が咲いていた。苞葉は薄い毛に覆われ、雪をかぶったように柔らかく光っている。派手さはない。それでも、まるでそこに存在すること自体が奇跡のように思えた。

 僕はしゃがみ込み、指先でそっと触れた。冷たく、そして優しい感触が伝わる。摘むことはしなかった。ただその姿を焼き付けるように、しばらく見つめ続けた。

 ――きっと祖母も、この光景を見たのだろう。
 見知らぬ山の上で、同じ花を前に立ち止まったのだろう。そう思うと、不思議な温もりが胸に満ちてきた。

 下山の途中、振り返った山肌は夕日に照らされ、黄金色に染まっていた。僕は小さく呟いた。
「ありがとう。これが、僕にとっての大切な思い出になる」

 宿に戻ると、老婦人が微笑みながら迎えてくれた。
「見つけたのね」
僕は静かにうなずいた。摘んではこなかったけれど、心の中には確かに残っている。
 それは祖母から受け継いだ記憶と重なり合い、新しい思い出となった。

 エーデルワイス――雪の花。
 その可憐な姿は、これから先もきっと僕の心を照らし続けるだろう。