世界高血圧デー

5月17日は世界高血圧デーです

5月17日は世界高血圧デー

「世界高血圧デー」は、世界高血圧連盟が2005年に制定しました。また、日本でもこの日に習い、「日本高血圧学会」(特定非営利活動法人)と「日本高血圧協会」が、2007年に「高血圧の日」として制定しています。

高血圧

高血圧

ある統計では、血圧が高いほど脳卒中のリスクが高くなるのは明らかになっています。また、高血圧が影響する病気は脳卒中だけではなく、脳以外にも多くの臓器などに様々な形で合併症などの悪影響を及ぼすそうです。

高血圧の定義

血圧値

血圧は、ちょっとした動作や体感の変化でもで上昇します。このような一時的な血圧の上昇は、高血圧とは呼びません。高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態(血圧値の上が140mmHg以上の時や下が90mmHg以上の時、またはその両方を満たす場合) をいいます。

高血圧の治療法

高血圧の治療法

生活習慣などが要因とされる本態性高血圧症は、血圧上昇につながる生活習慣の改善、薬物療法の組み合わせで行います。例えば、食生活で塩分摂取量を1日6g以下に抑え、動物性脂肪を控えるなどの食事療法を行います。日常的な軽い運動や禁煙、体重管理などの指導も行います。

降圧薬

降圧薬などの薬剤

軽い高血圧症と判断されたケースは、生活習慣の改善で血圧が正常になることもありますが、そこで改善されないケースは、「降圧薬」を服用します。この「降圧薬」には、血管を広げる働きのあるカルシウム拮抗薬、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑制する「ACE阻害薬」や「ARB」、循環する血液量を減らす「利尿薬」、交感神経が過剰に働くことを抑える「β遮断薬」などが存在し、各々症状に応じて複数の薬を組み合わせて服用していきます。

人は老いと同時に病気のリスクとも闘う

継続的な健康管理

私の年齢は現在50代前半ですが、医者に食事療法や生活習慣の見直し、そして2種類の降圧薬を組み合わせた治療を継続しています。このことで効率良く血圧を下げる効果が期待しています。この高血圧、30代半ばあたりから指摘されていました。その結果、47歳で脳出血を引き起こし、その後遺症で左半身麻痺の障害が残ってしまいました。だからこそ、今日のこの日は自分にとって高血圧や血栓予防などを意識しなければならない重要な日でもあるのです。


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5月15日の誕生花「カルミア」

「カルミア」

基本情報

  • 学名Kalmia latifolia
  • 和名:アメリカシャクナゲ
  • 英名:Mountain Laurel(マウンテン・ローレル)
  • 科名/属名:ツツジ科 カルミア属
  • 原産地:北アメリカ東部
  • 開花時期:5月上旬~6月中旬
  • 花の色:ピンク、白、赤など
  • 樹高:2~3m程度(園芸品種では低めも多い)

カルミアについて

特徴

  • 花の形:星形または皿状の花が多数集まって咲きます。紙細工のように整った形状が特徴的で、「お菓子のよう」と表現されることも。
  • 蕾(つぼみ):五角形のような形で、まるでキャンディや折り紙のようなかわいらしさがあります。
  • :細長く光沢があり、シャクナゲに似ています。
  • 性質:日当たりを好みますが、強すぎる直射日光は苦手。耐寒性は比較的高いです。
  • 毒性:すべての部位にグラヤノトキシンという毒が含まれており、摂取すると中毒の恐れがあります。

花言葉:「大きな希望」

カルミアの花言葉の一つに「大きな希望」があります。その由来は主に以下のように説明されています。

  • 花の成長と開花の様子が希望を感じさせるから
     カルミアの蕾は固く閉じた五角形から、ぱっと開いた星形に変化します。その姿が、閉ざされた状況から明るく開ける未来への「希望」を連想させるためといわれます。
  • 山地に咲く姿が力強く、美しく印象的
     原産地のアメリカ東部では、険しい山岳地帯でもしっかりと根を張り、美しい花を咲かせます。そのたくましさと美しさが「逆境にも希望を持って咲く」イメージにつながっています。
  • アメリカの州花でもある(コネチカット州、ペンシルベニア州)
     国家的な誇りや希望の象徴として扱われていることも、花言葉に影響を与えている可能性があります。

「カルミアの丘で」

五月の風が山を渡り、若草をなでるように吹き抜けていく。山の中腹、雑木林の切れ間にひっそりと広がる一角に、カルミアの群生地があった。

その丘を、少女・結花(ゆいか)は祖父とともに毎年訪れていた。カルミアが満開になる頃、まるで星が地上に降り立ったように、無数の花が咲き誇る。その景色は、彼女が幼い頃から何度も見てきた、心のアルバムの中の一頁だった。

しかし今年は、少し違った。

祖父は、もうこの丘に来ることができなかった。冬の終わり、長く患っていた病が彼を連れていったのだ。結花は、祖父の遺品の中にあったノートを持って丘へ来た。中には丁寧な字で綴られた日記が残されていた。

――「カルミアの蕾を見るたびに、わしは希望を感じる。固く閉ざされたあの形が、やがてぱっと開いて、星になる。人の心もきっと同じだ。悲しみも、不安も、やがて花開く日がくる。」

ページをめくるたび、祖父の思い出が胸にあふれてきた。

彼はかつてこの丘の保護活動に携わっていた。開発計画が持ち上がった時も、地域の人たちと声を上げて守ってきた。結花がこの丘を「希望の丘」と呼ぶようになったのも、祖父がそう話していたからだ。

丘に着くと、カルミアたちはまさに満開を迎えていた。風に揺れる無数の花。あの不思議な形の蕾も、もうすぐ開くだろう。紙細工のような形、折りたたまれた夢のような形。

結花は腰を下ろし、ノートを膝に広げた。最後のページに、祖父の筆跡が少し揺れて残っていた。

――「いつか、おまえがこの丘を見上げる日が来たら思い出してほしい。人生に暗い時があっても、カルミアはまた咲く。大きな希望は、そこにある。」

目頭が熱くなった。けれど、不思議と涙はこぼれなかった。

代わりに、風が吹きぬけた。丘に咲くカルミアたちが一斉にそよぎ、まるで花々が笑っているように見えた。

「ありがとう、おじいちゃん。」

そうつぶやくと、結花はノートをそっと閉じた。

彼女の中で何かがはっきりと芽生えたのを感じた。この丘を、花を、そして祖父の想いを、ずっと守っていこうと。

空を見上げると、白い雲がゆっくりと流れていた。その下で、カルミアの星たちが、まるで夜空を映すように輝いていた。

それは、確かに――
「大きな希望」の風景だった。

旅の日

5月16日は旅の日です

5月16日は旅の日

1689年5月16日、俳人である松尾芭蕉が江戸を出発し、あの有名な「奥の細道」の旅へと旅立ちました。そしてこの日は、旅を愛する作家や芸術家などにより、結成された「日本旅のペンクラブ」が1988年に「旅の日」として制定しました。

奥の細道

奥の細道

「奥の細道」は、江戸中期の俳諧紀行であり、1689年に松尾芭蕉が門人の曽良と江戸深川(現在の東京都江東区)を出発し、「奥州」から「北陸の名所」、「旧跡」を巡って、8月の大垣までの紀行を、俳諧を交えて書き記したしたものです。その年の旧暦3月27日(5月16日)に芭蕉は、門人曽良を伴って江戸の深川を出発、東北・北陸地方を巡ると、8月21日に大垣に到着しています。その期間はおよそ5か月間にわたる旅の道のりは、2,400㎞にも及んで、1日に換算すると、30~40㎞ぐらい歩く日もあったとか。

旅の目的とは

瀬田の唐橋

「奥の細道」の旅は、松尾芭蕉にとって歌枕(平安時代や鎌倉時代に和歌で記された名所)を巡りながら昔の人の心境を感じ、自分の心を重ね合わせて俳諧を和歌や連歌と同等の文芸に位置づけたいとの意識を強く持った旅だったそうです。また、東北や北陸地方の人々や未知の俳人たちとの出会いも同じように大きな期待を寄せた旅でもあって、実際でも各地の人々と交流の中から数多くの名句が生まれてきたとのことです。ちなみに、奥の細道の旅程と各地で詠まれた俳句は、「日光路の句」「奥州路の句」「出羽路の句」「北陸路の句」でした。

松尾芭蕉

松尾芭蕉,、銅像

松尾芭蕉は、「俳諧」を芸術として完成させた江戸時代前期の人物です。名前の「芭蕉」は、彼が1680年頃に名乗っていた俳句を作る人が名乗る「俳号」(俳句を作る人が名乗るペンネーム的なもの)であり、本名は松尾宗房でした。芭蕉は、伊賀国(現在の三重県)の農民として生まれて10代後半の頃より、当時有名だった俳の北村季吟の下で俳諧の勉強を始めまていました。その後は、江戸で武士や商人に俳句を教えながら自身も様々な作品を発表しています。その中でも「古池や蛙(かわず)飛びこむ水の音」という蛙の俳句は、芭蕉の俳句の中で最も有名な作品でもあります。

俳句の魅力

最上川

我々素人からみた俳句の魅力とは、短い十七語から生み出されるリズム感のよい短い文章の中から、いかに作った当人の心境より浮かびだされる景色を、読む人もその風景と心境を共有できるかというものではないでしょうか!そして、その想像力を膨らませ、きっと自分なりのドラマを作り出す楽しみに面白さがあるような気がします。



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5月14日の誕生花「アイリス」

「アイリス」

JackieLou DLによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名Iris sanguinea
  • 和名:セイヨウショウブ(西洋菖蒲)
  • 原産地:東アジア、ヨーロッパ
  • 開花時期:4月~7月、11月~2月(品種により異なる)
  • 花色:紫、青、白、黄色、ピンクなど多彩
  • 花の構造:上向きの「立て弁」と外側に広がる「伏せ弁」が特徴的

アイリスは、品種によって草丈や花の大きさが異なり、ジャーマンアイリスは約1m、ダッチアイリスは40〜60cm、ミニアイリスは10〜20cmとさまざまです。花色も豊富で、青や紫のアイリスは特に人気があり、高貴で神秘的な雰囲気をもたらします。

アイリスについて

💚🌺💚Nowaja💚🌺💚によるPixabayからの画像

特徴

1. 花の形

  • 花びらは6枚のように見えますが、実際には3枚の外花被片(垂れた花びら)と3枚の内花被片(立ち上がる花びら)で構成されています。
  • 外花被片には筋模様があり、虫を誘うガイドの役割を果たします。
  • 花の中央には雄しべと雌しべが複雑に入り組んだ独特の構造があります。

2. 花色が豊富

  • 紫、青、白、黄、ピンク、オレンジ、複色など、非常に多彩な色彩を持ちます。
  • 特に青紫系の色が有名で、高貴で神秘的な印象を与えます。

3. 開花時期

  • 開花時期は4月〜6月頃(品種によって異なる)。
  • ジャーマンアイリス、ダッチアイリス、シベリアンアイリスなどでそれぞれ開花期や形状に違いがあります。

4. 草丈と姿

  • 草丈は10cmほどのミニアイリスから、1m以上のジャーマンアイリスまでさまざま。
  • 葉は細長く、剣状で直立し、群生するように生えます。

5. 生育環境

  • 日当たりと風通しの良い場所を好みます。
  • 湿地を好む種類(例:ジャポニカアイリス=ハナショウブ)と乾燥に強い種類(例:ジャーマンアイリス)があります。

6. 繁殖方法

  • 主に株分けで繁殖します(球根や根茎を使う)。
  • 手入れが比較的簡単で、毎年花を咲かせやすい植物です。

7. 用途

  • 庭植え、鉢植え、切り花、フラワーアレンジメントに活用されます。
  • 一部の品種は香水の原料にもなります(特に「オリス」と呼ばれるアイリスの根茎)。

アイリスは、見た目の美しさだけでなく、強さと優雅さを併せ持つ花で、古代から詩や絵画のモチーフとしても重宝されてきました。ギリシャ神話に登場する虹の女神「イリス」にちなんだ名前を持つこの花は、まさに「希望」や「よい便り」の象徴と言えるでしょう。


花言葉:「よい便り」

Gerhard LitzによるPixabayからの画像

アイリスの花言葉には、「よい便り」「希望」「信じる心」「恋のメッセージ」など、前向きで心温まる意味が込められています。これらの花言葉は、ギリシャ神話に登場する虹の女神イリス(Iris)に由来しています。

アイリスは、神々と人間の間を虹の橋で行き来し、メッセージを伝える役割を担っていました。この神話にちなんで、アイリスの花言葉には「よい便り」や「恋のメッセージ」といった意味が付けられました。また、虹を通じて天と地をつなぐ存在であったことから「希望」、彼女の役割から人々に安心感や信頼を与える存在であったことから「信じる心」という花言葉が生まれました。


🎨 色別の花言葉

アイリスは花の色によっても異なる花言葉を持っています。贈る相手やシーンに合わせて選ぶと、より一層気持ちが伝わります。

  • 青いアイリス:「信念」「強い希望」
  • 白いアイリス:「あなたを大切にします」「純粋」「思いやり」
  • 紫のアイリス:「雄弁」「知恵」
  • 黄色のアイリス:「復讐」(注意が必要な花言葉)

特に黄色のアイリスには「復讐」という花言葉があり、贈り物としては避けた方が無難です。


アイリスは、その美しさと深い意味から、結婚祝いや出産祝い、入学祝いなどの慶事や、病気の快復祝いなど、さまざまなシーンで贈るのに適した花です。「よい便り」や「希望」といった花言葉を添えて、大切な人への想いを伝えてみてはいかがでしょうか。


「」

Gini GeorgeによるPixabayからの画像

春の終わり、山間の小さな村に一人の少女が住んでいた。名は澪(みお)。彼女は手紙を書くのが好きで、まだスマートフォンもない時代、遠くの町に住む祖母や友人に、便箋に丁寧な文字を綴っては手紙を送っていた。

ある日、澪の母が病に倒れた。診断はあまり良くない。澪はどうしても何かできないかと悩み、神社の奥にある古い祠へ足を運んだ。幼いころ祖母から聞いた「願いを届ける女神、アイリス」の話を思い出していたからだ。

「アイリス様……お母さんが元気になりますように」と、祠の前でそっと手を合わせた。

その帰り道、山裾の斜面に咲く、紫の花が目に止まった。それは今まで気づかなかった花、凛とした姿で静かに風に揺れていた。「きれい……」澪は吸い寄せられるように近づき、一輪だけ摘んで家に持ち帰った。

花を花瓶に挿し、母の枕元に置いた。すると不思議なことに、母の眠りが深くなり、翌日から少しずつ顔色が戻ってきたのだ。澪は驚き、同時にあの花のことを調べ始めた。

Annette MeyerによるPixabayからの画像

それが「アイリス」という名の花だと知ったのは、村の図書館でだった。アイリスの花言葉は「よい便り」「希望」「信じる心」「恋のメッセージ」――そしてその語源は、ギリシャ神話に登場する虹の女神、アイリス。

「本当にアイリス様が願いを届けてくれたのかもしれない……」

澪は、再び祠へ足を運んだ。今度は感謝の気持ちを込めた手紙を持って。

「アイリス様、ありがとう。お母さんが少しずつ元気になってきました。私、もっと頑張って勉強して、お医者さんになります。そして、たくさんの人に“よい便り”を届けられるようになります」

Teodor BuhlによるPixabayからの画像

手紙を祠の前にそっと置いたその瞬間、薄曇りだった空が急に晴れ、山の向こうに七色の虹がかかった。

風が優しく吹き、澪の髪を揺らす。

まるで誰かが「届いたよ」とささやいているようだった。

それから数年後、澪は医大に進学し、母もすっかり健康を取り戻した。村を離れる前の日、澪はあの祠を訪れた。今度は、紫のアイリスの花束を手にして。

「アイリス様、ありがとう。あの日、あなたがくれた“よい便り”を、私もこれから誰かに届けていきます」

山の上に、また一筋の虹がかかった。

アイリスの花が、風に揺れていた。

ヨーグルトの日

5月15日はヨーグルトの日です

5月15日はヨーグルトの日

5月15日は、菓子や健康食品、乳製品などを販売している株式会社明治がこの日を「ヨーグルトの日」として制定しています。この日付は、ロシアの微生物学者イリヤ・メチニコフ博士(1845~1916年)が、1908年に食菌の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞し、その記念に博士の誕生日5月15日であることから決められました。

イリア・メチニコフ博士は、ヨーグルトに含まれる「ブルガリア菌」が不老防止に役立つということを研究してそれを世界に発表します。そして、この研究からブルガリア菌を使用したヨーグルトが、健康に良いと世界に広まったそうです。

イリヤ・メチニコフ博士

腸内環境を整える

現在では、乳酸菌やビフィズス菌が腸内環境に良いというのは常識ですが、この説の起源は100年以上も前のことなるそうです。ロシアのノーベル賞受賞者である微生物学者イリヤ・メチニコフ博士が『ロシア南西部のコーカサス地方に長寿の人が多いのは、毎日ヨーグルトを食べているからである。したがって、ヨーグルトは長寿に有効だといえる』と、いち早く提唱していたといいます。

悪玉菌が自家中毒や動脈硬化を!?

腸内フローラとビフィズス菌

彼は、腸内に悪玉菌が存在することで、自家中毒(2歳から10歳頃の子供にみられる嘔吐(おうと)を繰り返す病気の一つ)や動脈硬化などの老化現象を引き起こしていることを動物による実験で確認しています。また、悪玉菌はアルカリ性の環境を好んで、逆に弱酸性の環境では生息が不可能であることも突き止めました。そのことを1907年に著書で「乳酸菌は、腸内を弱酸性に保てば、悪玉菌の増殖を防ぎ、老化を抑制する」と発表していますが、当時は「乳酸菌は、人の腸内での生息はできない」と一般的に考えられていたため、否定的な意見が多かったそうです。

大隈重信が『不老長寿論』を翻訳し、再び研究が盛んに

シロタ株とは

1912年、大隈重信がメチニコフ博士の著書を「不老長寿論」と翻訳出版すると日本ではたちまちこの持論が広く知られます。また日本は、昔から日本酒や味噌、醤油や漬け物などの発酵食品が作られて、発酵技術が高度に発達していたために、メチニコフ博士の発表をもとに身体によい細菌を探し出し、健康に役立てることが盛んになったといわれています。そしてその結果、後から「乳酸菌整腸薬ビオフェルミン」や「世界初の乳酸菌飲料カルピス」などが開発されます。さらに最近では、代田稔博士が乳酸菌の一種である「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(ヤクルト菌)」を発見し、シロタ株を使用した乳酸菌飲料ヤクルトが誕生しました。

ヨーグルト

ヨーグルト

「生きて腸まで届き、腸内環境を整え、身体に良い働きをする微生物」をプロバイオティクスと呼びます。その代表格はヨーグルトであり、歴史は紀元前数千年前から中近東やヨーロッパで主に食べられていたという説があります。また、日本でも飛鳥時代にヨーグルトの原型といわれる乳製品があったといわれますが、実際に多くの人々に食べられるようになったのは、昭和の中期だとされています。1970年に開催された大阪万博内のブルガリア館で本場のプレーンヨーグルトを紹介され、それがきっかけに翌年初めてプレーンヨーグルトが商品化されます。そして1978年には、ビフィズス菌入りのヨーグルトも発売されています。

ヨーグルトは健康生活の要!?

整腸効果の他に「美肌」「生活習慣病」「免疫調整」などの効果がある

今やヨーグルトというと、カスピ海ヨーグルトなど整腸効果の他に「美肌」「生活習慣病」「免疫調整」などの効果があるとされ、毎日継続的に食べる習慣をつけていれば、このヨーグルトは美容と健康生活に欠かせない食品であることが科学的に証明されています。したがって、この日をきっかけに毎朝ヨーグルト生活にチャレンジをしてみてはいかがでしょうか!



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5月13日の誕生花「ボロニア」

「ボロニア」

基本情報

学名 :Boronia
科名 :ミカン科(Rutaceae)
属名 :ボロニア属(Boronia)
原産地 :オーストラリア
花期 春:2月下旬(流通開始)~5月
草丈 :20~200cmほど(種類による)
花色 :ピンク、赤、紫、黄色、茶色など

ボロニアについて

特徴

  • 芳香性:ボロニアはとても良い香りがする花として知られ、特に Boronia megastigma は香水の原料にも使われます。
  • 花の美しさ:小さな鐘形の花を多数咲かせ、葉や茎も香りを放ちます。
  • 育て方:湿度と水はけのバランスが大事。高温多湿に弱く、日本では鉢植え管理が推奨されます。

花言葉:「心が和む」

ボロニアの花言葉「心が和む(=relaxing, soothing)」は、その香りと姿の優美さに由来しています。

  • 香りの癒し効果:甘くやさしい芳香は、ストレスを和らげ、心を落ち着ける効果があるとされます。
  • 見た目の可憐さ:可憐で控えめな花姿は見る人の心をなごませます。
  • 自然との調和:オーストラリアの大自然に咲く花として、自然と人との調和を象徴する存在とも言われます。

このように、香りとビジュアルの癒し効果が相まって、「心が和む」という花言葉がつけられました。


「ボロニアの午後」

雨上がりの午後、優子は祖母の庭で、ひときわ甘く漂う香りに足を止めた。
湿った土の匂いと混じって、かすかに柑橘のような、やさしい香りが鼻をくすぐる。

「あれ、これ……ボロニアだわ」

祖母の庭に咲くその小さな花を、優子は小学生のころにも一度見たことがあった。
茶色と黄色のコントラストが印象的で、目立たないのに、なぜか記憶に残る香り。

「そう、それよ。あなた、小さいころこの花が好きだったわね」

縁側から声をかけてきた祖母は、ゆっくりと立ち上がって、花のそばに来た。
その手には、古びた剪定ばさみ。

「この花、”心が和む”っていう花言葉があるのよ。知ってた?」

「うん……なんとなく、わかる気がする。なんか、落ち着く匂い」

祖母はにっこりと笑って、ひと枝のボロニアを切り取った。
「じゃあ、お部屋に飾りましょう。今日みたいな日は、気持ちが少し軽くなるわ」

優子はこの春、仕事を辞めて東京から戻ってきた。
職場では毎日何かしら怒鳴られ、意味のない会議に振り回され、残業が当然の空気。
誰かの期待に応えようとするほど、自分の輪郭がぼやけていく気がしていた。

「もう疲れた。もう、何もしたくない」

そう思って実家に戻ったものの、心の重さは簡単には消えなかった。

でも、祖母の庭には時間の流れが違っていた。
ボロニアも、沈丁花も、ローズマリーも、誰に頼まれるでもなく、ただそこに咲いている。

「昔ね、おじいちゃんがこの花を持ってきたの。オーストラリアのお土産でね」
祖母は花瓶にボロニアを挿しながら言った。

「土に合うか心配だったけど、不思議と根付いたのよ。香りが好きで、毎年増やしてるの」

ボロニアの小さな花弁に目を落とすと、たしかに、何かがほぐれるような気がした。
東京のアスファルトの上では、こんな風に呼吸をしていなかった。

その夜、優子はふとノートを取り出した。
書きかけだった小説の続きを、久しぶりに書きたくなったのだ。

「誰のために書くでもなく、自分のためにだけ書いてもいいんだ」
そんな気持ちが、ボロニアの香りと一緒に、静かに胸にしみこんでいった。

ページに走るペンの音だけが、部屋に響く。
雨のにおいはすっかり消え、窓の外には、星が一つだけ瞬いていた。

心が和む——たしかに、この花にはそんな力がある。

そして、その香りは、彼女に“戻ってくる場所”を思い出させてくれたのだった。

種痘記念日

5月14日は種痘記念日です

5月14日は種痘記念日

1796年5月14日、イギリスの医師エドワード・ジェンナーが、天然痘の予防接種「種痘」を始めました。そして、そのことを記念し、この日を「種痘記念日」として制定されています。またこの時、8歳の男児に種痘を試みて、その効果を確認したといわれています。

エドワード・ジェンナー

エドワード・ジェンナー

ジェンナーは、少年時代に弟子入りした診療所で「痘(牛痘ウイルスを原因とする感染症)に1度かかると天然痘にかからない」という話を患者から聞いてその後、開業医になると改めて「乳搾りの女性は牛痘にはかかるが、天然痘にはかからない」ということに気づき、この事実をもとに天然痘の研究を始めています。しかし彼の主張は、当初激しい反対にあいましたが、数年後に広く実施されるようになりました。そして1980年、WHOはワクチニアウイルスを用いた種痘を実施し、天然痘根絶宣言が出されています。この事は、人類が感染症撲滅に成功した初めての事例です。

天然痘

天然痘

今から200年以上前、天然痘は別名「疱瘡(ほうそう)」と呼ばれ、種痘が実施されるまでは、必ず誰かが発病し、致死率が高い病気として世界中で流行したそうです。また、運良く治ったとしても顔など、体に酷い痘痕(あばた)を残るいうことでとても恐れられていた伝染病でした。この伝染病は、古い昔から人々を苦しめてきたものだそうです。その証拠にエジプトのミイラにもこの天然痘に感染した痘跡がみられたところから証明できます。

伝染病予防の仕組み

伝染病予防の仕組み

伝染病は、まずウィルスや細菌が体に侵入して体の不調を引き起こし、そのウイルスや細菌が接触や呼吸などから出される飛沫で大勢の人に感染していくことをいいます。そしてそれを予防するには、最初にウィルスや細菌が体に侵入した時に、外来のウィルスなどに対して特殊な抗体が作られます。この人間が本来持っている免疫と呼ばれるもが予防に繋がるということです。そこで、ジェンナーが始めた「種痘」が、発病に至らないウィルスや細菌を予め人体に入れる役割となり、そこで抗体を作らせておくというのが、この予防方法です。

人類で初の伝染病根絶宣言

人類で初の伝染病根絶宣言

ジェンナーが始めた種痘は、その後改良を重ねながら全世界に普及し、天然痘はついに1980年5月、WHOにより根絶宣言が出されます。そして現在では、アメリカやロシアの一部の研究機関のみで、サンプルとして保存されているだけとなっています。しかし、テロ事件などをきっかけに天然痘サンプルがテロリストたちへ流出されることが懸念されているようです。

未だに無くならない感染病の恐怖

感染症の脅威

人類の歴史は、一番古い天然痘は根絶に成功しましたが、ヨーロッパの中心都市ビザンチウム(コンスタンチノーブル)に広がったペスト、特に新型インフルエンザなどは、未だに毎年大流行しています。しかも、2020年から2021年の今年は新型コロナウイルスが世界的に大流行しており、人々の恐怖と経済の減退を引き起こしています。古代エジプトの時代からの天然痘、スペイン風邪などパンデミックを乗り越えてもなお、このように最新医療を持ってしても感染病の恐怖におびえているのが現状です。

2021年は新型コロナワクチン

新型コロナワクチン

2021年は、新型コロナウイルス(COVID-19)に対抗すべく世界中でワクチンが次々と開発され、ようやく日本でも本格的に摂取が始まり、集団免疫を獲得することに全力を挙げているようです。さらには、2022年もオミクロン株によって、再び第6波に悩まされて行動の制限が4月ごろまで続きました。

2022年、まだ早いか!規制緩和

2022年5月ごろになると、新型コロナの感染が収束していない中でも、世界各国で経済減退の恐れあるということもあり、規制が徐々に緩和されているようです。アメリカやヨーロッパでは、外出している方がマスクを着用している人も少なく、経済活動が徐々に元に戻っているように思えます。しかし、それでもまだ中国の上海などでは、再拡大してロックダウンが続き、アメリカなどがまた再拡大するなど、まだまだ気を緩めるわけにはいかないのが現状です。



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5月12日の誕生花「ツンベルギア」

「ツンベルギア」

Robbi HoyによるPixabayからの画像

基本情報

  • 分類:キツネノマゴ科 (Acanthaceae)
  • 学名Thunbergia alata(代表的な品種)
  • 英名:Black-eyed Susan vine(ブラックアイド・スーザン・バイン)
  • 原産地:アジア、アフリカの熱帯~亜熱帯の地域
  • 開花期:初夏〜秋(5月~10月頃)
  • 草丈:1.5〜3メートル(つる性)
  • 栽培環境:日当たりと風通しのよい場所、水はけのよい土壌

ツンベルギアについて

特徴

  • 花色:オレンジ、黄色、白、紫など(中心に黒や濃い色の目のような模様があるのが特徴)
  • 形状:5枚の花弁を持つ円形の花で、中心部に暗色の目のような部分があります。
  • 生育:ツルを伸ばして成長し、トレリスやフェンス、鉢植えでのハンギングにも適しています。
  • 利用:ガーデニング、壁面緑化、バルコニー装飾などに活用されます。

花言葉:「美しい瞳」

ツンベルギアの代表的な品種であるThunbergia alata(ブラックアイド・スーザン・バイン)は、花の中心に濃い黒や茶色の「目」のような部分があるのが特徴です。この「瞳のような花姿」から、「美しい瞳」という花言葉がつけられました。

また、花弁の明るいオレンジや黄色と中心の黒の対比が、まるで人の瞳のように引き立って見えることから、人を惹きつけるような魅力的な「まなざし」を連想させたともいわれています。


「美しい瞳の庭」

夏の始まり、祖母の庭はツンベルギアの花で溢れていた。
オレンジや黄色の花弁の中心に、黒く深い色を湛えた“瞳”がこちらを見つめているように揺れていた。

「この花の名前は、ツンベルギアっていうのよ。美しい瞳っていう花言葉があるの」

幼い頃、祖母が教えてくれたその言葉を、私は今でも鮮明に覚えている。

祖母の家には、夏になるたび母と一緒に帰省していた。都会の喧騒とは違う、蝉の声と土の匂い、夕立の気配に包まれるその庭は、私にとって異世界だった。そしてツンベルギアの花は、まるで庭の守り神のように、どの年も同じように咲いていた。

祖母はもうこの世にはいない。けれどその庭は、今、私の手元にある。相続の手続きが終わり、久しぶりにひとりでこの家を訪れた私は、かつての面影を探すように庭に出た。

そして、ツンベルギアを見つけた。

フェンス沿いに絡みついたツルの先に、小さくも力強く咲いているオレンジの花。その中心には、あの「瞳」があった。

私は思わずしゃがみこみ、その花と目を合わせる。どこか懐かしくて、優しくて、でも何かを見透かすような、強い意志を感じる瞳。小さな花が語りかけてくる。

「大丈夫。あなたならできるわ」

そんな気がした。

ふいに、子供の頃の記憶が蘇る。

祖母はいつも私の目を見て話してくれた。話を聞いてくれるときも、叱るときも、笑うときも。視線を逸らさず、まっすぐに私を見つめていた。
「あなたの瞳はとってもきれいよ。だからね、嘘はつかない瞳でいなさい」
そう言って、ツンベルギアの前で微笑んだ祖母の姿が浮かぶ。

私はその日、庭に手を入れ始めた。荒れた雑草を抜き、花の周りの土を耕し、ツンベルギアに新しい支柱を立てた。

ひとつ手をかけるたびに、祖母との記憶がよみがえる。あの夏、スイカを食べながら見た夕焼け。縁側で眠ってしまった夜。手を引かれて歩いた近所の道。

「美しい瞳」という花言葉は、ただ見た目の話ではないのかもしれない。
真っ直ぐで、優しくて、そして人の心を見守るような――そんな想いが、あの花には宿っている。

秋の風が吹くころ、庭はすっかり整っていた。通りすがりの近所の人が立ち止まり、「きれいなお庭ですね」と声をかけてくれるようになった。

私は微笑み、「ツンベルギアっていうんです。美しい瞳っていう花言葉なんですよ」と返す。まるで、かつて祖母が私にそうしたように。

小さな瞳の花が、今日も風に揺れている。
その眼差しが、これからの私の背中をそっと押してくれる。
この庭で、私はまた一歩、自分の人生を歩き出す。

愛犬の日

5月13日は愛犬の日です

5月13日は愛犬の日

5月13日は、制定した団体や目的、由来などの詳細は不明であり、あまり馴染みがありませんが、この日は愛犬の日となっています。それでは一体どんな記念日なのでしょう。今回は、愛犬の日の由来や歴史、また愛犬の日以外の犬の記念日など調べてみました。

愛犬の日の由来は?

愛犬の日の由来

この日のきっかけは、1956年5月13日に犬のイベントが開催され、その日から後に「愛犬の日」と呼ばれるようになったといわれています。太平洋戦争が終結した1945年に、日本はすべてを失い様々な分野で新たな時代を迎えています。

犬に関する情報網

そして、犬を取り巻く環境も変化していき、色々な犬種がペットして飼われはじめ、犬に関する情報網も整備されました。この時期に犬への関心が高まり、「愛犬の友」という雑誌が1952年1月に創刊され、より犬への関心が深まったといいます。犬への関心をさらに高めるため、当時の誠文堂新光社社長だった小川菊松氏は、当時としては珍しいイベントを計画しました。そのイベントがこの日に開催され、「愛犬の日」となったといわれています。

他にも愛犬関連の日がたくさん!

動物を大切にするための記念日

この一年間で「愛犬の日」以外も、犬又は猫などの動物を大切にしようという記念日がたくさんあります。それらの記念日をいくつか紹介します。

忠犬ハチ公の日

秋田犬

忠犬ハチ公の日は、以前このサイトで詳しく紹介していますが、この日は亡くなっても飼い主の帰りを待ち続けたハチの命日の1か月後に秋田犬群像維持会によって制定されました。実はこのハチ、柴犬ではなく秋田犬であり、外見がよく似ていますが、秋田犬は柴犬に比べ、大きいのめという特徴があります。

ファシリティドッグの日

ファシリティドッグ

「ファシリティドッグ」とは、病院に常勤して医療チームの一員として働くために専門的なトレーニングを受けた犬です。臨床経験のある看護師「ハンドラー」とペアになって活動、そして単なる患者との触れ合いだけではなく、治療にも関わります。日本ではまだ、シャイン・オン・キッズ(認定NPO法人)が派遣している2頭(ゴールデンレトリバー)しか存在していないそうです。「ファシリティドッグの日」は7月1日です。

動物愛護週間

動物愛護週間

動物愛護週間は、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)の理解と関心を深めるために定められています。

動物虐待防止の日

動物愛護法

愛護動物を虐待や「遺棄・みだりに殺したり傷つける」ことは違法行為となり、それを違反すると、懲役や罰金に処せられます。ちなみに、愛護動物は、牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏及びあひるなどです。そして、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するものも該当します。「動物虐待防止の日」の日付は、9月23日となっています。

動物に何の罪は無い

罪も無い動物に人間が愛情を持って接する

我々人間は、生きるために命をいただくことはあります。しかし、それだけで十分であってそれ以上ことは、何もありません。また動物はというと、人間が勝手に作った社会について行くしかないのが現状です。せめて、何の罪も無い動物に人間が愛情を持って接しながら、どういう風に共存していくかが今後の課題となるような気がします。

---- 2022年・最新情報 -----

ウクライナ避難民ためのペット「特別ルール」

ウクライナ避難民ためのペット「特別ルール」が適用されました。一般的には、動物検疫の書類無しでは最大180日の係留が適用されますが、災害救助犬などが海外から支援にきたときには、「特例ルール」が適用されます。しかし今回の場合、「狂犬病ワクチン」2回接種歴と「血液検査」から基準値以上の抗体価であれば、飼い主の滞在先に同行できるそうです。そして、待機期間中の抗体価が低い時には、1日2回の健康観察や動物検査所への週1回の報告などへの同意を求めるというものです。

ロシアのウクライナ侵攻

今回、日本側の対応として「ロシアのウクライナ侵攻」の危険から無事に逃れたウクライナ避難民の心理を読み取り、異国での不安などから、愛犬と一緒にいることで少しでも安らぐことを願うということで、日本の農林水産省が素早く動物検疫の係留守期間を緩和したのことです。人の命を何とも思わない軍隊から恐怖を与えられ、ようやくたどり着いた異国の不安な気持ちを癒してくれるのは、やはり欲も野心も無い愛犬であることは誰もが知っています。



≫ その他の記念日

過去6日までの記念日です。

「愛犬の日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

5月11日の誕生花「白いチューリップ」

「白いチューリップ」

Kerstin RiemerによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名Tulipa gesneriana
  • 分類:ユリ科 チューリップ属(Tulipaceae)
  • 原産地:中央アジア~北アフリカ
  • 開花時期:3月~5月(春咲き)
  • 草丈:約20〜60cm(品種によって異なる)
  • 花色:白(他にも赤、黄、紫、ピンクなど多様な色が存在)
  • 花の形:杯状または星形に開く6枚の花被片(花びらのような構造)
  • 用途:庭植え、鉢植え、切り花などに利用される
  • 育てやすさ:比較的容易。秋に球根を植えて春に開花

白いチューリップについて

rumpelによるPixabayからの画像

特徴

  • 清楚で上品な印象
     白という色がもつ「純粋さ」や「無垢さ」を象徴し、控えめで清らかな雰囲気を持ちます。フォーマルなシーン(結婚式・卒業式など)でも好まれる色です。
  • シンプルな美しさ
     他の鮮やかなチューリップと比べて、派手さはないものの、すっきりと洗練された姿が見る人に安らぎを与えます。
  • 他の花と合わせやすい
     白はどんな色とも調和するため、ブーケや花壇で他の色の花との組み合わせがしやすいのも大きな魅力。
  • 品種の幅が広い
     白いチューリップにも一重咲き・八重咲き・ユリ咲き・フリンジ咲きなど、さまざまな形状の品種が存在します。
  • 夜間や雨で閉じる性質
     日光が当たると開き、日が陰ると閉じるという性質があり、花の動きで時間や天気を感じられるのも魅力の一つです。

花言葉:「純真」

  • 意味:「汚れのない心」「純粋で素直な心」
  • 由来:白という色には「無垢」「清らかさ」「純潔」といったイメージがあり、白いチューリップのすっきりとした花姿がそのイメージと重なります。
  • 背景:特にヨーロッパでは、白い花は「聖性」や「天使のような存在」を象徴することが多く、白いチューリップもその延長として「純真」という花言葉が与えられました。

「白いチューリップの約束」

Manfred RichterによるPixabayからの画像

春の風がやさしく吹く午後、菜摘(なつみ)は庭の片隅にある小さな花壇の前でしゃがみ込んでいた。彼女の指先がふれるのは、まっすぐに咲いた三本の白いチューリップ。純白の花びらは陽光を受けて静かに輝き、まるで天使が地上に落としていった羽のようだった。

「おばあちゃん、この花、ちゃんと咲いたよ」

そう声をかけたのは、そこに誰もいないのをわかっていてのことだった。

菜摘の祖母、澄江(すみえ)は昨年、静かに息を引き取った。優しく穏やかな人で、いつも季節の花を絶やさなかった。中でも白いチューリップは、澄江が最も大切にしていた花だった。

「白いチューリップには“純真”って花言葉があるのよ」と、祖母はよく語っていた。

「汚れのない心、素直でまっすぐな気持ちを忘れないように、ってことかしらね」

小学生の頃は、その言葉の意味があまりよく分からなかった。ただ「白い花=きれい」くらいに思っていた。けれど、年を重ねるにつれ、その言葉が心に残るようになった。

Zhu BingによるPixabayからの画像

――どうして、白だけがそんなに特別なの?

ある日、そう尋ねると、祖母は土に植えたばかりの球根を見つめながら答えた。

「白はね、他の色に染まることもできるけれど、自分自身で輝くこともできるの。不思議な色よ。何も持たないように見えて、何でも映し出せるの」

そのとき、菜摘はまだ子どもで、深く理解はできなかった。でもその言葉の響きだけが、心に残っていた。

高校生になった頃、菜摘は学校で人間関係につまずいた。好きなことも言えず、周囲に合わせてばかり。誰かに嫌われたくない、傷つけたくない、そればかり考えていた。次第に自分の本音が分からなくなっていった。

そんなとき、ふと思い出したのが、祖母がくれた小さな球根だった。引き出しの奥にしまったままだったが、春が近づいたある日、ふと思い立って庭に植えた。

それが、いま咲いている三本の白いチューリップだ。

「ねえ、おばあちゃん。私、本当はずっと怖かったんだ。人に嫌われるのも、自分が誰なのか分からなくなるのも。でも……この花、見てたら、少しだけ分かった気がするの」

風が吹き、チューリップの茎がやさしく揺れた。

jacqueline macouによるPixabayからの画像

白い花は、染まらない。けれど、何もないわけじゃない。まっさらでいるからこそ、どんな色でも受け入れることができる。その上で、自分だけの「白」として輝いている。

「私も、そんなふうになりたいな」

菜摘はそう呟くと、立ち上がって花壇の横にそっと腰を下ろした。祖母がよくしていたように、静かに空を見上げる。

そこには、雲一つない青空と、春の匂いが広がっていた。

白いチューリップが風に揺れながら、まるで応えるように光を受けていた。