9月26日、29日の誕生花「ポーチュラカ」

「ポーチュラカ」

基本情報

  • 分類:スベリヒユ科スベリヒユ属
  • 原産地:南北アメリカを中心に熱帯~温帯に広く分布
  • 学名Portulaca
  • 和名:ハナスベリヒユ(花滑莧)
  • 開花期:初夏~秋(5月~10月頃)
  • 草丈:10~20cmほどの這うように広がる多年草(日本では冬越しが難しいため一年草扱いが多い)

ポーチュラカについて

特徴

  1. 太陽に咲く花
    日当たりが良いときにだけパッと花を開き、曇りや夕方には閉じてしまいます。まるで太陽と遊ぶように咲く姿が魅力的です。
  2. 多彩な花色
    赤・ピンク・オレンジ・黄色・白などカラフルで鮮やかな花色が揃い、夏の庭や花壇を明るく彩ります。
  3. 乾燥に強い
    多肉質の葉や茎に水分を蓄える性質を持ち、真夏の直射日光にも耐える強健さがあります。
  4. 地を覆うように広がる
    横に這うように茎を伸ばすため、グランドカバーや鉢植え、ハンギングにも向いています。

花言葉:「無邪気」

由来

ポーチュラカに「無邪気」という花言葉が与えられた背景には、以下のような特徴が関わっています。

  • 太陽の下でだけ咲く素直さ
    日が出ると元気いっぱいに花を開き、光がなくなるとしおんと閉じる。その単純で飾らない性質が「子どものような無邪気さ」を連想させました。
  • 明るく元気な花姿
    鮮やかなビタミンカラーの花は見ているだけで元気を与えてくれる存在。その天真爛漫な雰囲気が「無邪気」に重ねられています。
  • 長く咲き続ける健気さ
    夏の間じゅう、毎日新しい花を次々と咲かせ続ける姿は、純粋な喜びや遊び心を感じさせます。

→ つまり、「太陽とともに笑顔を見せる子どものような花」であることが、花言葉「無邪気」の由来になっています。


「太陽と笑う花」

真夏の午後、商店街の片隅にある小さな花屋の店先に、色とりどりの花が並んでいた。真紅、オレンジ、黄色、ピンク――まるで夏の太陽の光をそのまま吸い込んで輝いているかのような花。それが、ポーチュラカだった。

 「おばあちゃん、この花、なんでいつもニコニコしてるの?」
 小学二年生の結衣が、祖母の花屋でしゃがみ込み、鉢植えのポーチュラカを覗き込む。

 祖母は柔らかく笑った。
 「この花はね、太陽が大好きなの。日が出ると元気いっぱいに咲いて、暗くなると眠るのよ。素直で無邪気な子どもみたいでしょう?」

 結衣はその言葉を聞いて、はっとした。
 ――自分みたい。
 思ったことがそのまま顔に出てしまうし、学校でも笑ったり泣いたりが多い自分。先生に「もう少し落ち着きなさい」と注意されることもしばしばだった。

 「ねえ、おばあちゃん。この花の名前、なんていうの?」
 「ポーチュラカ。花言葉は『無邪気』っていうのよ」

 無邪気。
 その響きは、結衣にとって初めて知る魔法のような言葉だった。

 翌日も、結衣は花屋にやってきた。ポーチュラカの花をじっと眺めると、昨日と同じように、太陽の下で元気いっぱいに咲いている。
 けれど夕方になると、不思議なほどすぐに花が閉じてしまう。
 「なんで閉じちゃうの? もっと咲いてればいいのに」
 思わずつぶやくと、祖母が鉢を撫でながら答えた。
 「それが、この子たちの素直さなの。日が沈んだら眠る、また明日笑顔で会うためにね」

 結衣は考え込んだ。
 ――私も、この花みたいでいいのかな。
 周りから「子どもっぽい」と言われる自分を、少し恥ずかしく思っていた。けれどポーチュラカは、それを堂々と太陽に向かって咲いている。

 やがて夏休みの工作の宿題に、結衣は「ポーチュラカ日記」をつけることにした。
 毎日、花が咲いた時間や閉じた時間、色の違い、気づいたことを丁寧に書き込む。
 そこには次第に、自分の気持ちも書かれるようになった。

 「今日、友達に泣き虫って言われた。でも、ポーチュラカは泣かない代わりに夜になると眠る。私も泣いた分だけ笑えばいいんだと思った」

 「明日は運動会。緊張してるけど、ポーチュラカみたいに太陽を見たら元気になるって信じてる」

 祖母は日記をこっそり覗き、目を細めた。結衣の心が、花と一緒に少しずつ育っていくのを感じていた。

 夏が終わる頃、結衣は大きな声で発表した。
 「ポーチュラカの花言葉は『無邪気』です。太陽の下でだけ咲く素直さ、元気でカラフルな花姿、そして夏の間ずっと咲き続ける健気さから生まれた言葉です。私は、無邪気って恥ずかしいことじゃなくて、大事な宝物だと思いました」

 クラスメイトたちは拍手を送った。結衣の頬は赤く染まっていたが、その瞳はポーチュラカの花のように明るく輝いていた。

 帰り道、祖母が優しく言った。
 「ね、結衣。無邪気でいることは、何よりも大切なのよ。太陽とともに笑う花みたいに、ね」

 結衣は祖母の手をぎゅっと握りしめ、心の中で決めた。
 ――これからも、私はポーチュラカのように笑っていこう。

 夏空に浮かぶ入道雲の下で、ポーチュラカが今日も無邪気に咲いていた。

核兵器の全面的廃絶のための国際デー

9月26日は核兵器の全面的廃絶のための国際デー

核兵器の全面的廃絶のための国際デー

2013年12月、国連総会でこの日を記念日として、制定しています。核兵器が人類に対する脅威と、核兵器の全面的廃絶の必要性の認識を高めて教育、普及、促進させていくとが目的です。

石川医師の会など、反核医師の声

反核医師の声

石川反核医師の会は、人間の健康と生命を守る医師のヒューマニズムにもとづき、核戦争防止、核兵器廃絶のためのさまざまな活動を行っています。

石川反核医師の会

核戦争を防止する石川医師の会は、2010年より毎年、国連の核兵器国際行動デーに記念講演会や映画会を開催しています。この講演会には国際連合広報センター、非核を政府に求める石川の会などの団体、報道機関等が活動しています。「第一九回核戦争に反対し、核兵器廃絶を求める医師・医学者のつどい」が、2009年11月22~23日に石川県金沢市で開催されました。

1日目は、ジャーナリストの堤 未果さんと郷地秀夫医師(兵庫・東神戸診療所長)の講演があり、全体会では医学生が「学生部会」の発足を紹介。そして2日目は、市民公開のシンポ ジウムが行われています。この2日間で医師や医学者など99名、医学生が50名、42都道府県から市民329名などが過去最多の572人が参加したそうです。

核実験に反対する国際デー

核兵器を反対する人びと

2009年、12月の国連総会では8月29日もまた「核実験に反対する国際デー」に制定し、人々の意識をさらに高めることが、目的とされています。そして、核兵器を削減や撤廃への関心を高めるために、この国際的な記念日が制定されています。「核実験に反対する国際デー」は、カザフスタンに設置されていた旧ソ連最大のセミパラチンスク核実験場が、1991年に閉鎖されたことを記念して設けられたものです。

セミパラチンスク核実験場

当時、カザフスタンの都市である「セミパラチンスク」では450回を超える実験が行われていました。数十年が経過した現在でも、放射能にさらされたことが原因で先天的な欠損を持って生まれた子供が、未だに複数の手術をしているなど多大な影響を受けています。

核兵器など無意識だと思える日は来るのか

無意味な核競争

広島の原爆投下から70年経った今でも、まだ核実験やミサイル実験が世界各国で行われています。核兵器の悲惨な犠牲者出るとが分かっていても、また自分自身も滅びると分かっていても、開発は進みます。他国のことをよく知らないがために「恐怖心」を解き放つ手段として、それを越えるものを開発して抑止力として身を守ろうとします。

一人でも多くの人たちが、互いの国や地域のことをよく理解し一つのチームになれば、この行動の無意味さに気づくでしょう。そして世界中の国や地域が武装解除し、自国をも滅ぼすために大切な財政の無駄遣いが無くなると私は信じています。


「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に関するツイート集

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9月25日の誕生花「ハゲイトウ」

「ハゲイトウ」

基本情報

  • 和名:ハゲイトウ(葉鶏頭)
  • 学名Amaranthus tricolor
  • 科名:ヒユ科(Amaranthaceae)
  • 属名:アマランサス属(Amaranthus
  • 原産地:熱帯アジア(インド、東南アジアなど)
  • 草丈:30〜100cmほど
  • 開花期:8月〜10月(観賞されるのは主に葉の色)

ハゲイトウについて

特徴

  • 葉の美しさが主役
    ハゲイトウは花よりも葉が観賞対象になります。赤・黄・緑など鮮やかな色が混じり合い、まるで燃える炎のように見えるのが特徴です。
  • 「葉鶏頭」の由来
    同じヒユ科であるケイトウ(鶏頭)に似た鮮やかさを、花ではなく葉で見せることから「葉鶏頭」と呼ばれます。
  • 丈夫で育てやすい
    暑さや乾燥に強く、夏花壇や鑑賞用に重宝されます。草丈が高い種類から矮性の品種まで多様。
  • 食用・薬用の一面も
    アマランサス属の仲間は、穀物として食用にされる「スーパーフード」のアマランサス(雑穀)を含みます。葉も食用になる種類があります。

花言葉:「不老不死」

由来

ハゲイトウを含むアマランサス属は、**古代から「枯れない花」**として伝説的に語られてきました。

  1. ギリシャ神話との関わり
    「アマランサス(Amaranthus)」という属名は、ギリシャ語の amarantos(しおれない、色褪せない)に由来します。
    → つまり「永遠に枯れない花」と考えられた。
  2. 葉の色が長く続く
    花は目立たないものの、鮮烈な葉色は夏から秋まで長く保たれ、まるで不滅の炎のように見えます。
    → そこから「不老不死」という象徴的な意味を帯びた。
  3. 生命力の強さ
    暑さや乾燥にも負けず、強い日差しの中でも葉色を鮮やかに保ち続ける姿が、永遠性や生命力の象徴と結びつけられた。

「枯れない炎」

夏の終わり、商店街のはずれにある古い花屋に立ち寄った。扉を開けると、乾いた風に混じって、どこか鉄のような匂いが漂ってきた。
 店の奥に並んだ鉢の中で、ひときわ目を引いたのは赤と黄、そして深い緑が入り混じった葉。まるで燃え盛る炎をそのまま閉じ込めたような姿だった。

「それはハゲイトウだよ」
 声をかけてきたのは、腰の曲がった花屋の老人だった。白髪の下からのぞく瞳は、不思議な光を宿している。

「ハゲイトウ……?」
「葉鶏頭とも呼ばれる。鶏頭に似てるが、花じゃなくて葉を観賞するんだ。色が長く続くのが特徴でな。古くから“不老不死”の象徴とされてきた」

 不老不死。あまりにも大げさで、どこかおとぎ話めいている。だが、その葉の鮮やかさは確かに尋常ではなかった。燃えるような赤は、秋風にも色あせる気配を見せない。

 私は一鉢を手に取った。老人は少し笑って、「大事にしなさいよ」とだけ言った。

 部屋に持ち帰ったハゲイトウは、窓際に置くとさらに存在感を増した。朝日を浴びると黄金の炎のように輝き、夕暮れには深紅の余韻を残した。
 不思議なことに、それを眺めていると、時間の流れが緩やかになる気がした。

 私は、つい亡くなった祖母のことを思い出した。病床で「生きることは、燃えることと同じだよ」と笑っていた顔。祖母の枕元には、いつも色鮮やかな花が飾られていた。だが最後の日だけは、花瓶の中は空っぽだった。

 ――もしあのとき、このハゲイトウがあれば。

 そんな考えが胸をよぎり、私は自分で可笑しくなった。花一つで人の命を永らえさせることなどできるはずもない。

 それから数週間。秋風が冷たさを増しても、ハゲイトウの葉はなお鮮烈に燃えていた。近所の木々が色褪せ、散り落ちても、窓辺の鉢だけは夏の熱を抱えたままだ。

 ある晩、私は夢を見た。祖母が縁側に座り、ハゲイトウを指差して言う。
「これはね、命の形そのものなんだよ。枯れない花なんてないけれど、人が誰かを思う心は、枯れない。だから“不老不死”なんだよ」

 夢から覚めると、胸の奥に温かい火がともっていた。祖母の声が確かに残っている。

 冬が来て、ハゲイトウの葉もようやく色を失った。だが私は不思議と寂しくなかった。あの炎は、もう外にはなくても、私の中で燃え続けているからだ。

 “枯れない花”という伝説は、きっと誇張だろう。だが、確かに枯れないものがある。
 それは、誰かを思い続ける心。過ぎ去った命を抱きしめる記憶。そしてその記憶を未来へと渡そうとする意志。

 窓辺の鉢は、いまはただ静かな影となっている。けれど、私の胸の奥では、あの日見た燃える葉の色が絶えることなく揺らめき続けていた。

スターリングシルバーの日

9月25日はスターリングシルバーの日です

スターリングシルバー指輪

1880年、東京の銀座に本社があり日本初の銀製品専門店の株式会社宮本商行が制定しています。この日に決まったのは、「スターリングシルバー」の純度1000分の925で、そこから「925」の数字をもらって9月25日としたものです。

スターリングシルバーとは?

スターリングシルバーイヤリング

アクセサリーは、一般的に他の金属が混ざっている合金がほとんどです。このシルバーも、純度が高いほど柔らかくて、傷がつきやすくかなり、変形しやすい特徴があるそうです。そのため、他の金属を混ぜて硬くし、アクセサリーなどに加工しやすくしています。銀は、含有率により、色々な種類があって、純銀92.5%、銅7.5%を混ぜたものを「SV925」といい、これを「スターリングシルバー」と呼ばれます。

スターリングシルバーの特徴

スターリングシルバー製品

スターリングシルバーを金属の性質としてみた時に、このシルバーは時効硬化型の合金です。加工する時に加熱によって柔らかくしても、冷やすと硬くなるため、使い勝手の良い合金です。実際、このシルバーの硬度を上げるために時効硬化処理を行います。

時効硬化処理

スターリングシルバー食器

作業工程で、まず最初に加熱した後、水中で急冷する溶体化処理を行います。これによって硬度が60から70 HV程度になります。この状態が変形させやすい柔らかさであり、この時にジュエリー等に加工を始めます。その後、加熱した後に放置します。温度や時間により、得られる硬度は変化します。このスターリングシルバー(Ag925)は、150 HVまで硬度を上げるこができます。一般的には、最終段階で100から120 HV前後の硬さに調質されることが多い合金だそうです。

シルバーは手入れが大事

スターリングシルバー製品

光沢があって手触りの良いシルバーの製品は、男女問わず最も使用される金属だと思います。しかし、使わないで放置していると黒く変色してしまうようです。毎日使っている人は、洋服などに接触して磨かれるので綺麗ですが、しまっていると変色してしまうということです。専用の薬剤やクロスなどで長持ちさせましょう。


「スターリングシルバーの日」に関するツイート集

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9月24日、10月30日の誕生花「ハギ」

「ハギ」

基本情報

  • 分類:マメ科ハギ属(Lespedeza)
  • 学名Lespedeza thunbergii
  • 原産地:日本(園芸起源と推定される)
  • 草丈:0.5〜2mほど
  • 花期:7月〜10月(秋の七草のひとつ)
  • 花色:紅紫色、白色など
  • 特徴:低木または多年草。枝先に蝶形の花を多数つける。秋風に揺れる姿が古くから歌に詠まれ、万葉集でも最も多く登場する植物。

ハギについて

特徴

  1. しなやかな枝
    細く長い枝が弧を描くようにしだれ、風にそよぐ姿が印象的。枝は折れにくく、しなやかに揺れる。
  2. 蝶のような花
    小さな蝶が群れ飛ぶように見える花を房状につける。華やかではないが、可憐で風情がある。
  3. 古典との関わり
    秋を代表する花として、『万葉集』『古今和歌集』などに数多く詠まれる。「秋=萩」と連想されるほど、日本文化に根付いた植物。

花言葉:「柔軟な精神」

由来

  • しなやかな枝ぶり
    ハギの枝は細く長く、風に吹かれると大きくしなっても折れない。強風や雨にも耐えつつ、美しく揺れる姿が「柔軟さ」の象徴となった。
  • 困難を受け入れる姿
    他の花が立ち上がって咲くのに対し、萩は地面近くに枝を垂らすことも多い。まるで「状況に合わせて姿を変える」ようで、人間の精神に例えられた。
  • 文化的イメージ
    古歌でしばしば「儚さ」「移ろい」とともに「耐え忍ぶ優しさ」を表す花として詠まれてきた。柔軟に時を受け入れる心が「柔軟な精神」という花言葉に結びついている。

「萩の揺れる庭で」

夏の名残りが空気に混じりながらも、風の匂いは確かに秋を知らせていた。祖母の家の庭先で、萩の枝がしなやかに弧を描き、淡い紅紫の花を揺らしている。

 「この枝はね、風に吹かれても折れないんだよ」
 小さい頃、祖母がそう言って微笑んでいた光景が、ふいに甦る。

 私はいま、久しぶりにその庭に立っていた。仕事での失敗をきっかけに自分を追い詰め、何もかもが硬直してしまったように感じていた。東京で過ごす日々は、立ち止まることを許してはくれない。柔軟に対応できない自分を責め、逃げるようにこの古い家に帰ってきたのだった。

 風が吹き、萩の枝が大きく揺れる。だが、どれほどしなっても折れることはない。しなやかさの中に秘められた強さ。それは硬さとも頑固さとも違う、別の種類の強靭さだった。

 縁側に腰を下ろすと、幼なじみの透が庭先から声をかけてきた。
 「帰ってたんだな。仕事、大変だって聞いたけど」
 私は苦笑いを返すしかなかった。言い訳をする気にもなれず、ただ目の前の萩を見つめる。

 透はしばらく黙って私と同じ方向を眺め、それからぽつりと呟いた。
 「昔、祖母さんが言ってたのを覚えてるか? 『萩はな、強さを見せつけたりはしない。でも、風に折れないのは本当に強い証拠なんだ』って」

 私は頷いた。確かに覚えている。祖母の声は優しいのに、心の奥に響いて離れなかった。

 「俺さ」透が少し照れたように続ける。「硬く構えて、無理に踏ん張るのが強さだと思ってたんだ。でも違った。萩みたいに、揺れても折れずに戻れるのが、本当の意味での強さなんじゃないかって」

 その言葉に、胸の奥の氷が少しずつ溶けていくのを感じた。私はいつも「完璧でいなければならない」と思い込んでいた。折れてはいけない、揺らいではいけないと自分を縛りつけていたのだ。けれど、揺れることは決して弱さではない。受け入れながら立ち続けること、それが柔らかくも強い精神なのだ。

 夕暮れが近づき、萩の影が長く伸びていく。透と並んで庭を見つめながら、私は静かに息をついた。
 「……少し、戻れそうな気がする」
 「いいじゃん。ゆっくりでいい」

 その瞬間、ひときわ強い風が庭を駆け抜け、萩の枝が大きく波打った。だがやはり折れることはない。揺れながらも、確かにそこに立ち続けていた。

 私は心の中で祖母に語りかけた。
 ――ありがとう。私も、萩のように生きていくよ。

 秋の風は少し冷たく、けれどどこまでも優しかった。

海藻サラダの日

9月24日は海藻サラダの日です

9月24日は海藻サラダの日

熊本に本社を置き、海藻の加工・販売が中心のカネリョウ海藻株式会社が制定しています。この日に決まったのは、日本で最初に「海藻サラダ」を制作した髙木良一会長の誕生日である1930年の9月24日ということからだそうです。

海藻と海草の違い?

海草と海藻の違い

海藻は「藻」であって「シダ」や「苔」、「茸」などと同様に胞子から海藻に成長するもの、そして種子植物のように「雌と雄の受精」で増えるものが存在しています。それに対して海草は、「草」であるために陸上の植物と同様、種から海草に成長します。ちなみに海草の先祖は、元々は陸上で生息をしていた植物が、何らかのきっかけで海に戻ってきた植物なのだといわれています。

海藻は低カロリーで栄養豊富

海藻は栄養が豊富

「昆布」「ワカメ」「海苔」「ひじき」「もずく」「寒天」などの海藻は、さまざまな種類があります。そしてこの海藻は、低カロリーで食物繊維、栄養素等が豊富に含めれています。例えば、食物繊維では、干しひじき1食分(5g)で2.2g、乾燥ワカメは1食分(2.5g)で0.8g含まれています。海藻は、食物繊維を効率良く取れて女性にも好まれる食品です。

海藻は野菜!?

海藻は野菜

海藻は、ミネラル水溶性の食物繊維が多く含まれています。さらには、低カロリーなので身体に良い食物とされています。これは、野菜として一般的にいわれる、1日に必要な野菜摂取量の目安350g含まれているために良いとされます。

たくさん食べて免疫力アップ

海藻たっぷりのアレンジレシピ

海藻はミネラル分が豊富なため、毎日摂取したい野菜です。おまけにネバネバ成分が健康に良いと聞きます。この秋、夏バテを回復するためとこれから、感染病に負けない免疫力をつけるためにもたくさん食べましょう!


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海王星の日

9月23日は海王星の日です

9月23日は海王星の日

1846年、ドイツベルリン天文台の「ヨハン・ガレ」(ドイツの天文学者)が「海王星」をこの9月23日に発見しました。そして、太陽系第8惑星の海王星が1846年9月23日に発見されて以来、地球は太陽を約165周しています。その一方で、地球より30倍も遠い軌道を周回する海王星は、2011年7月12日で発見からようやく1周できる惑星だそうです。

海王星

太陽系の惑星1

海王星は、地球から一番距離がある惑星です。また、唯一太陽系の惑星の中、肉眼で観察することができません。そのこともあり、数学を使った理論的な予測で発見されるという経緯があります。いまだに多くの謎がありますが、現時点で、海王星がどんな特徴をもっている惑星なのか調べてみましょう。

海王星の大きさと太陽からの距離

太陽系の惑星2

海王星は、直径4万9244kmなので、地球(1万2742km)の約4倍の大きさということになります。そして、太陽からの距離は約45億kmもあるために、表面温度が約摂氏マイナス220℃と極寒の惑星であることが分かります。

海王星の主な成分は?

海王星の主成分

 海王星の主な成分は、天王星と同様に外側から水素を主成分としたガス層であり、その下に「水やメタン」、「アンモニア」などの氷でできたマントルの層があります。そして、中心に「岩石や氷」、「鉄とニッケル」などの合金でできた核がある構造だそうです。

天王星より青いコバルトブルー

海王星はコバルトブルー

海王星の外見は、天王星と比較しても青みが強いコバルトブルーに見えます。それは、まだ未知の物質が存在するからだという説もあるといいます。現時点で海王星は、この濃い青色の物質を断定するほど判明できないとが多く、未だに謎のベールに包まれている惑星だそうです。

遥か遠くにある惑星の成分が解る!?

太陽系の惑星たち

私たちが住んでいる地域の特徴をまだ理解できていません。それなのに学者は、何光年先にある惑星の成分が何であるかを発見することができます。この研究のおかげで近い将来、「TechCrunch Japan」の記事で「11光年先に地球と同等の大きさで、そこに人が居住できるかもしれない惑星が見つかった」という情報があり、人類の移住も夢じゃないかもしれません。

他の情報から、火星は大気を作れないために移住は不可能であるという記事がありました。しかし、こうしている間にも日々様々な発見がなされ、最終的には宇宙旅行の実現小惑星探査の研究などにより、月で人が生活することが可能になるかもしれません。


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9月22日の誕生花「サワギキョウ」

「サワギキョウ」

基本情報

  • 和名:サワギキョウ(沢桔梗)
  • 学名Lobelia sessilifolia、L. cardinalisなど
  • 科名:キキョウ科(またはロベリア科に分類されることも)
  • 分布:東アジア、シベリア、北アメリカ、メキシコ
  • 生育環境:湿地や川辺、沢沿いなど水辺に多く生える多年草
  • 開花期:8月~9月(6~7月には温室栽培の花つきのものが出回り始める)
  • 花色:青紫色(濃い紫がかった青が多い)
  • 草丈:50〜100cmほど

サワギキョウについて

特徴

  1. 青紫の花
    花は細長く、筒状から唇形に開いた独特の姿をしています。青紫色の濃淡が美しく、群生するととても華やか。
  2. 湿地を好む
    名前のとおり「沢=湿地」に多く見られます。水辺に立ち並ぶ姿は涼やかで、夏の終わりから秋にかけての景観を彩ります。
  3. キキョウに似る名前の由来
    花の形が少しキキョウを思わせるため「サワギキョウ」と名付けられていますが、実際には別属の植物です。
  4. 薬草としての歴史
    根には有毒成分を含むため取り扱いには注意が必要ですが、かつては薬草として使われていた地域もあります。

花言葉:「高貴」

由来

サワギキョウの花言葉には「高貴」「繊細」「特別な人」などがあります。
その中でも「高貴」という意味が与えられた背景には以下の点があります。

  1. 気品ある花色
    青紫は古来より高貴さを象徴する色とされ、特に日本や西洋で「位の高い者が身につける色」として尊ばれました。サワギキョウの澄んだ青紫はその典型といえます。
  2. 端正な立ち姿
    まっすぐに立ち上がり、群れをなして咲く姿は、整然とした美しさを感じさせ、品格ある雰囲気を放っています。
  3. 希少性と生育環境
    湿地という限られた環境に育ち、群生は見事ながらも出会える場所が限られることから、「特別で気高い花」という印象を与えた。

→ これらの要素から「高貴」という花言葉が生まれました。


「沢に揺れる青の気品」

その沢にたどり着いたのは、真夏の熱気がやわらぎ始めた頃だった。湿った風が流れ、草むらの奥から小さな水音が響いてくる。陽菜はそっと足を止め、息を整えた。

 目の前に広がるのは、青紫の花々の群れだった。水辺に沿って背を伸ばし、整然と並ぶ姿は、まるで見えない指揮者に導かれているかのように秩序だっていた。その色は濃く澄み、見る者を圧倒する気品を帯びている。

 「……サワギキョウ」

 小さくつぶやいた声は、沢のせせらぎに溶けた。陽菜にとってこの花は、幼い頃に祖母から聞いた話の象徴だった。

 ――紫は高貴の色。昔の人はね、身分の高い人しか身につけられなかったんだよ。
 ――だからサワギキョウも“高貴”って呼ばれるの。

 祖母はそう語りながら、乾いた葉をしおりの間に挟んでくれたことがあった。今はもう色褪せたその葉を、陽菜はいつも鞄に忍ばせている。

 花々はただ風に揺れるだけなのに、そこには確かな意志があるように見えた。まっすぐに伸び、群れて咲く姿は、ひとりではなく共に立つことで強さを得ているようだった。

 「私も……」

 ぽつりと声が漏れる。大学を卒業してから、陽菜は都会の喧騒に疲れ果て、故郷に戻ってきていた。自分には特別な力もない。誇れるものもない。そんな思いが胸を覆っていた。

 だが、目の前のサワギキョウは違った。希少な湿地にしか育たない花でありながら、出会えたときの感動はひときわ大きい。その存在そのものが「特別」だった。

 ――出会える場所が限られているからこそ、価値がある。

 祖母の言葉が甦る。人もまた同じではないか。完璧ではなくても、どこにでもいるように見えても、自分が自分であることは唯一無二で、誰かにとっては代えのきかない存在かもしれない。

 陽菜はしゃがみこみ、ひとつの花を見つめた。濃い青紫が光を吸い込み、透明に放ち返す。指先を伸ばしかけて、ふと止める。触れることなく、ただ見つめることがふさわしいと感じたのだ。

 「高貴」――それは決して豪華さや派手さのことではない。自分を偽らず、限られた場所であっても凛として咲くこと。その姿こそが、本当の気高さなのだろう。

 水面を渡る風が強くなり、群れをなす花々が一斉に揺れた。青紫の波がざわめき、沢の光景を一層きらめかせる。陽菜の胸の奥に、静かな決意が芽生えた。

 ――私もこの花みたいに、自分の場所で、凛と咲いてみたい。

 立ち上がったとき、花々はまるで彼女を送り出すように揺れ続けていた。その姿は、高貴という言葉そのもののように、気品と力強さを放っていた。

国際ビーチクリーンアップデー

9月22日は国際ビーチクリーンアップデーです

ビーチクリーンアップデー「きれいなビーチ」

1985年からサンフランシスコが本部である「海洋自然保護センター」が実施しています。毎年この日に近い週末から、世界のあらゆる地域で海岸のごみを拾い集めて、数量や種類などを調べることで、海洋のゴミ発生元や地球への環境がどれだけ悪影響があるかを調査しています。

ビーチにはプラスチックごみが漂流

ごみだらけのビーチ

ビーチに行ってみると、ペットボトル等のプラスチックごみやレジ袋などが漂流しています。これらのごみは風に飛ばされて海に落ち、そして波や潮によって流されていきます。この海洋ごみの影響で魚や海鳥、ウミガメなどの海洋生物が傷つけられたりしています。現在は、日本でもこのごみを減らす為の活動を行っています。

日本でのクリーンアップ活動

クリーンアップ活動

日本では 1990年から「クリーンアップ全国事務局」(Japan Environmental Action Network:JEAN)が主宰し、毎年春と秋の2回「海岸クリーンアップキャンペーン」を実施しています。

春と秋のクリーンアップキャンペーン

天神クリーンアップキャンペーン

JEANが主催している「クリーンアップキャンペーン」は、「春のクリーンアップ」と秋の「国際海岸クリーンアップ」の二種類あります。その2つのキャンペーンについてそれぞれ目的を調べてみました。

春のクリーンアップ(実施期間=4〜6月)

クリーンアップ活動「住宅街」

野外に出されたごみは、誰かが回収しなければ、風や雨、そして海に落下して潮の流れや波などで、他の場所に移動します。また、最初は少数だったごみも、長い期間の移動を繰り返しで劣化、破片化していきます。そして最終的には、大量の細かなごみへと変えていきます。こうなれば回収すら困難になるということです。

そこで春のキャンペーンは、海ごみの問題や実態を多くの人に理解してもらうために、アースデイ(4月22日)や世界環境デー(6月5日)に合わせ、それぞれ近場に散乱するごみを拾う活動を行っています。このキャンペーンの目的は、より多くの場所、より多くの人に少しでも多くごみを拾って協力し合うことです。

秋の国際海岸クリーンアップ(ICC)(実施期間=9〜10月)

ビーチのごみ拾い

海洋ごみ問題は、回収するだけでは解決しません。実際に皆で一斉にごみを回収しても、どこかの場所で新たなごみが繰り返し発生して漂着を繰り返します。この秋のキャンペーンでは、海洋ごみ問題の根本的な解決方法を探るためにアメリカの環境NGOオーシャン・コンサーバンシーが提案している世界共通の手法(ICC)を取り入れています。

そして、ごみの種類を調査して、ごみの問題点を参加者に気付かせ、改善するための方法を探っています。そして、今後もごみの回収を続けるのではなく、我々人間がごみを減らさなければ海洋ごみ問題は解決しないということを、参加者に理解してもらうことが目的としています。

一人一人ができること

個人のごみを減らす

プラスチックごみと言えば、ペットボトルやレジ袋を思い浮かべるとおもいますが、他にも食品のパッケージなどは、ほとんど使用されています。そのため政府も分別の徹底やレジ袋を有料化にするなどの動きがありますが、それだけでは到底間に合いません。ですので、一人一人がポイ捨てやプラスチック製品の使用を抑えるなどで、かなりごみを減らすことができると思います。


「国際ビーチクリーンアップデー」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年の投稿

9月21日の誕生花「コルチカム」

「コルチカム」

基本情報

  • 分類:イヌサフラン科(Colchicaceae)イヌサフラン属
  • 学名Colchicum autumnale
  • 英名:Autumn Crocus, Meadow Saffron
  • 原産地:欧州、中東、北アフリカ、中央アジア
  • 開花時期:秋(9〜10月ごろ)
  • 特徴
    • 秋にクロッカスに似た花を咲かせるため「Autumn Crocus」と呼ばれる。
    • 花の時期には葉がなく、春にだけ大きな葉を出すという特徴的な生活サイクルを持つ。
    • 鮮やかな紫やピンクの花が美しく、園芸用としても植えられる。

コルチカムについて

特徴

  1. クロッカスとの違い
    • 花姿がよく似ているが、クロッカスはアヤメ科で春に咲き、コルチカムはイヌサフラン科で秋に咲く。
    • 食用スパイス「サフラン」を採れるのはクロッカス(サフラン Crocus sativus)であり、コルチカムは有毒。
  2. 強い毒性
    • 全草にアルカロイド「コルヒチン」を含み、少量でも摂取すれば嘔吐・下痢・呼吸困難を引き起こす。
    • 特に球根や種子に毒が多く、誤食による中毒事故が知られる。
  3. 薬用としての一面
    • 古代から痛風の治療薬として利用されてきた歴史があり、医薬品原料としても用いられる。
    • ただし極めて扱いが難しく、素人利用は危険。

花言葉:「危険な美しさ」

由来

  • 美しさと毒の共存
    • クロッカスに似て上品で華やかな花を咲かせるが、全草に猛毒を含む。
    • 「美しいけれど触れてはいけない存在」という二面性が「危険な美しさ」と結びついた。
  • 誤解されやすさ
    • サフランと似ているため誤って利用されることがあり、まさに「美しい見た目に隠れた危険」の象徴とされた。
  • 薬と毒の境界
    • コルヒチンは毒でありながら薬としても利用される。
    • 「人を救うものが同時に命を奪う可能性を持つ」という矛盾が、この花言葉を強調している。

「危険な美しさ」

秋の夕暮れ、里山の外れにある古い屋敷。その庭の片隅に、ひっそりと紫の花が群れをなして咲いていた。葉はなく、裸の茎の先に大きな花だけが浮かぶように立っている。その異様な美しさに、里の人々は昔から恐れを抱いていた。

 「イヌサフラン──触れてはいけない花だよ」
 そう祖母に言われたことを、陽菜はふと思い出した。祖母の言葉には、どこか呪いめいた響きがあった。

 大学の薬学部に進んだ陽菜は、偶然にもその花の秘密を知ることになる。花の中に含まれる「コルヒチン」という成分は、痛風の治療薬として古くから使われてきたが、同時に強力な毒でもあった。量を誤れば命を奪う。
 「美しいけれど、決して近づいてはならない存在」──それはまさに祖母の言葉そのものだった。

 秋休みで里に戻ったある日、陽菜は屋敷の庭に入り込んでしまった。薄紅色に染まる空の下、コルチカムの花々は冷たい光を放つように揺れていた。風に乗って漂う匂いはない。それでも不思議と胸を締め付けるような気配があった。

 「触れちゃだめだよ」
 背後から声がした。振り返ると、幼なじみの透が立っていた。彼もまた、この屋敷の花を恐れていた一人だった。
 「毒があるんだろ? 昔、この花を食べて亡くなった人がいるって聞いたことがある」
 「でも、薬にもなるの」陽菜は小さく答えた。「命を奪うものが、人を救うこともある。ねえ、なんだか不思議じゃない?」

 透はしばらく黙っていたが、やがて苦笑した。
 「陽菜らしいな。危ないものほど興味を持つんだ」

 その瞬間、陽菜は自分の心臓が速く打っているのを感じた。美しさと危険が背中合わせにある──それは花だけでなく、自分自身の生き方にも重なる気がした。人を救いたいと願いながら、そのために危ういものへ踏み込んでいく。

 風が強まり、花々が一斉に揺れた。まるで「近寄るな」と警告しているように。けれど陽菜には、その姿がむしろ誘っているように見えた。

 「ねえ透、もし私がこの花に触れてしまったら……どうする?」
 彼は驚いたように目を見開いた。
 「そんなこと言うなよ。本当に危ないんだぞ」
 「わかってる。でも……怖いくらいに綺麗で、目を離せないの」

 透は息を呑み、やがて花から視線を外した。
 「それが、コルチカムの本当の姿なんだろうな。美しいけれど、触れれば壊れる。いや、壊すんだ。人も、自分も」

 陽菜は花を見つめながら、そっと呟いた。
 「危険な美しさ……」

 夕闇が広がり、花々の紫は次第に黒に溶けていく。二人は何も言わず、ただそこに立ち尽くしていた。
 その沈黙の中で、陽菜は確信する。
 ――私はこの花のように生きたい。美しく、危うく、それでも人を救う力を秘めて。

 庭に咲くコルチカムは、何も答えず揺れ続けていた。