7月16日は駅弁記念日です
1885年7月16日、日本鉄道東北線の宇都宮駅が開業し、日本初の駅弁が発売されました。そしてこの日は、大宮駅~宇都宮駅が開通した日でもあります。偶然、その駅近くにある旅館に宿泊していた日本鉄道の重役が、旅館白木屋の経営者の斎藤嘉平に駅弁を勧めて、その時から販売を始めています。このことから宇都宮駅は「駅弁発祥の地」とされているようです。
駅弁の中身と値段は?
その弁当は、黒ゴマをまぶした梅干入りの握り飯2個とたくあん2切れを竹の皮に包んだもので、当時の値段は5銭でしたが、まだその時代は一般的に高め設定でした。その時代から132年経った現在では、3500~4千種類にまで増えて、その弁当を列車だけでなく家で楽しむ人もいるほどです。この身近な存在へと変化した駅弁は、最初の駅弁のイメージ「素朴すぎるメニュー」から、「戦争」や「出稼ぎ」、「新幹線」によって変化していきました。
最初の幕の内弁当
最初の幕の内弁当は、1889年に姫路駅で発売されたといわれています。その内容は、白米飯に「肉」「魚」「かまぼこ」「伊達巻」「きんとん」「漬け物」を経木の折りに詰めたものだったそうです。その後の1890年には、寿司弁当が、一ノ関~盛岡間が開通したときに発売されています。
また、駅弁の車内販売は1935年から始まり、幕の内が当時の価格で30銭、寿司が20銭だったそうです。それから月日が経ち、1966年になると、各百貨店で開催されたイベント東京高島屋「お国自慢全国うまいもの有名駅弁大会」などが大当たりして駅弁ブームが始まっています。
京王百貨店の「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」
京王百貨店も1966年から「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」を毎年開催しています。そして、あまりの人気ぶりに来客数がフロアにあふれ、その後は出店ブースを一部減らして通路を広げ、広さ1500平方メートルの催事場スペースを、さらに1割拡大したそうです。2021年の現在も、この全国で有名な駅弁を集めた販売イベントは、各店舗で盛り上がりを見せています。
自宅で楽しめる駅弁
このコロナ禍で政府の要請による外食制限などの自粛生活では、弁当を家で楽しむことがメインとなり、むしろ地域の名産を売り込む絶好のチャンスと見ているようで、駅弁本来の目的をすっかり忘れられているように思えます。しかし、個人的には美味しいものであれば、地域の興味が沸いてくるなど、旅行気分を味わえるのは最高です。