5月19日の誕生花「サツキ」

「サツキ」

基本情報

  • 学名Rhododendron indicum
  • 科名:ツツジ科(Ericaceae)
  • 属名:ツツジ属(Rhododendron)
  • 原産地:日本
  • 開花時期:5月下旬〜6月上旬(旧暦の5月=皐月)
  • 花色:赤、ピンク、白、紫、絞り模様など
  • 樹高:一般的には30cm〜1m程度(仕立て方により異なる)
  • 用途:庭木、盆栽、公園・道路の植え込みなど

サツキについて

yeondoo leeによるPixabayからの画像

特徴

  • 開花時期の遅さ:同じツツジ属の「ツツジ(特にヒラドツツジなど)」よりも遅れて咲きます。これが「サツキ」と呼ばれる所以でもあります(旧暦の5月=皐月に咲くため)。
  • 葉が小さめで光沢がある:葉は小ぶりで密に付き、硬め。盆栽に使いやすい樹形をつくるのに適しており、盆栽愛好家に人気があります。
  • 品種が豊富:交配により多くの園芸品種が存在し、花色や模様にバリエーションがあります。
  • 耐暑性・耐寒性:比較的強く、育てやすいが、日当たりと風通しのよい場所を好みます。

花言葉:「貞淑(ていしゅく)」

意味:「貞淑」とは、清らかで慎ましく、誠実な女性らしさを表す言葉です。

由来:

  1. 花の佇まい
     サツキの花は派手すぎず、上品で落ち着いた美しさを持ちます。華やかでありながら控えめな印象が、「奥ゆかしさ」や「慎み深さ」といった日本的な美徳を連想させ、「貞淑」という花言葉がつけられたと考えられています。
  2. 季節感と伝統性
     旧暦5月(皐月)は、田植えの季節でもあり、勤勉で家庭的なイメージとも結びついています。慎ましく、凛とした季節に咲くことも、「貞淑」という意味にふさわしいとされたのでしょう。
  3. 盆栽文化との関係
     サツキは長寿であり、手入れが必要な植物です。丁寧に育てられる姿も「貞淑な女性」のイメージと重なります。

「皐月のひかり」

祖母の庭に咲くサツキの花は、毎年、梅雨の気配が漂いはじめる頃に静かに咲きはじめる。幼いころからその風景を見て育った私は、大人になっても変わらぬその庭の風景に、どこか安心を覚えていた。

その年、祖母が倒れた。

幸い命に別状はなかったが、療養のために入院することになり、古い家と広い庭は、しばらくのあいだ空になった。私は、離れていた東京の生活を一時中断し、祖母の家に戻る決意をした。

庭のサツキは、祖母が大切にしてきた盆栽の一つだ。手のひらほどの鉢に収まったその花は、毎年欠かさず花をつける。控えめで、それでいてひとつひとつの花に凛とした存在感がある。

ある日、ふとした拍子に、祖母の書斎の引き出しから、古い日記帳を見つけた。茶色く変色したページには、丁寧な筆文字でこう書かれていた。

「サツキが咲きました。貞淑とは、誰かに仕えることではなく、自分をまっすぐに保つこと。花のように、どこにも媚びず、ただ季節が来たら咲く——そんな生き方を私はしたいと思う。」

それは、祖母が私に語ったことのなかった一面だった。

祖母は、戦後まもなく結婚し、農家に嫁いだ。祖父を早くに亡くし、一人でこの家と畑と、母を育ててきた。その姿は、私にとって「強い女性」の象徴だったが、同時に、ひとつも愚痴をこぼさず、飾らず、いつも静かに微笑んでいた。

「貞淑」とは、昔ながらの女性像の押し付けのようにも聞こえていたけれど、祖母にとっては、誰に何を言われようとも、自分の信じる姿で咲き続けるという、芯の強さの表現だったのだ。

私はその日から、毎朝、祖母のサツキに水をやりながら、その言葉を胸に繰り返すようになった。

季節が移り変わり、祖母が退院して帰ってきた。

「ただいま」

「おかえり、おばあちゃん」

縁側に並んで座ると、祖母は小さく微笑んで、庭のサツキを見つめた。

「今年も咲いてくれたねぇ。あの子はほんと、律儀な子だよ」

私も微笑んで、そっと頷いた。

「うん。私も、そんなふうになりたい」

祖母は少し驚いたような顔をしてから、ゆっくりとうなずいた。

「大丈夫。咲きたいときに咲けばいいの。花は、誰かのために咲いてるわけじゃないんだから」

サツキの花びらが、淡い風にゆれていた。

静かで、でも確かに強く咲いている。その姿はまるで、祖母そのものだった。

世界ミツバチの日

5月20日は世界ミツバチの日です

5月20日は世界ミツバチの日

国連はスロベニアの提案により、花粉を媒介する生物の重要性を再確認するため、近代養蜂の先駆者であるスロベニア人「アントン・ヤンシャ」の誕生日である5月20日を、「ワールド・ビー・デー」(World Bee Day)と定めました。また、国連食糧農業機関欧州連合は、2017年に定められた「世界ミツバチの日」を、花粉を媒介するミツバチなどを保護するための世界的な取り組みを呼び掛けています。

重要な存在のミツバチ(花粉媒介者)

ミツバチなどの花粉媒介者

ミツバチなどの花粉媒介者は、多くの栄養豊富な果物や野菜、そしてナッツ類の生産に重要な働きをします。また、生産されているアーモンドは皆、アーモンドの花に受粉するミツバチに依存しているそうです。カリフォルニア・アーモンド協会農業担当ディレクターの「ジョゼット・ルイス博士」は、「アーモンド農園のミツバチが短期の間、そのミツバチたちの健康を保護して増進することは、アーモンド生産農家が成功するために大切なことです。

また、当協会は米国の花粉媒介者団体と協力して、ミツバチがアーモンド農園以外で過ごす残りの期間も、ミツバチの健康に大きな影響を与えるパートナーとも協業しています。」と述べています。世界の食料の9割の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介しているため、ミツバチは生態系はもちろん、人間にとっても重要な存在であることは確かだということです。

ミツバチの経済効果は66兆円!?

ミツバチの巣

実は、経済効果の側面からみてもミツバチなどのような花粉媒介者たちの存在は偉大で、国連の科学者組織「IPBES」では、花粉を運んで我々人間が行っている農作物作りに貢献しているハチたちが生じる経済効果は世界全体で最大年5,770億ドル(日本円で約66兆円)に上るそうです。

「働き者」ハチの経済価値66兆円 世界的減少で食料危機の懸念も

花粉を運び農作物作りに貢献するハチなどの生物がもたらす経済的利益は世界全体で最大年5770億ドル(約66兆円)に上ると指摘した報告書を・・・

産経ニュースより引用

ミツバチの習性!?

蜜蝋

ミツバチは、最も近くの甘い蜜をもつ1種類の花を選び出し、群生して効率的に蜜を集める習性があるために、花ごとの蜜が自然に溜まります。そこで蜜を集める役目の働きバチは、甘い蜜を持つ花を見つけると巣に戻り、八の字のダンスで巣の仲間に知らせます。ですが、全て1種類から花の蜜だけを集めるというのではなく、必ず少量は他の花の蜜も混入します。それはミツバチの中にもひねくれ者がいて、どんなに甘い蜜が近くにあっても何匹かは他の花に飛んで行ってしまうことがそうです。しかし、このひねくれ者たちは、次に行く花の情報を収集する偵察隊の大役を果たしているとか。

働きバチ

働きバチの群れ

ミツバチの巣は、約6万匹もの大家族からなり、1匹の女王蜂に対して2000~3000匹のオス蜂であり、それ以外はメスの働きバチといわれています。

ベテランの仕事、蜜集め

花とミツバチ

巣の手入れから巣房作り、ハチミツの貯蔵などの仕事を順番にこなし、「巣の中での働きを終えたベテランの働きバチ」の仕事が、巣の外に飛び出して蜜を集めることです。花から花へ飛び回り、人間の営業マンのように一生懸命に花蜜を集めます。

ミツバチはチームプレーが得意!?

巣穴に蜜ろうでフタをして貯蔵

巣の中の働きバチは、運ばれてきた蜜を巣の中で羽を使って、あおいだりしながら水分を蒸発させた後、巣穴に集めていきます。そして熟成させて、糖度が約80%のハチミツが完成したところで、巣穴に蜜ろうでフタをして貯蔵します。

素晴らしいチームワークで甘くて殺菌効果や疲労回復効果がある蜂蜜ができるというのは納得です。また、ミツバチから恩恵を得ているのは、我々が食べる野菜などの植物が育つために重要な役割を果たしているのだということも理解し、ミツバチの存在に対してもっと敬意を払いたいと思います。


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5月18日の誕生花「キバナコスモス」

「キバナコスモス」

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基本情報

  • 和名:キバナコスモス(黄花コスモス)
  • 学名Cosmos sulphureus
  • 科名/属名:キク科/コスモス属
  • 原産地:メキシコ
  • 開花時期:6月~10月(地域により異なる)
  • 草丈:50〜150cm
  • 花色:黄色、オレンジ、朱赤など
  • 花の大きさ:直径4~6cm程度

キバナコスモスについて

grainlatteによるPixabayからの画像

特徴

  • 耐暑性に優れる:通常のコスモス(Cosmos bipinnatus)よりも暑さに強く、日本の夏でもよく育ちます。
  • 成長が早く、丈夫:乾燥ややせ地にも強く、手間がかからないことから、初心者にも育てやすい花として人気です。
  • 花びらの形状:一般的なコスモスよりも花びらが丸みを帯びており、やや肉厚。
  • 茎や葉:茎はややしっかりしており、葉は切れ込みが深い羽状複葉で、軽やかな印象。

花言葉:「野性美」

Golam KibriaによるPixabayからの画像

キバナコスモスの花言葉のひとつに「野性美(やせいび)」があります。

この言葉は、以下のようなキバナコスモスの特徴に由来すると考えられています:

  • 自然の中で力強く咲く姿:キバナコスモスは、痩せた土地でも元気に花を咲かせ、強い日差しの下でも鮮やかな色を放つことから、「手入れされた庭園の美しさ」ではなく「自然のままの美しさ」を体現しています。
  • 野性的で鮮やかな色合い:オレンジや黄色などのビビッドな花色が、他の植物と比べて野趣あふれる印象を与えるため。
  • 生命力の強さ:繁殖力が強く、野生でも広がることがあり、そのたくましさが「野性」を感じさせる要素となっています。

つまり、人工的な美ではなく、自然の中でひときわ輝くような「飾らない力強い美しさ」を表す言葉として「野性美」という花言葉がつけられたとされています。


「野性の色で咲く」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

日が傾きはじめた校舎の裏庭に、ひときわ鮮やかなオレンジの花が揺れていた。

キバナコスモス──風にそよぐその姿は、まるで自由そのものだった。

「また咲いてるね」

菜摘(なつみ)は、その花を見つめながら小さくつぶやいた。

この裏庭に足を運ぶようになったのは、夏休み前のことだった。クラスになじめず、誰かと話すことも億劫になっていた菜摘にとって、ここは唯一の“逃げ場”だった。雑草交じりのこの場所には、他の誰も寄りつかなかった。

そんな場所に、ある日ぽつんと咲いていたのが、あのキバナコスモスだった。

最初は一輪だけだった。けれど、数週間もしないうちに、少しずつ増えていった。誰かが植えたわけではない。風に乗ってきた種が根付き、勝手に育ったのだろう。

──それでも、どこか凛としていた。

雨の日も、強い日差しの日も、折れもせず、堂々と咲いていた。

「きれいだな……」

誰に聞かせるわけでもない言葉が、ふと漏れた。

自分とは真逆の存在に思えた。人と上手に話せず、笑顔も作れず、居場所すら見つからない。そんな自分とは違って、何も求めず、ただ咲くことを選んでいるかのようだった。

ある日、裏庭に先客がいた。

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

黒い髪を短く刈り込んだ、無口そうな男子──クラスで目立つタイプではなかったけれど、名前は知っていた。「相馬(そうま)」という、理科が得意な静かな子だった。

「……この花、キバナコスモスって言うんだよ」

彼は花を見つめながら、ぽつりと言った。

「野性美っていう花言葉、知ってる?」

菜摘は少し驚いたように首を振った。

「人工的に育てられる美しさじゃなくてさ。どこにでも咲くけど、どこでもきれいで、強い。そんな花なんだって」

相馬の声は風にまぎれそうなくらい静かだったけど、不思議と菜摘の心にすっと染み込んできた。

「なんか、いいね……それ」

その日を境に、二人は裏庭でときどき言葉を交わすようになった。話題は花だったり、本だったり、空の雲だったり。多くは語らないけれど、その沈黙が心地よかった。

やがて夏が過ぎ、季節が秋に変わるころ。

裏庭のキバナコスモスは、見事に咲き誇っていた。

「すごいね……まるで、野生の絵の具みたい」

菜摘は笑った。こんなふうに、自然に笑えたのは久しぶりだった。

「ねえ、あの花……私も、ああなれるかな」

「なれるよ。だって、もう咲いてるじゃん」

相馬の言葉に、菜摘は驚いて彼の顔を見た。

「逃げ場にしてたこの場所が、咲かせたんだ。君の心にも、きっと同じ色の種があるんだと思う」

オレンジ色の光が、沈む太陽と重なっていた。

風が吹く。キバナコスモスが揺れる。

そして、菜摘の中にも、確かに何かが芽吹いたような気がした。

ボクシングの日

5月19日はボクシングの日です

5月19日はボクシングの日

1952年5月19日、世界フライ級タイトルマッチ行われてその挑戦者である白井義男(1923~2003年)がチャンピオンだったダド・マリノ(アメリカ、1915~1989年)を相手に15回判定で勝ってこの時、日本初のボクシングの世界チャンピオンが誕生しました。その後は4回の防衛を果たし、戦争の敗北で自信をなくした日本人を白井の王者獲得と、その後の防衛から彼の活躍は「希望の光」になったそうです。

白井義男

白井義男とアルビン・カーン博士

白井義男がプロデビューしたのは戦前の1943年であり、その後すぐに召集されて海軍航空隊に入隊しています。当時彼は、戦闘機の整備兵として働いていたそうです。そして戦後、プロボクサーとして復帰し、日拳ホールで練習していた48年頃に、後の師弟関係アルビン・カーン博士に出会っています。そのアルビン・カーン博士は、白井の才能を見抜いて指導を買って出たが、当人はボクシングの経験は全くなかったといいます。

実際のところ、理学士の学位を持つ博士の下地は、スポーツをするにあたり「タイミングの重要性」や「コンディショニング」についての独自の研究が目的だったようです。またこのときの博士は、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の天然資源局スタッフとして来日中の時でした。白井は復帰当初、軍隊生活で腰を痛めていたため、3敗を喫するなどしていたが、カーン博士の指導を受けると、日本フライ級と日本バンタム級王座を獲得します。敗戦後は食糧事情の悪かった当時の日本の状況でも、博士が栄養状態の改善のために食事を用意されていたおかげで、腰痛を克服できたと、のちに勝ったていたそうです。

ボクシングの歴史

ボクシングの歴史

ボクシングの起源は、1万年前や紀元前4000年~同3000年前、又は古代ギリシャ&ローマ時代といわれるなど諸説あります。しかし、紀元前600年代の古代ギリシャで行われていたオリンピックでは、既にボクシングの原型が見られるといいます。しかし、ローマが東西分裂後の5世紀初頭ではローマ皇帝により、ボクシングは禁止されていて、この競技はその後1200年以上も封印されていたそうです。

ボクシングルール、現代方式の確立

トレーニング

それから何年か経ち、現在のボクシングにあたる競技が復活したのは18世紀に入ってからだそう。19世紀の1867年になると、反則の定義やラウンド制が整備された「クイーンズベリー・ルール」が採用されるようになったようです。

そしてグローブの着用など、ルールに従っての現代方式のボクシングが確立したのは、1892年の「ジョン・ローレンス・サリバン」対「ジェームス・コーベット」の世界ヘビー級タイトルマッチといわれています。このときに体重無差別で戦ってきた選手たちが、「ヘビー級」「ライト級」「ミドル級」と分けられ、現在のように階級制の形を作っていくことになりました。

数少ない重量級の日本人選手

56秒殺!日本ボクシング界にド級の逸材デビュー!但馬ミツロの衝撃

ボクシングといえば、なんといってもヘビー級ボクサーの映画「ロッキー」ですね。迫力があって素晴らしい人間ドラマでいつも感動的なエンディングで終わりますよね・・・。ちなみに世界目線で見て、比較的に小柄な日本人ですが、重量級クラスではミドル級(72.57kg)のチャンピオンは2人います。その中でも、最重量級クラスで最初にチャンピオンとなったのは竹原慎二氏です。彼は、無敗のまま日本王者と東洋太平洋王者、そして世界王者と登り詰めています。

WBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太

WBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太

そして、もう一人、現WBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太氏が存在しています。最初は、ロンドン五輪で金メダリストを獲得し、その後はプロでも世界のベルトを奪取し、日本で初めてアマとプロ両方で世界を制したボクサーになりました。実際に日本では重量級は層が薄くて、スーパーミドル級(76.2kg)以上では、未だに世界王者は生まれていません。

しかし、以前から世界を狙えるようなヘビー級の日本チャンピオンや日本ランカーは存在しているようです。後は、日本選手の体格が大型化して層を厚くしていけば、いずれは、メジャーリーガーの「大谷翔平」やマスターズ制覇を果たした「松山英樹」のように世界ヘビー級王者というスターが誕生すると信じています。


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5月17日の誕生花「ボタン」

「ボタン」牡丹

基本情報

  • 学名Paeonia suffruticosaosa
  • 英名:Tree Peony
  • 科名:ボタン科(Paeoniaceae)
  • 原産地:中国(特に中国中部)
  • 開花時期:4月下旬~5月中旬
  • 花の色:赤、ピンク、白、黄色、紫など
  • 草丈:約1~1.5m(低木)

ボタンについて

特徴

  • 豪華で大輪の花:直径20cm以上にもなる花を咲かせ、「花の王」とも呼ばれる。
  • 落葉低木:多年生の低木で、冬には葉を落とし、春に新芽と共に花を咲かせる。
  • 品種が豊富:改良が進み、数百以上の品種が存在する。
  • 観賞用として人気:庭園、寺院、公園などでよく見られる。

花言葉:「富貴」

● 意味:「富貴(ふうき)」=「豊かで高貴なこと」「富みと名誉」

● 由来の背景:

  1. 見た目の豪華さ
     牡丹の花は非常に大きく華やかで、まるで絹のような花びらを幾重にも重ねる姿は、富や栄華を象徴します。その姿がまさに「富」と「貴」を体現しているとされました。
  2. 古代中国での評価
     中国では唐の時代から牡丹は「花王(かおう)」と呼ばれ、皇族や貴族の庭に植えられていました。「富貴花」とも呼ばれ、繁栄や吉兆の象徴とされました。
  3. 文芸や絵画での扱い
     詩や屏風絵、浮世絵などにも牡丹は高貴な花としてしばしば登場します。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という美人の例えにも登場するように、気品ある美の象徴でもありました。

◆ 関連する花言葉

  • 王者の風格
  • 高貴
  • 壮麗
  • 風格

「富貴の庭」

春の終わり、風がやわらかく花を揺らす季節。古都・洛陽の外れに、小さな屋敷があった。そこには、かつて宮廷の女官だった一人の老女、姚(よう)が静かに暮らしていた。

姚の庭には、毎年見事な牡丹が咲く。それはかつて、唐の皇帝から賜ったという由緒ある牡丹の子孫だった。今やその品種は絶え、姚の庭にしか咲かぬ幻の花と噂されていた。

町の者は「富貴の庭」と呼び、遠くから花を見に来る者もいたが、姚は決して庭の門を開かない。ただ一人、隣家の少女・霜蘭(そうらん)だけが、毎年その花を間近で見ることを許されていた。

姚と霜蘭は、血のつながりはないが、まるで祖母と孫のような関係だった。霜蘭がまだ幼い頃、両親を疫病で亡くし、泣きながら門の前で座っていたのを、姚が拾い上げたのが縁だった。

ある年の春、霜蘭は姚に尋ねた。

「どうして牡丹は“富貴の花”って呼ばれるの?」

姚は微笑んで、語りはじめた。

「昔、唐の都でね、牡丹は“花王”と呼ばれていたのよ。その姿は、まるで天の絵筆が描いたように美しくて。皇后さまや妃たちは競ってこの花を咲かせたの。花が咲けば、富と栄華が訪れると信じていたのね」

「でも、それってほんとうの“富貴”なの?」

霜蘭の問いに、姚は少し驚いたような顔をしてから、ゆっくりと首を横に振った。

「いいえ。あれは表の富貴。目に見えるもの。でもね、霜蘭、牡丹はそれだけの花じゃないの」

そう言って、姚は花びらにそっと触れた。

「牡丹はね、厳しい冬を越えて、じっと耐えたあとに咲くの。その忍耐と、咲いたときの誇り高さ――それが本当の“富”であり、“貴”なの。だから、花は語るのよ。“咲く時を知れ。己を知れ”とね」

霜蘭はその言葉を胸に刻んだ。

月日が流れ、姚は老い、ある春の朝に静かに息を引き取った。その日、牡丹はこれまでにないほど大きく、美しく咲いた。花は風に揺れ、まるで姚の最後の言葉を伝えるかのようだった。

姚の遺志により、「富貴の庭」は霜蘭に託された。少女はやがて成長し、その庭を守り続けることを誓った。やがて霜蘭の手で、牡丹は再び都の庭園や寺に広まり、多くの人々の目と心を潤すことになる。

そして春が巡るたび、「富貴」の意味を問う者が現れる。霜蘭はいつも笑ってこう答える。

「富とは、与えられたものでなく、育んだもの。貴とは、見せびらかすものでなく、心に宿すもの。そう、あの人が教えてくれたのです」

牡丹は今日も咲く。まるでその言葉を、静かに証明するかのように。

ファイバーの日

5月18日はファイバーの日です

5月18日はファイバーの日

5月18日のこの日は、ファイバー(食物繊維)に関する情報提供を行っている学術団体「ファイバーアカデミア」が2005年に記念日として制定しました。また、この日付は(5⇒ファイブ 1⇒い 8⇒ば)で「ファイバー」という語呂合わせから決定されたそうです。そしてその目的は、食物繊維を摂取することの大切さを再認識してもらうためです。

食物繊維

食物繊維の豊富な食べ物

食物繊維とは、食べ物に含まれている人間の体内で消化酵素力によって分解ができない成分です。また、ほとんどの食物繊維は、単糖が数多く結合した多糖類に分類されますが、消化されなくてエネルギー源にはなりません。そして、この食物繊維は大きく分けて、水に溶ける「水溶性食物繊維」と溶けない「不溶性食物繊維」が存在します。以前は、便秘を解消する成分くらいにしか知られていませんでしたが、長年の研究により、食物繊維の健康への有効性が次々と証明されはじめて、現代では他にも様々な病気の予防に役立つ重要な栄養素として認められているそうです。

水溶性と不溶性食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は体内で吸収されませんが、健康維持に重要な役割を果たしていて、第六の栄養素といわれ現在では注目されています。また、いずれも大腸内の細菌により発酵・分解され、善玉腸内細菌であるビフィズス菌などの餌になるため、これらの善玉菌が増殖し、腸内環境が改善されるそうです。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維が多い食材

水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になる性質により、便を柔らかくして排泄を促し、糖質などの栄養素の吸収を抑えてくれます。また、腸内に存在する「善玉菌」のエサになり、善玉菌を増やす役割も果たします。腸内には、「善玉菌」や「悪玉菌」以外にも、「日和見菌」も存在しています。この日和見菌は善玉菌にも悪玉菌にも変化するので、できるだけ善玉菌を増やす方向へとバランスを保つことが大切です。

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維の多い食材

不溶性食物繊維は、水に溶けないために水分を吸収して膨張させることで腸を刺激し、大腸の蠕動運動(腸管の口側が収縮し、肛門側が弛緩して内容物を先へ押し出していく運動のこと)を促して排便を助けます。また、便の量を増やして排泄しやすくしてくれる効果も期待できるそうです。

サプリメントの効果

食物繊維とサプリメント

私たちは最近、ビタミンやカルシウムなどの栄養や食物繊維まで気軽に摂取するためにサプリメントで済ませようという傾向にあります。しかし、食物繊維のサプリメントは食品と違い、過剰摂取してしまう可能性があり、下痢をしたり、血糖値のコントロールが上手にできずに低血糖となってしまうことがあるそうです。なのでその際には、まずは昆布レンコンなど食物繊維が豊富な食材を食べ、それに補う形でサプリメントを適正量を守り、身体との相性も理解した上の摂取をお勧めします。


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5月16日の誕生花「モッコウバラ」

「モッコウバラ」

基本情報

和名 :モッコウバラ(木香薔薇)
学名 :Rosa banksiae
英名 :Lady Banks’ rose
原産地 :中国西南部
分類 :バラ科 バラ属(つる性低木)
開花時期 :4月〜5月(春)
花の色: 黄色、白(白花の方が香りが強い)
香り:白花は強い芳香(スパイシーな香り)、黄花はやや弱め
耐寒性・耐暑性 強い(育てやすい)

モッコウバラについて

特徴

  • 棘(とげ)がない:多くのバラとは異なり、モッコウバラにはほとんど棘がありません。扱いやすく、庭やフェンスに向いています。
  • つる性で成長が早い:壁面やアーチ、フェンスなどに誘引することで、美しい緑と花で覆うことができます。
  • 病害虫に強い:比較的手がかからず、初心者にも育てやすいバラです。
  • 一季咲き:春に一度だけ咲くタイプで、開花期間は短いですが非常に華やかです。

花言葉:「初恋」

モッコウバラの花言葉の一つに「初恋」があります。その由来には以下のような背景が考えられています:

  • 可憐で控えめな美しさ:モッコウバラの花は、他のバラと比べて小さくて控えめ。それでも群れ咲く姿は非常に美しく、どこか淡く、はかない印象を与えます。これはまさに「初恋」のような、淡くてピュアな感情を連想させるものです。
  • 春に咲く一季咲きのはかなさ:一度だけ咲いて、短い期間で散ってしまうモッコウバラの花は、時に終わりを迎える「初恋」の儚さとも重なります。
  • 淡い色合い:淡い黄色や白い花は、柔らかく優しい印象を与え、純粋な感情を象徴します。

「モッコウバラのころ」

春の風が吹いた午後、古びた校舎の裏手に咲くモッコウバラを、静かに見つめている少女がいた。

高校三年生になったばかりの佐和は、この場所が好きだった。壁一面を覆うように咲く小さな黄色い花たちは、毎年、春が来たことを教えてくれる。淡くて、控えめで、けれど群れ咲く姿はどこか胸を打った。

モッコウバラを初めて知ったのは、二年前。雨上がりの放課後、傘を忘れて困っていた佐和に、一本の傘を差し出してくれたのが、同じ学年の男の子、湊(みなと)だった。

「このへん、滑りやすいから気をつけて」

優しい声と、少しだけ照れたような笑顔。

それがふたりの、静かな始まりだった。

会話は多くなかった。話したとしても、天気や授業のことくらい。でも、佐和にとってその何気ないやり取りが、特別だった。湊とすれ違うだけで、胸がふわりと浮くような感覚になった。

それが「好き」だと気づいたのは、春休みが終わるころ。モッコウバラがつぼみを膨らませはじめた季節だった。

けれど、佐和は気持ちを伝えられないまま一年が過ぎた。

そして今春、ふたりは別々のクラスになった。

廊下ですれ違っても、もう目が合うことはない。あの春のやさしい時間は、夢だったのかもしれないと、佐和は時折思う。

今日も、昼休みの隙間に、ひとりモッコウバラの前に立つ。そっと目を閉じて香りを吸い込むと、あのとき湊が言った言葉が、ふと蘇った。

「この花、いい匂いするんだよ。知ってた? 木香薔薇っていうんだって。花言葉はね、『初恋』なんだって」

あのときは、なんでもないように聞いていた。でも、もしかして――そう思っても、答えはもう過去に置いてきた。

ふいに風が吹いた。黄色い花びらが、一枚、二枚と舞う。

ふと、背後から足音が聞こえた。

「やっぱり、ここにいたんだね」

声の主は、湊だった。

佐和の胸が跳ねる。

「この花、今年も綺麗に咲いたね」

湊の声は、変わっていなかった。優しくて、少し照れている。

「うん…綺麗。…また、春が来たんだね」

「……俺、覚えてるよ。ここで初めて話した日」

佐和は息を呑んだ。

「俺、ずっと…言いたかったんだ」

モッコウバラの香りが、やさしく二人を包み込む。

その瞬間、黄色い花びらが舞い上がった。

まるで、それが二人の新しい春を祝福するように――

世界高血圧デー

5月17日は世界高血圧デーです

5月17日は世界高血圧デー

「世界高血圧デー」は、世界高血圧連盟が2005年に制定しました。また、日本でもこの日に習い、「日本高血圧学会」(特定非営利活動法人)と「日本高血圧協会」が、2007年に「高血圧の日」として制定しています。

高血圧

高血圧

ある統計では、血圧が高いほど脳卒中のリスクが高くなるのは明らかになっています。また、高血圧が影響する病気は脳卒中だけではなく、脳以外にも多くの臓器などに様々な形で合併症などの悪影響を及ぼすそうです。

高血圧の定義

血圧値

血圧は、ちょっとした動作や体感の変化でもで上昇します。このような一時的な血圧の上昇は、高血圧とは呼びません。高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態(血圧値の上が140mmHg以上の時や下が90mmHg以上の時、またはその両方を満たす場合) をいいます。

高血圧の治療法

高血圧の治療法

生活習慣などが要因とされる本態性高血圧症は、血圧上昇につながる生活習慣の改善、薬物療法の組み合わせで行います。例えば、食生活で塩分摂取量を1日6g以下に抑え、動物性脂肪を控えるなどの食事療法を行います。日常的な軽い運動や禁煙、体重管理などの指導も行います。

降圧薬

降圧薬などの薬剤

軽い高血圧症と判断されたケースは、生活習慣の改善で血圧が正常になることもありますが、そこで改善されないケースは、「降圧薬」を服用します。この「降圧薬」には、血管を広げる働きのあるカルシウム拮抗薬、血圧を上昇させるホルモンの働きを抑制する「ACE阻害薬」や「ARB」、循環する血液量を減らす「利尿薬」、交感神経が過剰に働くことを抑える「β遮断薬」などが存在し、各々症状に応じて複数の薬を組み合わせて服用していきます。

人は老いと同時に病気のリスクとも闘う

継続的な健康管理

私の年齢は現在50代前半ですが、医者に食事療法や生活習慣の見直し、そして2種類の降圧薬を組み合わせた治療を継続しています。このことで効率良く血圧を下げる効果が期待しています。この高血圧、30代半ばあたりから指摘されていました。その結果、47歳で脳出血を引き起こし、その後遺症で左半身麻痺の障害が残ってしまいました。だからこそ、今日のこの日は自分にとって高血圧や血栓予防などを意識しなければならない重要な日でもあるのです。


「世界高血圧デー」に関するツイート集

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5月15日の誕生花「カルミア」

「カルミア」

基本情報

  • 学名Kalmia latifolia
  • 和名:アメリカシャクナゲ
  • 英名:Mountain Laurel(マウンテン・ローレル)
  • 科名/属名:ツツジ科 カルミア属
  • 原産地:北アメリカ東部
  • 開花時期:5月上旬~6月中旬
  • 花の色:ピンク、白、赤など
  • 樹高:2~3m程度(園芸品種では低めも多い)

カルミアについて

特徴

  • 花の形:星形または皿状の花が多数集まって咲きます。紙細工のように整った形状が特徴的で、「お菓子のよう」と表現されることも。
  • 蕾(つぼみ):五角形のような形で、まるでキャンディや折り紙のようなかわいらしさがあります。
  • :細長く光沢があり、シャクナゲに似ています。
  • 性質:日当たりを好みますが、強すぎる直射日光は苦手。耐寒性は比較的高いです。
  • 毒性:すべての部位にグラヤノトキシンという毒が含まれており、摂取すると中毒の恐れがあります。

花言葉:「大きな希望」

カルミアの花言葉の一つに「大きな希望」があります。その由来は主に以下のように説明されています。

  • 花の成長と開花の様子が希望を感じさせるから
     カルミアの蕾は固く閉じた五角形から、ぱっと開いた星形に変化します。その姿が、閉ざされた状況から明るく開ける未来への「希望」を連想させるためといわれます。
  • 山地に咲く姿が力強く、美しく印象的
     原産地のアメリカ東部では、険しい山岳地帯でもしっかりと根を張り、美しい花を咲かせます。そのたくましさと美しさが「逆境にも希望を持って咲く」イメージにつながっています。
  • アメリカの州花でもある(コネチカット州、ペンシルベニア州)
     国家的な誇りや希望の象徴として扱われていることも、花言葉に影響を与えている可能性があります。

「カルミアの丘で」

五月の風が山を渡り、若草をなでるように吹き抜けていく。山の中腹、雑木林の切れ間にひっそりと広がる一角に、カルミアの群生地があった。

その丘を、少女・結花(ゆいか)は祖父とともに毎年訪れていた。カルミアが満開になる頃、まるで星が地上に降り立ったように、無数の花が咲き誇る。その景色は、彼女が幼い頃から何度も見てきた、心のアルバムの中の一頁だった。

しかし今年は、少し違った。

祖父は、もうこの丘に来ることができなかった。冬の終わり、長く患っていた病が彼を連れていったのだ。結花は、祖父の遺品の中にあったノートを持って丘へ来た。中には丁寧な字で綴られた日記が残されていた。

――「カルミアの蕾を見るたびに、わしは希望を感じる。固く閉ざされたあの形が、やがてぱっと開いて、星になる。人の心もきっと同じだ。悲しみも、不安も、やがて花開く日がくる。」

ページをめくるたび、祖父の思い出が胸にあふれてきた。

彼はかつてこの丘の保護活動に携わっていた。開発計画が持ち上がった時も、地域の人たちと声を上げて守ってきた。結花がこの丘を「希望の丘」と呼ぶようになったのも、祖父がそう話していたからだ。

丘に着くと、カルミアたちはまさに満開を迎えていた。風に揺れる無数の花。あの不思議な形の蕾も、もうすぐ開くだろう。紙細工のような形、折りたたまれた夢のような形。

結花は腰を下ろし、ノートを膝に広げた。最後のページに、祖父の筆跡が少し揺れて残っていた。

――「いつか、おまえがこの丘を見上げる日が来たら思い出してほしい。人生に暗い時があっても、カルミアはまた咲く。大きな希望は、そこにある。」

目頭が熱くなった。けれど、不思議と涙はこぼれなかった。

代わりに、風が吹きぬけた。丘に咲くカルミアたちが一斉にそよぎ、まるで花々が笑っているように見えた。

「ありがとう、おじいちゃん。」

そうつぶやくと、結花はノートをそっと閉じた。

彼女の中で何かがはっきりと芽生えたのを感じた。この丘を、花を、そして祖父の想いを、ずっと守っていこうと。

空を見上げると、白い雲がゆっくりと流れていた。その下で、カルミアの星たちが、まるで夜空を映すように輝いていた。

それは、確かに――
「大きな希望」の風景だった。

旅の日

5月16日は旅の日です

5月16日は旅の日

1689年5月16日、俳人である松尾芭蕉が江戸を出発し、あの有名な「奥の細道」の旅へと旅立ちました。そしてこの日は、旅を愛する作家や芸術家などにより、結成された「日本旅のペンクラブ」が1988年に「旅の日」として制定しました。

奥の細道

奥の細道

「奥の細道」は、江戸中期の俳諧紀行であり、1689年に松尾芭蕉が門人の曽良と江戸深川(現在の東京都江東区)を出発し、「奥州」から「北陸の名所」、「旧跡」を巡って、8月の大垣までの紀行を、俳諧を交えて書き記したしたものです。その年の旧暦3月27日(5月16日)に芭蕉は、門人曽良を伴って江戸の深川を出発、東北・北陸地方を巡ると、8月21日に大垣に到着しています。その期間はおよそ5か月間にわたる旅の道のりは、2,400㎞にも及んで、1日に換算すると、30~40㎞ぐらい歩く日もあったとか。

旅の目的とは

瀬田の唐橋

「奥の細道」の旅は、松尾芭蕉にとって歌枕(平安時代や鎌倉時代に和歌で記された名所)を巡りながら昔の人の心境を感じ、自分の心を重ね合わせて俳諧を和歌や連歌と同等の文芸に位置づけたいとの意識を強く持った旅だったそうです。また、東北や北陸地方の人々や未知の俳人たちとの出会いも同じように大きな期待を寄せた旅でもあって、実際でも各地の人々と交流の中から数多くの名句が生まれてきたとのことです。ちなみに、奥の細道の旅程と各地で詠まれた俳句は、「日光路の句」「奥州路の句」「出羽路の句」「北陸路の句」でした。

松尾芭蕉

松尾芭蕉,、銅像

松尾芭蕉は、「俳諧」を芸術として完成させた江戸時代前期の人物です。名前の「芭蕉」は、彼が1680年頃に名乗っていた俳句を作る人が名乗る「俳号」(俳句を作る人が名乗るペンネーム的なもの)であり、本名は松尾宗房でした。芭蕉は、伊賀国(現在の三重県)の農民として生まれて10代後半の頃より、当時有名だった俳の北村季吟の下で俳諧の勉強を始めまていました。その後は、江戸で武士や商人に俳句を教えながら自身も様々な作品を発表しています。その中でも「古池や蛙(かわず)飛びこむ水の音」という蛙の俳句は、芭蕉の俳句の中で最も有名な作品でもあります。

俳句の魅力

最上川

我々素人からみた俳句の魅力とは、短い十七語から生み出されるリズム感のよい短い文章の中から、いかに作った当人の心境より浮かびだされる景色を、読む人もその風景と心境を共有できるかというものではないでしょうか!そして、その想像力を膨らませ、きっと自分なりのドラマを作り出す楽しみに面白さがあるような気がします。



≫ その他の記念日

過去6日までの記念日です。


「旅の日」に関するツイート集

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