12月22日の誕生花「カネノナルキ」

「カネノナルキ」

基本情報

  • 和名:カネノナルキ(金のなる木)
  • 学名:Crassula ovata(Crassula portulacea)
  • 科名:ベンケイソウ科
  • 原産地:南アフリカ
  • 生育形態:多肉植物・常緑低木
  • 開花時期:11月~2月 冬〜春(環境が整った場合)
  • 花色:白〜淡いピンク
  • 栽培場所:室内・屋外(霜を避ける)

カネノナルキについて

特徴

  • 丸く厚みのある葉が硬貨のように見える
  • 丈夫で育てやすく、乾燥に強い
  • 年月をかけて幹が太くなり、木のような姿に育つ
  • 挿し木で簡単に増やせる
  • 風水・縁起物として親しまれている

花言葉:「幸運を招く」

由来

  • 葉の形が「お金=富」を連想させることから
  • 成長がゆっくりだが着実で、安定や繁栄の象徴とされた
  • 丈夫で長く育つ性質が、継続的な幸運を重ねられた
  • 贈り物として「豊かさが根付く」願いを込められるようになった

「窓辺に根づくもの」

その鉢植えは、派手さとは無縁だった。艶のある緑の葉が、規則正しく重なり合い、窓辺の光を静かに受け止めている。葉はどれも丸く、厚みがあり、まるで小さな硬貨を枝先に連ねたようだった。

 「カネノナルキだよ」

 そう言って差し出したのは、叔父だった。久しぶりに訪ねた実家で、引っ越し祝いとして渡されたものだ。

 「縁起物なんだ。すぐには何も変わらないけど、ちゃんと世話をすれば、ゆっくり、確実に育つ」

 真帆は曖昧に笑って受け取った。その頃の彼女は、縁起や幸運といった言葉を、どこか信用できずにいた。仕事は思うように評価されず、貯金も増えない。努力が報われる実感を持てずにいたからだ。

 一人暮らしのアパートに戻り、真帆はカネノナルキを窓辺に置いた。水やりは控えめに。日当たりを確保して、たまに葉を拭く。それだけの世話だった。

 最初の数ヶ月、植物はほとんど変わらなかった。新しい葉が出るわけでも、目に見えて背が伸びるわけでもない。真帆は時折、ため息をつきながら鉢を眺めた。

 「やっぱり、すぐに結果なんて出ないよね」

 仕事も同じだった。地道な資料作り、裏方の調整、誰かが困ったときのフォロー。それらは評価表に直接書かれることは少ない。それでも、真帆は手を抜かなかった。気づけば、同僚たちから自然と相談を受けるようになっていた。

 ある日、窓辺のカネノナルキに、見慣れない変化があることに気づいた。葉と葉の間から、小さな新芽が顔を出していたのだ。ほんのわずかだが、確かに増えている。

 そのとき、叔父の言葉を思い出した。「ゆっくり、確実に育つ」。

 それから真帆は、以前より丁寧に植物を見るようになった。急がせない。比べない。ただ、今日できる世話をする。

 季節が巡り、一年が過ぎた頃、カネノナルキはひと回り大きくなっていた。幹も少しずつ太くなり、鉢にしっかりと根を張っているのが伝わってくる。

 同じ頃、職場でも変化があった。真帆は新しいプロジェクトの調整役に選ばれた。派手なポジションではないが、全体を支える重要な役割だった。

 「あなたがいると、安心する」

 上司にそう言われたとき、胸の奥に温かなものが広がった。それは突然舞い込む幸運ではなく、積み重ねてきた時間が形になった瞬間だった。

 給料が急に増えたわけでも、劇的に生活が変わったわけでもない。それでも、心は不思議と安定していた。貯金は少しずつ増え、毎月の生活にも余裕が生まれていた。

 ある週末、真帆は同僚の引っ越し祝いに、小さなカネノナルキを贈った。

 「すぐには変わらないけどね。でも、ちゃんと根づくよ」

 そう言って手渡すと、相手は微笑んだ。

 窓辺のカネノナルキは今日も変わらず、静かにそこにある。目立たず、騒がず、ただ長く生きる。

 真帆は思う。幸運とは、突然降ってくるものではない。日々の中で育て、根を張らせ、気づいたときには、もう自分のそばにあるものなのだと。

 丸い葉が光を受けて、やさしく輝いていた。それは「幸運を招く」という言葉の、本当の意味のように見えた。

11月24日、12月22日の誕生花「セントポーレア」

「セントポーレア」

Jiří KouřílekによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名:Saintpaulia(※近年は Streptocarpus sect. Saintpaulia に分類されることも)
  • 和名:アフリカスミレ
  • 英名:African Violet
  • 科名:イワタバコ科
  • 原産地:タンザニア、ケニアなどの東アフリカ高地
  • 開花期:9月~6月一年を通して咲きやすい(室内栽培向き)
  • 花色:紫・青・ピンク・白・複色など多様
  • 草丈:10~15cmほどの小型多年草

セントポーレアについて

Gini GeorgeによるPixabayからの画像

特徴

  • コンパクトな株姿で、室内でも育てやすい人気の鉢花。
  • 肉厚で柔らかな葉に細かな毛が生えており、円形にロゼット状で広がる。
  • 花は小ぶりだが種類が豊富で、八重咲き・フリル咲き・覆輪など多彩な品種がある。
  • 半日陰を好み、直射日光に弱いため、窓辺や室内の明るい日陰で育つ。
  • 多湿は苦手だが、**適度な湿度と一定の温度(20〜25℃)**が保たれると長期間開花する。
  • 葉挿しで簡単に増やすことができ、初心者でも挑戦しやすい。

花言葉:「小さな愛」

PeggychoucairによるPixabayからの画像

由来

  • セントポーレアは、手のひらにおさまるほど小さな株から、可憐な花を次々と咲かせる。
    → その控えめで愛らしい姿が「小さな愛情」「そっと寄り添う思い」を連想させた。
  • 目立たないのに、近くで見ると驚くほど繊細で美しい花を咲かせることから、
    → **“大きくはないけれど、確かにそこにある愛”**という意味を象徴している。
  • 東アフリカの過酷な環境でも、小さな花を一生懸命咲かせていた植物であることから、
    ひかえめながらも健気に続く愛情を象徴すると考えられた。
  • そのため、
    「小さな愛」「可憐な愛情」「ほほえみ」
    などの花言葉がつけられたとされる。

「小さな花が照らす場所で」

HansによるPixabayからの画像

放課後の図書室は、窓から差し込む柔らかな陽光で満ちていた。
 その光を受けて、小さな鉢植えが静かにたたずんでいる。紫がかった小さな花が、まるで囁くように揺れた。

 ――セントポーレア。

 瑠衣(るい)はその花の前に立ち止まった。
 図書委員の仕事で机を拭いているとき、ふと視界の端で光ったのだ。

 「……まだ咲いてるんだ」

 小ぶりな株から生まれる、控えめで可憐な花。
 手のひらにそっと乗りそうなくらい小さいのに、近くで見るとびっくりするほど繊細で、精密な細工のように美しい。

 瑠衣は、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

 「それ、好きなの?」

 突然声がして振り返ると、クラスメイトの遥斗(はると)が本を抱えて立っていた。
 彼は図書室によく来るが、こうして話しかけてくるのは珍しい。

 「うん。なんか……かわいいよね」

 瑠衣が答えると、遥斗は少し笑った。

 「この花、強いんだよ。東アフリカの山の中で生きてて、過酷な場所でも少しずつ花を咲かせる。小さいけど、ちゃんと咲いてる」

 瑠衣は目を瞬いた。

 「そうなんだ……全然知らなかった」

 「なんか、瑠衣みたいだなって」

 思わぬ言葉に、瑠衣は手を止めた。

 「わ、私……?」

 遥斗は少し照れくさそうに視線をそらした。

 「目立つタイプじゃないけど、誰かのために静かに頑張ってる。小さくても、ちゃんと誰かを支えてる。……そういうとこ、すごいと思う」

 胸が小さく震えた。
 自分でも気づかなかった気持ちが、そっと台の上に置かれたようだった。

 瑠衣は、机の上のセントポーレアに目を落とした。

 「この花の花言葉、知ってる?」

 遥斗が問いかける。

 瑠衣は小さく首を振った。

 「“小さな愛”、っていうらしい」

 図書室の空気が、ひときわ静かに感じられた。
 まるで、この場所だけ時間がゆっくり流れているようだった。

 「大きく目立つわけじゃない。でも、確かにそこにあって……そっと寄り添ってくれるような愛情。そういう意味なんだって」

 遥斗は、机に置かれた小さな花をそっと見つめた。

 「俺、ああいうの……すごくいいと思う。派手じゃないけど、嘘じゃない。ちゃんと誰かのそばで灯ってるみたいな愛」

 瑠衣は息を呑んだ。

 セントポーレアの花びらが、夕方の光を受けてわずかに輝いた。
 その小さな花は、まるで本当にふたりに寄り添っているように見えた。

 「……ねえ、遥斗」

 「ん?」

 「私も、そういう愛が好き。大きくなくても、確かにそこにある気持ち……」

 言葉が喉の奥で少し震える。
 けれど、今なら言える気がした。

 「あなたの言葉、嬉しかったよ」

 遥斗はゆっくりと微笑んだ。

 「ならよかった。……これからも、話していい?」

 「もちろん」

 小さく、でも確かに花開くように瑠衣は笑った。

 図書室の静寂の中で、セントポーレアはふたりを包むように咲いていた。
 まるで“ほほえみ”そのものを形にしたように――
 控えめで、けれど確かな愛を灯しながら。

ジェネリック医薬品の日

12月22日はジェネリック医薬品の日です

12月22日はジェネリック医薬品の日

1997年12月22日は、厚生労働省が「ジェネリック医薬品」承認のための科学的基準を定めた重要な日です。この日を記念して、東京都大田区に事務局を置くNPO法人ジェネリック医薬品協議会が「ジェネリック医薬品の日」として制定しました。ジェネリック医薬品は、患者さんの経済的負担を軽減し、医療の持続可能性を支える重要な役割を果たしています。この記念日は、ジェネリック医薬品の普及とその価値を広く伝えるためのきっかけとなっています。

ジェネリック医薬品

体温計と薬

ジェネリック医薬品は、「新薬」の特許が切れた後に販売される、新薬の「有効成分」や「品質」「効き目」「安全性」が同等の薬剤として国から認められたものです。また、新薬に比べ比較的にコストが抑えられるため、新薬より低価格で販売することが可能となりました。

先発医薬品と後発医薬品

カプセルと錠剤

医療用医薬品は、新薬と呼ばれる「先発医薬品」とジェネリック医薬品の「後発医薬品」に分かれます。新薬は、9~17年間の年月と、数百億円以上の大金を費やし開発されます。したがって、先に開発した製薬会社は特許の出願し、その期間はその薬を独占的に製造販売する権利が与えられます。しかし、特許期間が過ぎればその権利は国民の共有財産となります。そうなれば、他社から同じ有効成分の薬を製造販売することが可能となります。いわゆるそれが、ジェネリック医薬品ということです。

医療薬品の救済制度

ワクチンや薬

医薬品は、救済制度というものがあり、新薬(先発医薬品)、ジェネリック医薬品のどちらもにも適用されるそうです。その救済制度は、「医薬品副作用被害救済制度」というものです。

医薬品副作用被害救済制度

錠剤

医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用しても副作用の発生によって、入院治療が必要なほどの障害などの被害を受けた時に対し、医療費などの給付を行う制度です。

大病にならずに生きて行けるのも薬のお陰

薬と薬ケース

現在、私自身が毎日欠かさず飲んでいる薬があります。それは、血圧を下げる薬で日本ジェネリックの「テラムロ配合錠AP」というものです。これも先発医薬品があり、元々は日本ベーリンガーインゲルハイムの「ミカムロ配合錠AP」です。これは、薬局の薬剤師さんに勧められ、途中でジェネリック医薬品に切り替えてもらいました。また、脳出血で倒れないためにも、毎日飲まないといけない薬なので低価格で買えるというのは、本当に助かります。


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12月21日の誕生花「白いツバキ」

「白いツバキ」

基本情報

  • 和名:ツバキ(椿)
  • 別名:白椿
  • 学名Camellia japonica
  • 科名/属名:ツバキ科/ツバキ属
  • 原産地:本州、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島南部、中国(山東、浙江)
  • 開花時期:11月~12月、2月~4月
  • 花色:白
  • 樹形:常緑高木(庭木・生け垣として利用される)

白いツバキについて

特徴

  • 凛とした白い花
    赤やピンクの椿と比べ、白椿は装飾性よりも静けさや清廉さが際立ちます。雪の中でも映える、澄んだ存在感があります。
  • 花が丸ごと落ちる性質
    ツバキは花弁が散らず、花全体がぽとりと落ちるのが特徴です。この姿は、潔さや覚悟を連想させ、日本文化の中で特別な意味を持ってきました。
  • 光沢のある常緑の葉
    厚く濃緑色の葉は一年中美しく、花の白さをいっそう引き立てます。花のない季節でも品格を保つ樹木です。
  • 日本文化との深い結びつき
    茶花、庭木、和歌や絵画の題材として古くから親しまれ、特に白椿は「控えめな美」の象徴とされてきました。

花言葉:「誇り」

由来

白いツバキの花言葉「誇り」は、次のような理由から生まれたと考えられています。

  • 飾らず、媚びない美しさ
    白椿は華やかに主張することなく、静かにそこに咲きます。その姿は、自分を誇示しない“内に秘めた誇り”を思わせます。
  • 花の散り方が象徴する潔さ
    花びらがばらばらに散らず、咲いた姿のまま落ちる様子は、信念を曲げずに終わりを迎える姿と重ねられました。
    これは「誇り高く生きる」「最後まで自分を保つ」という意味合いにつながっています。
  • 冬に咲く強さと気高さ
    厳しい寒さの中でも淡々と咲く白椿は、困難な状況でも品位を失わない精神の象徴とされ、「誇り」という言葉がふさわしい花とされました。

「白のまま、立つ」

境内の奥に、その白椿はあった。
 誰に見せるでもなく、誰を待つでもなく、古い石灯籠の影に身を置いたまま、冬の終わりを受け入れるように咲いていた。

 由依は毎朝、その前を通った。参拝客の多くは朱色の鳥居や梅の枝に目を奪われ、白椿の存在に気づくことはほとんどない。それでも由依は、足を止め、必ず一度だけ視線を向ける。
 理由は、うまく言葉にできなかった。

 仕事では、要領の良い人間が評価される。声の大きな意見が通り、慎重な考えは後回しにされる。由依は自分の誠実さが、いつの間にか弱さとして扱われていることに気づいていた。合わせれば楽だと分かっているのに、それができない。だから、少しずつ疲れていた。

 ある朝、白椿の根元に、落ちた花があった。
 花びらは散らばらず、咲いたときの形をそのまま残して、静かに地面に横たわっている。

 由依は思わず膝をついた。
 きれいだ、と思ったのではない。
 ただ、「こういう終わり方があるのか」と、胸の奥がわずかに揺れた。

 咲いている間、白椿は目立たない。香りも強くないし、色も控えめだ。だが、だからこそ、自分を飾る必要がない。
 そして、終わるときも同じだ。ばらばらになって風に任せることもなく、最後まで自分の形を守る。

 「誇り、か……」

 誰に聞かせるでもなく、由依はつぶやいた。
 誇りとは、胸を張ることではない。勝ち取ることでも、認めさせることでもない。
 たぶんそれは、自分を裏切らないことだ。状況が厳しくても、寒さが続いても、淡々と、白のままで立ち続けること。

 その日、由依は職場で初めて、自分の意見を言った。声は震えたし、空気が少しだけ重くなった。それでも、引き下がらなかった。
 結果がどうなるかは分からない。だが、不思議と後悔はなかった。

 帰り道、境内に立ち寄ると、白椿はまだ枝に残っていた。
 冬の光を受け、静かに、変わらぬ姿で。

 由依は小さく息を吸い、胸の内でそっと言った。
 ――私は、私のままでいい。

 白椿は何も答えなかった。
 それでも、その沈黙は、十分すぎるほどの肯定だった。

バスケットボールの日

12月21日はバスケットボールの日です

12月21日はバスケットボールの日

1891年の12月21日、アメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールドの国際YMCAトレーニングスクール(現在のスプリングフィールド大学)にて、バスケットボールの初の試合が行われました。そこで、バスケットボール解説者の島本和彦が提唱し、「12月21日はバスケットボールの日!委員会」が2011年から実施されています。

バスケットボールの歴史

バスケットボールの歴史

バスケットボールは、1891年秋にアメリカ・マサチューセッツ州スプリングフィールド、現在のスプリングフィールド大学教師であるジェームス・ネイスミスによって創案されました。

背景とルール

バスケットボールしている学生

バスケットボールが生まれた背景は、戸外スポーツが困難になる秋末期から冬場にかけ、「L.H.ギューリック」(アメリカの行政学者)から人々を室内体育館に引き付ける十分な魅力を持つ新しいスポーツを創案するように命じられ、ネイスミスは以下のようなルールを考案に着手しています。

1.軽く両手で持てる大きさのボールを使用。
2.ボールを持って走ることは禁止。
3.ゲーム中、いつでも誰でもプレイ出来る。
4.コート内ならどこでプレイがOK。
5.プレイ中の身体接触は一切禁止。

サッカーなどの室内ゲーム化は断念

バスケットゴール

実際にサッカー・ラクロス・アメリカンフットボールを室内ゲーム化することをチャレンジして、全て断念するほど効果はなかったそうです。

「岩の上の鴨」という遊びから

ビーチでバスケ

バスケットボールは、アメリカンフットボールのタックルを除去することをきっかけに、さらに少年時代によく遊んだ「岩の上の鴨」という遊びをヒントに生まれたようです。また、それはゴールを頭上の高い所に置き、それにショットしあうというルールであり、今までのゲームにはない新しい形式というのが特徴となります。そして、1891年12月21日に史上初、そのゲームが行われます。

スピーディーな展開が魅力

バスケのドリブル

バスケットボールは、サッカーやラグビーと違い、ストロークが短いために展開が早いです。しかし、競技場が室内で比較的近くで観れるため、その動きの早さがワンショットで行われて、逆にそれに魅力を感じます。NBAで有名な日本人である八村塁選手をきっかけに、バスケットボールが日本でも人気のスポーツになるといいですね。ちなみに2021年8月8日 22時54分、東京オリンピックにてバスケットボール女子の決勝で、日本はアメリカに75対90で敗れて銀メダルを獲得しています。


「バスケットボールの日」に関するツイート集

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12月20日の誕生花「ピンクのアルストロメリア」

「ピンクのアルストロメリア」

基本情報

  • 学名:Alstroemeria
  • 科名:ユリズイセン科(アルストロメリア科とされることもある)
  • 原産地:南アメリカ(主にチリ、ペルー、ブラジル)
  • 開花時期:5〜7月(品種によっては春〜秋)
  • 花色:ピンク、白、黄色、オレンジ、紫など多彩
  • 切り花としての流通:通年(特に春〜夏に多い)

ピンクのアルストロメリアについて

特徴

  • ユリに似た花姿で、花弁に斑点や筋模様が入る
  • 1本の茎から複数の花を咲かせ、花持ちが良い
  • 葉が途中でねじれるように裏返る独特の形状をもつ
  • 控えめでやさしい印象のピンク色は、親しみや温かさを感じさせる
  • 主張しすぎず、他の花と調和しやすい

花言葉:「気配り」

由来

  • 1輪ずつは控えめだが、集まることで華やかさを生む姿から
  • 周囲の花を引き立てながら全体の美しさを整える性質に由来
  • 長持ちする切り花として、贈る相手を思いやる心が重ねられた
  • やさしいピンク色が、相手を思う細やかな心遣いを連想させる

「花束の中のひとひら」

その花屋は駅前の喧騒から少し外れた路地にあった。大きな看板もなく、通り過ぎようと思えば簡単に見落としてしまう。けれど、夕暮れ時になると、店先に並ぶ花々が淡く灯り、まるで「ここにいるよ」と小さく手を振っているようだった。

 美緒は、その花屋に足を踏み入れるたび、胸の奥が少しだけ静かになるのを感じていた。仕事帰りの疲れや、言葉にできない迷いが、花の香りに溶けていくような気がするのだ。

 「いらっしゃいませ」

 奥から現れたのは、いつもの店主だった。年齢はわからない。若くも老いても見えず、ただ穏やかな目をしている。

 「今日は、どんなご用でしょう」

 美緒は少し考え、視線を店内に巡らせた。華やかなバラや、凛としたユリ、可憐なカスミソウ。その中で、ふと足が止まった。

 淡いピンクのアルストロメリアだった。

 一輪一輪は控えめで、派手な主張はない。けれど、数本まとめて活けられた花束は、不思議と温かな存在感を放っていた。

 「これを……お願いします」

 店主は頷き、花を手に取った。

 「贈り物ですか?」

 「はい。でも……派手じゃなくていいんです」

 美緒の脳裏に浮かんだのは、職場の後輩・紗耶の姿だった。誰よりも早く出社し、誰よりも遅くまで残る。会議では一歩引いて周囲の意見をまとめ、誰かが困っていれば、言われる前に手を差し伸べる。

 けれど、感謝の言葉が向けられることは少なかった。

 「いつも気づいてる人ほど、見えにくいものですね」

 店主はそう言いながら、アルストロメリアを束ねていく。ピンクの花が、少しずつ集まり、やさしい華やかさを帯びていく。

 「この花、花言葉は『気配り』なんですよ」

 美緒は驚いて顔を上げた。

 「そうなんですか?」

 「ええ。一輪ずつは控えめだけれど、集まると場を明るくする。周りの花を引き立てながら、全体の美しさを整える。しかも長持ちするでしょう。贈る人の、思いやる心が重ねられてきたんです」

 包みを受け取ったとき、美緒は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

 翌日、職場の休憩室で、美緒はその花束を紗耶に差し出した。

 「いつも、ありがとう」

 それだけ言うのが精一杯だった。

 紗耶は一瞬、驚いたように目を見開き、それから小さく笑った。

 「……私、そんなに役に立ってましたか?」

 「立ってるよ。たくさん」

 アルストロメリアのやさしいピンクが、二人の間で静かに揺れていた。

 数日後、その花はまだ瑞々しく、デスクの隅で咲き続けていた。派手な主役ではないけれど、確かにそこにあって、周囲の空気を整えている。

 美緒は思った。気配りとは、声高に示すものではなく、こうして静かに、長く、誰かのそばに咲き続けることなのだと。

 アルストロメリアは今日も、何も言わずに、ただやさしくそこにあった。

道路交通法施行記念日

12月20日は道路交通法施行記念日です

12月20日は道路交通法施行記念日

1960年12月20日、日本で「道路交通法」(通称:道交法)が施行されました。この法律の目的は、道路上の危険を防止し、交通の安全と円滑を図ることにあります。「道路交通法」は、現在の交通社会においても重要な役割を果たしており、交通ルールやマナーを守るための基本的な指針となっています。

  1. 妨害運転(交通の危険のおそれ)
  2. 妨害運転(著しい交通の危険)

道路交通法

道路標識

道路交通法は、1960年の12月20日に施行されていますが、もともと存在していた道路交通取締が廃止され、新しく「道路交通法」が施行されたことに由来して記念日となりました。この法律は、人口が増えて交通量が増えるなど、交通に関する状況の変化に併せて適宜改正されています。1999年には運転中の携帯電話の使用禁止が定められたり、2008年には後部座席のシートベルトの着用が義務化されたりなどしています。

令和2年6月30日に改正された道路交通法

高速道路で、あおり運手からの死亡事故が発生し、これらの事故対策のため罰則が強化され、累積点数に関係なく最長180日間の免許停止処分が施行されました。

1. 妨害運転(交通の危険のおそれ)

他の車両等の通行を妨害する目的で、一定の違反行為で交通の危険を生じさせるおそれのある行為をした場合。

【罰則】⇒3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。点数が25点(免許取消し、欠格期間2年)ただし、前歴や累積点数がある場合は最大5年。

違反の種類

  • 通行区分違反
  • 急ブレーキ禁止違反
  • 車間距離不保持
  • 進路変更禁止違反
  • 追越し違反
  • 減光等義務違反
  • 警音器使用制限違反
  • 安全運転義務違反
  • 最低速度違反(高速自動車国道)
  • 高速自動車国道等駐停車違反

2. 妨害運転(著しい交通の危険)

上記の罪を犯し、さらに高速自動車国道などで他の自動車を停止させ、その道路における著しい交通の危険行為を犯した場合。

【罰則】⇒5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。点数が35点(免許取消し、欠格期間3年)ただし、前歴や累積点数がある場合は最大10年。

事故は誰もが被害者にも加害者にもなる

事故車

一般道路を車で走っていて、路地から他の車が遅いタイミングで前方に入ってきて「イラっと」したり「危ないなぁ」といってクラクションを鳴らした経験があると思います。そんな時に「わざとなの?」「割り込むの?」なんて思い、怒りが込み上げてくるでしょう。逆に、自分が入り込むタイミングが遅くなって「ブッブゥ~~」って鳴らされたこともあると思います。

結局、ドライバーはお互いの意思疎通ができないためにあおり運転が始まるのでしょう。しかも、仮面をかぶっている場合と同じように、普段しないような過激なことをしてしまいます。やはりここは、一旦深呼吸をして被害者は冷静になり、加害者は身を守るための準備(ドアをロックし、警察を呼ぶ)などをしましょう。ちなみに、証拠を捉えるためにドライブレコーダーの取り付けはお勧めします。

ドライブレコーダー選び

自分の身を守るためと、自分は安全運転したということを証明するためにも良いドライブレコーダーを選びましょう。


「道路交通法施行記念日」に関するツイート集

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2月23日、12月19日の誕生花「スノーフレーク」

「スノーフレーク」

ftanukiによるPixabayからの画像

スノーフレーク(Snowflake)は、ヒガンバナ科スノーフレーク属(またはレウコユム属)の多年草で、春に可憐な白い花を咲かせます。釣鐘型の花の先端に、小さな緑色の斑点が入っているのが特徴です。

スノーフレークについて

HansによるPixabayからの画像

科名:ヒガンバナ科・スノーフレーク属
原産地:中央ヨーロッパ

スノーフレークとスズランの違い

Pixabayからの画像

スノーフレークは、スズランとよく似た見た目ですが、違いがあります。

  • スノーフレークの花は釣鐘型で、花びらの先に緑の斑点がある
  • スズランの花は小さなベルのような形で、斑点がない
  • スノーフレークの葉はスイセンに似ている

この違いを覚えておくと、見分けるのが簡単になりますよ。

スノーフレークの花は、寒さに強く、春の訪れを感じさせてくれる花の一つです。シンプルながら上品な美しさが魅力的ですね。🌿✨


花言葉:「けがれのない無垢な心」

Annette MeyerによるPixabayからの画像

スノーフレークの代表的な花言葉は、
🌿 「けがれのない無垢な心」
🌿 「純粋」
🌿 「皆をひきつける魅力」

これらの花言葉は、スノーフレークの清楚で可憐な見た目から生まれたものです。雪のように白く、小さな花がうつむくように咲く姿が、純粋で優しいイメージを与えます。

スノーフレーク(Snowflake)は、その清楚な白い花びらと控えめにうつむくように咲く姿が特徴的です。この花言葉の由来には、いくつかの理由が考えられます。

① 純白の花が象徴する純粋さ
スノーフレークの花は、まるで雪の結晶(スノーフレーク)のように真っ白で、清らかな美しさを持っています。この無垢な白色が「汚れのない心」「純粋さ」を象徴し、花言葉の由来になったと考えられます。

② ひっそりと咲く奥ゆかしさ
スノーフレークはスズランにも似た釣鐘型の花を咲かせますが、スズランよりも少し大きめで、花びらの先端に緑色の斑点が入っています。この花は派手に目立つことなく、静かに可憐に咲くため、「飾らない純粋な心」 を連想させます。

③ 春の訪れを告げる花としての希望の象徴
スノーフレークは、まだ寒さの残る春先に咲き始めます。厳しい冬を耐え抜いた後に咲くこの花は、「けがれのない心で新たな季節を迎える」という意味を込めて、「けがれのない無垢な心」という花言葉がついたとも考えられます。

🌿 まとめ 🌿
スノーフレークの花言葉 「けがれのない無垢な心」 は、その純白の花の美しさ、奥ゆかしい咲き方、そして春の訪れを告げる存在であることから生まれたものです。清楚で可憐なこの花は、見る人に純粋さや希望を感じさせてくれますね。✨


「雪の花の約束」

CouleurによるPixabayからの画像

幼い頃、エリは母と一緒に裏山を歩くのが好きだった。春の訪れとともに、小さな白い花が咲く場所があった。母はそれを指さし、「スノーフレークよ。『けがれのない無垢な心』という花言葉があるの」と教えてくれた。

 「無垢な心って?」エリが尋ねると、母は優しく微笑んだ。

 「嘘をつかない心、大切な人を思いやる気持ち、そういうものよ」

 それ以来、スノーフレークはエリにとって特別な花になった。

 時は流れ、エリは高校生になった。いつしか、母と一緒に山を歩くことも少なくなり、代わりに友人と過ごす時間が増えた。

 そんなある日、クラスメイトのユウタがエリに話しかけてきた。

 「ねえ、エリ。放課後、少し付き合ってくれない?」

 ユウタは優しくて、どこか不器用な少年だった。エリは少し驚きながらも、「いいよ」と答えた。

 二人が向かったのは、かつて母と訪れた裏山だった。

 「ここ……小さい頃に母とよく来た場所なの」

 エリは懐かしさに目を細めながら言った。ユウタは微笑み、そっと何かを取り出した。

 「実は、これ……」

 彼の手には、小さなガラス瓶があった。中には乾燥させたスノーフレークの花が入っていた。

 「これ、俺が小さい頃、母さんがくれたんだ。『けがれのない無垢な心』って意味があるって」

 エリは驚いた。ユウタの母も、スノーフレークを大切にしていたのだ。

 「俺、ずっとこの花を大事にしてた。でも最近、自分が嘘をつくことが増えてる気がする。自分を守るためとか、相手を傷つけたくないからとか、いろんな理由をつけて……。でも、本当はただ逃げてるだけなんじゃないかって」

 ユウタの言葉に、エリは胸を突かれた。彼の悩みは、エリ自身の心にも響いた。

 「ユウタ、私は……最近、母と話すことが少なくなってたの。友達といる方が楽しくて、母がどれだけ私のことを考えてくれているか、気づいてなかった。でも、今ここに来て思い出した。母がどれだけ私を愛してくれていたか」

 エリは足元に咲くスノーフレークを見つめた。

 「この花、私たちにとって大切な約束なのかもね。自分の心を見失わないようにするための」

 ユウタはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりとうなずいた。

 「そうだな。俺、この花をまた大事にするよ。自分に嘘をつかないって、決めるために」

 二人はスノーフレークの花を見つめながら、そっと誓った。それは、けがれのない無垢な心を持ち続けるという、小さなけれど大切な約束だった。

それから数年後。

エリは久しぶりに実家に帰った。母は変わらず優しく微笑み、エリの帰りを迎えてくれた。

「ねえ、お母さん。久しぶりに一緒に山を歩かない?」

母は少し驚いたが、すぐに嬉しそうにうなずいた。エリの心には、あの日ユウタと交わした約束があった。

スノーフレークの花は、相変わらず静かに、しかし力強く咲いていた。その姿は、エリの心の奥にある「けがれのない無垢な心」をそっと思い出させてくれた。

日本人初飛行の日

12月19日は日本人初飛行の日です

12月19日は日本人初飛行の日

1910年の12月19日は、代々木公園(旧東京・代々木錬兵場)で陸軍軍人の徳川好敏(1884~1963年)が日本初飛行に成功しました。当時の飛行機は。フランス製のアンリ・ファルマン式複葉機で、高度は70mの飛行距離は3000、4分間飛行しています。

日本初の動力機初飛行

実は、5日前の12月14日に陸軍軍人の日野熊蔵(1878~1946年)が飛行に成功していました。しかし、その日は公式飛行実施の予定日ではなかったため改めて正式に「公式の初飛行を目的とした記録会」としてその日に行われました。そして徳川、日野の順で飛び、二人とも成功しています。このことから日本で初の動力機初飛行として公式に認められたということです。その後は、1974年の12月には、東京・代々木公園に「日本初飛行の地」の碑が建立、二人の胸像が一緒に並んで設置されています。

徳川好敏と日野熊蔵

徳川好敏は、徳川家の血筋で徳川御三卿の一つ清水徳川家の第8代当主にあたります。そして、日野熊蔵は陸軍軍人ですが、天才発明家などと当時は報道されていました。日野熊蔵大尉と徳川好敏大尉の功績は受け継がれ、現在の代々木公園には、プレート型の標識「日本初飛行の地」と記され、その左右に大きく鳥の形に翼をひろげた石碑「日本航空発始之地記念碑」があり、その前方には両者の像が建っています。

ファルマン複葉機とグラーデ単葉機

プロペラ機

フランスとドイツに留学した徳川好敏と日野熊蔵の陸軍大尉は、航空機の研究開発に深く関わり、1910年の日本初飛行のパイロットを務めています。国内初の飛行に成功した機を徳川好敏は、フランス製の「アンリ・ファルマン複葉機」、また日野熊蔵は、ドイツ製の「ハンス・グラーデ単葉機」にそれぞれ搭乗しています。そしてその快挙は、日本人初飛行の報を聞き、国民は沸きました。

日本人が誇る零戦もこれが原点!?

零戦

日本が誇る「零式艦上戦闘機」略して「零戦」は、太平洋戦争での戦闘の際に長距離洋上飛行を行っています。実際に往復で2000km以上飛行することもあったそうです。考えて見ると、この高性能の戦闘機が開発されたのも徳川氏や日野氏の功績があってのことです。しかし、最初に発明や発見することは素晴らしい事ですが、それを進化させ続ける人たちもまた、凄い事だと思います。


「日本人初飛行の日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年の投稿

12月18日の誕生花「セージ」

「セージ」

基本情報

  • 学名:Salvia officinalis
  • 科名/属名:シソ科/サルビア属
  • 分類:多年草(常緑性の小低木)
  • 原産地:地中海沿岸
  • 開花時期:5〜6月頃(品種による)
  • 花色:紫、青紫、淡いピンクなど
  • 利用:ハーブ(料理・ハーブティー)、薬用、観賞用

セージについて

特徴

  • 銀白色がかった細かな毛のある葉で、香りが強い
  • 乾燥に強く、日当たりと水はけの良い環境を好む
  • 抗菌・防腐作用があるとされ、古くから保存や薬草に用いられてきた
  • 葉は肉料理やバター、ソーセージとの相性が良い
  • 花は穂状に立ち上がり、落ち着いた気品がある

花言葉:「家族愛」

由来

  • 「知恵」:学名 Salvia がラテン語の「救う・癒す(salvare)」に由来し、賢明な薬草として重宝された歴史から
  • 「尊敬」:古代ローマや中世ヨーロッパで神聖な植物とされ、収穫時に儀式が行われたことに由来
  • 「家庭の徳」:長寿や健康を守るハーブとして家庭菜園で大切に育てられてきた背景から

「セージの庭で、知恵は静かに香る」

祖母の家の裏庭には、季節を問わず灰緑色の葉をたたえたセージが植えられていた。花の盛りでもなく、実りを誇るわけでもない。ただ、風が吹くたびに、乾いた土の匂いと混じって、少し苦く、澄んだ香りを放つ。その香りを嗅ぐたび、私は理由もなく背筋を伸ばしたくなるのだった。

 「この葉はね、昔から“知恵の草”って呼ばれてきたのよ」
 祖母はそう言って、一枚の葉を指でつまんだ。銀色の産毛が陽にきらりと光る。
 「学名はサルビア。救う、癒す、って意味の言葉から来ているの。人を治すだけじゃなく、迷った心も、ね」

 私はその言葉を半分も理解していなかった。けれど、祖母が病に伏した父のために、毎朝セージの葉を乾かし、湯を注いでいた姿だけは、はっきり覚えている。特別な祈りの言葉はなかった。ただ静かに、丁寧に。まるで葉そのものを尊んでいるようだった。

 祖母はよく、古い話もしてくれた。古代ローマでは、セージを摘む前に身を清め、感謝の儀式を行ったこと。人は自然の力に敬意を払わなければ、その恵みを受け取る資格はないのだと。
 「尊敬ってね、相手を見上げることじゃないの。同じ場所に立って、大切に扱うことよ」
 その言葉は、私の胸に小さな石のように沈んだ。

 時が流れ、祖母は庭を残していった。私は都会での暮らしに疲れ、久しぶりにその家へ戻った。雑草に囲まれながらも、セージだけは変わらずそこにあった。誰に世話をされるでもなく、それでも枯れず、香りを保っている。

 葉を一枚摘み、湯を沸かす。カップから立ちのぼる香りに、胸の奥がゆっくりほどけていくのを感じた。健康であること、日々を続けること、誰かを想って手を動かすこと。そのすべてが、特別ではなく、家庭という小さな世界の中で育まれてきた徳なのだと、ようやく分かった気がした。

 セージは何も語らない。ただそこにあり、必要なときに力を貸す。その静かな在り方こそが、知恵であり、尊敬であり、家庭を支える徳なのだろう。
 私は庭に立ち、祖母と同じように背筋を伸ばした。風が吹き、セージが応えるように香った。