10月28日の誕生花「ワレモコウ」

「ワレモコウ」

基本情報

  • 科名:バラ科
  • 属名:ワレモコウ属(Sanguisorba)
  • 学名Sanguisorba officinalis
  • 原産地:ユーラシアの温帯から亜寒帯、北米大陸北西部~西部
  • 分類:多年草
  • 開花時期:7月〜10月頃
  • 花色:暗紅色〜赤褐色
  • 生育環境:日当たりのよい草地や山野

ワレモコウについて

特徴

  • 花びらがないように見えるが、実際は萼(がく)が花のように色づいている。
  • 細長い茎の先に、楕円形の小さな花が密集して咲く独特の姿。
  • 落ち着いた色合いと風に揺れる繊細な姿が日本的な情緒を感じさせる。
  • 生け花や茶花にもよく用いられ、秋の風情を象徴する植物の一つ。
  • 根には薬効があり、止血や整腸に利用されてきた歴史を持つ。

花言葉:「あこがれ」

由来

  • 細くまっすぐ伸びた茎の先で、小さな花穂をそっと揺らす姿が、**「遠くを見つめるよう」**に見えることから。
  • 地味ながらも凛と立つその姿が、**「控えめな憧れ」「手の届かない存在を思う気持ち」**を連想させる。
  • 秋風に揺れるたおやかな花姿が、どこか儚くも切ない憧憬の情を映しているとされる。

「風の向こうの君へ」

放課後の校庭には、夕方の風が吹き抜けていた。グラウンドの端に立つ花壇のそばで、結衣はしゃがみ込み、小さな赤褐色の花を見つめていた。
 ――ワレモコウ。
 地味で、誰も気にも留めないような花。それでも、風に揺れる姿がどこか懐かしくて、結衣は毎日ここに足を運んでいた。

 その花を最初に教えてくれたのは、三年の先輩だった。文化祭の準備で花壇の整備をしていたとき、彼がふと手を止めて言った。
 「この花、知ってる? ワレモコウっていうんだ。名前、ちょっと変だろ」
 彼は笑って、花穂の先をそっと指で弾いた。細い茎がしなやかに揺れ、暗紅色の粒が小さく震えた。
 「派手さはないけど、なんかいいだろ。風にまかせて、でも折れない」

 その言葉が、胸の奥にずっと残っていた。

 彼は卒業して、もうこの学校にはいない。
 けれど秋になると、決まって花壇の隅にこのワレモコウが咲く。まるで彼が残していった記憶のように。

 風が吹くたびに、花が遠くを見つめるように揺れる。
 ――まるで、あの人を探しているみたい。
 結衣は心の中でつぶやいた。

 彼がいなくなってから、何度も忘れようとした。
 けれど、どうしても消えなかった。地味で目立たないこの花が、彼そのもののように思えたからだ。
 誰も気づかない場所で、静かに咲き続ける。
 それでも、確かにそこにある。

 放課後の風は少し冷たく、空は茜色から群青に変わりかけていた。
 結衣は立ち上がり、花壇の前で小さく息を吐いた。
 「先輩、私ね、まだここにいるよ」

 言葉は風に溶け、どこまでも広がっていく。
 その向こうに、いつか届くように。

 ふと、ワレモコウがまた揺れた。
 まるで「わかってる」とでも言うように。

 遠くを見つめるようなその姿に、結衣は微笑んだ。
 憧れという言葉は、いつも少し切ない。手の届かない場所にある光のようで、追いかけても触れられない。
 けれど、それでもいいのだと思った。
 憧れがあるからこそ、今日も自分は前を向けるのだから。

 風が吹く。
 茎がたおやかに揺れ、花穂が陽の名残を映す。
 その姿はまるで、遠くを見つめる小さな祈りのようだった。

 ――憧れは、消えない。たとえもう届かなくても。

 結衣はもう一度花を見つめてから、ゆっくりと歩き出した。
 夕暮れの風の中、赤褐色の花は、静かに彼女の背中を見送っていた。

おだしの日

10月28日はおだしの日です

10月28日はおだしの日

大阪府箕面市に本社を置いた「おだし」にこだわった飲食チェーンを各地に展開する株式会社「太鼓亭」が制定しています。この日付は「かつお節」より、「ばいかんのカビ付け製法」を考案した和歌山県印南町(紀州印南浦)の漁民だった角屋甚太郎氏の命日が1707年10月28日であることからだそうです。

株式会社「太鼓亭」

大阪うどん太鼓亭の動画

株式会社「太鼓亭」は、社名で示すように企業の始まりで、この北摂地方の名物店は現在も進化し続けています。約40年続いた秘伝のだしのうどん作りは、未だにお客さまの記憶に残る味、思い出の味として人気です。

「おだし」は良質の天然素材を使用

かつお節

太鼓亭は、「あたたかみのあるまろやかさ」が売りで、創業以来から味の基本とされる「おだし」を良質の天然素材を使用しています。大阪うどんは、「だしがうもうて、うどんはなんぼ!」と言われるほどおだしに力を入れています。

ばいかんのカビ付け製法

かつお節を削る

ばいかんのカビ付け製法とは、魚の中にある水分を燻(いぶ)して除去し、良質なかつお節のカビを付着させることにより、悪カビの発生を防ぐという製法です。

色々な出汁があるけれど

出汁の色々

出汁と言えば、「昆布」「いりこ」「あご」「椎茸」など色々ありますが、私は何といっても「かつお出汁」です。確かに味噌汁は、いりこ出汁からとると美味しいですが、あのかつおの風味が加わることで旨味が増すような気がします。これを機に時々は、高級で質の良いかつお節から出汁を取った本格味噌汁を作ってみようと思います。


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10月27日の誕生花「チョコレートコスモス」

「チョコレートコスモス」

基本情報

  • 和名:チョコレートコスモス
  • 学名Cosmos atrosanguineus
  • 科名/属名:キク科/コスモス属
  • 原産地:メキシコ
  • 開花時期:5月〜11月(主に夏〜秋)
  • 分類:多年草(寒さに弱く、日本では一年草扱いされることも)
  • 花色:濃い赤褐色〜黒紫色
  • 香り:チョコレートのような甘い香り(特にバニラやカカオに似た香り)

チョコレートコスモスについて

特徴

  • 花径は約4〜5cmとやや小ぶりで、深みのあるダークブラウン系の色合いが特徴。
  • 花びらはビロードのような質感で、高級感や落ち着いた印象を与える。
  • 同じコスモス属でも、一般的なコスモス(秋桜)よりも落ち着いた色調で、大人っぽい雰囲気を持つ。
  • 夕方や気温の高い時間帯に特に香りが強くなる。
  • 花持ちがよく、切り花やガーデン装飾にも人気。
  • 種子では増えにくく、地下茎や株分けによって増やすのが一般的。

花言葉:「心変わり」

由来

  • チョコレートコスモスは、チョコレート色の花びらが時間とともに微妙に色合いを変える性質がある。
    → 深紅から黒紫、または赤褐色へと変化していく姿が「心が移ろう様子」を連想させた。
  • また、同じ「コスモス」の仲間でありながら、一般的な明るいコスモスとはまったく異なる**“異色の存在”**であることも、「気持ちが変わった」「他とは違う魅力に惹かれる」といった意味合いにつながっている。
  • 甘い香りを放ちながらも、どこか儚げな印象を持つことから、「恋心が移りゆく」「愛の熱が冷めていく」といった恋愛の変化を象徴する花としても解釈されている。

「変わりゆく色の中で」

放課後の温室には、夕陽が斜めに差し込んでいた。
 チョコレートのような甘い香りが漂う中、紗英はそっと花びらに指を伸ばした。
 黒紫に近いその色は、昨日よりも少しだけ赤みを帯びている気がした。

 「……本当に、不思議な花」

 隣で水やりをしていた亮が顔を上げる。
 「チョコレートコスモスって、名前からしておいしそうだよな」
 「食べちゃダメだよ」
 笑い合う声が、温室の中でやわらかく響いた。

 この花を育て始めたのは、文化祭での展示のためだった。
 クラスの誰もが明るいピンクや黄色のコスモスを選ぶ中、紗英だけがこの深い色の花に惹かれた。
 その理由を聞かれたとき、彼女は答えられなかった。
 ただ——どこか自分に似ていると思ったのだ。

 「ねえ、亮。コスモスって“調和”とか“優美”とか、そういう花言葉が多いんだって」
 「へえ、意外だな」
 「でも、このチョコレートコスモスだけ、“心変わり”なんだって」

 亮はじっと花を見つめた。
 「心変わり、か……なんか切ないな」
 「うん。でも、悪いことばかりじゃない気がする」
 「どういう意味?」
 「色が変わるってことは、生きてるってこと。止まってないってことだから」

 そのとき、温室の外から風が吹き込み、花が小さく揺れた。
 陽の光が差し込む角度が変わり、花びらは黒から赤へ、そしてまた褐色へと、わずかに色を変えていく。
 まるで、呼吸をしているようだった。

 紗英はその変化を見つめながら、胸の奥が少し痛んだ。
 ——彼への気持ちも、こうして少しずつ変わっていくのだろうか。

 初めて彼に惹かれたのは、たぶん春。
 桜の下で、偶然手を貸してくれたとき。
 その手の温かさを、ずっと覚えていた。
 でも、夏が過ぎ、秋が深まるにつれて、彼の笑顔を見るたびに、どこか胸がざわつくようになった。

 「亮、来年はどんな花を育てたい?」
 「うーん、やっぱり向日葵かな。まっすぐで、元気なやつ」
 「そうだね……亮っぽい」
 「紗英は?」
 彼の問いに、紗英は少し考えてから答えた。
 「また、この花がいい」
 「チョコレートコスモス?」
 「うん。変わっていく色を、ちゃんと見届けてみたいから」

 その言葉に、亮は小さく笑った。
 けれど、紗英の胸の中では、違う意味が静かに芽生えていた。
 自分の心も、きっと変わっていく。
 彼への想いも、時間の中で形を変えるかもしれない。
 けれど、それを恐れずに見つめていたい。
 変わることを、悲しみではなく、命の証として受け止めたい——。

 夕陽が完全に沈むころ、花びらは深い黒紫に染まった。
 温室を出ると、空には一番星が瞬いていた。
 紗英は振り返り、最後にもう一度、花を見つめた。

 その色は、今日の終わりを告げるようで、
 それでいて、新しい朝を約束するようにも見えた。

世界新記録の日

10月27日は世界新記録の日です

10月27日は世界新記録の日

1931年10月27日、神宮競技場で開催された第6回明治神宮体育大会で、日本初の世界新記録が誕生しています。その種目は、南部忠平の走り幅跳びが7m98、織田幹雄の三段跳びが15m58でした。

明治神宮体育大会

明治神宮体育大会

明治神宮体育大会は、第二次世界大戦前の全国でもっとも大きな総合体育大会です。1924年10月25日に、明治神宮外苑競技場が完工しました。それを記念して、内務省主催で第1回大会を10月30日から当時の文化の日「明治節」の1月3日まで開催したのがこの記念日の始まりです。

明治神宮への奉納競技

明治神宮の神事

この大会は、神宮への奉納競技という意図があり、当初は政府主催でしたが、第3回の大会から日本スポーツ協会(大日本体育会)の主催となりました。この大会は、毎回競技種目を定める方式で、全日本選手権大会を兼ねることもありました。しかし1943年の第14回では、夏季大会だけ神宮で開かれましたが、秋季は地方別分散となり、当時として国内最高の競技会だったこの大会は事実上消滅しています。

南部忠平と織田幹雄

世界新記録で代役優勝 南部忠平

1932年、ロス五輪の三段跳び金メダリストは「南部忠平」でした。そして、日本人初の金メダリストの「織田幹雄」と共に、戦前の日本陸上競技界の黄金時代を築いています。戦後は、東京オリンピック陸上の監督などを務め後進の指導にあたっています。また、今でも南部忠平記念陸上大会はオリンピック候補選手の選考大会となっています。

これからも世界新記録を

目指せ!世界新記録

1931年から日本人の世界新記録は、それ以来データがありません。 それだけ世界を制することは、難しいことである証です。人種的にも体力に差があるというのも事実。しかし、日本人は「粘り強さ」と「技術」が他の国とは違うということを信じています。ですので、きっと色々と工夫をして、根性でまた世界新記録を出してくれるでしょう。


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青汁の日

10月26日は青汁の日です

10月26日は青汁の日

福岡県博多区に本社を置いて、多くの人に青汁で健康になってもらうことが目的で、青汁などの健康食品の通信販売を行う株式会社アサヒ緑健が制定しました。この日付は10をアルファベットの「IとO」で「青」とし、「26」を「汁」と読むところからです。

青汁の効果は?

青汁の効果

青汁に期待される一番の効果は、野菜不足を補うことですが、実際に厚生労働省が推奨した「一日に必要な野菜摂取量は350g」です。しかし、この量の野菜を毎日の食事だけで摂取するということは、手間やコストがかかります。

野菜の栄養は青汁で補う

野菜、果物と青汁

青汁は、野菜に加えて飲むことにより、野菜に含まれる「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」など、健康維持に必要な栄養を補うことができます。また最近は、味も調整されていて、野菜の苦味などの風味が苦手な方でも飲みやすく作られているため、野菜嫌いな子供でも気軽に飲めるようになります。

必要に応じた青汁選び

青汁選び

青汁といっても似たような商品がたくさんありますが、メーカーによっては、特徴のあるものもあります。その目的や用途にあった商品を見つけることをお勧めします。

肥満や便秘の改善

青汁の原料

青汁には、「食物繊維」や「カリウム」が豊富に含まれている商品があります。食物繊維は、不要なものを体外にスムーズに排出させ、「腸内環境を整える働き」と「便秘の改善が期待」ができる栄養成分です。他にも、糖質や脂肪分の吸収を緩やかにする働きがあるとされ、肥満気味の方にもお勧めします。またカリウムには、体内の水分量を調整する働きのミネラルであり、むくみを改善する効果があるそうです。

食欲がない時の栄養補給に

食欲不振でも飲める

体調不良の方や妊娠中の方などで、どうしても食欲がなくて栄養不足を感じている方にも青汁がおすすめです。青汁は、水などに溶かしているだけなので、食欲がないときでもドリンク感覚で簡単に栄養を補給することができます。また、ジュースやアイスクリームなどに混ぜて飲めば、野菜から得る栄養に加え、エネルギーも同時に補給することにもなります。当然ですが、青汁を飲めば食事は摂らなくて良いというわけではありません。どうしても食べれない時などの補助食として青汁の活用が有効となります。

青汁でミックスジュース

青汁入りミックスジュース

一般的には、普通に青汁を水に溶かし飲むだけですが、豆乳や牛乳を混ぜても美味しく頂けます。また、豆乳などからたんぱく質などの栄養素が加わり最強のドリンクに変わります。他にも、ヨーグルトに混ぜてみたり、栄養豊富なバナナなどを混ぜたミックスジュースを作るかたも増えているようです。青汁は、本当に体に良いので、自分が飲みやすいようにアレンジして毎日欠かさず飲みましょう!


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10月25日の誕生花「ガイラルディア」

「ガイラルディア」

基本情報

  • 和名:テンニンギク(天人菊)
  • 英名:Blanket flower(ブランケットフラワー)
  • 学名Gaillardia
  • 科名/属名:キク科/テンニンギク属
  • 原産地:アメリカ
  • 開花期:5月〜10月頃
  • 花色:赤、黄、オレンジ、複色(赤×黄のグラデーションが代表的)
  • 草丈:30〜70cm程度
  • 多年草または一年草(品種による)

ガイラルディアについて

特徴

  • 花びらの外側が黄色、内側が赤色など、燃えるような色合いが特徴的。
  • 長期間咲き続ける丈夫な花で、夏の暑さにも強い。
  • 花形はヒマワリやガーベラに似た放射状
  • 乾燥や日差しに強く、痩せた土地でもよく育つ
  • 北アメリカの大地に群生する様子から、「大地を覆う花」として英名の“Blanket flower”がついた。

花言葉:「団結」

由来

  • ガイラルディアは群れ咲きする性質があり、広い地面を一面に覆うように咲く。
     → その姿が「力を合わせてひとつになる」イメージに重なる。
  • 一つ一つの花は小さくても、集まることで鮮やかな景色を作り出すことから、
     「団結」「協力」「チームワーク」の象徴とされた。
  • 強い日差しにも負けず共に咲き続ける姿勢が、仲間との絆や結束の象徴とされている。

「ひとつの色になる日」

照りつける夏の陽射しの中、校庭の端にある花壇で、瑠奈はスコップを握っていた。
 炎天下に立ち尽くす彼女の背中を、蝉の声が包む。

 「なあ、もうやめようぜ。文化祭、花壇展示なんて誰も見ねぇって」
 隣でため息をついたのは、クラスメイトの海斗だった。

 「でも……決まったことだし」
 瑠奈は手を止めず、土をならしながら答えた。
 「せっかくだから、きれいに咲かせたいの」

 それは、誰に向けた言葉だったのか。
 去年、クラスは文化祭の企画で意見が割れ、結局なにもできなかった。
 “まとまらない”——それが、いつのまにかこのクラスの代名詞になっていた。

 そんな中、担任が提案したのが「花壇展示」。
 クラス全員でひとつの花壇を作るという、単純な企画だった。

 けれど、実際に残ったのは数人。
 そして今も、花壇の前には瑠奈と海斗だけが立っている。

 「ガイラルディア、だっけ?」
 海斗が袋のラベルを覗き込む。
 「……派手な花だな。赤と黄色、混ざってんのか」
 「うん。咲くと、まるで炎みたいなんだって」

 瑠奈は微笑んだ。
 「先生が言ってた。“この花はね、群れて咲くの。みんなで地面を覆うようにして”って」

 その声には、どこか祈りのような響きがあった。

 ——ひとりじゃ、きれいに咲けない花。

 その言葉が、瑠奈の心の中で何度も繰り返された。

***

 数週間後、校庭の花壇は見違えるほど明るくなっていた。
 黄色と赤の花びらが風に揺れ、まるで陽炎のように揺らめいている。

 「……ほんとに咲いたな」
 海斗がつぶやく。
 「うん。頑張ったね」
 瑠奈が笑った。手にはまだ土の匂いが残っていた。

 そのとき、後ろから声がした。
 「すげぇ、これクラスのみんなでやったの?」
 振り返ると、クラスメイトたちが立っていた。
 あの日、手伝いに来なかった子たち。部活帰りの姿もあれば、スマホを片手にしたままの姿もあった。

 「なにこれ、めっちゃきれいじゃん!」
 「赤と黄色のバランス、いい感じだね!」
 「なあ、看板つけようぜ。“3年A組花壇”って!」

 口々に言いながら、彼らは花壇の周りに集まっていく。
 いつのまにか笑い声が広がり、誰かが写真を撮り始めた。

 海斗が瑠奈の方を見て、少し照れくさそうに言った。
 「……ほら、団結したじゃん。結果的に」

 瑠奈は花壇に目をやった。
 陽の光を浴びたガイラルディアが、まるでクラス全員の笑顔を映したように輝いている。

 赤も、黄色も、どちらかが主張するわけじゃない。
 互いの色を引き立てあって、ひとつの炎のように揺れている。

 「うん……。みんなで咲けたね」

 風が吹き抜け、花びらが一斉に揺れた。
 まるで“ありがとう”と囁くように。

 その瞬間、瑠奈は確かに感じた。
 ——バラバラだった心が、いま確かにひとつの色になったことを。

世界パスタデー

10月25日は世界パスタデーです

10月25日は世界パスタデー
パスタの日

1995年10月25日、イタリア ローマで「第1回世界パスタ会議」が開催されました。この事を記念して1998年に制定されまています。英語では「World Pasta Day」と呼ばれています。

世界パスタ会議

色々なパスタ

世界各国にあるパスタ業者の連合会、又は協会により構成された「運営委員会」が、広くパスタの魅力を伝えるため、1998年から10月25日に記念日「世界パスタデー」として祝うようになったとされています。

パスタとは

パスタとは?

パスタは、日本語の「麺類」と同じ分類とされ、イタリア語では「スパゲッティ」「ペンネ」「ラザニア」などのような種類を持ち、これはイタリア料理の主要な要素となっています。このパスタの主な原料は小麦粉と水、塩と鶏卵などを使用して製麺されています。

パスタの種類

パスタの種類

パスタの種類は、調べてみると驚くことに650以上も存在しているようです。そしてパスタは、その種類によって特徴が違うため、好みや調理方法も変える必要すらあるようです。一般的にパスタの大半が形状で分類されていますが、他の分類方法があります。

形状以外の分類

パスタの分類

パスタの分類方法は、どんな特徴を持っているか理解することで、自分の好みのパスタを見つけやすくなります。パスタは、先ほど紹介したように形状だけではなく「調理方法」や「パスタが乾燥か生か」、表面の質感によっても分けられます。例として、「乾燥パスタ」と「生パスタ」を見てみましょう。

乾燥パスタ

乾燥パスタ

乾燥パスタは、黄色い「デュラムセモリナ粉」と水を練ったパスタを指します。パスタを乾燥させることによって保存期間が長くなりますが、湿度によって品質が変化しますので、保存する際は注意が必要です。また、乾燥パスタの茹で時間は6~10分程度と比較的短い時間ですが、この時間の違いは麺の太さなどによるものです。いずれにせよ、調理に時間がかからない便利な食材と言えます。

生パスタ

生パスタ

生パスタは、小麦粉を使用して作った麺を乾燥させず、そのまま状態を表します。これは昔から家庭でも作られているパスタです。柔らかくもちっとした食感が特徴で、そのために重めのトマトソースやクリームソースとの相性が良いです。そして生パスタは、乾燥ではないため、乾燥パスタのように長期保存には向いてません。

アレンジレシピを楽しむ

パスタのアレンジレシピ

パスタレシピは、基本どんな食材やソースに合うために、たくさんテレビやネットで公開されています。また、パスタそのものも比較的に格安であるために我々一般人も気軽に作ることができます。サバ缶焼鳥缶を使用したパスタや塩辛や佃煮などを加えたパスタなど気軽に調理できますので、更なるアレンジパスタにチャレンジしてみてください。


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10月24日の誕生花「ウメ」

「ウメ」

基本情報

  • 和名:ウメ(梅)
  • 学名Armeniaca mume(Prunus mume)
  • 科名/属名:バラ科 サクラ属
  • 原産地:中国
  • 開花時期:1月~3月(早春)
  • 花色:白、淡紅、紅など
  • 分類:落葉小高木

ウメについて

特徴

  • 日本では「春を告げる花」として古くから親しまれている。
  • 寒さの残る時期に咲くため、「忍耐」「気高さ」の象徴とされる。
  • 花には芳香があり、種類によって甘い香りや上品な香りを放つ。
  • 花・実・幹すべてが観賞対象となり、庭木や盆栽にも利用される。
  • 実(梅の実)は食用・薬用としても重要で、梅干しや梅酒の原料になる。
  • サクラよりも早く咲き、花びらは丸みを帯びた形をしている。

花言葉:「澄んだ心」

由来

  • ウメは、厳しい冬の寒さの中で静かに花を咲かせる
     → 雪の残る景色の中に清らかに咲く姿が、「濁りのない心」「純粋さ」を象徴。
  • 花色の白や淡紅が、清楚・潔白・静謐さを感じさせることからも由来。
  • 古くから「高潔な人格」「清らかな精神」を表す花として、詩や絵画に登場。
  • その気高さと凛とした美しさが、「澄んだ心」という花言葉に結びついた。

「澄んだ心」

雪がまだ庭の隅に残っていた。
 冷たい空気の中、ひとりの少女が梅の木の前に立っている。枝先には、小さな白い花がいくつも開き始めていた。
 その花びらは透けるように淡く、凍てつく空気の中で、まるで光を宿しているかのようだった。

 「……もう、咲いたんだ」
 麻衣は小さくつぶやいた。

 昨年の冬、祖母が亡くなった。庭の梅の木は祖母が植えたもので、毎年この時期になると一番に花をつけていた。
 祖母はいつも言っていた。
 「梅はね、どんなに寒くても、自分の季節を信じて咲くのよ。人もそうありたいものだね」

 麻衣はその言葉を思い出しながら、枝にそっと手を伸ばす。冷たい風が指先をかすめた。
 学校では、うまく笑えない日が続いていた。周りの人と少し違う考え方をしているだけで、からかわれる。話しかけられても、言葉が喉につかえる。
 「どうして、私はこんなに不器用なんだろう」
 そう思うたびに、胸の奥が濁っていく気がした。

 けれど、いま目の前で咲く梅の花は、そんな思いを静かに溶かしていくようだった。
 雪解け水に照らされて輝くその白さは、ただそこに“ある”だけで美しい。誰に見せるためでもなく、誰に褒められるためでもない。
 その存在は、凛として、やさしかった。

 ふと、麻衣の胸の奥に祖母の声が響いた。
 ――澄んだ心を忘れないようにね。
 「澄んだ心」。それは祖母がよく使っていた言葉だった。
 人の言葉や世間の評価に心を曇らせず、自分の中の光を信じること。祖母にとっての“生きる強さ”だった。

 麻衣は深く息を吸い、目を閉じた。冷たい風が頬を打つ。
 でも、不思議ともう寒くなかった。
 「おばあちゃん、私、ちゃんと咲けるかな」
 呟いた声は風に乗って、空へと昇っていく。

 目を開けると、花びらが一枚、ひらりと落ちた。
 その小さな白い花弁が、雪の上に静かに舞い降りる。
 その瞬間、麻衣は確かに感じた――自分の中にも、あの花と同じ光があるのだと。

 強くなくてもいい。派手でなくてもいい。
 ただ、自分の心を濁らせず、信じた道を歩んでいけばいい。

 梅の花は、凛と咲き続けている。
 冷たい風の中で、誰よりも優しく、清らかに。
 その姿が麻衣の胸の奥に、小さな炎のように灯った。

 春は、もうすぐそこまで来ている。

マーガリンの日

10月24日はマーガリンの日です

10月24日はマーガリンの日

東京都日本橋に事務局を置いた、「マーガリン」などの食用加工油脂を製造・販売する会社が集まる日本マーガリン工業会が制定しています。この日付は、マーガリンの生みの親であるフランス人のイポリット・メージュ=ムーリエ(1817~1880年)の誕生日が10月24日だからだそうです。

バターとマーガリン

バターか、マーガリンか?

バターは牛乳から分離したクリームを練って固めた食品で、マーガリンはその高価でなかなか手に入らないバターの代用として作られた加工食品です。そのマーガリンは、牛脂と牛乳を合わせてバターに似せたものでした。

牛脂に牛乳を加えて冷やしたもの

マーガリンの原料は?

1869年に当時フランスでは、バターが不足していて、その代用品として使用できるものを皇帝である「ナポレオン3世」が募集しました。その時に採用されたのが、化学者の「ムーリエ」のアイデアです。上質な牛脂に牛乳などを加え、冷やし固めてバターに似せて作ったものでした。それが現在のマーガリンの原型となります。

現在のマーガリン

トーストとマーガリン

最近のマーガリンは、植物性油脂を使用されていて、主に「コーン」「べに花」「EXバージンオリーブ」などが含まれているマーガリンが多く存在し、商品名からでも「どの油が原料」かがわかりやすくなっています。

マーガリンとトランス脂肪酸

最近のマーガリンとトランス脂肪酸

現在のマーガリンは、バターには出せない味わいが出せます。パンの食感でサクサク、ふわふわ、もちもちなどは、マーガリンの種類を変えることによって、さまざまな表現が可能です。また、バターと比較してもクセが少ないために小麦本来の味わいを残し、素材の本来風味も引き立ててくれます。そして、気になるのがトランス脂肪酸ですが、今では大幅に減少され、バターの約半分になっています。さらには、植物性であるためにコレステロールもほとんど含まず、一昔前の「マーガリンは体に悪い」というイメージが無くなってきているようです。


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10月23日の誕生花「アケビ」

「アケビ」

基本情報

  • 和名:アケビ(木通)
  • 学名Akebia quinata
  • 英名:Chocolate vine / Five-leaf akebia
  • 科名:アケビ科(Lardizabalaceae)
  • 属名:アケビ属(Akebia
  • 原産地:日本、中国、朝鮮半島
  • 分類:落葉つる性植物(つる性木本)
  • 開花期:4〜5月頃
  • 実の時期:9〜10月頃

アケビについて

特徴

  • 5枚の小葉が手のひら状に広がる、特徴的な複葉。
  • 春に、淡紫色の花(雌花)と小さな雄花を同じ株につける(雌雄同株)。
  • 花にはチョコレートのような甘い香りがあるため、英名「Chocolate vine」。
  • 秋になると果実が熟し、紫がかった果皮が自然に裂けて白い果肉が現れる。
  • 果肉は甘く食用になるが、外皮は苦味があり、山菜として炒め物などに利用される。
  • つるは丈夫で、かご細工やリースなどにも使われる。

花言葉:「偽りの魅力」

由来

  • アケビの花は、一見すると控えめで上品な印象を与えるが、近づくと強い香りを放つ。
    → 見た目と香りのギャップが「外見と内面の違い」を連想させる。
  • 紫がかった花色や果実の艶やかな見た目も、人を惹きつける“妖しい美しさ”を持つ。
  • さらに、果実の中の白い果肉と黒い種という対比が「二面性」や「裏表のある魅力」を象徴する。
    → これらの特徴から、「偽りの魅力」「隠された誘惑」といった花言葉が生まれたとされる。

「紫の果実」

夏の終わり、山道を登ると、涼しい風が頬を撫でた。
 緑の中に、ひときわ目を引く紫の実がぶら下がっている。
 ――アケビだ。

 昔、祖母がよく言っていた。
 「見た目に騙されるんじゃないよ。あの実は、見た目がきれいでも中身がどうだか分からないもんさ」
 そのときは笑って聞き流していたけれど、いまは少しだけ、その言葉の意味がわかる気がした。

 果実の皮は深い紫で、陽の光を受けて艶めいている。手を伸ばすと、指先にひんやりとした感触が伝わった。


 そっと割ると、中から白い果肉が顔を出す。
 淡い光を宿したような白。その中に、黒い種が点々と並んでいた。
 その対比が、妙に美しく見えた。

 「綺麗でしょう?」
 振り向くと、いつのまにか誰かが立っていた。
 淡い藤色のワンピースを着た女の人。見覚えのない顔だった。

 「昔は、よくこれを採りに来たの」
 彼女は微笑みながら、枝の上の果実に視線を向けた。
 「でもね、この実、食べてごらんなさい。中は甘いのに、皮は苦いのよ」
 「知ってます。祖母も同じことを言ってました」
 そう答えると、彼女は少し目を細めた。
 「人も、同じかもしれないわね」

 その言葉に、胸の奥がざわついた。
 思い浮かぶのは、街に置いてきた彼女――玲奈の顔だった。
 柔らかな笑顔。上品な声。けれどその裏には、何かを隠しているような影があった。
 わかっていたのに、惹かれてしまった。
 まるで、この紫の果実みたいに。

 「ねえ、どうして人は、苦いと知っているものを口にすると思う?」
 女の人の声が風に揺れる。
 「それでも確かめたいから……甘さの方を、信じたいからじゃないですか」
 自分でも驚くほど静かな声で答えていた。

 女の人は少し笑って、アケビの蔓を指でなぞった。
 「いい答えね。でも、信じることと、見抜くことは、少し違うのよ」
 そう言い残すと、彼女は木陰の奥に消えた。

 風が止んで、蝉の声だけが残った。
 ふと足元を見ると、先ほどのアケビの皮が落ちていた。白い果肉は消えて、黒い種だけが土に散らばっている。
 甘いものは、いつか形を失う。残るのは、苦みと影。

 けれど、俺はその種をそっと拾い上げた。
 苦さを知っても、また誰かを好きになることを、きっとやめられない。

 山を下りるころ、夕暮れの空が紫に染まっていた。
 まるで、あの果実の色のように――甘くて、少しだけ、切ない色をしていた。