ベースボール記念日

6月19日はベースボール記念日です

6月19日はベースボール記念日

1846年6月19日、史上初となる公式記録に残る野球の試合が、ニュージャージー州エリシアン球場で行われています。このことは、現在行われている野球の基本となっている、3アウトや3ストライクなどのルールで試合が行われて近代野球が誕生しています。また、このルールの制定した人はアメリカ消防団員の「アレキサンダー・カートライト」によるものだそうです。そしてその後、1873年になると日本で初めて野球が入ってきました。

野球誕生と「アレクサンダー・カートライト」

野球誕生と「アレクサンダー・カートライト」

1845年、ニューヨーク在住の「アレクサンダー・カートライト」は、ボランティアの消防隊メンバーたちで「ニッカボッカー・クラブ」という組織を立ち上げます。そして、親睦のために球技を楽しんだそうです。その時の球技は、クリケットを元にした「タウンボール」というスポーツを改良されたものだったそうです。そして、それが後に「野球」(Bseball)という名称が付けられたといわれています。

「タウンボール」

「タウンボール」

「タウンボール」は当時、女性たちが愉しむスポーツだったということで、ボールの投げ方も現在のソフトボールに近い投法だったようです。また、この時はルールが無いに等しく、単に親睦のために愉しむだけの遊びだったといわれています。それを「カートライト」が、ルールをきちんと定めて決め、しっかりゲームとして勝敗を決まるスポーツへと進化させています。そのルールは、ゲームを楽しみながら改良を重ね、時間をかけて生み出したものだといわれています。

ルール

野球のルール

最初は、ボールをランナーにぶつけてアウトだったのが、打ったボールをキャッチしてベースで待つ選手にボールを投げて渡せばアウトとしたり、また塁と塁の距離を統一したり、攻守交替のアウトカウントはいくつにするかを決めたりしていました。他にも、ボールやバットはどんな素材で大きさはどう規定するかなど色々と決められていきます。

野球の普及と不正

野球の普及と不正

この時点で、ルールも決まってスコアブックまで誕生し、ほぼ現在の野球に近いものになっていたそうです。ですが、それを楽しむのは経済的に余裕のある中流階級以上の人たちがほとんど・・・。その後、野球を誕生させた「カートライト」は、この時期に野球の歴史から消えています。

実はその彼、1849年に全米で一大ブームになっていたゴールドラッシュの波に乗り、カリフォルニアに移住していました。そして、彼に代わり野球を普及させたのが、新聞記者の「ヘンリー・チャドウィック」という人物です。

ヘンリー・チャドウィック

現在では、彼こそが真の「野球の父」とアメリカでは呼ばれているようです。その最大の理由は、「野球界の不正と常に戦い続ける」ことで、現在までの野球がスポーツとしての威厳を保つようになったといわれているからです。それがいつの日か、アメリカの国技といわれることになりました。野球の普及は、野球の不正を正す歴史であり、そこで登場するのがそういった野球界の不正の中心となったニューヨークの裏社会でもあるようです。

健全なスポーツだからこそ、心から楽しめる

健全なスポーツだからこそ、心から楽しめる

心から楽しめるスポーツの代表格といえば、高校や中学の野球やバレー、サッカーです。もちろん、母国や母校に対する特別な感情で応援することも素晴らしいと思います。しかし、プロプレイヤーと違って彼らは、スポンサーのバックアップや報酬もなく、ただ目標を達成するためにがむしゃらに練習をしています。

そういった彼らのスポーツ大会は、その「熱心さ」から涙を浮かべる人もいるほど選手と一緒になって応援したくなりますよね。今年2021年、東京でオリンピックが開催されようとしています。そして、コロナ感染拡大のリスクにさらされながらも、粛々と開催実現にに向かって準備されています。こういう時期だからこそ、この五輪開催の目的と意味を改めて考えてみるのもありだと思います。


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6月17日の誕生花「リアトリス」

「リアトリス」

Teodor BuhlによるPixabayからの画像

基本情報

  • 和名:ユリアザミ(ユーリアザミ)
  • 学名Liatris spicata
  • 科名:キク科(Asteraceae)
  • 属名:リアトリス属(Liatris)
  • 原産地:北アメリカ
  • 開花時期:6月~9月
  • 草丈:60cm〜120cm
  • 花色:紫、ピンク、白など

リアトリスについて

Teodor BuhlによるPixabayからの画像

特徴

  • 花の形:花穂状(縦に長く伸びた穂状)で、細かい花が密集して咲く。上から下に向かって咲き進むという珍しい咲き方をする。
  • 茎・葉:茎は直立し、細長い葉が茎に沿って密につく。
  • 耐寒性・耐暑性:どちらも強く、初心者にも育てやすい。
  • 用途:花壇や切り花、ドライフラワーに人気。

花言葉:「燃える思い」

DonnawettaによるPixabayからの画像

リアトリスの花言葉のひとつが 「燃える思い」 です。この由来は主に以下の要素からきています:

  1. 花の形と咲き方
    • 真っすぐに天を突くような花穂の姿が、まるで炎が燃え上がるように見えるため。
    • 鮮やかな紫やピンク色が情熱を感じさせる。
  2. 咲き方の特徴
    • 上から下へと徐々に咲いていく様子が、内に秘めた感情が徐々に表に現れていく「燃え上がる思い」のように映る。
  3. 多年草としての生命力
    • 強い生命力で毎年咲き続ける様子が、一途で熱い想いを象徴しているとされる。

「燃える思い」

Justice KによるPixabayからの画像

夏の風が、古びた駅舎のホームを通り抜けていく。セミの鳴き声が響く中、陽子は一輪のリアトリスを握りしめて立っていた。

 紫色の花穂は、まるで空へ向かって燃え上がる炎のようだった。
 それは、あの日彼が最後にくれた花――「リアトリスっていうんだ」と微笑んで渡してくれた、たった一輪の花。

 陽子が彼――拓真と出会ったのは、ちょうど二年前のこの駅だった。

 大学の夏休みに田舎の祖母の家へ向かう途中、乗り換えのために立ち寄ったこの無人駅。電車の遅延で時間を持て余していた陽子は、ベンチで本を読んでいた。そのとき、「それ、面白い?」と声をかけてきたのが拓真だった。

 見知らぬ土地、見知らぬ人。けれどその声はどこか懐かしく、安心感を与えてくれた。

 それから毎年の夏、陽子は祖母の家を訪れるたびに彼と会い、駅の近くの林道を一緒に歩いた。木漏れ日の差す小道、そしてリアトリスが咲く草原――そこがふたりの秘密の場所になった。

 リアトリスは、背の高い花で、紫の穂が空へと向かって一直線に伸びていた。

dferenceによるPixabayからの画像

 「ほら、上から順に咲くんだよ。不思議だよな。まるで……心が燃えてるみたいだ」

 彼がそう言ったのを今でもはっきりと覚えている。

 ある夏、彼は突然、東京に行くと言った。

 「夢を追いたい。花の研究がしたいんだ。園芸じゃなくて、生態の方に興味があるんだ」

 陽子はその言葉を応援した。でも心のどこかでわかっていた。あの草原で会う日は、もう戻ってこないかもしれないと。

 それでも、別れの日、彼は一輪のリアトリスを手渡してくれた。

 「これは俺の“燃える思い”だ。君に出会って、花の意味が変わったよ」

 その言葉に、陽子は泣いた。

 それから一年が経ち、陽子は彼からの手紙を待ち続けたが、返事はなかった。連絡先も変わり、消息もわからない。

 諦めかけていた今年の夏、祖母の家に届いた一通の封筒。差出人の欄には「T. K.」の文字とともに、東京の病院の名前が記されていた。

 封を切ると、そこには短いメッセージと、押し花になったリアトリスの花が一緒に入っていた。

 《最後までリアトリスのように、上を向いて咲いていたよ。君に出会えて、本当に幸せだった》

 拓真の姉からの手紙だった。

 陽子は涙をぬぐい、草原へと向かった。いつもの小道を抜けると、そこには今年もリアトリスが風に揺れて咲いていた。

 空に向かって、まっすぐに――まるで彼の想いそのもののように。

 陽子はそっと、持ってきた一輪のリアトリスを花畑に添えた。

 「燃える思い……ちゃんと、受け取ったよ」

 空の青さの中で、紫の花が静かに揺れていた。

国際寿司の日

6月18日は国際寿司の日です

6月18日は国際寿司の日

日本では11月1日を「すしの日」としていますが、今日は1961年に全国のすし組合で構成されている「全国すし商環境衛生同業組合連合会」(全国すし連)が制定した記念日となります。実際のところ、制定した団体や詳細は不明だといわれていますが、主に海外で祝われているようです。

海外のすし(Sushi)事情

海外で最近ブームの「Sushi」

我々日本人が昔から食べられているにぎり寿司と、海外で最近ブームとなって食されている「Sushi」は、見た目が味も大きく違うようです。しかし最近は、日本の寿司も洋風感が出てバリエーションを広げていて、新しい感覚の寿司もチラホラと見かけるようになっています。両者の味覚に関する感覚の差は微妙に縮まっているようですが、それでも伝統を重んじる古き日本人ファンが大半を占めているためまだまだといえます。

無形文化遺産の寿司

無形文化遺産の寿司

日本の無形文化遺産の一つといわれる、寿司の世界はまさに芸術の領域に入ります。100個の寿司を握ってそのシャリの米粒の数が全て同じなんてことは、普通の寿司職人の中では当たり前といわれるほど。そして、ネタはその日に市場へ行って吟味された旬の物が使われ、そのほとんどのメニューが生で調理されています。実際、香港のあるメディアは、日本を訪れたら寿司を食べてみるよう読者に向けて呼びかける記事を掲載していて、その勧める理由として「寿司は食べ物に見えないほど美しい」と伝えているようです。

世界で人気の「Sushi」

世界各地で人気の「Sushi」

世界各地で人気の「Sushi」は、日本人の感覚より庶民的なイメージへと変化しています。西洋人は、生ものを苦手な多いため、ネタが限定されて「鶏のささ身」や「ツナ缶」、「アボガド」や「カマボコ」などが人気を集めているそうです。また、箸を上手に使いこなせず、地域の習慣からにぎりを手づかみで食べるのを嫌うが人が多いことなどから、握りよりも軍艦巻きなどの巻きずしタイプを好む傾向があります。

日本の伝統が世界のファーストフード

世界の最新寿司

世界各国で食べられている寿司は、もはやハンバーガーやフライドチキンなどと同様、ファストフード感覚に変化しているような傾向を受けますが、これも納得できるような気がします。寿司職人は納得いかないでしょうが・・・。しかし、どんな形であれ和食の一つが世界的ブームになるということは、そこから日本を知ってもらい、コミュケーションを取るきっかけになるということで大変喜ばしいことだと思います。


「国際寿司の日」に関するツイート集

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6月16日の誕生花「ナツツバキ」

「ナツツバキ」

基本情報

  • 和名:ナツツバキ(夏椿)
  • 学名Stewartia pseudocamellia
  • 科名:ツバキ科
  • 属名:ナツツバキ属
  • 原産地:本州、四国、九州、沖縄
  • 開花期:6月〜7月(初夏)
  • 樹高:10~12m
  • 別名:シャラノキ(沙羅の木)

ナツツバキについて

特徴


  • 白くて5弁の花を咲かせ、黄色の雄しべが中央に目立ちます。ツバキに似た花ですが、1日で散る「一日花」で、清涼感のあるたたずまいが魅力です。

  • 卵形で光沢のある葉。秋には黄〜赤に紅葉します。
  • 樹皮
    滑らかで斑模様があり、美しい灰褐色~赤褐色のまだら模様になります。
  • 耐寒性・耐陰性
    比較的寒さに強く、半日陰にも耐えるため、庭木や公園木として広く利用されます。

花言葉:「愛らしさ」

ナツツバキの花言葉「愛らしさ」は、以下のような特徴に由来しています:

  1. 清楚な美しさ
    純白の花びらに、黄金色の雄しべが映える清楚な姿は、控えめながら人の心を惹きつける可憐さを感じさせます。
  2. 一日花の儚さ
    朝に咲き、夕方には散ってしまう一日花であることが、「儚くも美しい」「可憐な存在」というイメージを生み、愛らしさにつながっています。
  3. 落ち方の上品さ
    散るときは花びらがバラバラではなく、花全体がポトリと落ちるため、静かで上品な印象があり、楚々とした愛らしさを感じさせます。

「ポトリと、夏椿」

六月の終わり、梅雨の合間の陽が差し込む朝だった。

祖母の家の庭先に、白くやわらかな花がひとつ、ふわりと咲いていた。ナツツバキ——祖母はそれを「シャラ」と呼んでいた。
「朝に咲いて、夕方にはもう落ちちゃうのよ」
そう言いながら、祖母はその花に手を合わせるようにそっと視線を向ける。

私は小学五年生の夏休みを、祖母の家で過ごしていた。両親の共働きで一人になる私を、毎年、優しく受け入れてくれる場所だった。
祖母の家の庭には、決まってその時期になると白い花が咲いた。その花が咲くと、「またこの夏が来たんだ」と思うのが、子どもの私なりの風物詩だった。

「シャラって、どうしてそんなにすぐに散るの?」
祖母に尋ねると、少し考えてから、柔らかい声で答えてくれた。

「それが、この花の生き方なのよ。咲くのは一日だけ。でも、誰よりもきれいに咲くの。だから、愛らしいのよね」

その言葉が不思議に胸に残っていた。
咲いて、散る。ただそれだけなのに、「誰よりもきれい」と言えるのはなぜだろう。子どもながらに、私はその意味を知りたくなった。

ある日、私は庭に座り込んで、ナツツバキの木をじっと見ていた。
陽の光を浴びて、白い花がひとつ、ふたつと咲いていた。朝露を受けて、ひんやりとした空気の中に、静かにたたずんでいた。

その日の午後、風が少しだけ吹いた。
その風に乗って、一輪の花がポトリと音もなく落ちた。
花びらがバラバラになることはなく、まるで手のひらをそっと閉じたような形のまま、静かに地面に横たわった。

私は思わず近寄って、その落ちた花を手に取った。
しっとりとした白い花びらはまだ香っていた。
「こんなにきれいなのに、もう終わりなんだ」
私はそう呟いて、少しだけ涙が出そうになった。

祖母がそっと肩に手を置いた。
「きれいに散るっていうのも、生き方なのよ」
「でも、もったいないよ。もっと咲いていてもいいのに」
「咲く時間が短いからこそ、私たちはその一瞬を愛おしく思えるのよ」

それからというもの、私は毎朝、ナツツバキを見上げるようになった。
その清楚な白さが、空の青と重なり、ただそこにあるだけで心を穏やかにした。

夏休みが終わる頃、ナツツバキの花もほとんど散っていた。
だけど、私はもうその姿を悲しいとは思わなかった。
咲くこと、散ること、それぞれに意味がある。
そしてそのどちらも、「愛らしさ」という言葉に包まれているのだと、幼いながらに思った。

秋に向かって葉を色づかせるナツツバキの木を見上げながら、私はふと、来年もまたこの場所で会えるだろうか、と願った。
そして、そのときはもっとこの花のように——
誰かの心に、そっと残るような「一日」を過ごせたらいい、と思った。

ポトリと落ちる白い花は、静かに私の胸の中で、生きていた。

砂漠化および干ばつと闘う国際デー

6月17日は砂漠化および干ばつと闘う国際デーです

6月17日は砂漠化および干ばつと闘う国際デー
砂漠化および干ばつと闘う国際デー

6月17日は、国連が制定した「砂漠化および干ばつと闘う国際デー」です。1994年6月17日に「国連砂漠化防止条約」(UNCCD)が採択されています。そしてこの日は、砂漠化と干ばつへの理解と関心を深め、砂漠化を防ぐ活動を呼びかけ、国際協力の必要性を改めて考える日です。

砂漠化

砂漠化

「砂漠化」とは、乾燥や半乾燥地域、半湿潤地域(乾燥度指数値が0.2∼0.5の地域)で、気候変動や人間活動など様々な原因により、植物の生育が難しくなる現象を言います。簡単に言うと、乾燥した地域で人が住むところや植物の生えているところが、気候変動や人的な活動によって不毛の大地になることです。逆にもともと人も住めず、植物が生えていない砂漠では、砂漠化現象は起こりません。

砂漠化で受ける影響は?

ゴーストタウン化

乾燥地域で住んでいる人達は、作物と家畜、日用品や薪炭材などを生態系に依存しています。しかし、土地の劣化により生態系が劣化していけば、結果的に人々の生活環境が悪化するのは当然のことでしょう。また、乾燥地域の短期・長期での気候の変化は、作物や飼料などの確保に直接影響する家畜の生産や、水の供給を不安定にします。一度乾燥地の生態系が崩れると元に戻すことは厳しく、農業生産性の低下に繋がり、貧困が加速していきます。

現在、多くのアフリカ諸国は、こういった深刻な干ばつを頻繁に受け、食糧の生産基盤である土地の劣化に直面し、住民が生存するために森林、水などの自然資源の過剰採取を行っています。結局、このことが更なる土地の土壌劣化を進ませるという悪循環になっています。

環境森林省の考え方と目標

地球の1/4が砂漠!?

人々の日常生活に必要な活動が原因とされる気候変動と土壌劣化は、天然資源の減少や砂漠化を引き起こします。環境森林省は、これらを防止するために適切な土地管理と環境保全の取組みが重要であり、それを通じて貧困を削減できると考えています。また政府は、2022年までに国土の10%を樹木で覆う取組みを掲げ、目標達成に向け郡政府との密な連携が望まれています。

具体的な取り組み例

地球環境を農業から立て直す

サヘル地域は、アフリカのサハラ砂漠の南端に位置し、深刻な砂漠化が進んでいます。この問題に取り組むため、いくつかの具体的な取り組みが行われています。

改良カマドの普及と農業技術指導:

熱効率が良く薪の消費量が少ない改良カマドの普及や、植林、米作などの農業技術の指導が行われています。

西アフリカの内陸国ニジェールは、サヘルと呼ばれるサハラ砂漠の南縁に位置し、国土の3分の2をサハラ砂漠が占めています。

独立行政法人国際協力機構

緑の壁プロジェクト:

アフリカの11か国が共同で、サハラ砂漠の南端に植林による「緑の壁」を築くプロジェクトが進行中です。この壁は地球温暖化の進行による砂漠化を防ぐために立ち上げられました。

アフリカに築かれる「緑の万里の長城(Great Green Wall)」。サハラ砂漠の拡大防止で大陸横断の植林帯。計画から10年で15%を達成(RIEF)

(一社)環境金融研究機構

特定非営利活動法人「緑のサヘル」:

この団体は、サヘルの土地を「緑の岸辺」に戻すために活動しています。森林分野における活動テーマとして、持続可能な緑化を推進しています。

サハラ砂漠を越えた南側、ここは、かつて久しぶりに緑を目にしたアラビアの商人たちによって、「岸辺(サヘル)」と呼ばれました。今、その「岸辺」では砂漠化が進み、人々の生活基盤が奪われています。砂漠化の進むサヘルの土地を、人々が生活を続けていくことの出来る「緑の岸辺」に戻すため、活動を行っています。特定非営利活動法人 緑のサヘル:URL http://sahelgreen.org/

公益財団法人 国際緑化推進センター

ブルキナファソ国タカバングゥ村

ブルキナファソ国タカバングゥ村では、近隣地域に伝わる様々な知識や技術とそのノウハウから砂漠化防止に有効なものをピックアップし、そこから視察やワークショップから、住民自身が選択した技術の移転を行い、それと同時に村の普及と定着を目指しています。

チャド共和国

チャド共和国では、「育苗や植林支援」「金属製の物や粘土製改良カマド普及」「大豆・稲作普及」「穀物備蓄支援」「共同井戸建設」などを行っているようです。また他にも、砂漠化する地域で生活する人々の生活環境改善を目指し、「専門家の派遣」「研修員の受け入れ」「講習会の開催」などを行っているところがあるそうです。

我々も同じ地球の住人

我々も同じ地球の住人

これまで、砂漠地域に住む人々の生活環境について紹介してきましたが、森林伐採よって気候変動を起こす温室効果ガス排出によるオゾン層の破壊も、砂漠化も地球規模の問題として直結していると言えます。現在100億人が地球で生活しています。それだからこそ、我々は他人事と捉えず、プラスチックごみの削減、水道水の節約など、まずは個人で可能なことから意識していくことが一番の近道だと考えます。


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6月15日、8月5日の誕生花「ムラサキツユクサ」

「ムラサキツユクサ」

基本情報

  • 和名:ムラサキツユクサ(紫露草)
  • 学名:Tradescantia × andersoniana
  • 英名:Spiderwort(スパイダーワート)
  • 科名:ツユクサ科(Commelinaceae)
  • 属名:ムラサキツユクサ属(Tradescantia)
  • 原産地:北アメリカ
  • 開花時期:5月~7月(10月~11月)
  • 花の色:紫、青紫、青など
  • 草丈:30〜70cm程度

ムラサキツユクサについて

特徴

  • 花の寿命が短い
    一つの花は朝に咲き、昼にはしぼんでしまうという特徴があります。ただし、株全体としては次々と花を咲かせ、数週間〜数ヶ月にわたって楽しめます。
  • 強健で育てやすい
    日向〜半日陰の場所でよく育ち、寒さにも比較的強いため、初心者にも育てやすい植物です。
  • 葉は細長く、やや光沢がある
    草丈の割に細長い葉を持ち、群生すると見ごたえがあります。
  • 染色体や細胞観察に使われる
    花粉母細胞の観察などに適しており、教育や研究用植物としても活用されます。

花言葉:「尊敬しているが恋愛ではない」

ムラサキツユクサの花言葉の中で特に有名なのが:

「尊敬しているが恋愛ではない」(Respectful, but not romantic)

この少し複雑な花言葉には、以下のような背景が考えられています。

1. 一日花の儚さと非恋愛性

ムラサキツユクサの花は非常に儚く、一日でしぼんでしまうため、恋愛のような情熱的で長く続く感情というよりも、「一瞬の美しさ」や「静かな敬意」といった感覚が連想されやすいです。

2. 慎ましさと控えめな美

華やかさはあまりなく、控えめで落ち着いた色合いと佇まいを持つことから、「敬意を払う存在」にはなっても、「恋に落ちる対象」ではないという印象を与えることがあります。

3. 文化的解釈

一部の日本や西洋の花言葉には「非恋愛的な好意」や「精神的なつながり」を表現するものがあり、ムラサキツユクサもそうした精神性や冷静な感情を象徴しているとされています。


■ その他の花言葉

  • 貴ぶべき思い出
  • ひとときの幸せ
  • 恋ではない愛(spiritual love)

「紫の約束」

dae jeung kimによるPixabayからの画像

梅雨の晴れ間、祖母の庭先に咲くムラサキツユクサが、朝の陽を受けて静かに揺れていた。薄紫の花びらは、今にも溶けてしまいそうなほど繊細で、一日限りの命を咲き誇るように見せていた。

高校最後の夏休み。私は東京の大学に進学することを決めていた。田舎のこの町を離れるのは少し寂しいけれど、未来に胸が躍ってもいた。

そんな朝、祖母の家の隣に住む和彦さんが、畑の帰りに声をかけてきた。

「今年も咲いたね、ムラサキツユクサ。すぐしぼんじゃうけど、朝だけの美しさってのもいいもんだよ。」

和彦さんは祖母より10歳ほど若く、昔は教師をしていた人だった。私は小学生の頃、よく彼に作文や読書感想文を見てもらっていた。話し方は柔らかくて、目が笑っていて、でもどこか距離を感じさせる人だった。

「和彦さん、花言葉って知ってます?」

「ん? ああ、“尊敬しているが恋愛ではない”、だっけ?」

「…ちょっと不思議ですよね。その言葉。」

彼は笑った。「不思議だけど、ある意味、一番人間らしい感情かもしれない。誰かを深く想うけど、それが恋とは限らない。敬意とか、憧れとか。そういうのも、ちゃんと愛の形だと思うよ。」

私は頷きながら、どこか胸が締めつけられるのを感じた。

和彦さんは、私の憧れだった。恋とかではない。でも、彼の言葉にいつも救われて、背中を押されてきた。大人になった今でも、彼の考え方や生き方が、私にとって一つの指標になっていた。

「大学に行ったら、たくさんの出会いがあると思う。でも、誰かを“尊敬する”って気持ちは、案外長く残るもんだよ。」

そう言って彼は、庭のムラサキツユクサをそっと一輪摘み、私に手渡した。

「この花、咲いたその日にしぼむけど、根は強いから、また翌朝咲く。自分の中にある“静かな想い”も、そういうもんかもしれないね。」

私は花を受け取り、深く息を吸った。紫の花は、淡く香り立つようだった。

その年の夏、私は東京へ旅立った。

何年か後、祖母が亡くなり、久しぶりにこの町へ戻ったとき、和彦さんはすでに引っ越していた。家の前には、今もムラサキツユクサが咲いていた。あの朝のように、静かに、誇らしく。

私は花に手を伸ばし、小さな声で言った。

「今でも、あの言葉、覚えています。“尊敬しているが恋愛ではない”。たぶんそれは、ずっと私の中で咲き続けてる。」

花は何も答えなかったけれど、朝露に濡れたその紫が、優しく私の心を包んだ気がした。

アフリカの子どもの日

6月16日はアフリカの子どもの日です

6月16日はアフリカの子どもの日

この日は、教育のために立ち上がった多くの学生たちのことを忘れないため、アフリカの子供たちについて考える日です。そして、南アフリカではこの日を「青年の日」として祝日にもなっているそうです。1991年には、アフリカ統一機構(現在のアフリカ連合)が「アフリカの子どもの日」として制定しています。

教育のためにデモ行進

ソウェト蜂起

1976年6月16日、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ郊外に位置するソウェト地区で、教育の質の向上と自国語で教育を受けるという権利を主張するために、黒人学生たちによるデモ行進を行ったそうです。そして次第に暴動に発展して「ソウェト蜂起」が起こりました。

当時、アパルトヘイト政策(極度の人種差別の政策)を行っていた南アフリカ政府は、学校でゲルマン語派のアフリカーンス語の授業の導入を決定しています。アフリカーンス語を「白人支配の象徴」と見なす黒人と主に学生たちの間で激しい反発が起こり、数週間に亘って黒人学生が授業をボイコットする事態に発展しています。

アパルトヘイトとは

アパルトヘイト(apartheid)は、南アフリカ連邦および、南アフリカ共和国で1948年~1994年まで施行されていた人種隔離政策のことです。この政策は、白人を優遇して有色人種に対し、政治的または経済的な差別を行っていました。具体的には、有色人種には選挙権がなかったり、移住区間が完全に区別されていたようです。

アパルトヘイトは、アフリカーンス語で「分離、隔離」を意味していてます。この政策の目的は、少数の白人の政治的・経済的特権を維持するため、黒人をはじめ白人以外の人種の権利や自由を奪い、様々な制限を与えました。

子供たちへの無差別な弾圧

子供たちへの無差別な弾圧

これらの暴動に参加した子供たちは、軍隊から無差別に銃撃を受けるなどの抗議活動が2週間も続きました。そしてその結果、100人以上が殺害されて1000人以上が負傷する事態となっています。この事が、反アパルトヘイト闘争の転換点となった出来事ともいわれているそうです。

日本からの支援活動

日本からの支援活動

2019年10月に日本政府の支援により「万人のための教育」プログラムの一環として「学校の修復作業」、また日本ユニセフ協会は、「インフラの復旧」と「学校の塗装」「机や椅子、ホワイトボード」「水と燃料タンク」の提供を行っています。さらには、「校庭の修復やフェンスの設置」、障がいのある子供のために「トイレの修復と改善」、そして教員研修用の教室の整備も行われたようです。

このように、日本でも1993年から毎年、「熊本県ユニセフ協会」(日本ユニセフ協会協定地域組織)が「アフリカ子どもの日」にイベントも開催されています。そして我々個人も、この日をきっかけに人種差別に限らず、身近な人権問題について考えることも大切な第一歩に繋がって行くのではないでしょうか!


「アフリカの子どもの日」に関するツイート集

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6月14日の誕生花「グラジオラス」

「グラジオラス」

Goran HorvatによるPixabayからの画像

グラジオラス(Gladiolus)は、美しくて力強い印象の花として知られ、夏から初秋にかけて庭や花壇、切り花として人気があります。

基本情報

  • 和名:トウショウブ(唐菖蒲)
  • 学名Gladiolus × hybridus
  • 科名/属名:アヤメ科/グラジオラス属
  • 原産地:南アフリカの原種をもとに育成
  • 開花時期:6月〜9月
  • 花色:赤、ピンク、白、黄、紫、オレンジなど多彩
  • 草丈:60〜150cm程度
  • 形状:球根植物(球茎)

グラジオラスについて

Genie Webber-HornsbyによるPixabayからの画像

特徴

  • 剣のような葉:「グラジオラス」という名は、ラテン語の「gladius(剣)」に由来しており、その名の通り細長くとがった葉が特徴的。
  • 花の並び方:茎の一方に沿って縦に並んで花が咲く「片側咲き」。華やかで豪華な印象を与える。
  • 生育が簡単:日当たりと水はけの良い場所で育てやすく、初心者にもおすすめの園芸植物。
  • 切り花として人気:花もちがよく、華やかさがあるため、フラワーアレンジメントや贈り物にもよく使われる。

花言葉:「熱愛」

Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像

グラジオラスの花言葉にはいくつかありますが、「熱愛(passionate love)」は特に印象的な意味合いを持っています。

● 由来の背景:

  1. 真っ直ぐに咲く花姿
     グラジオラスは、まっすぐに空へ向かって伸び、力強く咲く姿が「一途な思い」や「情熱的な愛」を連想させます。
  2. 情熱的な花色
     赤やオレンジなど鮮烈な色合いの花が多く、「燃えるような恋」や「心の奥底から湧き上がる感情」と結びつけられてきました。
  3. ローマ時代の剣闘士との関係
     名前の語源「gladius(剣)」から、ローマ時代には勝利や栄光と結びつけられ、剣闘士の象徴でもありました。この「強さ」や「一心不乱な姿勢」が恋愛においても「燃え上がるような愛=熱愛」と解釈されるようになったと考えられています。

「グラジオラスの約束」

夏の終わり、大学の構内にある小さな温室の前で、茜は立ち止まった。窓越しに見える赤い花が風に揺れ、どこか彼女を呼んでいるような気がした。

「……咲いてるんだ」

温室の奥に咲く赤いグラジオラス。茜がこの花を最後に見たのは、一年前の夏だった。

「あのときのまま、まっすぐに咲いてるのね」

一年前のあの日、彼――祐真(ゆうま)は突然こう言ったのだ。

「俺、来年はこの花をもっとたくさん咲かせるから、見に来てほしい」

軽い冗談のように聞こえたけれど、彼の目は真剣だった。植物学専攻の祐真は、卒業研究でグラジオラスの育成に取り組んでいた。まっすぐに立ち上がる茎、燃えるような赤い花弁。それが彼の情熱そのもののように思えた。

でも、その約束は果たされることはなかった。

大学を出た直後、彼は交通事故に巻き込まれ、この世を去った。

あれから一年。茜は祐真との約束を胸に、この温室を訪れる決意をしたのだった。

扉を開けると、甘く淡い香りが立ち込める。奥の一角には、まるで彼の魂が宿っているかのように、無数のグラジオラスが咲いていた。赤、オレンジ、紫、白――まるで祐真の情熱が、色彩となって生きているようだった。

Stefan SchweihoferによるPixabayからの画像

温室の壁には、手書きのメモが残されていた。

「グラジオラス:花言葉は『熱愛』。
まっすぐに伸びる姿は、揺るがぬ想いの象徴。
今年も、君に見せたい。」

茜の胸が熱くなった。なぜ、あのとき彼の気持ちにもっと寄り添ってあげられなかったのか。どうしてあの花の意味を、あのときもっと深く考えなかったのか。

けれど今、この花が全てを語っている。

祐真の想いは、花に託され、こうして時を超えて茜の心に届いた。

彼はもういない。でも、この温室には、彼の愛がまっすぐに根を張っている。

「ありがとう、祐真……あなたの熱い想い、ちゃんと届いたよ」

そっと茜は、グラジオラスの一輪に触れた。

――花言葉は「熱愛」。

それは、静かに燃え続けるような、一途でまっすぐな想い。
言葉にできなかった愛が、今、ようやく花として咲いたのだった。

世界高齢者虐待啓発デー

6月15日は世界高齢者虐待啓発デーです

6月15日は世界高齢者虐待啓発デー

現在、国際的に見ても大半の国で高齢者の人口が増加し、その増加による高齢者の虐待数も増加するであろうと予想されています。これまで当然禁止されていた高齢者虐待の問題が、世界中でようやく認知され始めていますが、実際には国によっては最も関心のない暴力の一つです。

そして、その国の行動計画では最も取り扱いの少ない問題であることも一つだといわれています。そこで、2011年12月の国連総会でこの日を「世界高齢者虐待啓発デー」として制定されました。

高齢化になると高齢者虐待の数も増加する!?

高齢者への介護

世界各国、特に先進国で高齢者人口が増加しています。高齢者の増加に伴い、高齢者虐待の数も増加することが予想されまています。そのお陰で、禁止されてきた高齢者虐待の問題が、この問題から改めて注目を浴びはじめていますが、それでも現在では最も調査報告事例の少ない暴力であり、さらには国家実行計画として取り上げられる可能性の低い問題だそうです。

高齢者虐待の実例

介護は国際的な問題

現在、日本やカナダで高齢者虐待の事件がクローズアップされています。その加害者である虐待者は、 虐待の被害を受けている高齢者の信頼する立場(介護施設や医療施設の職員や介護をする家族)の人たちという例が大半を占めているそうです。よく問題として挙げられる介護施設職員による虐待ですが、現状では介護施設での虐待より、在宅で介護をする家族による虐待の件数が多いといわれているそうです。

その虐待に至る理由として挙げられるのは、介護行為から発生する「ストレスやうつ」、「高齢者介護の知識不足」、「アルコールや薬物への依存・乱用」が主に挙げられます。更には在宅介護の場合、「社会的支援の欠如」、「地域社会からの孤立」、「心理的または経済的な高齢者への依存」等も虐待理由の要因となるそうです。

世界28カ国が6人に1人の高齢者虐待を受けている!?

世界28カ国が6人に1人の高齢者虐待を受けている!?

2017年、世界保健機関(WHO)は世界28カ国の地域から高齢者虐待についての調査又報告をし、高齢者60歳以上の6分の1もの人が、何らかの虐待被害を受けた経験があると答えたそうです。中でも、精神的な虐待が深刻と考えられていて、その問題解決のために加盟している各国に対し、介護従事者の研修、電話相談などの対策強化を求めているようです。

高齢者が虐待される理由は様々

高齢者が虐待される理由は様々

WHOのウェブサイトでは、様々な高齢者虐待のデータが数字で提示されています。記述によると、16%の高齢者が前年1年間に虐待を経験しています。その中でも認知症の高齢者は、虐待を受けるリスクは高く、 3人に2人が虐待を受けているそうです。

虐待の事実が報告されているのは全体の4%に過ぎず、虐待を受けている当事者が通報したことへの仕返し、虐待者がトラブルに巻き込まれるのを恐れたりなどが、通報しない理由として挙げられているようです。また、自身が身体的な障害や認知機能の低下などによって通報できない場合もあります。

90%は同居中の家族による虐待

90%は同居中の家族による虐待

高齢者虐待の90%は、在宅介護している同居人である家族からの虐待行為です。配偶者やパートナーなどによるものでほとんどで、中でも最も多いのがその高齢者の息子による虐待で、それに続き「夫や娘」による虐待だそうです。虐待は加害者の他に誰もいない時、 恐らく周囲の人が気づくまで虐待は続くでしょう。

もし、ありえない打撲キズや物が無くなったりなど、不審に感じた心ある家族やケアマネジャーなどが隠しカメラやモニターを設置して証拠をつかみ、代わりに通報することも一つの虐待を防ぐ(抑止効果になる)方法ではないでしょうか!


「世界高齢者虐待啓発デー」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

6月13日の誕生花「トケイソウ」

「トケイソウ」

hartono subagioによるPixabayからの画像

基本情報

  • 和名:トケイソウ(時計草)
  • 学名:Passiflora caerulea
  • 英名:Passion Flower
  • 科名:トケイソウ科(Passifloraceae)
  • 原産地:南アメリカ熱帯〜亜熱帯
  • 開花時期:5月〜10月(種類により異なる)
  • 種類:500種以上(代表種:クダモノトケイソウ=パッションフルーツ)

トケイソウについて

Dominik RheinheimerによるPixabayからの画像

特徴

  • 花の形状:中心に3つの雌しべと5つの雄しべがあり、放射状に広がる花弁と副花冠が特徴的で、時計の文字盤のように見えることから「トケイソウ」と呼ばれる。
  • つる性植物:巻きひげを出して他のものに絡みつきながら成長する。
  • 果実:一部の品種(Passiflora edulis など)はパッションフルーツとして食用にされる。
  • 花色:白、紫、青、赤など多彩。

花言葉:「聖なる愛」

トケイソウの英名 Passion Flower の「Passion」は、キリストの「受難(Passion of Christ)」に由来します。

17世紀、南米に布教に来たスペインの宣教師たちは、トケイソウの花をキリストの受難の象徴と見立てました:

  • 副花冠の糸:茨の冠
  • 5本の雄しべ:キリストの受けた五つの傷
  • 3本の雌しべ:十字架に打たれた3本の釘
  • 花びらとがくの合計10枚:キリストの忠実な10人の使徒(ユダとトマスを除く)

このような神秘的で象徴的な姿から、「聖なる愛」「信仰」「宗教的な情熱」という花言葉が生まれました。


「時を越える花」

hartono subagioによるPixabayからの画像

南米の赤土にまみれた十字架の前で、ひとりの若い宣教師・マヌエルは静かに祈っていた。彼の指先は、震えるようにロザリオをなぞる。その祈りの声は、風に乗ってジャングルの奥へと消えていった。

 時は17世紀、スペインから遥か海を越えて辿り着いたこの地で、マヌエルは言葉も文化も異なる人々に、神の教えを届けようとしていた。だが、思うように人々の心は動かない。異国の宗教に不信と恐れを抱き、村人たちは彼を避けた。

 ある日、村の少年がひとつの花を手に持って彼のもとへやって来た。紫と白の複雑な花弁、放射状に広がる糸のような副花冠――その奇妙な姿に、マヌエルは息をのんだ。

 「これは……?」

 少年は「トケイソウ」と呼ばれるその花を差し出した。村では薬草として使われており、特別な力があると信じられていた。

 マヌエルはその花をじっと見つめる。中央に整然と並んだ雌しべと雄しべ。その形に、彼の胸は高鳴った。まるで……キリストの受難を刻むように、花が語りかけてくるのだ。

touchingbeyondによるPixabayからの画像

 「この副花冠は……茨の冠のようだ」
 「雄しべの数は五……救い主が受けた五つの傷」
 「雌しべは三……十字架に打たれた三本の釘」
 「花弁とがくの数は十。ユダとトマスを除いた、忠実な十人の使徒か……」

 偶然とは思えなかった。神は、この地にもその姿を示していたのだ。マヌエルは涙をこぼし、ひざまずいた。神は異教の大地にも、希望と導きを咲かせていたのだと確信した。

 その日から、マヌエルはこの花を「Passion Flower(受難の花)」と呼び、村人たちに語りかけるようになった。キリストの愛と痛み、そして救いの約束をこの花に込めて。

Kurt BoudaによるPixabayからの画像

 「これは、神があなたたちにも愛を注いでいる証です」

 村人たちは初めこそ戸惑ったが、その話に静かに耳を傾けるようになった。やがて、マヌエルの言葉が心にしみこみ、信仰の芽が村に根を下ろし始めた。

 年月が過ぎ、マヌエルの墓にはいつしか野生のトケイソウが咲き誇るようになった。その紫の花びらは、まるで時計の針のように静かに時を刻み続ける。

 そしてその花に添えられた小さな札には、こう書かれていた。

 「聖なる愛は、時を越えて咲き続ける。」