クータ・バインディングの日

9月8日はクータ・バインディングの日です

クータとは

株式会社渋谷文泉閣が開発した「クータ・バインディング」は、手を添えなくても開いたままで読めるユニバーサルデザインの製本です。長野県に本社を置き、この製本の普及を目的としています。制定日は、読書シーズンの秋と「ク→9、タ→8」の語呂合わせから決まりました。

「クータ・バインディング」の特徴

製本の仕組み

この製本方法は、本の背の部分に筒状の紙(クータ)を貼ることで、本を開くとき背表紙と本体間の空洞が、開いたページをほぼ平行に保つ構造です。この開発のきっかけは、肢体の不自由な友人から受けた要望で「手で押さえなくても閉じない読みやすい本が欲しい」ということからだそうです。

1. 軽量性

クータ・バインディングは、軽量な素材で作られており、登山やバックカントリーでの使用に適しています。軽さは長時間の活動において疲労を軽減します。

2. 高い耐久性

厳しい環境下でも使用できるように設計されており、耐久性が高いです。これにより、岩場や雪の中でも安心して使用できます。

3. 優れたフィット感

クータ・バインディングは、足の形にフィットするように設計されており、快適な履き心地を提供します。調整可能なストラップやバックルが装備されているため、個々の足に合わせた調整が可能です。

4. 優れたパフォーマンス

特に雪上でのパフォーマンスが高く、滑りやすい斜面でもしっかりとしたグリップを提供します。これにより、急な斜面や不整地でも安定した動きが可能です。

5. 多機能性

クータ・バインディングは、登山だけでなく、スノーボードやバックカントリーでも使用できる多機能性があります。このため、さまざまなアクティビティに対応できる柔軟性があります。

6. 簡単な取り付けと取り外し

ユーザーが簡単にバインディングを取り付けたり取り外したりできる設計になっており、特に雪山での迅速な対応が求められるシーンで便利です。

7. デザインとスタイル

クータ・バインディングは、スタイリッシュなデザインが特徴で、見た目にもこだわっています。さまざまなカラーやデザインが用意されているため、個々の好みに合わせて選ぶことができます。

クータ・バインディングは、軽量で耐久性が高く、優れたフィット感とパフォーマンスを提供するため、登山やスノーボード愛好者にとって非常に人気があります。多機能性とスタイリッシュなデザインも大きな魅力です。これからのアウトドア活動にぜひ取り入れてみてください。

頑丈さと読みやすさを重視

製本は最初、頑丈であることが優先されていて、人に優しい読みやすさとは異なる考え方のものでしたが、より多くの人に本を読んでもらうために試行錯誤を繰り返し、ようやくこの「クータ・バインディング」を開発し、頑丈であることも実現されています。

この製本は上肢の障害者に優しい

開いても勝手に閉じない製本

私のように左半身麻痺の障害があると、本を読む時は、必ずテーブルに置きます。そして、片手でページ開き、次のページ開く時が難しく指で押さえながらなので大変です。それで、この作りの製本は、身体の不自由な人間にとっては人に優しい開発になりますよね。確かに、「本を避けてた人もまた本を読もう」って気になります。


「クータ・バインディングの日」に関するツイート集

2026年の投稿

2025年以降の投稿

CMソングの日

9月7日はCMソングの日です

CMソング人気ランキング

1951年、初めてラジオでCMソングを使って中部日本放送(CBC)と毎日放送の前身である新日本放送(NJB)でオンエアされています。その初のCMソングは、コニカミノルタ株式会社「さくらフイルム」のCMでしたが、歌の中に社名と商品名は入っていなかったそうです。

国内初のCMソング「ボクはアマチュアカメラマン」

僕はアマチュアカメラマン

そもそも、民間ラジオ放送の開始は1951年9月1日で、コニカミノルタ社は、民放第一声で新番組をはじめたいという想いから30分間、番組枠を購入しています。そして、人気作曲家の三木鶏郎先生に委嘱しました。それに対して三木先生は、NHKでは無いものは何かと考え、CMソングを提案しました。その時、あえて社名や製品名の無い国内初のCMソング「ボクはアマチュアカメラマン」が誕生しています。

カメラやフィルムの製造がルーツ、「コニカミノルタ 」

ちなみに「コニカミノルタ」は、画像の入出力や処理を中核とする独自の技術を身に付け、この技術を脈々と受け継ぎ、お客様の潜在的な課題である「見えないもの」を「見える化」する技術へと進化させています。そして、お客様や社会から求められる新しい価値を生み出しています。さらには、世界中のお客様の「見たい」というニーズに応えたいという思いが価値創造の原動力となる会社です。

CMソングから自然に馴染む曲

懐かしのCMソング

歌番組などが少ない現在、新曲を覚えるきっかけとなるのが、ドラマのオープニングやエンディングテーマとこのCMソングです。特にCMソングは、どんな番組でもCM時間帯にさりげなく流れて自然に耳に残ります。興味が無いジャンルでも覚えて好きな曲になることあるから凄いです。

現在の人気CMソング動画

現在人気のCMソングは、ジャンルを問わずあらゆる商品から斬新な表現力でヒットしていますが、中にはリリースから何年もたった曲がCMソングとして使用され、再ブレイクしています。さらには、往年の名曲を人気俳優さんがカバーしていたりという風に良い曲は引き継がれ、新しい曲はまた新たなトレンドを生んだりという感じです。その中でもいくつか2020年代前後の人気ヒットソングを紹介します。

緑黄色社会 「Mela!」

緑黄色社会 「Mela!」

YOASOBI 幾田りら 「全力少年」Cover.

YOASOBI 幾田りら 「全力少年」Cover.

[Alexandros] – ワタリドリ 

[Alexandros] – ワタリドリ 

あいみょん「ハルノヒ」

あいみょん「ハルノヒ」CMソング

上白石萌歌のHY「366日」

上白石萌歌のHY「366日」

消費者に影響を与える一つのきっかけに

Chris FosterによるPixabayからの画像

「CMソングの日」は、そういった音楽と広告の関係を改めて振り返り、広告業界のクリエイティブな側面や音楽が、消費者に影響を与えるきっかけになります。また、人気のCMソングが一種の文化現象となることもあり、その時代の流行や社会的背景を映し出す役割も果たしています。


「CMソングの日」に関するツイート集

2026年の投稿

2025年の投稿

8月12日、9月7日の誕生花「クロユリ」

「クロユリ」

クロユリは、北海道や本州中部以北の高山などに自生するユリ科の多年草です。黒紫色の花を下向きに咲かせる姿が印象的で、「恋」「呪い」などの花言葉を持ちます。独特の香りがあり、初夏の高山を彩る花として知られています。

基本情報

  • 学名:Fritillaria camschatcensis(フリチラリア・カムチャトケンシス)
  • 科名:ユリ科
  • 属名:バイモ属(フリチラリア属)
  • 原産地:日本、東アジア、北アメリカ北西部など
  • 開花時期:5月~8月ごろ
  • 花の色:黒紫色、暗紫褐色
  • 草丈:20~50cmほど

クロユリについて

特徴

  • 名前の通り、黒に近い紫色の花を下向きに咲かせる、独特な美しさを持つ多年草。
  • 花は釣鐘のような形をしており、内側には網目状の模様が見られることがある。
  • 北海道などの高地や草原に自生し、冷涼な環境を好む。
  • 一般的なユリとは異なり、独特の姿と色合いから山野草としても人気がある。
  • 花には独特の香りがあり、英名では「Kamchatka fritillary」などと呼ばれている。


花言葉:「恋」

由来

  • ひっそりとうつむくように咲く黒紫色の花姿が、秘めた恋心や人知れず誰かを想う気持ちを連想させることに由来するといわれている。
  • 鮮やかな花とは異なる神秘的でミステリアスな色合いが、簡単には人に明かせない恋の情熱や深い想いを象徴している。
  • 古くからクロユリには恋にまつわる伝承があり、特に北海道では、好きな人の近くにクロユリを置き、相手がその花を手にすると結ばれるという言い伝えが知られている。
  • こうした恋愛にまつわる伝承と、ひっそりと咲く神秘的な花姿が結びつき、「恋」という花言葉につながったと考えられている。


「黒百合の咲く場所で」

 六月の終わり、北海道にはまだ少しだけ春の名残があった。

 山あいの道を抜けると、青々とした草原が広がっている。澄んだ空気の中を冷たい風が吹き抜け、遠くの山々には薄い雲がかかっていた。

 彩乃は、十年ぶりにこの場所へ戻ってきた。

 幼い頃、祖母に連れられて何度も訪れた場所だった。

 その頃の彩乃には、ここが世界のどこにあるのかさえ分からなかった。ただ、風の音と鳥の声を聞きながら歩くことが好きだった。

 そして、もう一つ。

 この場所には、祖母から教えてもらった特別な花があった。

 クロユリ。

 黒に近い紫色の花を、うつむくように咲かせる小さな花。

 華やかではない。

 むしろ、少し寂しげで、近づかなければ見落としてしまいそうな花だった。

 けれど、彩乃はその花が好きだった。

 子どもの頃、祖母は言った。

「クロユリにはね、恋のおまじないがあるんだよ」

「恋?」

「そう。好きな人の近くにクロユリを置いて、その人がその花を手に取れば、二人は結ばれるっていう言い伝えがあるの」

 幼い彩乃には、その意味がよく分からなかった。

 けれど、「好きな人」という言葉だけは妙に心に残った。

 そして高校生になった頃、初めてその言葉の意味を知った。

 好きな人ができたのだ。

 名前は悠真。

 幼なじみだった。

 小学生の頃から一緒に遊び、中学生になっても同じ道を歩いて学校へ通った。

 高校に入ってからも、放課後になると自然に一緒に帰ることが多かった。

 けれど、いつからか彩乃は、悠真のことを「幼なじみ」ではなく、一人の男性として見るようになっていた。

 笑った顔を見ると嬉しくなる。

 名前を呼ばれるだけで胸が高鳴る。

 他の女の子と話していると、なぜか落ち着かない。

 これが恋なのだと気づいたとき、彩乃は嬉しいような、怖いような、不思議な気持ちになった。

 そしてある夏の日、二人でこの草原を訪れた。

「ここ、昔と変わらないな」

 悠真が言った。

「うん」

 彩乃は笑った。

 けれど本当は、胸の奥で別のことを考えていた。

 祖母から聞いた、クロユリの伝承。

 好きな人の近くに花を置き、その人が手に取れば結ばれる。

 そんな昔話を信じるなんて、子どもっぽいと思っていた。

 それでも、彩乃は一本のクロユリを見つけた。

 黒紫色の花が、ひっそりとうつむいている。

 まるで誰にも知られたくない秘密を抱えているようだった。

「何見てるの?」

 悠真が近づいてきた。

「クロユリ」

「珍しいな」

「昔、おばあちゃんに教えてもらったの」

 彩乃はそこで言葉を止めた。

 花を摘んで渡すことはできなかった。

 自然の中で咲いている花を勝手に摘むこともできない。

 それ以上に、自分の気持ちを知られることが怖かった。

「何?」

「ううん。なんでもない」

 結局、その日は何も言えなかった。

 帰り道、夕暮れの中で悠真が言った。

「俺、来月から東京の大学に行くんだ」

 彩乃は足を止めた。

「……そうなんだ」

「うん。ずっと言おうと思ってた」

 胸の奥が、急に冷たくなった。

 分かっていた。

 高校を卒業すれば、それぞれの道へ進む。

 いつまでも一緒にいられるわけではない。

 それでも、現実として聞かされると苦しかった。

「彩乃は?」

「私は地元の大学」

「そっか」

 二人の間に、しばらく沈黙が流れた。

 風が草原を渡っていく。

 その風に揺れるクロユリが、遠くで小さく見えていた。

「じゃあ、また帰ってきたら会おう」

 悠真が笑った。

「うん」

 彩乃も笑った。

 それが精いっぱいだった。

 卒業式の日。

 彩乃は最後まで告白できなかった。

 好きだった。

 ずっと好きだった。

 けれど、離れてしまう相手を引き止める勇気がなかった。

 悠真が東京へ旅立ったあと、二人はしばらく連絡を取り合った。

 最初は毎日のようにメッセージを交わした。

 大学の話。

 新しい友達の話。

 地元の話。

 そんな何気ない会話が楽しかった。

 けれど時間が経つにつれて、連絡は少しずつ減っていった。

 卒業。

 就職。

 新しい生活。

 二人はそれぞれの人生を歩き始めた。

 気づけば、十年が過ぎていた。

 そして今。

 彩乃は、あの日の草原に立っている。

 風が吹いた。

 草の間から、黒紫色の花が顔をのぞかせている。

 クロユリだった。

「まだ咲いてるんだ……」

 彩乃はしゃがみ込み、その姿をじっと見つめた。

 その花は、あの頃と同じようにうつむいていた。

 秘めた想いを誰にも明かさないように。

 彩乃はふと笑った。

「私も、ずっとそうだったのかな」

 言えなかった。

 伝えられなかった。

 好きだったという気持ちを、心の奥にしまったまま十年が過ぎた。

 スマートフォンを取り出す。

 連絡先には、今も悠真の名前が残っている。

 けれど、連絡を取る理由などない。

 そう思って画面を閉じようとした、その瞬間だった。

 スマートフォンが震えた。

 一通のメッセージ。

 送り主は、悠真だった。

『久しぶり。今、北海道に来てる』

 彩乃は息を止めた。

 続いて、もう一通。

『昔、一緒に行った場所に行ってみようと思ってる』

 心臓が大きく跳ねた。

 そんな偶然があるのだろうか。

 彩乃は周囲を見渡した。

 遠くに、一人の男性が立っている。

 見覚えのある姿。

 ゆっくりとこちらへ歩いてくる。

「……彩乃?」

「悠真……」

 十年という時間が、一瞬で消えていくようだった。

「久しぶり」

「うん」

 それ以上、言葉が出なかった。

 二人は昔のように草原を歩いた。

 学生時代の話をした。

 仕事の話をした。

 家族の話をした。

 そして、昔ここへ来た日のことも。

「覚えてる?」

 悠真が言った。

「この辺にクロユリが咲いてたよな」

「覚えてるよ」

「俺、あのとき彩乃が何か言いたそうにしてたの、気づいてた」

 彩乃は驚いて彼を見た。

「……気づいてたの?」

「うん。でも聞けなかった」

「どうして?」

「怖かったから」

 悠真は少し笑った。

「もし聞いて、今までの関係が変わったら嫌だった」

 彩乃は黙った。

 自分も同じだった。

 好きだった。

 でも失うのが怖かった。

 だから言えなかった。

 十年間、ずっと。

「私ね」

 彩乃はゆっくり口を開いた。

「昔、悠真のことが好きだった」

 言葉にした瞬間、胸の奥にあったものが静かにほどけていく。

 悠真は驚いたように彩乃を見つめた。

「……昔?」

「うん」

 彩乃は笑った。

「今は、分からない」

 悠真も笑った。

「俺も同じかもしれない」

 その言葉に、彩乃は少しだけ胸が高鳴った。

 けれど、すぐに答えを求める必要はなかった。

 十年の時間を飛び越えて再会できた。

 それだけで十分だった。

 夕方。

 二人は草原に咲くクロユリの前で立ち止まった。

 黒紫色の花が、風に揺れている。

「クロユリって、恋の花なんだよね」

 悠真が言った。

「うん」

「じゃあ、昔の俺たちにはぴったりだったのかもな」

「どういう意味?」

「言えなかったから」

 二人は顔を見合わせて笑った。

 クロユリは何も語らない。

 ただ、うつむいたまま静かに咲いている。

 その姿は、誰にも知られない恋心そのものだった。

 けれど、秘めた想いは決して無意味ではない。

 たとえ届かない日があっても。

 たとえ時間が流れても。

 本当に大切にした気持ちは、心の中から消えることはない。

 そして時には、十年という長い時間を越えて、再び誰かをつなぐことさえある。

 クロユリの「恋」という花言葉は、華やかで明るい恋だけを表しているのではない。

 ひっそりとうつむいて咲く花の姿。

 黒紫色の神秘的な色。

 そして、好きな人と結ばれるという古くからの伝承。

 それらが重なり合い、誰にも言えない恋心や、深く秘めた想いを象徴する花となったのだ。

 夕暮れが草原を包み始める。

 彩乃は空を見上げた。

 十年前と同じ空だった。

 けれど、今はもう違う。

 言えなかった言葉を、ようやく口にすることができた。

 それだけで、胸の奥にあった長い間の痛みが、少しずつ優しい記憶へ変わっていく。

「また来ようか」

 悠真が言った。

「うん」

 彩乃は笑った。

 今度は、いつになるか分からない約束ではない。

 二人で歩く未来を、自分たちの意思で選んでいけばいい。

 帰り道、彩乃はもう一度クロユリを振り返った。

 黒紫色の花は、夕暮れの中で静かに咲いていた。

 誰にも気づかれないほど小さく。

 それでも確かな存在感を持って。

 まるで、長い間胸の奥で眠っていた恋が、ようやく光の中へ出てきたことを祝福するように。

 彩乃は微笑んだ。

 恋とは、必ずしも誰かと結ばれることだけではない。

 誰かを想った時間。

 その人の幸せを願った気持ち。

 伝えられなかった言葉。

 それらすべてが、一人の人間の心を深くしてくれる。

 そして時には、その想いが未来へ続く扉を開くこともある。

 風が吹いた。

 クロユリが静かに揺れた。

 その花は何も語らない。

 ただ、秘められていた恋をそっと包み込むように、静かに咲き続けていた。

9月7日の誕生花「ハマナス」

「ハマナス」

ハマナスは、北海道や東北などの海岸に自生するバラ科の植物です。初夏に香りのよいピンク色の花を咲かせ、秋には赤い実をつけます。丈夫で潮風にも強く、海辺の風景を彩る花として親しまれています。

基本情報

  • 和名:ハマナス(浜茄子)
  • 学名:Rosa rugosa
  • 科属:バラ科 バラ属
  • 原産地:日本(北海道から東北地方の海岸に多く自生)、中国東北部、朝鮮半島、ロシア極東部など
  • 別名:ハマナシ(浜梨)、ローズヒップローズ
  • 開花時期:6月~9月
  • 果実:秋に赤い実(ローズヒップ)がつき、ビタミンCが豊富で食用・薬用にも利用される

ハマナスについて

特徴

  • 花の姿:大きく鮮やかな紅紫色の花を咲かせ、芳香が強い。花びらは5枚で、一重のものが基本。
  • 葉:厚くしわのある葉で、潮風や寒さに強い。
  • 環境:砂浜や海岸の砂地に自生し、強い耐寒性と耐塩性をもつ。
  • 果実(ローズヒップ):赤く丸い実をつけ、薬効やジャム・お茶としても親しまれている。
  • 文化的側面:北海道の「道の花」として知られ、北国を象徴する花の一つ。

花言葉:「悲しくそして美しく」

由来

この花言葉には、いくつかの背景が考えられます。

  1. 短い命の美しい花
    ハマナスの花は1日でしおれてしまう一日花。咲いた瞬間は鮮烈に美しいが、その美しさは儚くすぐに散ってしまう。
    → 「美しく咲くけれど、すぐに終わる=悲しくも美しい」
  2. 北国の厳しい自然との対比
    寒風や潮風が吹きつける荒涼とした海岸に咲く姿は、逆境の中でこそ際立つ美しさを持つ。
    → 「悲しみの中にも凛とした美しさがある」
  3. 文学・詩歌との結びつき
    石川啄木など、北国を詠んだ詩人たちの作品にもしばしば登場し、その孤高で哀愁を帯びたイメージと結びついている。

「浜辺に咲く花」

夏のはじめ、北の海辺に立つと、風は冷たく、潮の匂いが強く胸に迫ってきた。
 荒れた砂地の向こう、低く広がる緑の茂みに、赤紫の花がひっそりと咲いている。ハマナスだ。

 「悲しく、そして美しく」——その花言葉を、私は祖母から初めて聞いた。まだ小学生のころだった。

 祖母は浜辺の近くで生まれ育ち、若い頃はこの花のように強くも儚い人生を歩んできた人だった。
 戦争で夫を亡くし、子どもを育てながら厳しい北国の暮らしを耐え抜いた。その背中を見て育った私は、いつも祖母の中に、哀しさと同時に気高さを見ていた。

 祖母はよく言った。
 「この花はね、一日しか咲かないの。でも、たった一日の命だからこそ、誰よりも鮮やかに咲くんだよ。人の一生も同じさ。長さより、どう咲くかなんだよ」

 その言葉は幼い私にはうまく理解できなかった。ただ、潮風に揺れる花の姿を眺めるたびに、祖母の声が胸に響いた。

 やがて私は大人になり、都会での暮らしに追われるようになった。
 祖母は老い、ついに病に倒れた。最期に見舞った日、祖母はかすかに微笑みながら、私の手を握って言った。
 「ほら、あの花のことを覚えてるかい。悲しくても、美しいものはあるんだよ。お前も、そういう人になりなさい」

 それから間もなく、祖母は静かに息を引き取った。

 ——数年後。私は再びこの浜辺に立っていた。
 冷たい風に吹かれながら、ひとつのハマナスの花を見つめる。
 わずか一日で終わる花。それでも、今この瞬間、誰にも負けない鮮やかさで咲いている。

 悲しさの中にある美しさ。
 逆境に耐えてこそ光る強さ。
 そして、いつか散るからこそ尊い命。

 祖母が語ったすべてが、いまようやく胸に染みて分かる気がした。

 私は花に手を伸ばし、そっと指先で触れた。花弁は柔らかく、潮風に揺れながらも凛としていた。
 涙が一粒、頬を伝い落ちる。けれどそれは、悲しみだけの涙ではなかった。

 「おばあちゃん、ありがとう」

 声に出すと、不思議なほど心が軽くなった。

 浜辺に咲く小さな花は、今日も確かにここで生きている。
 その姿は、失われてもなお私の心の中で生き続ける祖母の面影と重なっていた。

9月6日、11月25日の誕生花「パンパスグラス」

「パンパスグラス」

パンパスグラスは、南米原産のイネ科の多年草です。秋に伸びる大きな穂が特徴で、銀白色や淡い黄色の穂が風に揺れる姿は優雅。秋の庭やフラワーアレンジメント、ドライフラワーにも利用されます。

基本情報

  • 学名:Cortaderia selloana
  • 科・属:イネ科 / シロガネヨシ属
  • 原産地:南アメリカ、ニュージーランド、ニューギニア
  • 開花時期:9〜10月
  • 草丈:1.5〜3m前後(大きい品種は4m以上になることも)
  • 別名:シロガネヨシ(白銀葦)

パンパスグラスについて

特徴

  • 大型の多年草で、わさっと広がる大株に成長する。
  • 秋にふわふわとした**穂(花穂)**を高く掲げる姿が非常に印象的。
  • 花穂は白・クリーム色が一般的だが、ピンク系の園芸品種もある。
  • 乾燥に強く、日当たりの良い場所を好む。
  • 刈り取った穂はドライフラワーにも適し、インテリアに利用される。
  • 葉は鋭く、触ると手を切りやすいため取り扱い注意。

花言葉:「風格」

由来

  • パンパスグラスは、3m以上にもなる巨大な草姿と、空に向かって優雅に伸びる堂々とした穂が特徴。
    → その「威厳」「存在感のある佇まい」から「風格」を連想。
  • グラス類の中でも特に圧倒的なスケール感を持つため、庭の中心やランドマークのような位置に植えられることが多く、「品格ある姿」と評価されてきた。
  • 風に揺れる姿が、静かでありながら力強い雰囲気を醸し出すことも由来の一つ。

「風を受けて立つ場所」

山のふもとにある古い庭園で、ひときわ背の高い植物が風に揺れていた。パンパスグラス――白銀の穂を空へ向けて伸ばすその姿は、どこか凛としていて、庭全体の空気を引き締めているようだった。

 庭の手入れを任された若い庭師・恵(めぐみ)は、その株の前に立ち、ゆっくりと息を吐いた。三メートルをゆうに超える背丈。見上げるほどの穂。言葉にできない存在感があった。

 「……やっぱり、すごいな」

 恵が呟くと、パンパスグラスは風を受けてふわりと揺れた。まるで応えるように、柔らかな穂が光を反射して煌めく。

 この庭園を守ってきたのは、恵の祖父だった。厳しい人だったが、植物の前では驚くほど優しかった。恵が幼い頃、祖父はよくパンパスグラスの前で立ち止まり、誇らしげに語ってくれたものだ。

 ――庭にはな、必ず“支柱”になるものがいるんだよ。
 ――見守るようにそこに立ち、風にも負けず、ただ堂々としているものが。

 その言葉の意味が、長い間恵にはわからなかった。

 祖父が亡くなり、庭の世話を引き継いだとき、恵は不安で押し潰されそうになった。庭の中心に何を植えたらいいのか、どの木を残すべきなのか、判断に迷うことばかりだった。ふと気がつけば、いつもパンパスグラスの前に立っていた。

 今日は、祖父の三回忌。朝から庭の手入れをしていると、遠くから親族が集まってくる声が聞こえた。恵は軍手を外し、最後にもう一度だけパンパスグラスを見上げた。

 白い穂は、まるで空へ伸びる階段のようにまっすぐに立っている。強い風が吹いても倒れず、しなりながらも根を張り続けている。

 その姿は、恵には祖父そのものに思えた。

 ――風格。

 恵は小さくその言葉を口にした。最近調べた花言葉だ。巨大な草姿、圧倒的なスケール感、揺るぎない佇まい。そのすべてがこの花の品格を形づくっているという。

 「おじいちゃん、これが“支柱”ってことなんだね」

 庭の中心にあるパンパスグラスは、派手な花のように色で人を惹きつけるわけではない。けれど、そこで静かに揺れているだけで、庭がひとつのまとまりを持つ。視線を自然と導き、空間に軸を与えてくれる。

 恵は穂にそっと手を伸ばした。指先で触れると、ふわりと柔らかく、思った以上に温かかった。

 「私も、こんなふうに立っていけたらいいな」

 風が吹き、パンパスグラスの穂が大きく揺れた。光が弧を描き、恵の頬に優しい影を落とす。まるで祖父が笑っているようだった。

 遠くから、誰かが恵の名前を呼んだ。振り返ると、親族が集まり始めている。恵は頷き、パンパスグラスに背を向けて歩き出した。

 その背中を、白銀の穂がしなやかに見送っていた。

 風の中でも揺るがず、ただ凛とした姿を保ちながら。

4月6日、5月11日、9月6日の誕生花「ナスタチウム」

「ナスタチウム」

ナスタチウムは、鮮やかな花と丸い葉が魅力のつる性植物です。赤や黄色、オレンジ色の花を咲かせ、ハーブとして葉や花を食用にもできます。夏の暑さにも比較的強く、庭や鉢植えで楽しめます。花言葉は「愛国心」「勝利」です。

基本情報

  • 学名:Tropaeolum majus
  • 科属:ノウゼンハレン科・ノウゼンハレン属
  • 原産地:ペルー、コロンビア
  • 別名:ノウゼンハレン(凌霄葉蓮)、インディアンクレス(葉や花を食用にできるため)
  • 草丈:20~40cmほどの匍匐性またはつる性の一年草
  • 開花期:4月下旬~7月、9月~11月上旬
  • 用途:観賞用だけでなく、エディブルフラワーとして料理に利用される。葉や花はピリッとしたクレソン風の味。

ナスタチウムについて

特徴

  • 花の色:赤、黄、オレンジなど鮮やかな暖色系が多い。
  • 葉の形:丸くてハスの葉に似ており、雨粒をコロコロとはじく性質を持つ。
  • 生育:丈夫で育てやすく、鉢植えや花壇、吊り鉢などでも楽しめる。
  • 食用性:花・葉・種子のすべてが食用可能。サラダや飾り付けに使われる。

花言葉:「愛国心」

由来

ナスタチウムに与えられた花言葉のひとつが「愛国心」です。これには以下のような背景があります。

  1. 花の色と戦いの象徴
    ナスタチウムの赤やオレンジの鮮やかな花は、炎や血を連想させ、勇気や戦いを象徴する色とされてきました。
    そのため「祖国のために戦う精神=愛国心」と結びつけられました。
  2. 学名 Tropaeolum の由来
    ギリシャ語の「tropaion(戦勝記念碑)」に由来します。
    古代の戦場で、敵兵の武具を木に掛けて勝利を示した習慣があり、ナスタチウムの丸い葉が盾、赤い花が血や勝利の象徴に見立てられました。
  3. 西洋文化での解釈
    ナスタチウムはヨーロッパに伝わったとき、勇敢さや祖国を守る強さを象徴する花と受け止められました。その延長で「愛国心」という花言葉が与えられたとされています。

「ナスタチウムの盾」

戦火の匂いがまだ町の空に残っていた。
 青年トマスは、祖父の庭に咲くオレンジ色の花をじっと見つめていた。丸い葉の上に雨粒が転がり、陽の光を受けて輝く。

 「これはナスタチウムというんだ」
 少年のころ、祖父が教えてくれた言葉を思い出す。
 「丸い葉は兵士の盾、赤い花は流された血。それでもなお咲き誇る姿は、国を守る心の証なんだよ」

 祖父は戦争を生き延びた人だった。武器を持たずとも、人の心を守るものがあると語っていた。その象徴が、この花だった。

 トマスは町の広場に向かう。広場の中心には古い戦勝記念碑が立っていた。かつての戦いで倒れた人々の名が刻まれている。だが人々の心から「愛国心」という言葉は、いつしか重たく、痛みを伴う響きを持つようになっていた。
 「祖国のために」と叫ぶたび、誰かが戦場に消えていったからだ。

 トマスもその言葉を嫌っていた。愛国心とは人を縛る鎖にすぎないとさえ思っていた。だが祖父が世を去った日、墓前に手向けられたのは、一輪のナスタチウムだった。赤く燃えるような花は、ただ犠牲を語るのではなく、どこか優しい温もりを宿していた。

 その花を見たとき、トマスは初めて気づいた。
 ――愛国心とは戦うことだけを意味するのではない。
 家族を想い、町を想い、暮らしを守ろうとする静かな意志。それもまた「祖国を愛する心」なのだと。

 広場に立つトマスの手の中には、祖父の庭から摘んできたナスタチウムがある。人々はそれに気づき、次々に花を持ち寄った。黄色、赤、オレンジの花が石碑の前に積み重なっていく。誰も声を上げず、ただ花を置き、祈りを捧げる。

 ナスタチウムの鮮やかな色彩が、かつての血の記憶をやわらげ、同時に未来への灯火のように広場を照らした。
 トマスはそっとつぶやいた。
 「祖父さん、愛国心って、こういうことなんだね」

 盾のような葉の下で、赤い花が揺れる。風に舞うその姿は、戦いを超えてなお人を結びつける誓いの証だった。

黒酢の日

9月6日は黒酢の日です

黒酢の製造

2006年、愛知県が本社の株式会社ミツカンが制定しています。目的は、黒酢を使用した食酢の魅力をたくさんの人に知ってもらうためです。この日に決まったのは、語呂合わせで「く→9ろ→6、黒」からです。

黒酢と他の酢の違い

黒酢と他の酢

黒酢と他の酢の違いを大きく分けると、「製造方法」、「原料」です。料理などに使用される酢は米酢が使用され、精米した米を使用しています。それに対して黒酢は、「玄米」が使用されます。玄米は、白米のカロリーと同じ位であっても、ビタミン・ミネラルなどは豊富に含まれます。独特な製法により、主に鹿児島県など南九州で製造されています。

黒酢の健康効果

黒酢のサプリメント

黒酢には、インスリンの働きを正常にするこにより、血糖値の上昇を抑制します。そして、コレステロールを減少させ、体重の増加を抑制する働きがあるそうです。

美容効果もある!?

黒酢は美容効果がある

黒酢に含まれる独特のうま味は「アミノ酸」です。他の酢と比較して黒酢は約4倍含まれ、中には美容にも効果的といわれる約10倍ものアミノ酸が含まれているものがあるそうです。

D-アミノ酸が豊富

高分子化合物20 アミノ酸

アミノ酸の中でも黒酢には、美容に有効だといわれる「D-アミノ酸」が豊富に含まれているそうです。アミノ酸は、コラーゲンの産生を促進して老化を抑制するといわれ、「D-アミノ酸」は、毎日継続して摂取することによって、肌の角層にまで届くため、黒酢は美容にも良いということです。

黒酢は私たちの体に欠かすことのできないアミノ酸を豊富に含んでおり、疲労回復や血液をサラサラにして生活習慣病を予防するなどの働きを持っています。

「わかさの秘密」より引用

黒酢を毎日取って健康的な生活を!

黒酢を毎日取って健康的な生活を

黒酢には、人の身体に必要なアミノ酸を豊富に含んでいて、疲労回復や血液をサラサラにします。そして、生活習慣病の予防をしてくれる働きを持っています。他にも黒酢は、「美肌効果」「栄養の吸収を促進する効果」「尿酸値を下げる効果」「肝機能を高める効果」「免疫力を高める効果」「高血圧を予防する効果」など、身体を助ける機能がたくさんあります。ですので、黒酢を毎日継続的に取るようにしましょう。


「黒酢の日」に関するツイート集

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2025年の投稿


8月24日、29日、9月5日の誕生花「ケイトウ」

「ケイトウ」

ケイトウは、夏から秋にかけて咲くヒユ科の一年草です。赤や黄、オレンジ、ピンクなど鮮やかな花色が魅力で、花穂は鶏のとさかのような形や、ふさふさした羽毛状など種類も豊富。暑さに強く、長く花を楽しめます。

基本情報

  • 学名:Celosia argentea
  • 英名:Cockscomb(トサカの意味)、Woolflower など
  • 分類:ヒユ科・ケイトウ属
  • 原産地:インド・熱帯アジア
  • 開花期:7月〜11月(夏から秋にかけて)
  • 花色:赤、ピンク、黄色、オレンジ、白、緑など多彩
  • 特徴的な形態:花序がニワトリのトサカに似る種類(トサカケイトウ)、羽毛のようにふわふわした種類(羽毛ケイトウ)、穂のように直立する種類(久留米ケイトウ)など、様々な形がある。

ケイトウについて

特徴

  1. 独特な花姿
    • トサカ状や羽毛状など、他の花にはないユニークなフォルムを持つ。
    • ベルベットのような質感を持つ花もあり、視覚的にも触覚的にも特徴的。
  2. 強い生命力
    • 夏の暑さや乾燥にも強く、育てやすい一年草。
    • 花もちが良く、切り花やドライフラワーにも重宝される。
  3. 日本との関わり
    • 古くから日本で親しまれ、江戸時代には品種改良が盛んに行われた。
    • 「久留米ケイトウ」など地域ブランドもある。

花言葉:「個性」

イトウに「個性」という花言葉が与えられたのは、その唯一無二の姿と深く関係しています。

  • トサカや羽毛のような形
    一般的な「花」のイメージから大きく外れ、動物や羽毛を連想させる奇抜な花姿。
  • 多彩なバリエーション
    色も形も多様で、同じケイトウでも印象が大きく異なる。
  • 群を抜いて目立つ存在感
    花壇の中でも強烈に視線を集める姿が「自分らしさを貫く」「他と違う魅力」と結びつけられた。

このように、他にない独創的な形状と色彩が「個性」という花言葉の背景になっています。


「花壇の片隅のケイトウ」

夏の午後、校舎裏の花壇はひときわ鮮やかだった。ひまわりやマリーゴールドが並ぶ中、ひときわ奇妙な形の花が混ざっている。赤紫のトサカのようにねじれた花弁、黄金色に羽毛のように広がる花穂。まるで他の花々とはまったく違う存在感で、群れの中に立っていた。
 ケイトウ――「鶏頭」と呼ばれる花だ。

 沙希はその花の前で足を止めた。
 「やっぱり、ちょっと変だよね」
 思わず口にすると、隣のクラスメイトの直人が笑った。
 「変っていうか……すごい目立つよな。あいつだけ全然違うもんな」

 沙希はうつむいた。彼女の胸の奥に、その言葉が妙に突き刺さる。自分もまた、教室の中で「違う」と言われる存在だったからだ。声が小さく、好きなものも他のみんなと噛み合わない。絵を描くことが何より好きなのに、部活動の勧誘で声をかけてくる運動部にはどうしても馴染めなかった。
 「沙希って、変わってるよな」
 笑いながら言われるその一言が、どれほど胸に重くのしかかっていたか。

 けれど目の前のケイトウは、まるでそんな言葉を気にも留めないように、陽の光を浴びて誇らしげに咲いている。
 「……どうしてだろう。変なのに、きれい」
 沙希がつぶやくと、直人が首をかしげた。
 「きれい? 普通の花の方がよっぽど整ってるじゃん」
 「うん。でも、ケイトウは……他の花にはない形をしてるでしょ。だから目が離せないんだと思う」

 自分でも不思議だった。これまで「変」と言われることを恐れ、目立たないように過ごしてきた。けれどケイトウを見ていると、変わっていることが「弱さ」ではなく「力」なのではないかと感じられてくる。
 花壇の中で埋もれもせず、堂々と立ち、強烈な存在感を放っている。
 「自分らしさを貫くって、こういうことなのかな……」

 次の日、沙希はスケッチブックを持って花壇に向かった。クレヨンで描くケイトウの赤や黄は、他の花よりもずっと生き生きと画面に広がっていく。花の凹凸に沿って濃淡をつけると、ベルベットのような質感まで浮かび上がる。
 夢中で描いていると、ふいに背後から声がした。


 「うまいな、沙希」
 振り向くと直人が覗き込んでいた。
 「ケイトウって、やっぱり変だと思ってたけど……絵にするとカッコいいな」
 彼の素直な言葉に、沙希の胸に温かいものが広がった。

 その瞬間、彼女は気づいた。
 変わっていることは、恥ずかしいことではない。
 「個性」――ケイトウの花言葉に与えられたその言葉が、ようやく自分の中にしっくりと落ちてきたのだった。

 秋風が吹く頃、花壇のケイトウはさらに色濃く燃え上がり、まるで「ここにいる」と誇らしげに主張していた。沙希もまた、スケッチブックを胸に抱えながら、小さな声でつぶやいた。
 「私も、私のままで咲いていいんだ」

国民栄誉賞の日

9月5日は国民栄誉賞の日です

初の国民栄誉賞王貞治選手

1977年、2日前の9月3日に通算756本のホームラン数でハンク・アーロンを抜き、世界最高記録を更新した王貞治(おう さだはる)選手がこの日、日本人初の国民栄誉賞を受賞しました。

ハンク・アーロン

ハンク・アーロン

ハンク・アーロンは,メジャーリーグの歴史上で最も愛された選手の中の一人で、ベーブ・ルースの持っ,通算ホームラン記録714本を破った選手です。アーロンが引退までのホームラン本数は755本であり、2007年にバリー・ボンズが抜くまでは、メジャーの最高記録でした。

王貞治さんが初の国民栄誉賞を受賞

ホームラン王の瞬間

1977年9月5日、日本人初である国民栄誉賞の授与式が首相官邸で開かれました。「本塁打世界新記録」を讃えるため、政権が賞を作りましたそうです。王選手には、表彰状に加え、ワシの剥製が記念品として贈られています。

国民栄誉賞について

羽生、井山両氏国民栄誉賞

内閣総理大臣表彰の一つで、1977年8月30日に内閣総理大臣の決裁より設けられました。またこの表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績者に、その栄誉をたたえることを目的に設立されました。表彰では、表彰状および盾が授与され、記念品または金一封を添えることができることとなっています。

国民に夢や希望をくれた人たち

国民栄誉賞を受賞の人たち

国民栄誉賞と言えば、王選手から「男はつらいよ」の寅さん、日本の女子サッカーは強いとアピールしてくれた「なでしこジャパン」、霊長類最強ともいわれるほど強かったレスリングの吉田沙保里さんなど日本国民から愛され、魅了し、また尊敬された人たちばかり。次の栄誉賞は誰でしょう。


「国民栄誉賞の日」に関するツイート集

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6月25日、9月4日の誕生花「モントブレチア」

「モントブレチア」

モントブレチアは鮮やかなオレンジ色の花を咲かせる多年草。夏に美しく咲き、庭や切り花に人気。丈夫で育てやすく、明るい雰囲気を演出してくれます。

基本情報

  • 学名:Crocosmia
  • 科名:アヤメ科
  • 原産地:南アフリカ(原種の自生地)
  • 別名:ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
  • 開花時期:7~8月
  • 花色:オレンジ、赤、黄色
  • 草丈:60~120cm程度
  • 球根植物(多年草)
  • 公園や庭園、道端などでも見られる丈夫な植物

モントブレチアについて

特徴

  • 細長く伸びた茎に、鮮やかなオレンジ色の花を次々と咲かせる
  • 剣のような葉が扇状に広がる美しい姿を持つ
  • 夏の強い日差しにも負けず元気に開花する
  • 群生すると炎のような華やかな景観をつくる
  • 丈夫で繁殖力が強く、比較的育てやすい
  • 切り花としても人気がある
  • 花が弓なりに並んで咲く姿が優雅で美しい


花言葉:「謙譲の美」

由来

  • 鮮やかな花色を持ちながらも、花がやや下向きに咲く姿が控えめで慎ましい印象を与えることから。
  • 華やかさを備えながら自己主張しすぎない花姿が、謙虚な美しさを連想させるため。
  • 群れて咲いても周囲の景色と調和し、自然に溶け込む様子が奥ゆかしさを感じさせることから。
  • 細くしなやかな茎が風に揺れる姿が、柔らかく上品な振る舞いを思わせるため。
  • 派手さだけではなく、内面からにじみ出る品格や慎み深さを象徴する花として、「謙譲の美」という花言葉が付けられた。


「風に揺れるオレンジの花」

 夏の日差しが降り注ぐ午後だった。

 美和は久しぶりに故郷へ戻っていた。

 大学卒業後、東京で働き始めてから五年。

 広告代理店で忙しい日々を送り、帰省する機会も少なくなっていた。

 今回帰ってきたのは、祖母の米寿のお祝いのためだった。

 駅を出て懐かしい道を歩く。

 子どもの頃は長く感じた坂道も、今ではあっという間だった。

 蝉の声が響く中、道端に鮮やかなオレンジ色の花が揺れている。

 細い茎の先に咲く小さな花々。

 炎のような色をしているのに、どこか柔らかな印象があった。

 「モントブレチアだね」

 後ろから声がした。

 振り返ると、近所に住む花好きの佐伯さんだった。

 「モントブレチア?」

 「そう。夏になると毎年咲くんだよ」

 美和は花を見つめた。

 鮮やかな色なのに不思議と派手に感じない。

 花は少し下を向き、風に合わせるように揺れていた。

 「きれいですね」

 「花言葉は『謙譲の美』だそうだ」

 その言葉に美和は小さく首を傾げた。

 「こんなに目立つ色なのに?」

 佐伯さんは笑った。

 「だからこそなんだろうね」

 その意味はよく分からなかった。

 しかし、その言葉は心のどこかに残った。

 祖母の家では親族が集まり、にぎやかな時間が流れていた。

 祖母は相変わらず元気だった。

 九十歳近いとは思えないほど背筋が伸びている。

 食卓を囲みながら、親戚たちは口々に祖母との思い出を語った。

 祖母はただ笑って聞いている。

 自分の話をすることはほとんどない。

 だが話を聞いているうちに、美和は改めて祖母の人生を知ることになった。

 戦後の苦しい時代。

 家計を支えるために働いたこと。

 家族を育てるために必死だったこと。

 近所の人たちを助け続けてきたこと。

 けれど祖母は決して自慢しない。

 「みんなのおかげだよ」

 そう言って笑うだけだった。

 その姿に、美和はモントブレチアを思い出した。

 鮮やかな色を持ちながらも、少し下を向いて咲く花。

 目立とうとしない美しさ。

 翌日。

 祖母と二人で散歩に出かけた。

 田んぼ道を歩く。

 風が稲を揺らしている。

 その途中、川沿いにたくさんのモントブレチアが咲いていた。

 オレンジ色の花が群れている。

 けれど景色を壊していない。

 むしろ夏の風景に自然と溶け込んでいた。

 「きれいだねぇ」

 祖母が言った。

 「おばあちゃん、この花知ってる?」

 「知ってるよ」

 「花言葉が謙譲の美なんだって」

 祖母は花を見つめながら微笑んだ。

 「なるほどねぇ」

 そして少し考えるように空を見上げた。

 「本当に美しいものは、自分から美しいなんて言わないものだよ」

 美和は足を止めた。

 祖母は続ける。

 「田んぼもそう。実った稲ほど頭を下げるだろう?」

 風が吹く。

 モントブレチアが揺れる。

 確かに花は少しうつむいている。

 けれど弱々しくはない。

 しなやかで凛としていた。

 東京へ戻った数日後。

 美和は会社で大きなプロジェクトを任されることになった。

 念願だった仕事だった。

 だが成功するにつれて、自分でも気づかないうちに変わっていた。

 会議では人の意見を遮る。

 成果を強調する。

 周囲への感謝を忘れていた。

 ある日、後輩の由奈が資料を作ってくれた。

 だが美和は軽く目を通しただけで言った。

 「ここ、もっと分かりやすくして」

 由奈は黙って頷いた。

 そのとき、隣にいた先輩が静かに言った。

 「由奈さん、昨日遅くまで頑張ってたよ」

 美和は何も言えなかった。

 自分は結果しか見ていなかった。

 努力してくれた人の気持ちを見ていなかった。

 帰り道。

 ふと祖母の言葉を思い出した。

 ――本当に美しいものは、自分から美しいなんて言わないものだよ。

 胸が少し痛んだ。

 翌日。

 美和は由奈に声をかけた。

 「昨日、ごめん」

 由奈は驚いた顔をした。

 「え?」

 「資料、すごく助かった。ありがとう」

 由奈はほっとしたように笑った。

 その笑顔を見た瞬間、美和の心も軽くなった。

 成果は一人では生まれない。

 支えてくれる人がいるからこそ成り立つ。

 それなのに、自分だけの力だと思い始めていた。

 季節はゆっくり過ぎていった。

 秋が近づく頃。

 プロジェクトは無事に成功した。

 打ち上げの席で上司が言った。

 「みんなのおかげだな」

 その言葉に、美和は自然と頷いた。

 以前なら自分の達成感ばかり考えていたかもしれない。

 だが今は違う。

 チーム全員の顔が浮かんでいた。

 帰宅後。

 ベランダに出る。

 空には星が輝いている。

 故郷で見たモントブレチアの花が思い出された。

 鮮やかなオレンジ色。

 細くしなやかな茎。

 風に揺れながらも決して誇示しない姿。

 謙譲の美とは、目立たないことではないのだろう。

 才能や魅力を隠すことでもない。

 どれほど力を持っていても驕らないこと。

 周囲への感謝を忘れないこと。

 人と調和しながら生きること。

 その心の在り方こそが、本当の美しさなのかもしれない。

 モントブレチアは夏の陽射しの中で鮮やかに咲く。

 けれど少しだけ頭を下げている。

 まるで「美しさは誇るものではなく、自然ににじみ出るものだ」と教えてくれるように。

 美和は静かに微笑んだ。

 祖母の笑顔も、由奈の笑顔も思い出す。

 どちらも決して派手ではない。

 けれど心に残る温かさがあった。

 風が吹く。

 遠い故郷では、きっと今年もモントブレチアが揺れているだろう。

 鮮やかな色をまといながらも慎ましく。

 華やかでありながら奥ゆかしく。

 その姿は今日も変わらず、人知れず「謙譲の美」を語り続けているのだった。