テレワーク・デイ

7月24日はテレワーク・デイです

7月24日はテレワーク・デイ

2017年から、政府は働き方改革の一環で2020年東京オリンピックの開会式の開催される予定だった7月24日を、「テレワーク・デイ」としました。この日は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた活動を改革すべく職場は時間や場所に縛られず、どこでも仕事ができる働き方を推進するための国民運動です。ちなみに東京オリンピックの開会式は、新型コロナ感染拡大を防止するために2021年7月23日に変更されました。

テレワーク

テレワーク

テレワークとは、簡単に言うと情報通信技術(ICT)を活用して場所や時間に縛られない働き方のことを指します。またテレワークは、働く場所「在宅勤務」や「モバイルワーク、サテライトオフィス(企業の本拠地などから離れた場所に設置する小規模なオフィス)」や「コワーキングスペース」(場所の縛りがない環境で働いている人たちが使用する共有スペース)などの施設利用型テレワーク、リゾート地で行うワーケーションも含めた総称をテレワークといいます。

「テレワーク・デイ」実施の効果

「テレワーク・デイ」実施の効果

2017年に「テレワーク・デイ」を実施した7月24日は、約950団体(6万3000人)、2018年は7月23日~27日の5日間実施で1682団体(30万人以上)が参加しています。そして、2019年は7月22日~9月6日までの約1か月を「テレワーク・デイズ2019」としたテレワークを行う事を一斉に呼びかけ、それに2887団体(約68万人)が参加したそうです。

テレワークの有効性

「テレワークの方がはかどる」

今回、この「テレワーク・デイ」の実施によるテレワークの有効活用で「介護が必要な家族がいる社員」や「育児を抱える社員」、さらには通勤時間帯の移動が困難な高齢者や身体障がい者などの活躍も可能になります。働く時間や場所については、個人の判断を尊重し決定権を与えると、より多様な労働者を有効に活用できる効果があるでしょう。

テレワークのデメリット

テレワークのデメリット

これまでテレワークのメリットを紹介しましたが、事実上テレワークが不可能な業種は、たくさん存在します。例えば、工場などで特殊な機械操作が必要な職種、介護職や看護職などは、実際に利用者や患者と接する重要な任務となる現場での作業が、それにあたります。

メンテナンス業務

ビルメンテナンス業紹介

他にも、清掃業や修理業など、お客様と実際に会って現場で行わなければならないメンテナンスを主とするサービス業が多数存在しています。そしてもう1つ、テレワークをする際の、会社の重要な秘密書類を自宅に持ち帰る場合のセキュリティ上の危険性です。また、自宅で仕事をしている時間の残業代や労働時間の管理が非常に困難でしょう。

テレワークのデメリット

テレワークのデメリット

昨年2020年から今年2021年にかけて、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、政府は人流を抑制するために様々な対策を行ってきたようです。その中の1つがこの「テレワーク」の徹底。「テレワーク・デイ」が制定された当初、まだこの施策に踏み出す企業はまだ少数でした。

そこで、政府が今回「出勤者数の削減(テレワーク等の徹底)について」などを呼びかけ、「テレワーク」を行う企業は急激に増えたものと思われます。こうして、きっかけはどうであれ、今後はさらに世界規模で広がるネット社会に後れを取らないような、いや、これまで以上の体制を作られていくことを期待しています。


「テレワーク・デイ」に関するツイート集

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7月16日、23日の誕生花「ジンジャー」

「ジンジャー」

基本情報

  • 和名:ハナシュクシャ(花縮砂)
  • 英名:Ginger lily(ジンジャー・リリー)
  • 学名:Hedychium coronarium
  • 分類:ショウガ科ハナシュクシャ属
  • 原産地:インドやヒマラヤ地域、東南アジア
  • 開花時期:9月~10月(初夏~秋)
  • 花色:白、黄、オレンジ、ピンクなど
  • 香り:強い甘い香り(芳香性)

ジンジャーについて

特徴

  • 熱帯・亜熱帯性の多年草で、温暖な地域では地植えでも育つ
  • 背が高く(1〜2m)、直立した茎に大きな葉をつける
  • 花は穂状に咲き、ランのような華やかさと甘い香りをもつ
  • 観賞用として人気が高く、切り花やフラワーアレンジメントにも利用される
  • 観賞用のジンジャーはショウガ(食用)の近縁だが、食用部分はあまり使われない
  • 湿気と日当たりを好み、半日陰でも育つ
  • 英名の「ジンジャー・リリー」は、香りと外見がショウガとユリを連想させることに由来する

花言葉:「慕われる愛」

ジンジャーの花言葉の一つに「慕われる愛(Adored love / Admired love)」があります。
この言葉の由来には以下のような点が関係しています。

● 優雅な佇まいと強い香り
ジンジャーの花は大きくて華やか、そして濃厚で甘い香りを放つことから、見る者やそばにいる人の心を引きつける存在。

その優美さと芳香が「人々に慕われる存在」や「思慕の念を集める愛」と重なり、愛される・慕われるイメージが結びついたと考えられます。

● 咲く時期と持続性
夏から秋にかけて長く咲き続け、香りも持続することから、深く続く愛情の象徴とされたとも言われています。


「ジンジャーの香りが残る午後」

古い写真立ての中で、母は微笑んでいる。
白いシャツに、風に揺れるような長いスカート。そして手には、一本のジンジャーの花。

「ねえ、これって、いい香りがするの?」
高校生の私は、その写真を見ながら何気なく祖母に尋ねた。

「ああ、それはね。甘くて、どこか懐かしい香りがするんだよ。あの子のようにね」
祖母は、写真に写る母を「この子」と呼ぶ。まるでまだ隣にいるかのように。

母は、私が五歳のときに病気で亡くなった。
だから私には、母の記憶がほとんどない。けれど、家のあちこちには母の痕跡が残っていて、とくにこの庭に咲く白いジンジャーの花が、何よりの手がかりだった。

ジンジャーの咲く季節になると、祖母はいつもその手入れを欠かさなかった。
「慕われる愛っていうんだよ、この花の花言葉。あなたのお母さんにぴったりだった」

——慕われる愛。

その意味が、当時の私にはよくわからなかった。
けれど、大学生になって久しぶりにこの家へ帰省したある日、ジンジャーの香りに包まれながら祖母が語ってくれた話で、少しだけ理解できた気がする。

母は、誰にでも分けへだてなく接する人だったという。
明るくて、真っ直ぐで、でもどこか儚げなところもあったらしい。

「花みたいな子だったよ。目立とうとしないのに、つい目がいっちゃう。そんな子」

母は庭で植物を育てるのが好きで、ジンジャーを植えたのも彼女だった。
「この花、すごくいい香りがするの。私、この香り、誰かに届いてほしいなって思うの」

その「誰か」が誰だったのか、祖母は何も言わなかった。
けれど、香りが風にのって届いていくように、母の存在もきっと誰かの中に残っていたのだろう。
実際、母の葬儀のときには、たくさんの人が泣いていたらしい。
会社の同僚、学生時代の友人、ご近所の人……。それだけ愛されていたということだ。

その夜、私はひとりで庭に出て、ジンジャーの花の前にしゃがみこんだ。

ふと、風が吹いた。
甘くて、すこし熱を帯びたような、でもどこか懐かしい匂いが鼻をかすめた。

私は、そっと目を閉じた。
——きっと、誰かを心から想う気持ちは、こうして香りのように残っていくのだ。
それがすぐそばにいても、遠く離れていても、時間がたっても。
だから「慕われる愛」というのは、ただ与えられるものじゃなくて、生き方の中ににじみ出るものなのかもしれない。

次の日、私は庭に新しいジンジャーを一株植えた。
隣には、古い木の名札を添えて。

 「For Mom ——慕われる愛の記憶」

香りは、記憶を運ぶ。
風に揺れるたび、誰かの心をそっと撫でるように。
ジンジャーの香りが残る午後、その意味を私は少しだけ理解した気がした。

天ぷらの日

7月23日は天ぷら日です!

7月23日は天ぷら日

毎月23日は天ぷらの日ですが、7月23日頃の「大暑」に夏バテを防ぐ目的で、「疲労回復効果のある天ぷらを食べよう」ということで制定されました。そして、その後から毎月23日を天ぷらの日になったとのことです。

天ぷらは夏バテ予防に良い!?

天ぷらは夏バテ予防に良い!?

毎年、大暑の頃は食欲が落ち、体力が落ちてしまうため、夏でも山菜やキノコ類、肉や魚など栄養価のあるものを、しっかり食べることが重要です。そういったこともあり、「大暑は天ぷらを食べる」という風習が生まれたといわれています。

疲労回復や栄養補給が期待

夏野菜や肉を使った天ぷらは、疲労回復や栄養補給が期待

猛暑が続いて、冷たいものを食べたり飲んだりしていると体が冷えて、胃腸にも良くありません。そこで、疲労回復や栄養補給が期待できる食べ物ということで天ぷらが注目されたようです。

夏野菜や肉を使った天ぷらで夏バテ対策

夏野菜や肉を使った天ぷらで夏バテ対策

天ぷらは、夏バテ対策に効果的な料理の一つです。特に夏野菜を使った天ぷらは、栄養価が高く食欲がない時でもさっぱりと食べられます。以下のレシピを試してみてはいかがでしょうか?

ナスの肉巻き天ぷら

材料(2~3人分)

  • 天ぷら粉:50~80g
  • 水:75~120ml
  • オレインリッチ:400~600ml
  • ナス:2~3本
  • 豚薄切り肉:150~200g
  • オクラ:3~6本
  • 塩:少々
  • 打ち粉(天ぷら粉):大さじ3~4
  • しょうが醤油または田楽みそ:お好み

作り方

  1. ナスはへたを取り、縦に2~3か所皮をむき、4~6等分に切ります。水にさらしてアクを抜きます。
  2. オクラはへたを取り、塩を振って板ずりし、爪楊枝で数か所穴をあけます。
  3. ナスに豚薄切り肉を巻きます。
  4. ボウルに水と天ぷら粉を加え、混ぜて衣を作ります。
  5. フライパンに油を入れ、180℃に熱します。ナスとオクラに打ち粉をまぶし、衣を付けて揚げます(ナス:約3分、オクラ:約1~2分)。
  6. 揚がったら油を切り、しょうが醤油や田楽みそを添えて完成です。

夏でも、熱々で美味しいうなぎを食べるように、栄養価の高い夏野菜や肉を揚げた天ぷらをたくさん食べてこの夏を乗りきりましょう!


「天ぷらの日」に関するツイート集

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5月16日、7月23日の誕生花「アリウム」

「アリウム」

Hans BijstraによるPixabayからの画像

アリウムは、ネギやタマネギの仲間であるヒガンバナ科(ネギ科)の球根植物です。初夏から夏にかけて、紫や白、ピンクなどの小花が球状に集まって咲き、存在感のある花姿が庭や花壇を華やかに彩ります。丈夫で育てやすく、切り花やドライフラワーとしても人気があります。花言葉は「深い悲しみ」「正しい主張」「円満な人柄」などです。

基本情報

  • 学名:Allium
  • 分類:科名 / 属名:ネギ科 / ネギ属(アリウム属)
  • 原産地:ユーラシア、アフリカ北部、北アメリカ
  • 開花時期:4月中旬~6月
  • 花色:紫、白、ピンク、黄色など
  • 形態:多年草
  • 主な品種:アリウム・ギガンチウム、アリウム・シューベルティ、アリウム・クリストフィーなど

アリウムについて

特徴

  • 球状に広がる花房
     小さな花が多数集まって、まるで球のように咲く姿が特徴的です。特に背が高い品種は、1m以上にまで成長し、庭にインパクトを与えます。
  • 独特な香り
     ネギ属のため、茎や球根を傷つけるとネギやニンニクのような匂いがします。
  • 強健な性質
     寒さや乾燥にも比較的強く、育てやすい植物とされています。また、球根植物のため毎年花を咲かせる力強さも持っています。
  • 虫よけ効果
     その匂いから、他の植物を害虫から守るコンパニオンプランツとしても利用されることがあります。

花言葉:「不屈の心」

Sonja KaleeによるPixabayからの画像

アリウムに与えられている花言葉のひとつが「不屈の心(Indomitable spirit)」です。

この言葉の背景には、以下のような植物の性質や姿が関係していると考えられます。

◎ 厳しい環境でも育つたくましさ

アリウムは、乾燥地帯や寒冷地など、やや厳しい気候条件でもたくましく育つ種類が多く、自生地では岩場や砂地にも根を張って咲いています。その強靭な生命力は、まさに「屈しない心」の象徴です。

◎ 毎年咲く球根の力強さ

一度植えた球根から、季節が来るたびにしっかりと芽を出し、花を咲かせ続ける様子は、困難に直面しても何度でも立ち上がる「不屈の精神」を思わせます。

◎ 天に向かってまっすぐ伸びる花茎

長くまっすぐに伸びる茎の先に、大きく咲く球状の花は、逆境にもひるまず堂々と立ち続ける意志の強さを感じさせます。


「アリウムの丘で」

風が吹いていた。初夏の陽光に照らされた丘の上で、無数の紫の花球が、まっすぐに空を仰いで揺れていた。アリウム――ネギ属の植物だなんて信じられないほど、気高く、美しい花だ。
 
 遥はその花を、母の面影と重ねていた。

 病院の窓辺に並んだ鉢植えのアリウム。母が亡くなる数週間前、無理を言って持ち込んだ球根だった。


「これね、何度でも咲くのよ。たとえどんなに寒くても、忘れたころにまた、にょきって顔を出すの」
 笑いながらそう話していた母は、その年の冬を越せなかった。
 けれど、鉢の中の球根は、確かに春を感じて芽を出した。そして、母が言っていた通り、凛とした姿で咲き誇った。

 遥はその姿に、立ち止まっていた自分の時間を動かされた気がした。

 大学卒業と同時に母の看病が始まり、社会に出るタイミングを逃した。親戚は言った。「あんたの人生、もったいなかったね」

Charlotte PostによるPixabayからの画像


 けれど、遥は違った。あの数年がなければ、こんなに花の命のリズムを感じることも、土に触れる喜びも知らないままだった。

 母が亡くなった年の秋、彼女は一人でアリウムの球根を買い込んだ。そして、家の裏にある空き地に、夢中で植えた。

 草むしりも土づくりも、水やりも、知らないことだらけ。でも、黙々と手を動かすうちに、気づけば気持ちが整っていくのを感じていた。
 冬の間、何の変化も見えない地面に、少し不安も覚えた。けれど、母の言葉を思い出すたび、心のどこかで確信があった。
「きっとまた、咲く」

 そして春。
 冷たい風がやんだ頃、土のあちこちから小さな芽が顔を出した。

 あれからもう三年。今では丘の一面にアリウムが広がっている。誰が名付けたわけでもないが、人はここを「アリウムの丘」と呼ぶようになった。

 「この花、なんていうんですか?」
 そう尋ねてきた小さな女の子に、遥はしゃがみ込んでやさしく答える。
 「アリウムっていうの。強くてね、毎年必ず咲くんだよ。まっすぐ、空に向かって」
 少女は頷き、小さな手を伸ばしてそっと一輪を見つめた。

 遥は立ち上がり、ゆっくりと風を受ける花たちに目をやる。

 たとえ誰かに「遠回りだ」と言われてもいい。立ち止まりながらも、彼女は前を向いてきた。

 アリウムのように、何度でも芽を出し、何度でも花を咲かせながら。
 それが、自分にとっての「不屈の心」なのだ。

7月22日の誕生花「マツヨイグサ」

「マツヨイグサ」

基本情報

  • 学名:Oenothera stricta Ledeb. ex Link
  • 科名:アカバナ科
  • 属名:マツヨイグサ属
  • 原産地:南アメリカ原産
  • 開花時期:4月~5月
  • 花の色:黄色(種類によって白やピンクもある)
  • 草丈:30~150cmほど

マツヨイグサについて

特徴

  • 夕方から夜にかけて花を開き、翌朝にはしぼむ「一夜花」として知られる。
  • 夏から秋にかけて、道端や河川敷、空き地などでよく見られる丈夫な植物。
  • 花は鮮やかな黄色で、夕暮れや夜の薄明かりの中でひときわ美しく映える。
  • 夜行性のガや昆虫を引き寄せて受粉を行う性質を持つ。
  • 可憐でありながら生命力が強く、毎日新しい花を次々と咲かせる。


花言葉:「気まぐれ」

由来

  • 花が夕方になると開き、朝にはしぼんでしまう独特の咲き方が、移り気で気まぐれな印象を与えることに由来する。
  • 昼間には閉じているため、花を見られる時間が限られ、その神秘的な姿がつかみどころのない性質を連想させた。
  • 毎日決まった時間に開花と閉花を繰り返しながらも、短い時間だけ美しく咲く姿が、「気まぐれ」という花言葉につながった。


「夕暮れだけの約束」

 夏の終わりが近づいたある日、彩乃は仕事帰りに川沿いの遊歩道を歩いていた。

昼間の暑さが少し和らぎ、空は茜色から群青色へとゆっくり色を変え始めている。

昼間は人でにぎわう道も、この時間になると静けさが戻り、聞こえるのは風に揺れる草の音と、川のせせらぎだけだった。

ふと足元に目を向けると、小さな黄色い花が一輪、夕暮れの光を受けて咲いていた。

「マツヨイグサ……。」

祖母に教えてもらった花だった。

昼間には目立たないその花は、不思議なことに夕方になると静かに花びらを開き、朝にはしぼんでしまう。

まるで夜だけを生きる花だった。

彩乃はしゃがみ込み、その可憐な姿を見つめた。

昼間には見えなかった花が、まるで「待っていたよ」とでも言うように咲いている。

その様子は少し気まぐれにも見えた。

会いたいときには姿を見せず、気づけば静かに咲いている。

だから昔の人は、この花に「気まぐれ」という花言葉を贈ったのだろう。

しかし、その花を見つめているうちに、彩乃は別のことを思った。

本当に気まぐれなのは、この花なのだろうか。

あるいは、人の心なのではないだろうか。

彩乃には学生時代から親友だった美咲がいた。

二人は何をするにも一緒で、進学も就職活動も励まし合いながら歩いてきた。

ところが社会人になって数年が過ぎる頃、少しずつ連絡が減っていった。

美咲は海外で働く夢を追いかけ、彩乃は地元で家族を支えながら働く道を選んだ。

生活も価値観も変わり、以前のように毎日話すことはなくなった。

「昔はあんなに仲が良かったのに。」

彩乃は何度もそう思った。

寂しさを感じるたび、「人の気持ちは変わるものなんだ」と自分に言い聞かせていた。

ある日、美咲から久しぶりに一通の手紙が届いた。

『ずっと連絡できなくてごめんね。でも、離れていても彩乃のことはいつも応援していたよ。』

その一文を読んだ瞬間、胸が熱くなった。

変わったのは距離だった。

変わったのは生活だった。

けれど、友情そのものは変わっていなかった。

人は環境によって会う時間も話す回数も変わる。

だからといって、想いまで消えるわけではない。

夕暮れのマツヨイグサも同じなのかもしれない。

昼間は花を閉じている。

だから見えない。

でも、咲いていないわけではない。

その時を静かに待っているだけなのだ。

彩乃は翌日も同じ時間に遊歩道を歩いた。

昨日見た場所へ行くと、やはりマツヨイグサは夕日に合わせるように花を開いていた。

一日だけの偶然ではない。

毎日同じ時間に咲き、朝には静かに閉じる。

それを何度も何度も繰り返している。

気まぐれどころか、とても誠実な生き方だった。

決して自分勝手ではない。

誰にも見られなくても、自分だけの時間を大切に咲いている。

「私は、この花を誤解していたんだ。」

彩乃は微笑んだ。

人は見えない時間だけを切り取って、「変わった」と思ってしまう。

でも、その人にはその人の咲く時間がある。

頑張る時間。

休む時間。

夢を追う時間。

誰かを思う時間。

それぞれが違うだけなのだ。

夏が終わりに近づく頃、彩乃は美咲から届いた手紙を持って再び遊歩道を訪れた。

空には細い三日月が浮かび、風は少しだけ秋の香りを運んでいる。

黄色いマツヨイグサは今日も静かに咲いていた。

風が吹くたび、小さな花が揺れる。

その姿は、まるで夜にだけ開く小さなランプのようだった。

彩乃は手紙を読み返しながら、ふと思った。

「気まぐれって、悪いことじゃないのかもしれない。」

人は毎日同じ気持ちではいられない。

嬉しい日もある。

悲しい日もある。

夢が変わることもある。

好きなものが変わることもある。

それは心が揺れている証ではなく、生きている証なのだ。

マツヨイグサも、昼には閉じ、夜には咲く。

それは迷っているからではない。

自分が最も輝ける時間を知っているからだ。

誰かと同じように咲く必要はない。

自分らしい時間に、自分らしく咲けばいい。

彩乃は空を見上げた。

西の空に残っていた夕焼けは消え、群青色の夜空には星が一つ、また一つと輝き始めていた。

その光を受けながら、マツヨイグサは静かに風に揺れている。

派手ではない。

昼間なら見過ごしてしまうほど控えめな花。

それでも、夜という舞台では誰よりも美しく輝いていた。

彩乃は深く息を吸い込み、小さく笑った。

「私も、私の時間に咲けばいい。」

誰かと比べなくていい。

急がなくてもいい。

見えないところで努力を続け、自分だけの花を咲かせれば、それで十分なのだ。

歩き出した彩乃の後ろで、マツヨイグサは夕風に揺れながら、今日も静かに花を開いていた。

それは「気まぐれ」ではなく、「自分らしく生きる勇気」を教えてくれる、小さな黄色い灯火だった。

そして彩乃は、その優しい光を胸に抱きながら、ゆっくりと新しい明日へ向かって歩き続けた。

6月17日、7月22日の誕生花「リアトリス」

「リアトリス」

リアトリスは、細長い穂状に小さな花を咲かせる北アメリカ原産の多年草です。紫や白の花が下から上へ順に開花する特徴があり、夏から秋の庭を彩ります。切り花としても人気が高く、凛とした美しさと存在感を持つ花です。

基本情報

  • 和名:ユリアザミ(ユーリアザミ)
  • 学名:Liatris spicata
  • 科名:キク科(Asteraceae)
  • 属名:リアトリス属(Liatris)
  • 原産地:北アメリカ
  • 開花時期:6月~9月
  • 草丈:60cm〜120cm
  • 花色:紫、ピンク、白など

リアトリスについて

特徴

  • 花の形:花穂状(縦に長く伸びた穂状)で、細かい花が密集して咲く。上から下に向かって咲き進むという珍しい咲き方をする。
  • 茎・葉:茎は直立し、細長い葉が茎に沿って密につく。
  • 耐寒性・耐暑性:どちらも強く、初心者にも育てやすい。
  • 用途:花壇や切り花、ドライフラワーに人気。

花言葉:「燃える思い」

リアトリスの花言葉のひとつが 「燃える思い」 です。この由来は主に以下の要素からきています:

  1. 花の形と咲き方
    • 真っすぐに天を突くような花穂の姿が、まるで炎が燃え上がるように見えるため。
    • 鮮やかな紫やピンク色が情熱を感じさせる。
  2. 咲き方の特徴
    • 上から下へと徐々に咲いていく様子が、内に秘めた感情が徐々に表に現れていく「燃え上がる思い」のように映る。
  3. 多年草としての生命力
    • 強い生命力で毎年咲き続ける様子が、一途で熱い想いを象徴しているとされる。

「燃える思い」

夏の風が、古びた駅舎のホームを通り抜けていく。セミの鳴き声が響く中、陽子は一輪のリアトリスを握りしめて立っていた。

 紫色の花穂は、まるで空へ向かって燃え上がる炎のようだった。
 それは、あの日彼が最後にくれた花――「リアトリスっていうんだ」と微笑んで渡してくれた、たった一輪の花。

 陽子が彼――拓真と出会ったのは、ちょうど二年前のこの駅だった。

 大学の夏休みに田舎の祖母の家へ向かう途中、乗り換えのために立ち寄ったこの無人駅。電車の遅延で時間を持て余していた陽子は、ベンチで本を読んでいた。そのとき、「それ、面白い?」と声をかけてきたのが拓真だった。

 見知らぬ土地、見知らぬ人。けれどその声はどこか懐かしく、安心感を与えてくれた。

 それから毎年の夏、陽子は祖母の家を訪れるたびに彼と会い、駅の近くの林道を一緒に歩いた。木漏れ日の差す小道、そしてリアトリスが咲く草原――そこがふたりの秘密の場所になった。

 リアトリスは、背の高い花で、紫の穂が空へと向かって一直線に伸びていた。

 「ほら、上から順に咲くんだよ。不思議だよな。まるで……心が燃えてるみたいだ」

 彼がそう言ったのを今でもはっきりと覚えている。

 ある夏、彼は突然、東京に行くと言った。

 「夢を追いたい。花の研究がしたいんだ。園芸じゃなくて、生態の方に興味があるんだ」

 陽子はその言葉を応援した。でも心のどこかでわかっていた。あの草原で会う日は、もう戻ってこないかもしれないと。

 それでも、別れの日、彼は一輪のリアトリスを手渡してくれた。

 「これは俺の“燃える思い”だ。君に出会って、花の意味が変わったよ」

 その言葉に、陽子は泣いた。

 それから一年が経ち、陽子は彼からの手紙を待ち続けたが、返事はなかった。連絡先も変わり、消息もわからない。

 諦めかけていた今年の夏、祖母の家に届いた一通の封筒。差出人の欄には「T. K.」の文字とともに、東京の病院の名前が記されていた。

 封を切ると、そこには短いメッセージと、押し花になったリアトリスの花が一緒に入っていた。

 《最後までリアトリスのように、上を向いて咲いていたよ。君に出会えて、本当に幸せだった》

 拓真の姉からの手紙だった。

 陽子は涙をぬぐい、草原へと向かった。いつもの小道を抜けると、そこには今年もリアトリスが風に揺れて咲いていた。

 空に向かって、まっすぐに――まるで彼の想いそのもののように。

 陽子はそっと、持ってきた一輪のリアトリスを花畑に添えた。

 「燃える思い……ちゃんと、受け取ったよ」

 空の青さの中で、紫の花が静かに揺れていた。

ナッツの日

7月22日はナッツの日です

7月22日はナッツの日

ナッツの記念日は、「7 なな、2 ツー、2ツー」の語呂合わせで、日本ナッツ協会が1996年に制定されています。

ナッツは種実類

落花生、くるみとフルーツ

ナッツは種実類のことをいい、かたい皮や殻に包まれた食用の果実や種子の総称です。一般的に木の実をナッツと呼ばれています。

ナッツは栄誉が豊富!

栄養が豊富なナッツ

ナッツといえば、お酒のつまみというイメージです。しかし、実際おつまみだけではもったいないほど、栄養価が高いそうです。ナッツのひとつアーモンドのビタミンEは、かぼちゃの約5倍含まれていて、食物繊維はキャベツの約5倍。他にも血液をサラサラにするオレイン酸も豊富です。

ナッツを普段の食事に

ピスタチオ

ナッツは、他にもダイエット、メタボや高血圧を予防にも良いとされています。おつまみやおやつだけでなく、普段の食事に上手に加えて、美容と健康のために適度に摂取しましょう!


「ナッツの日」に関するツイート集

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ディスコの日

7月22日はディスコの日です

ディスコの日

1978年7月22日、ジョン・トラボルタ主演の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」が、日本で初めて公開されました。そして、MCとミキシングの両方をこなすDISCO DJのスペシャリスト「DJオッシー」が、この魅力をより多くの人に知ってもらうことが目的で、この日を「ディスコの日」として制定しました。また、この「ディスコ」は、レコードで音楽を流してダンスを踊る空間として、1970年代から若者の人気を集めてきました。

ディスコの歴史

社交場としてのダンスホールは、実はかなり昔からあったそうです。しかし、第二次世界大戦中に生バンド演奏が困難になり、その状況に困ったナイトクラブがバンド演奏の代わりにレコードを流しました。それが、ディスコ形態の始まりとされています。

パリ、「ラ・ディスコティーク」

パリの街並み

1942年3月、パリに「ラ・ディスコティーク」と呼ばれるナイトクラブが開店します。そして、第二次世界大戦後の1947年8月、やはりパリで「ウイスキー・ア・ゴーゴー」をオープンします。アメリカ人の「エルマー・ヴァレンタイン」は、フランス旅行中にこのナイトクラブを訪れ、刺激を受けました。

世界的なゴーゴーブームの原点がスタート!

そして、1964年1月にエルマーは、ロサンゼルス・サンセット大通りにアメリカ版「ウイスキー・ア・ゴーゴー」をオープンします。このことから、生バンド演奏と女性DJ、レコード演奏を併用したことが評判を呼び、世界的なゴーゴーブームの原点となります。当時のアメリカ・ニューヨークでも「ペパーミントラウンジ」などナイトクラブが存在していましたが、当時はライブ演奏とダンスホールが基本だったそうですが、1968年には「フランシス・グラッソ」が「DJによるナイトクラブ」を提案し、ニューヨークに「サルヴェイションⅡ」をオープンします。

ニューヨークで一気に広がり、ディスコの原型が完成

さらに、1969年になると「サンクチュアリ」をはじめ複数の店が続々とオープンし、70年代ディスコの基本形のようなものがを確立します。これらのお店はロフトを利用したり、教会を改装するなど今まであったナイトクラブのやり方にこだわらない空間だったそうです。またそこは、最新の流行音楽のレコードを流し、DJによる個性的なプレイやミキシングなども行っていたといいます。

ジェームス・ブラウンやクール&ザ・ギャングが登場!

Doing It To Death – James Brown

その後は、ジェームス・ブラウンやクール&ザ・ギャングなどが人気を集め、初期ディスコ音楽の主流となります。そして、1970年代になるとニューヨークに「ニューヨークニューヨーク」や「スタジオ54」といった巨大ディスコがオープンします。その中でも1977年にオープンした「スタジオ54」はファッショナブルなセレブが集うニューヨークならではのナイトクラブとなっています。

40代~50代の客中心にディスコが復活!?

六本木ヴェルファーレの閉店後、日本のディスコの灯は一旦途絶えますが、2010年11月に「マハラジャ六本木」が復活。それをきっかけに、バブル期に青春を過ごした40代~50代の客が再び人気を集め、大阪や名古屋、祇園や仙台も続々と復活したそうです。さらにディスコの復活は、ホテル業界に刺激を与えて「グランドハイアット東京」で2005年末からイベントを実施しているようです。

私は、バブル崩壊後に大人として社会に出てきた人間です。やはり当時の日本は、敗戦のどん底から這い上がり、経済大国となると輝かしい実績を挙げ、誰もが誇らしげにしているように思えました。これも若者が、がむしゃらに仕事と向き合い、そのストレスをディスコなどで発散しながら突っ走った結果なのでしょう。


「ディスコの日」に関するツイート集

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7月15日、21日、8月17日の誕生花「ネムノキ」

「ネムノキ」

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基本情報

  • 学名:Albizia julibrissin
  • 科名/属名:マメ科/ネムノキ属
  • 原産地:日本(東北以南)、朝鮮半島、中国、台湾、ヒマラヤ、インド
  • 開花時期:6月〜7月(初夏)
  • 別名:ネム、ネムノキソウ、シルクツリー

ネムノキについて

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特徴

  • 花の特徴
     細い糸状の花がふわふわと放射状に広がり、淡いピンク色の雲のような見た目が特徴的です。夜になるとふわっと閉じる姿が優雅で幻想的。
  • 葉の特徴
     昼間は開いていますが、夜になると葉が閉じる「就眠運動(しゅうみんうんどう)」をすることでも知られています。この性質から「眠る木=ネムノキ」という名がついたと言われています。
  • 樹形
     成木は枝を大きく横に広げ、傘のような形になります。公園や庭木としても人気があります。

花言葉:「胸のときめき」

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ネムノキの花言葉の一つに「胸のときめき」があります。その由来には以下のような理由が考えられます。

◎ 花の姿が、やさしく触れるような甘やかさ

ネムノキの花は、糸のように細くて柔らかく、ふわりと空気をまとうように咲きます。遠くから見ると、まるで恋心がふんわりと花開いたような、繊細でやわらかな印象を与えます。

◎ 夜に眠る葉と、静かな情感

夕方になると葉が閉じて眠るようすは、誰かを想ってそっと胸を押さえるような、静かなときめきや感情の動きを連想させます。

◎ 見た人の心に残る、幻想的な美しさ

咲くのは夏の夕暮れ。淡紅色の花と涼しげな緑の葉が夕風に揺れるさまは、どこか儚く、見た人の胸に「なぜか心がざわめくような」気持ちを呼び起こします。


「夕暮れの合歓木(ねむのき)」

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坂の途中、古い図書館の裏手に、大きなネムノキがある。誰が植えたのかは知らない。けれど、夏になると決まって淡いピンクの花を咲かせて、まるで空気に溶け込むように、ふわふわと枝を揺らす。

 その木の下で、私はいつも彼を待っていた。

 彼の名前は直(なお)。
 大学のサークルで出会って、なぜか自然と話すようになって、でもいつの間にか、私の方ばかりが彼を目で追うようになった。講義のあとも、飲み会のあとも、二人でこの木の下を歩いた。恋人未満の曖昧な距離。でも、その時間が好きだった。

 「この木、知ってる? ネムノキって言うんだよ」
 ある日、直がそう言った。
 「“合歓”って書くんだ。葉っぱが夜に眠るから、“眠る木”って意味らしい」
 「眠る木……」
 「なんか、優しいよな。疲れたとき、そっと目を閉じるみたいでさ」
 そう言って、彼は葉の影を見上げた。夕方の光が彼の頬に当たって、細いまつげの影が頬に落ちていた。私はその横顔を、胸の奥がきゅっとなる思いで見ていた。

 それが、私の「ときめき」の始まりだったのかもしれない。

 季節が進んでも、私たちの距離は変わらなかった。近くて、遠い。心は触れそうなのに、指先はまだ届かない。

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 夏の終わり、私は勇気を出して聞いた。
 「直、誰か好きな人、いるの?」
 しばらく沈黙があって、彼は静かに笑った。
 「いるよ。でもたぶん、気づいてもらえてない」

 その言葉の意味が、自分を指しているのか、それとも違う誰かなのか、私は聞き返すことができなかった。

 そして秋が来て、彼は海外の大学院に進むことになった。お別れはあっけなくて、私たちは最後も、ネムノキの下で会った。

 「この木のこと、たぶんずっと忘れない」
 そう言った彼の声が、ひどく遠くに感じた。
 「……うん。わたしも」
 と答えるのが精一杯だった。

 その夜、ネムノキの葉は、いつもと同じように眠るように閉じていた。まるで私の胸の奥で、小さくたたまれる想いを真似るように。

 それから数年が経ち、私はこの町に戻ってきた。図書館の裏手、ネムノキは変わらずそこに立っていた。枝は少しだけ大きくなっていて、花はやっぱりふわりとしたまま、夏の夕暮れに揺れていた。

 そっと手を伸ばして、花に触れる。
 やさしく、甘やかで、そして少しだけ切ない。
 胸の奥に、あのときと同じ感情が浮かぶ。

 ――ときめき。
 触れられそうで、触れられなかった想い。

 「……久しぶり」
 後ろから、聞き覚えのある声がした。

 振り返ると、直がいた。あの頃と変わらない笑顔で、私を見ていた。

 「この木、まだ咲いてるんだな」
 「うん。……あのときと同じ」
 「いや、ちょっとだけ、違う」
 そう言って、彼は私の隣に立った。

 ネムノキの花が、私たちの頭上で揺れていた。
 夕風が吹き、胸の奥で、小さなときめきが再び目を覚ます。
 今度こそ――触れられるような気がした。

7月21日の誕生花「ミント」

「ミント」

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ミントはシソ科の多年草で、爽やかな香りが特徴のハーブです。種類が豊富で、ペパーミントやスペアミントなどがよく知られています。料理やお菓子、ハーブティー、アロマなど幅広く利用され、清涼感のある香りは気分をリフレッシュさせてくれます。丈夫で育てやすい反面、繁殖力が非常に強いため、鉢植えで育てるのがおすすめです。花言葉は「美徳」「効能」「温かい心」などがあります。

基本情報

  • 学名:Mentha
  • 科名:シソ科
  • 原産地:寒帯と中・南米、インド、中部・西アフリカを除く、ほぼ地球全域
  • 開花時期:7月~9月(種類により異なる)
  • 草丈:30~80cm程度
  • 多年草/宿根草(寒さに強く、毎年芽を出します)

ミントについて

特徴

  • 爽やかな香り
     ミントといえば、スッとした清涼感のある香りが特徴です。この香りは、主成分である「メントール」に由来しています。種類によって香りの質が異なり、スペアミントやペパーミントなどがあります。
  • 生命力が非常に強い
     地下茎でどんどん増えるため、放っておくと庭一面を覆ってしまうほど。鉢植えでの管理が推奨されるほどです。
  • 薬用・食用・香料としても優秀
     古代ギリシャ・ローマ時代から、消化促進や気分をリフレッシュさせる薬草として使用されてきました。現代でもハーブティーやアロマ、料理のアクセントなど幅広く活躍しています。
  • 小さく可憐な花を咲かせる
     紫や白、ピンクなどの小さな花が、茎の先や葉の間に集まって咲きます。葉に注目されがちですが、花もとても可愛らしいです。

花言葉:「美徳」

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ミントにはいくつかの花言葉がありますが、特に「美徳(Virtue)」という言葉は、以下のような理由に由来すると考えられています。

● 清潔感と誠実さを感じさせる香り

 ミントの香りは、どこか清らかで潔癖な印象を与えます。古くから清掃や空気清浄にも使われてきたことから、「清潔=善き徳」と結びついたとされます。

● 人の心を癒すやさしさ

 ミントは鎮静作用やリフレッシュ効果があり、人の心と体にやさしく働きかけます。そのような内面的な優しさや誠実さ=美徳とみなされたのでしょう。

● 古代神話との関係

 ギリシャ神話では、ミントは冥界の神ハーデスに愛されたニンフ「ミンテ(Minthe)」が変身させられた植物とされています。彼女の純粋な心が、変わらぬ香りと姿で残されたという説話が、花言葉「美徳」に通じるとも考えられます。


「ミントの香りが届くころ」

街の片隅、小さなハーブ専門店「アテナの庭」は、いつも静かに時間が流れている。通り過ぎる人は多いが、その扉を開ける者はごくわずか。けれど、その数少ない誰かの心には、確かな何かを残していく――そんな不思議な場所だった。

 店主の名は、ミナ。年齢不詳で、笑うとどこか懐かしい香りがした。彼女が好んで使うのは、いつもミントのエッセンシャルオイル。店内にはドライミントの束があちこちに飾られ、訪れた者の鼻先を、そっと撫でてゆく。

 ある日、ひとりの少女が扉をくぐった。白い制服に身を包み、うつむいたままの表情。高校帰りらしく、肩には重そうな鞄。ミナは笑顔で「いらっしゃい」と声をかけた。

 「ここ……ハーブ屋さん、なんですよね」

 少女は棚を見つめながら言った。「母が好きだったって聞いたんです。ミントの香りが落ち着くって」

 話を聞けば、少女の母親は半年前に病で亡くなったという。母娘の思い出は少ないが、最期に病室で言った一言が忘れられなかった。

 ――あの香りがあると、心が静かになるのよ。

 少女は、ミントの束を一つ選び、店の奥で丁寧にラッピングしてもらった。

 「ミントにはね、花言葉があるのよ。『美徳』っていうの」

 ミナが包みながら、静かに話し始めた。

 「清らかで誠実な心。人を思いやる優しさ。見返りを求めない、凛とした愛情……そんな徳が、香りの中にあるって、昔から言われてきたの。ギリシャ神話では、冥界の神に愛されたニンフが、姿を変えてミントになったのよ」

 少女は目を丸くして、「ニンフ?」とつぶやいた。

 「そう。『ミンテ』という名の美しい精霊。彼女は、ハーデスという神に愛されたけど、その愛は叶わなかった。けれどね、ミンテの心は、変わらぬ香りとして、ずっと人々に届き続けている。たとえ姿が見えなくなっても、そのやさしさは、誰かのそばにあるの」

 しばらく沈黙が流れた。

 「……母も、そうだったのかな」

 少女が、ぽつりと言った。

 「きっと、そうだと思うよ」

 ミナはそっと包みを手渡した。「あなたが思い出すたびに、その香りは強くなる。美徳って、そういうものだから」

 帰り際、少女は一度だけ振り返った。ミントの香りが、風に乗ってゆっくりと広がっていった。

 その夜、少女は部屋でミントの束を花瓶に差した。母の写真のそばに置いて、深く深く、息を吸い込んだ。

 胸の奥が、少しだけ、あたたかくなった気がした。

 それは、言葉ではなく、香りで伝わる想い。

 姿を変えても、失われないやさしさ。

 ――ミントの香りが届くころ、誰かの心には、確かな「美徳」が宿るのかもしれない。