菌活の日

5月24日は菌活の日です

5月24日は菌活の日

2013年5月24日は、きのこ総合企業のホクト株式会社がテレビコマーシャルで「菌活」という言葉を全国で初めて発信した日です。それにちなんで、ホクト株式会社がこの日を「菌活の日」として制定しました。

菌活とは?

菌活とは

まずは、菌活とはなにかを調べてみました。そもそも今回の「菌」とは、どの種類の菌を示しているかというから説明します。その菌は、訓読みの「きのこ」を表します。そして、その「きのこ」だけでなく、納豆ヨーグルトも加え、その栄養素や効果効能に注目し、美容と健康のために効果的な働きをする良い「菌」を積極的に摂り入れる活動を 「菌活」という習慣が作られました。

腸を元気にして便秘や肌荒れを予防

腸を元気にして便秘や肌荒れを予防

毎日、バリバリ働く女性はちょっとした不調や悩みは多くの人が持っています。厚生労働省の調査によれば、実際に便秘で悩んでいる人の割合は、全体の約4分の1もいるそうです。そして、その便秘やストレスなどで腸の調子が悪くなると、腸に溜めた有害物質などが血管を使って体内に広がり、肌荒れや疲労など様々な不調が現れるそうです。

菌活をして元気に長生きをしたい

菌活をして元気に長生きをしたい

現在では、ヨーグルト納豆きのこなど身近な菌食材を取り入れて腸を元気にする習慣が、TVやネットなどの影響で当たり前になりつつあります。さらに、新型コロナ等の感染拡大により、腸内環境を整える効果を期待して、免疫力アップの点からも注目されているようです。これからも「菌活」をさらにたくさん取り入れ、腸を元気にしていきましょう。


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5月22日の誕生花「レモン」

「レモン」(檸檬)

基本情報

  • 学名Citrus limon
  • 分類:ミカン科(Rutaceae)・ミカン属(Citrus)
  • 原産地:アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部
  • 果実の特徴
    • 楕円形で先端に小さな突起がある
    • 黄色い果皮に酸味の強い果汁
    • ビタミンCが豊富で、風邪予防や美容に効果があるとされる
  • 樹高:通常2~6メートル
  • 花の色:白(時に外側が薄紫がかる)
  • 開花時期:5月中旬~6月上旬(主な開花期)、6月中旬~11月(品種によって適時、開花)

レモンについて

特徴

  • 香り高い果実
    爽やかな酸味と強い香りが特徴。果汁や果皮は料理、製菓、飲料、アロマオイルなどに利用される。
  • 四季咲き性
    温暖な気候では年に複数回開花・結実することもある。
  • 観賞価値も高い
    光沢のある葉や美しい白い花、小さく実る黄色い果実が美しく、観葉植物としても人気がある。

花言葉:「情熱」

レモンの花言葉にはいくつかありますが、「情熱」という言葉は特にその強い香りと鮮烈な酸味に由来します。

由来の考察:

  1. 香りと味が刺激的で印象的なこと
    レモンの持つ強い香りや酸味は、嗅覚や味覚を強く刺激します。この「強く訴えかける」性質が、内に秘めた熱い思い、すなわち「情熱」を連想させます。
  2. 花の清らかさと果実の力強さの対比
    レモンの花は小さく白く、繊細で清楚な印象を与える一方、果実は鮮烈な色と風味を持ちます。このコントラストが、「内なる情熱」を象徴すると考えられています。
  3. 古代からの薬効や神話的イメージ
    古代地中海世界では、レモンは健康・美・活力を象徴する果実とされてきました。その生命力あふれるイメージが、情熱や活力と結びついたともいわれます。

「レモンの情熱」

六月の風は、まだ夏の匂いを運んでこない。
だが、陽射しの角度が少し変わっただけで、庭のレモンの木はそれに気づく。小さな白い花を、静かに咲かせはじめた。

「ほら、咲いたよ」
祖母の庭で育てていたレモンの木を、私は何年ぶりかで見に来た。

小さな五弁の花は、思い出よりもずっと繊細だった。
けれどその香りは、一瞬であの夏を思い出させる。

——あのとき、私は東京から逃げてきた。
大学生活の息苦しさ、期待と失敗、誰にも話せない焦燥感。
祖母の家の庭にあるレモンの木の下で、ただぼうっと日を浴びていたあの頃。

「情熱っていうのよ、この花の花言葉」
祖母は言って、白い花を一輪、私の髪にそっと飾ってくれた。

「レモンが情熱? 似合わない」
私はそう笑った。
酸っぱいし、トゲがあるし。清楚でもないし。

「でもね、あの花がなかったら、あの果実はできないのよ。
最初は小さくて、だれも気にとめないのに、
やがて太陽を浴びて、あんな鮮やかな黄色になるの。
時間をかけて、自分で光を集めていくのよ」

祖母の言葉が、今ごろになって胸に刺さる。
あの頃の私は、強い香りや味に耐える余裕がなかった。
けれど、今の私は違う。情熱は、派手な炎ではない。
見えなくても、静かに続く熱のことだ。

「レモネード、飲む?」
従妹が笑いながら差し出してくれたグラスには、氷とレモンの輪切り。

一口飲むと、きりっとした酸味が舌を刺激する。
けれど不思議と、その刺激が心地よい。
冷たさの奥に、日差しのような温かさがある。

「これ、庭のやつ?」
「うん。去年、たくさん採れたから冷凍してたの」

果実は確かに情熱のかたちだ。
香りは記憶を呼び起こし、味は感情を動かす。

あの頃は知らなかった。
白い花に、こんなにも強さが宿っていたことを。

「情熱って、案外静かなのね」
私はそう呟いた。

従妹がきょとんとこちらを見る。
その視線の奥に、かつての自分がいる気がして、思わず笑ってしまった。

夕暮れ、レモンの木に残る最後の陽が差す。
小さなつぼみが、まるでこちらを見上げているようだった。

私は一輪、咲きかけの花をそっと手折り、ポケットにしまう。
香りを連れて、もう一度、自分の暮らしへ戻ろう。
あの静かな情熱を、胸に秘めて。

難病の日

5月23日は難病の日です

5月23日は難病の日

2014年5月23日、難病患者を支援する最初の法律「難病法」(難病の患者に対する医療等に関する法律)が成立しています。それに伴い、「難病・長期慢性疾患」、「小児慢性疾患」等の患者団体や地域難病連で構成される「患者と家族の会」の中央団体「日本難病・疾病団体協議会」(一般社団法人)がこの日を記念日として制定しました。この日の目的は、患者や家族の思いを一人でも多くの人に知ってもらうためのきっかけとすることです。

難病とは

治療が困難な病気

難病というのは病名ではなく、原因がわからず治療が困難な疾病を一般的にこう呼ばれています。この呼び名は、日本だけのものであり、海外には難病という表現はありません。以前、結核やハンセン病も原因不明であったため、不治の病と判断されて難病といわれていました。したがって、現在は医療の研究が進んで原因が究明され治療法も確立されて難病と呼ばれなくなったものも数多く存在します。

難病法の歴史

色々な難病

スモン(薬剤スモンによる患者の感染病)という病気の原因解明を機に、難病対策の必要性が高まって1972年に厚生省は「難病対策要綱」をまとめています。それ以降の難病対策は、研究事業の一環にごく限られた疾患に対して、毎年の予算措置として行われていたそうです。また、日本マルファン協会が法人設立した2007年のころ、マルファン症候群は難病に指定されておらず、研究班もない状況でした。

マルファン症候群等の難病指定

マルファン症候群 【指定難病167】

当協会は、マルファン症候群(大動脈や骨格、皮膚、眼、肺、硬膜など体のさまざまな部位の結合組織が脆くなる病気)等の難病指定を求める署名活動も行い、多くのみなさんにご協力いただき、 そして、日本難病・疾病団体協議会にも加盟し、ようやく2014年5月23日にその難病法が成立しました。そして、2015年7月1日から新たに「医療費助成制度」や「就労支援」などの総合的な対策が始まっています。

マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群(指定難病167)
概要:大動脈、骨格、眼、肺、皮膚、硬膜などの全身の結合組織が脆弱になる遺伝性疾患。

公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター

AI技術で難病を解決する!?

最先端医療

現在、「難病」で苦しむ人を救うための方法として注目を集めているのが、最新の医療技術バイオテクノロジーを活用したアプローチです。例えば、AI技術を新薬の開発プロセス(AI創薬・再生医療ベンチャー)などを取り入れる方法がその代表的な方法といえます。難病になるほど、新薬の開発難易度や開発コストが高くなり、従来とは異なる創薬技術のニーズは大きくなります。

ビックデータがAIをさらに進化させる

そこでAIに学習させるビッグデータが重要なカギとなります。この問題を解決すれば、AI技術の飛躍的に進歩して、難病が大幅に減少するでしょう。そして、時代と共に難病も無くなり、最先端の医療技術によって、我々に病気という不安と恐怖を少しずつ払拭してくれると信じます。


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5月21日の誕生花「バラ」

「バラ」

RalphによるPixabayからの画像

基本情報

  • 学名Rosa
  • 分類:バラ科バラ属
  • 原産地:アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部
  • 種類:およそ200種以上、園芸品種は2万以上存在
  • 開花時期:5月中旬~6月上旬(主な開花期)、6月中旬~11月(品種によって適時、開花)
  • 形状
    • 一重咲き〜八重咲きまでさまざま
    • 色は赤、白、ピンク、黄、オレンジ、青みを帯びた品種など豊富

バラについて

🌸♡💙♡🌸 Julita 🌸♡💙♡🌸によるPixabayからの画像

特徴

  • 美しい花姿:整った花びらの重なりや鮮やかな色彩が魅力。
  • 芳香:多くの品種が甘く濃厚な香りを放つ。
  • トゲ:茎に鋭いトゲがあり、外敵から身を守る役割。
  • 育てやすさ:種類によって異なるが、日当たりと風通しを確保すれば比較的育てやすい。
  • 用途:庭園用、切り花、香料(ローズオイル)、食用(ローズウォーター、ジャム)

花言葉:「愛」「美」

Нина ИгнатенкоによるPixabayからの画像

バラが「愛」と「美」を象徴する理由は、古代からの文化・神話・文学に深く根ざしています。

1. 古代ギリシャ・ローマ神話

  • 美と愛の女神**アフロディーテ(ヴィーナス)**がバラと深く結びつけられていました。
  • 神話では、アフロディーテが恋人アドニスを失った悲しみの涙がバラに変わったとも言われています。

2. 中世ヨーロッパの騎士道文化

  • 貴婦人への愛の証として騎士がバラを贈る慣習がありました。
  • バラは「秘めた愛」「高貴な美しさ」を象徴し、恋愛の贈り物として定着。

3. 花の象徴性

  • 鮮やかな赤は情熱的な愛を、
  • 純白は純粋な美と尊敬を、
  • ピンクは優しさと幸福を象徴します。

📝 補足

  • 赤いバラ:もっともポピュラーな愛の象徴
  • 白いバラ:純潔・尊敬
  • 黄色いバラ:友情や嫉妬(文化によって異なる)
  • 青いバラ:奇跡・不可能への挑戦(近年のバイオ技術で作出)

「薔薇の涙」

CouleurによるPixabayからの画像

古びた石畳の道を、一人の老婦人が静かに歩いていた。手には、一輪の赤いバラ。

その道の先には、小さな古書店がある。年に一度、この日にだけ彼女はその店を訪れる。そして、何も語らず一冊の本を棚から取り出し、ページをめくる。ページの間には、押し花になったバラの花びらが一枚、そっと挟まれていた。

「アドニスの日だね」と、店主の青年が声をかける。

老婦人は、微笑みながら頷いた。

彼女の名はクラリス。若かりし頃、舞踏会で出会った青年、アドニスと恋に落ちた。彼は芸術を愛する詩人で、繊細で美しい言葉を紡ぐ人だった。

出会った夜、彼は一輪の赤いバラをクラリスに手渡しながらこう言った。

「君は、この花よりも美しい。けれど、バラと同じで、人を愛する力を持っている」

その日から、二人は毎週のように会い、愛を育んだ。バラ園で過ごした時間、詩を読み交わした静かな午後、そして、雨の日に交わしたくちづけ。すべてが、宝石のように心に残っている。

だが、運命は残酷だった。

ekremによるPixabayからの画像

アドニスは戦火に巻き込まれ、帰らぬ人となった。最後に届いたのは、彼の詩集と一輪の赤いバラだけだった。バラはすでに枯れていたが、クラリスはそれを丁寧に押し花にして、詩集に挟んだ。

「なぜ、バラだったのか、最近ようやく分かったのです」とクラリスはつぶやいた。

「バラは、美しいけれどトゲもある。愛はそういうもの。傷ついてもなお、美しさを失わない」

その年、クラリスは詩を一つ書いた。アドニスの書いた詩と並ぶように、それは詩集に挟まれた。

あなたの涙がバラに変わるのなら
私の愛も、香りとなってあなたに届くでしょう
美は消えず、愛は枯れず
ただ、時の彼方に咲き続けるだけ

老婦人は本を閉じ、押し花をそっと戻した。

「また来年、会いましょうね」

その一輪のバラに、誰に向けたとも知れぬ言葉を残して、彼女は静かに店を後にした。

バラは「愛」と「美」の象徴。だがその裏には、失われた時間と、決して枯れぬ想いがある。

クラリスのように、誰かの心に咲き続ける薔薇が、今日もまた、一輪。

うなぎの未来を考える日

5月22日はうなぎの未来を考える日です

5月22日はうなぎの未来を考える日

2009年5月22日、マリアナ諸島付近で天然ニホンウナギの卵を採取することに世界で初めて成功し、うなぎの完全養殖化への道が開けてきました。それにより、株式会社鮒忠が提唱する「うなぎの未来を考える日」普及推進委員会がこの日を記念日として制定しました。この日の目的は、限りある天然資源のうなぎを絶滅から守り、うなぎの生態と正しい食文化を広め、後世に残すことだそうです。

日本人とうなぎ

うな丼

日本人にとって昔からなじみのあるうなぎは、約5000年以上前の縄文時代から残る貝塚にもその骨が出土していることからわかります。また、今の日本でも夏の時期で立秋前の「土用の丑の日」に暑さを乗り切るためには、うなぎを食べると滋養のあるとされてきた風習(諸説あります)が定着しています。実はこの「うなぎ」、これまで生態があまり明らかではなく、「どこで生まれて、どこを経由して、日本にやって来るのか」が謎でした。しかし、日本人の食文化に深く愛されてきたということから、絶滅しそうな資源の見直しや研究が着々と進められてきました。

ニホンウナギ

二ホンウナギ

現在では、世界に19種類のうなぎが存在していますが、日本人が食しているうなぎの殆どが「ニホンウナギ」で、その中の99%が養殖物です。しかし養殖とはいえ、その養殖うなぎの種苗は100%を天然のシラスウナギに依存しています。そのおかげで「ニホンウナギ」資源は年々減少し、2013年の環境省によれば近い将来、絶滅する危険性が高い生物としてレッドリストに登録されているそうです。また、世界の野生動物専門家などによって構成される国際自然保護連合(IUCN)でも、2014年に絶滅の危険性が高いということでレッドリストに指定されています。

完全養殖が実現

うなぎの完全養殖研究

現在のうなぎは、産卵からふ化、そして成長までを2010年に研究によって完全養殖は実現しています。しかし、まだまだ商業化するレベルではないようです。それが実現できない理由がいくつかあるようなので紹介します。

サメの卵である餌の問題

うなぎの餌

まず一つ目は、餌の問題です。長年の調査研究の結果、サメの卵が有効であることが判明したそうです。しかし、そ餌の資源が豊富ではないためにサメの卵の代わりとなるものの開発が必要となっています。

性成熟させる技術

うなぎは、人工の水槽では殆ど雄になってしまうため、普通に水槽で飼っているだけでは受精できません。そのために、うなぎの産卵を促す生殖腺刺激ホルモンを与えます。しかし、この技術が難しく現在では、遺伝子レベルでうなぎ自身のホルモンを合成し、卵や精子を安定して得られる技術開発が進んでいるそうです。

大型の水槽が多数必要!?

1000リットルの大型水槽

水産総合研究センターでは、1000リットルの大型水槽で卵をシラスウナギにまで育てることに成功しています。しかし、仔魚からシラスウナギまで育つ確立は5%ほどだそうです。そして、大量のシラスウナギを育てるには、多くの水槽が必要とされています。

これから夏に備えて!

ビタミンBが豊富なうなぎ

うなぎは、ビタミンB群が豊富に含まれていてます。それが不足すると、せっかく重要な栄養を摂取してもエネルギーに変換されず、結果疲れやだるさか起こるといった夏バテ症状になります。このように、うなぎはただ美味しいだけではなく、これから夏の猛暑に向けて重要な栄養源になります。だからこそ、今後は限りある天然資源のうなぎを絶滅から守るとともに、いかに日本の食文化を維持できるかを考え、世界に発信していきたいと思います。


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5月20日の誕生花「カタバミ」

「カタバミ」

基本情報

  • 分類:カタバミ科 カタバミ属
  • 学名Oxalis corniculata
  • 和名:カタバミ(片喰)
  • 英名:Creeping woodsorrel
  • 分布:日本全土、世界の温帯〜熱帯地域
  • 生育環境:道端や庭、畑など、日当たりのよい場所
  • 開花時期:5月〜9月(地域によって異なる)

カタバミについて

特徴

  • :三つ葉で、クローバーに似ています。葉は就眠運動(夜になると閉じる)をします。
  • :黄色く小さい花(直径1cm程度)を咲かせます。
  • :地を這うように伸び、節から根を出して広がります。
  • :熟すと種子がはじけ飛ぶ「裂開果」を持ち、繁殖力が非常に高いです。
  • 名前の由来:「片喰」は、葉が食われたように見えることから。「酢漿草」は、草全体にシュウ酸(酸味)があることに由来します。

花言葉:「母のやさしさ」

カタバミの花言葉の一つに「母のやさしさ」があります。

これは、以下のような理由からとされています:

  • 葉の形がハートを思わせる三つ葉で、やさしさ・愛情を象徴していること
  • 茎が地を這い、どんどん根を出して広がる様子が、子を守り育む母のように見えること
  • 小さくて目立たないが、たくましく生きる姿が、控えめで強い母親像に重なること

さらに、夜になると葉を閉じて休む性質(就眠運動)も、「子どもを寝かしつけた後にそっと寄り添う母」を連想させ、優しさの象徴とされてきました。


「夜の葉音」(はおと)

祖母が植えたカタバミが、庭の片隅に今も広がっている。

「踏んでも、ちぎれても、また生えてくるのよ。不思議な子よねぇ」

そう言って祖母はよく笑った。小さな黄色い花を指先でつまみながら、まるで昔の思い出を撫でるように。

私は子どもの頃、その花の名も知らず、ただ「雑草」と呼んでいた。踏んでは叱られ、抜いては「また生えてくる」と笑われた。でも、あの笑顔が好きだった。目立たないけれど、そっと見守るようにそこに咲いていた花と、祖母はよく似ていた。

祖母が亡くなったのは、春先の肌寒い日だった。庭に出ることも少なくなっていた私は、しばらくカタバミの存在も忘れていた。

ある晩、ふと夢に祖母が出てきた。柔らかな声でこう言った。

「夜になると、葉っぱも眠るのよ。誰にも見えないやさしさって、そういうもの」

目が覚めてから、不思議な気持ちで庭に出た。夜の闇の中、懐中電灯で照らしたカタバミの葉は、静かに閉じていた。まるで手を合わせるように、あるいは小さく丸まる子どもを包む手のように。

私はその姿に、なぜか涙が出た。

小さくて、踏まれても、忘れられても、そこにいる。目立たず、声もあげず、ただそっと支える。

その姿は、まぎれもなく祖母だった。そして、母であり、そして――

私も、そうありたいと思った。

朝になり、陽が差し込むころ、カタバミの葉は再び開いた。小さな黄色い花が、光に向かって咲いていた。春の空気の中、どこか懐かしい香りがした。

私はその日、庭の片隅にしゃがみ、そっとカタバミを撫でた。

「ありがとう、おばあちゃん」

優しい葉音が、風に乗って返ってきた気がした。

リンドバーグ翼の日

5月21日はリンドバーグ翼の日です

5月21日はリンドバーグ翼の日

1927年5月21日、アメリカのチャールズ・リンドバーグ(1902~1974年)が、「スピリット・オブ・セントルイス号」という名の飛行機で大西洋無着陸横断飛行に成功し、パリの「ル・ブルジェ空港」に着陸しました。実は、その前日20日の午前7時52分にニューヨークを離陸し、その時の単葉単発単座のプロペラ機に非常用パラシュートを所持していなく、サンドイッチ4つと水筒2つ分の水、1700リットルのガソリンを積み、睡魔と寒さと戦いながら命がけの飛行を行ったそうです。

歴史的偉業を達成したリンドバーグ

チャールズ・リンドバーグ

リンドバーグは、この偉業を達成したことで、世界的な名声とニューヨーク―パリ間を無着陸で飛んだものに与えられるオルティーグ賞とその賞金25000ドルを獲得しました。当時の感覚ではそれほど大変な出来事であり、無着陸飛行を達成した時に「ル・ブルジェ空港」に75万人から100万人の観客の数が押し寄せたともいわれています。

プロペラ機「スピリットオブセントルイス号」

スピリットオブセントルイス号

そのとき使用したプロペラ機「スピリットオブセントルイス号」は、リンドバーグの指示で長い距離の飛行を可能にするため、大量のガソリンを積めるカスタマイズが施された機体でした。また、操縦席の前方に燃料タンクが設置されたことで、座席から直接前が見えなかったとそうです。高性能の大型機材を準備すれば、こういう設計にはしなかったと思いますが、当時彼は無名のパイロットであったため、リンドバーグには出資者が少ないのが現状でした。そのために、前方の視界を犠牲にして燃料タンクの大きくするという方法を取ったそうです。

たった一人の過酷な飛行

大西洋単独無着陸飛行が成功

今回の飛行では、バックアップのパイロットを乗せることができなかったため、ニューヨークからパリまでの全行程をリンドバーグ一人で操縦する過酷なものでした。そのリンドバーグは単独の飛行「大西洋単独無着陸飛行」を初めて成功していますが、実は1919年に「ジョン・オールコック」と「アーサー・ブラウン」の2人が既に「大西洋無着陸飛行」を達成していたそうです。リンドバーグが大西洋単独無着陸飛行を成功させた日が5月21日だったため、その偉業に敬意を表して、この日が記念日となったとのことです。

「翼よ、あれがパリの灯だ」

翼よ、あれがパリの灯だ

ちなみにリンドバーグの名言で、「翼よ、あれがパリの灯だ」という言葉が日本語で広まっていますが、『The Spirit of St.Louis』という言葉の和訳で英語圏では存在しないセリフだそうです。これは後世になり、脚色されていますが実際には、着陸後に最初に発した言葉は、「誰か英語を話せる人はいませんか」説と、「トイレはどこですか」説のどちらが2つの説が存在しているそうです。

命がけの過酷な単独飛行

いずれにしても彼が成し遂げたことは、ライト兄弟人類初宇宙旅行に匹敵する偉業です。いずれも危険を顧みず、決して現在のようなバックアップ体制も充実していない状況下でも人類の第一歩を成し遂げてくれてくれました。そのことは、誰でも簡単にできるようなことではなく、また我々人類の未来を変えてくれたことに敬意を払うべきだと思います。


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5月19日の誕生花「サツキ」

「サツキ」

基本情報

  • 学名Rhododendron indicum
  • 科名:ツツジ科(Ericaceae)
  • 属名:ツツジ属(Rhododendron)
  • 原産地:日本
  • 開花時期:5月下旬〜6月上旬(旧暦の5月=皐月)
  • 花色:赤、ピンク、白、紫、絞り模様など
  • 樹高:一般的には30cm〜1m程度(仕立て方により異なる)
  • 用途:庭木、盆栽、公園・道路の植え込みなど

サツキについて

yeondoo leeによるPixabayからの画像

特徴

  • 開花時期の遅さ:同じツツジ属の「ツツジ(特にヒラドツツジなど)」よりも遅れて咲きます。これが「サツキ」と呼ばれる所以でもあります(旧暦の5月=皐月に咲くため)。
  • 葉が小さめで光沢がある:葉は小ぶりで密に付き、硬め。盆栽に使いやすい樹形をつくるのに適しており、盆栽愛好家に人気があります。
  • 品種が豊富:交配により多くの園芸品種が存在し、花色や模様にバリエーションがあります。
  • 耐暑性・耐寒性:比較的強く、育てやすいが、日当たりと風通しのよい場所を好みます。

花言葉:「貞淑(ていしゅく)」

意味:「貞淑」とは、清らかで慎ましく、誠実な女性らしさを表す言葉です。

由来:

  1. 花の佇まい
     サツキの花は派手すぎず、上品で落ち着いた美しさを持ちます。華やかでありながら控えめな印象が、「奥ゆかしさ」や「慎み深さ」といった日本的な美徳を連想させ、「貞淑」という花言葉がつけられたと考えられています。
  2. 季節感と伝統性
     旧暦5月(皐月)は、田植えの季節でもあり、勤勉で家庭的なイメージとも結びついています。慎ましく、凛とした季節に咲くことも、「貞淑」という意味にふさわしいとされたのでしょう。
  3. 盆栽文化との関係
     サツキは長寿であり、手入れが必要な植物です。丁寧に育てられる姿も「貞淑な女性」のイメージと重なります。

「皐月のひかり」

祖母の庭に咲くサツキの花は、毎年、梅雨の気配が漂いはじめる頃に静かに咲きはじめる。幼いころからその風景を見て育った私は、大人になっても変わらぬその庭の風景に、どこか安心を覚えていた。

その年、祖母が倒れた。

幸い命に別状はなかったが、療養のために入院することになり、古い家と広い庭は、しばらくのあいだ空になった。私は、離れていた東京の生活を一時中断し、祖母の家に戻る決意をした。

庭のサツキは、祖母が大切にしてきた盆栽の一つだ。手のひらほどの鉢に収まったその花は、毎年欠かさず花をつける。控えめで、それでいてひとつひとつの花に凛とした存在感がある。

ある日、ふとした拍子に、祖母の書斎の引き出しから、古い日記帳を見つけた。茶色く変色したページには、丁寧な筆文字でこう書かれていた。

「サツキが咲きました。貞淑とは、誰かに仕えることではなく、自分をまっすぐに保つこと。花のように、どこにも媚びず、ただ季節が来たら咲く——そんな生き方を私はしたいと思う。」

それは、祖母が私に語ったことのなかった一面だった。

祖母は、戦後まもなく結婚し、農家に嫁いだ。祖父を早くに亡くし、一人でこの家と畑と、母を育ててきた。その姿は、私にとって「強い女性」の象徴だったが、同時に、ひとつも愚痴をこぼさず、飾らず、いつも静かに微笑んでいた。

「貞淑」とは、昔ながらの女性像の押し付けのようにも聞こえていたけれど、祖母にとっては、誰に何を言われようとも、自分の信じる姿で咲き続けるという、芯の強さの表現だったのだ。

私はその日から、毎朝、祖母のサツキに水をやりながら、その言葉を胸に繰り返すようになった。

季節が移り変わり、祖母が退院して帰ってきた。

「ただいま」

「おかえり、おばあちゃん」

縁側に並んで座ると、祖母は小さく微笑んで、庭のサツキを見つめた。

「今年も咲いてくれたねぇ。あの子はほんと、律儀な子だよ」

私も微笑んで、そっと頷いた。

「うん。私も、そんなふうになりたい」

祖母は少し驚いたような顔をしてから、ゆっくりとうなずいた。

「大丈夫。咲きたいときに咲けばいいの。花は、誰かのために咲いてるわけじゃないんだから」

サツキの花びらが、淡い風にゆれていた。

静かで、でも確かに強く咲いている。その姿はまるで、祖母そのものだった。

世界ミツバチの日

5月20日は世界ミツバチの日です

5月20日は世界ミツバチの日

国連はスロベニアの提案により、花粉を媒介する生物の重要性を再確認するため、近代養蜂の先駆者であるスロベニア人「アントン・ヤンシャ」の誕生日である5月20日を、「ワールド・ビー・デー」(World Bee Day)と定めました。また、国連食糧農業機関欧州連合は、2017年に定められた「世界ミツバチの日」を、花粉を媒介するミツバチなどを保護するための世界的な取り組みを呼び掛けています。

重要な存在のミツバチ(花粉媒介者)

ミツバチなどの花粉媒介者

ミツバチなどの花粉媒介者は、多くの栄養豊富な果物や野菜、そしてナッツ類の生産に重要な働きをします。また、生産されているアーモンドは皆、アーモンドの花に受粉するミツバチに依存しているそうです。カリフォルニア・アーモンド協会農業担当ディレクターの「ジョゼット・ルイス博士」は、「アーモンド農園のミツバチが短期の間、そのミツバチたちの健康を保護して増進することは、アーモンド生産農家が成功するために大切なことです。

また、当協会は米国の花粉媒介者団体と協力して、ミツバチがアーモンド農園以外で過ごす残りの期間も、ミツバチの健康に大きな影響を与えるパートナーとも協業しています。」と述べています。世界の食料の9割の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介しているため、ミツバチは生態系はもちろん、人間にとっても重要な存在であることは確かだということです。

ミツバチの経済効果は66兆円!?

ミツバチの巣

実は、経済効果の側面からみてもミツバチなどのような花粉媒介者たちの存在は偉大で、国連の科学者組織「IPBES」では、花粉を運んで我々人間が行っている農作物作りに貢献しているハチたちが生じる経済効果は世界全体で最大年5,770億ドル(日本円で約66兆円)に上るそうです。

「働き者」ハチの経済価値66兆円 世界的減少で食料危機の懸念も

花粉を運び農作物作りに貢献するハチなどの生物がもたらす経済的利益は世界全体で最大年5770億ドル(約66兆円)に上ると指摘した報告書を・・・

産経ニュースより引用

ミツバチの習性!?

蜜蝋

ミツバチは、最も近くの甘い蜜をもつ1種類の花を選び出し、群生して効率的に蜜を集める習性があるために、花ごとの蜜が自然に溜まります。そこで蜜を集める役目の働きバチは、甘い蜜を持つ花を見つけると巣に戻り、八の字のダンスで巣の仲間に知らせます。ですが、全て1種類から花の蜜だけを集めるというのではなく、必ず少量は他の花の蜜も混入します。それはミツバチの中にもひねくれ者がいて、どんなに甘い蜜が近くにあっても何匹かは他の花に飛んで行ってしまうことがそうです。しかし、このひねくれ者たちは、次に行く花の情報を収集する偵察隊の大役を果たしているとか。

働きバチ

働きバチの群れ

ミツバチの巣は、約6万匹もの大家族からなり、1匹の女王蜂に対して2000~3000匹のオス蜂であり、それ以外はメスの働きバチといわれています。

ベテランの仕事、蜜集め

花とミツバチ

巣の手入れから巣房作り、ハチミツの貯蔵などの仕事を順番にこなし、「巣の中での働きを終えたベテランの働きバチ」の仕事が、巣の外に飛び出して蜜を集めることです。花から花へ飛び回り、人間の営業マンのように一生懸命に花蜜を集めます。

ミツバチはチームプレーが得意!?

巣穴に蜜ろうでフタをして貯蔵

巣の中の働きバチは、運ばれてきた蜜を巣の中で羽を使って、あおいだりしながら水分を蒸発させた後、巣穴に集めていきます。そして熟成させて、糖度が約80%のハチミツが完成したところで、巣穴に蜜ろうでフタをして貯蔵します。

素晴らしいチームワークで甘くて殺菌効果や疲労回復効果がある蜂蜜ができるというのは納得です。また、ミツバチから恩恵を得ているのは、我々が食べる野菜などの植物が育つために重要な役割を果たしているのだということも理解し、ミツバチの存在に対してもっと敬意を払いたいと思います。


「世界ミツバチの日」に関するツイート集

2025年の投稿

2024年の投稿

2023年以前の投稿

5月18日、10月5日の誕生花「キバナコスモス」

「キバナコスモス」

Tiểu Bảo TrươngによるPixabayからの画像

基本情報

  • 和名:キバナコスモス(黄花コスモス)
  • 学名Cosmos sulphureus
  • 科名/属名:キク科/コスモス属
  • 原産地:メキシコ
  • 開花時期:6月~10月(地域により異なる)
  • 草丈:50〜150cm
  • 花色:黄色、オレンジ、朱赤など
  • 花の大きさ:直径4~6cm程度

キバナコスモスについて

grainlatteによるPixabayからの画像

特徴

  • 耐暑性に優れる:通常のコスモス(Cosmos bipinnatus)よりも暑さに強く、日本の夏でもよく育ちます。
  • 成長が早く、丈夫:乾燥ややせ地にも強く、手間がかからないことから、初心者にも育てやすい花として人気です。
  • 花びらの形状:一般的なコスモスよりも花びらが丸みを帯びており、やや肉厚。
  • 茎や葉:茎はややしっかりしており、葉は切れ込みが深い羽状複葉で、軽やかな印象。

花言葉:「野性美」

Golam KibriaによるPixabayからの画像

キバナコスモスの花言葉のひとつに「野性美(やせいび)」があります。

この言葉は、以下のようなキバナコスモスの特徴に由来すると考えられています:

  • 自然の中で力強く咲く姿:キバナコスモスは、痩せた土地でも元気に花を咲かせ、強い日差しの下でも鮮やかな色を放つことから、「手入れされた庭園の美しさ」ではなく「自然のままの美しさ」を体現しています。
  • 野性的で鮮やかな色合い:オレンジや黄色などのビビッドな花色が、他の植物と比べて野趣あふれる印象を与えるため。
  • 生命力の強さ:繁殖力が強く、野生でも広がることがあり、そのたくましさが「野性」を感じさせる要素となっています。

つまり、人工的な美ではなく、自然の中でひときわ輝くような「飾らない力強い美しさ」を表す言葉として「野性美」という花言葉がつけられたとされています。


「野性の色で咲く」

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

日が傾きはじめた校舎の裏庭に、ひときわ鮮やかなオレンジの花が揺れていた。

キバナコスモス──風にそよぐその姿は、まるで自由そのものだった。

「また咲いてるね」

菜摘(なつみ)は、その花を見つめながら小さくつぶやいた。

この裏庭に足を運ぶようになったのは、夏休み前のことだった。クラスになじめず、誰かと話すことも億劫になっていた菜摘にとって、ここは唯一の“逃げ場”だった。雑草交じりのこの場所には、他の誰も寄りつかなかった。

そんな場所に、ある日ぽつんと咲いていたのが、あのキバナコスモスだった。

最初は一輪だけだった。けれど、数週間もしないうちに、少しずつ増えていった。誰かが植えたわけではない。風に乗ってきた種が根付き、勝手に育ったのだろう。

──それでも、どこか凛としていた。

雨の日も、強い日差しの日も、折れもせず、堂々と咲いていた。

「きれいだな……」

誰に聞かせるわけでもない言葉が、ふと漏れた。

自分とは真逆の存在に思えた。人と上手に話せず、笑顔も作れず、居場所すら見つからない。そんな自分とは違って、何も求めず、ただ咲くことを選んでいるかのようだった。

ある日、裏庭に先客がいた。

Bishnu SarangiによるPixabayからの画像

黒い髪を短く刈り込んだ、無口そうな男子──クラスで目立つタイプではなかったけれど、名前は知っていた。「相馬(そうま)」という、理科が得意な静かな子だった。

「……この花、キバナコスモスって言うんだよ」

彼は花を見つめながら、ぽつりと言った。

「野性美っていう花言葉、知ってる?」

菜摘は少し驚いたように首を振った。

「人工的に育てられる美しさじゃなくてさ。どこにでも咲くけど、どこでもきれいで、強い。そんな花なんだって」

相馬の声は風にまぎれそうなくらい静かだったけど、不思議と菜摘の心にすっと染み込んできた。

「なんか、いいね……それ」

その日を境に、二人は裏庭でときどき言葉を交わすようになった。話題は花だったり、本だったり、空の雲だったり。多くは語らないけれど、その沈黙が心地よかった。

やがて夏が過ぎ、季節が秋に変わるころ。

裏庭のキバナコスモスは、見事に咲き誇っていた。

「すごいね……まるで、野生の絵の具みたい」

菜摘は笑った。こんなふうに、自然に笑えたのは久しぶりだった。

「ねえ、あの花……私も、ああなれるかな」

「なれるよ。だって、もう咲いてるじゃん」

相馬の言葉に、菜摘は驚いて彼の顔を見た。

「逃げ場にしてたこの場所が、咲かせたんだ。君の心にも、きっと同じ色の種があるんだと思う」

オレンジ色の光が、沈む太陽と重なっていた。

風が吹く。キバナコスモスが揺れる。

そして、菜摘の中にも、確かに何かが芽吹いたような気がした。